2017

『星恋*ティンクル』レビュー

時々思うことがある。日本の脚本家がアニメやゲームの原案を手掛けるとき、あいつら書きに書いてるうちに量産してるんじゃないかって。 …………いや、脚本家が生み出すものって、どう見てもワンパターンじゃね? って言いたいわけ。 例えばルルーシュ、例えばギルティクラウン、例えば革命機、例えば最新の……なんだっけ? カバネリ? 別に大河内一楼を悪く言うつもりはない、あの人ベスト脚本賞取ってるし。そうじゃなくて、ギャルゲーの話。脚本家がいくつものゲームを書くと、「同じ手口を使い回す」問題があるんじゃないかってこと。 実はかなり前から気づいてた。例えばゆずソフトのサノバウィッチの椎葉√と、その後に発売された鯨神のティアスティラのリル√はかなり被ってた。これが籐太の仕業かは知らないし、偶然かもしれない。でも「腕のある脚本」なら「臨機応変にできず一つのルートしか書けない」なんてことはないはずだろ。それじゃあまりにも手詰まりすぎる。 だけどな……星恋*ティンクルに関しては……もう何と言っていいか……

『Corona Blossom Vol.3 Journey to the Stars』レビュー

Corona Blossom の第三巻がついに発売された。つまり第一巻と第二巻を経て、無理やり三つに分割されたこのゲームもようやく結末を迎えたわけだ。 振り返ってみると、三巻の内容配分はなかなか規則的だ。第一巻はアルネが地球に来るところ、第二巻は敵役が姿を現すところ、そして最終巻は最終決戦(たぶん)。 第一巻は、主人公が空から降ってきた一塊の金属と出会う話。金属は宇宙の彼方から来たもので、主人公に触れて小さなロリに変身し、主人公がアルネ(R-Ne)と名付ける。その後、宇宙海賊と名乗る連中が現れて、アルネは自分たちが先に目をつけた獲物だから引き渡せと言ってくる。 第二巻は、主人公が宇宙海賊と友達になって、彼女たちもそんなに悪い奴じゃないと分かる話。宇宙海賊も徐々にアルネを諦め始め、主人公とも友達になる。ところが最後に主人公の姉が突然裏切り、自分は科学者で、アルネという宇宙人は研究に使えると言い出す。 第三巻は、敵役である主人公のかなで姉が、宇宙人アルネを実験に送ろうとする。そして主人公に、アルネの宇宙の力があれば人類は多くの難病を克服できる、宇宙のロリ一人を犠牲にすれば人類全体を救える、自分に加われと言う。主人公は拒否し、宇宙海賊と手を組んで、かなで姉に抵抗しながらロケットを作り、アルネを故郷へ帰すことを選ぶ。 最後の結末は、アルネが故郷へ帰り、主人公も町で結婚して子供をもうけ、あの年アルネと出会った夏を時々思い出す、というもの。

『仄暗き時の果てより』レビュー

実は以前は呉一郎先生のことをそんなに気にしていなかったんだが、去年のサクラノモリ†ドリーマーズで興味を持った。 で、呉先生は一年も経たないうちに新作を出してきた。仄暗き時の果てより、しかも宣伝画像を見る限りまたホラー路線。怖い話が大好きな俺にはたまらない刺激だ。前作は高開低走(序盤は良いが終盤失速)だったけど、最後はまあまあだったし、今回はさすがに教訓を生かしてくれるだろうと思ってプレイ開始。 正月気分の中でこんなホラーゲームをやるって、我ながらヤバいと思うわ…… 終わった。で、どうだったかというと……前作サクラノモリ†ドリーマーズが高開低走なら、今作はもう……後半の展開が火爆しすぎてる。
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『一千字侦探』レビュー

物理の先生と和食を食べる約束をしていたのだが、車で店まで行ってみたらその和食屋は閉まっていた…… あの店の美団に載っている電話番号に繋がらなかった時点で気づくべきだった。判断ミスだ。それにしても、店が閉まっているのに美団ではまだクーポンが買えるらしい。美団の連中はホモ活動と自転車に忙しくて店の状況まで手が回らないのか、とツッコミたくなる。 というわけで隣の火鍋屋に入ることにした。 火鍋をだいたい食べ終えたころ、物理の先生が自分の趣味の話を始めた。

『恋は夢見る妄烈ガール!』レビュー

誰かが言っていた。高度に成熟した市場では、製品の生産効率を上げ、コストを下げるために、あらゆるものが厳格に規格化され、さらには流れ作業化されるのだと…… だから日本という、エロゲーが今なお売れている特殊な場所では、ギャルゲーという形式も例外ではない。 RSSでいろんなリークサイトを購読するまでは信じなかった。日本では毎週こんなにもたくさんのエロゲーが出ているのかと……リークされるゲームのリストだけでも星の数ほどあり、まるで色欲の海に落ちたようなもので、精液の匂いのする海水にむせて溺れ死にそうになる。 リークされるゲームが多いからといって、質が高いわけではない。毎月発売される新作を除けば、大半は小規模な作品か、単純な色気だけを売りにしたもので、大した質はなく、適当に遊ぶ程度のものだ。ホラー小説が好きなら、書店で新作を待つこともできるし、ネットの怪談スレを追いかけることもできる。好みが違えば味も違う。 ただ、たくさん見ていると、自然と各種のパターンに気づく。特に日本のような極度に成熟した市場では…… えー……つまり、エロゲーにも「基本パターン」というものが存在する。安定を求めるメーカーの大半は、この基本パターンに従って作る。売上が爆発するとは限らないが、ひどいことにはならない…… そういうゲームは、そこそこの画面、そこそこのCV、そこそこのシナリオ、そこそこの価格、そして最終的にそこそこのエロゲーになる…… だから『恋は夢見る妄烈ガール!』は、まさにそういう「そこそこ」のエロゲーだ。

『妹が痔になったので座薬を入れてやった件』レビュー

痔になったことがないから、どれだけ辛いのか分からない。 痔になったことがないから、痔の治し方もよく分かってない。肛門が爛れてて座薬しかないとか誰かが言ってたけど……まあ、口が悪いのは事実だから仕方ない。内痔核とか外痔核とか混合痔とか、そういうのは全然知らない。だから座薬を一人で肛門に入れられるのかどうかも分からない…… それが分からないと、一部のゲームの設定も理解できないわけで……例えばこの『妹が痔になったので座薬を入れてやった件』とか。

『PARA-SOL』レビュー

音楽から入ってゲームを探すのが自分の悪い癖だって、前にも一度ならず書いた気がする。で、今回もうっかり《Octave Rain》を耳にして、いいじゃんと思ったらゲームのOPだった……そんでそのゲームを探して遊んだわけだ。 ゲームの名前はPARA-SOL。英語がそこそこ分かる人ならピンとくるはずだが、PARASOLってのは日傘のことだ。つまりタイトルは「日傘」って意味になる。 実はダウンロードした時は中文版だなんて思ってなかった。で、起動してみたら、うわ、漢化されてるじゃん。予想外だった…… 遊ぶ前に日本人の感想をいくつか見たんだが、大半が「序盤の展開はめちゃくちゃすごいのに、終盤の展開がクソすぎる」って言ってた。国内の界隈だと「老子には理解できねえ!」って説明の方が多かった。 分からんもんなんて山ほどあるし、自分は頭おかしい作品を見るのが得意な方だから、迷わずゲームを開いた…… それから数日かけてクリアした……ルートは一本だけ。で、二本目をやる気は完全に起きなかった…… 理由は簡単:頭おかしすぎる!

ゆのみっくにお茶して レビュー

このアルバムを見つけたのはまったくの偶然で、少し前にGoogle Plusの社交界の名媛Fubuki Hoshinoが推薦したリンクからSoundCloudをぶらぶらしていたら、新天地を発見した。 SoundCloudには確かにたくさんの音楽家が活躍していて、もちろん音楽ファンのほうがもっと多い。多くのRemixerや音楽家がSoundCloudで自分の作品を発表することを選んでいて、まあ大部分の作品は…………個人的にはかなり雑だと思うけど、同じように光る作品も少なくない。 SoundCloud上の大部分のRemixやオリジナル作品は電子制作の音楽が中心で、そりゃ誰でもバンドを組めるわけじゃないから、それが原因で上の音楽はリズム感が強く、電子風が濃厚になっている。実はこの設定を受け入れてしまえば結構クセになるもので、個人的にもいくつか面白い曲を見つけた。例えばaiobahnという人の最新曲『永久の宴』はなかなか特徴的で、しかも欧米の好みに合う特色がある。 欧米ではサビの部分で突然巨大な低音を使ってリズム感を深めるこの動感の方式をDrop the beatと呼ぶ。目ざとければ、あの『永久の宴』のコメント欄に欧米のガイジンがそのbeatのdropにどれだけ満足しているかも見えるはずだ…… もちろんSoundCloudにはこういうドンドコ系の音楽だけじゃなく、日系寄りのものもある。ただ大多数はやはり電子風が中心で、一部の同人サークルが宣伝ページにSoundCloudの試聴リンクを添付しているのも一つのルートだ。 そして『ゆのみっくにお茶して』という小さなアルバムはここで発見された……

『あきゆめくくる』レビュー

エロゲー会社の中には、自社作品のテーマをアピールするために季節に絡めた企画を打ち出すところがある。 しかもその企画がエスカレートして、「四季作品」シリーズなんてものをやらかすことも……つまり、四季それぞれを舞台にした四つの作品を展開し、異なる物語を語るというわけだ。 目を覚ませ、日本に送ろうとして税関で止められた包丁やカミソリをしまえ。新島夕の話も、ナツユメナギサの話も、はつゆきさくらの話もしていない。俺が言っているのは渡辺僚一と木緒なちがタッグを組んだ「季節假名ABB」シリーズのことだ。
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『Amenity's Life』レビュー

日本のことを抗日戦争と蒼井そら・松島楓先生のレベルでしか知らない連中が日本に抱く印象といえば、「変態」「思考回路がぶっ飛んでる」「プレイが多様」「歪んでる」とか、まあそんなところだろう。 この手の見方も理解はできる。だってほら、少なくとも中国大陸で目にする日本の社会ニュースといえば、足フェチがコーラ片手に他人の足を30分舐めたとか、耳かき専門のマッサージ店とか、奇妙奇天烈なサービスとか、見た目は完全に無意味なのに妙に気持ち悪いオタク用オナホとか、女の大便を専門に食べるとか、聖水を飲むとか、もうキリがない…… 本来、日本は道徳的抑制が非常に厳しい国のはずなのに、そういうものがあるからこそ、発散の場は逆に開放的になるわけだ…… とはいえ、他の地域だって歪んでないわけじゃない。大陸の社会ニュースを漁ってみれば、歪んだ例は少なくない。俺の知り合いの中学の女子同級生なんか、朋友圈で「鄭州の大通りで純血の『足フェチ』に遭遇して、丁寧に足を撮らせてほしいと頼まれた」って書いてた。しかもキスしたいとも言われたとか……で、その同級生はOKしたらしい。 これが本当の「歪み」や「変態」なのかは分からんが、言いたいのは、社会の常識から外れた連中なんて世界中どこにでもいるってことだ。ただ日本がそれを進んでスポットライトの下に引っ張り出してるだけ。 「オタク」と「ACG」文化は最初から「色情」の沼にハマってるように見える。内容の大半は性にまつわるものだ。もっとも、そんなもんを見てる連中に性経験があるわけでもないんだが……だから他人からの印象も良くなるはずがない。同級生が俺を他人に紹介するとき、気を利かせたつもりで「この子のことは気にしないで、二次元だから君らには興味ないの」と補足したときの、あの何とも言えない気まずさよ…… ACG文化が生んだもっとぶっ飛んだ発想のおかげで、日本には「萌化」と「娘化」という面白い趣味がある。女の子が見つからないなら、身の回りのモノを女の子にしてしまえと。電車が女の子になれば、電車に乗るときはまるで女の子の身体の中に入った気分になれる。万年筆が女の子になれば、ペンを握るときはまるで女の子の細い指を揉んでいる気分になれる……コーラが女の子になれば、ペットボトルを揉むときはまるで黒タイツを撫でている気分になれる。ポカリスエットが女の子になれば、君が……ああもういい。 だからAnimeだろうがComicだろうがGameだろうが(まあACGって言葉を日本人が作ったわけじゃないし、向こうはマンガでComicなんて使わないけど)、「モノが娘化して主人公になる」ゲームは必ずある。特にGalgameではな。俺は草泥馬の娘化も見たし、クジラの娘化も、ロボットの娘化も、カメラの娘化も、電車の娘化も、妖刀の娘化も見てきた。人間じゃない鬼や神なんてもちろん、動物やら何やらもな……だから今さら「あるゲームのヒロインがスマホの娘化です」と言われても、これっぽっちも驚かない。 いや、驚くどころか、むしろ当然だろと思う。俺は毎日自分のスマホを30分撫でてるんだが、もしかして心の底ではもうスマホを女の子だと思ってるんじゃないか?