2021
俺は新島夕に対してかなり思い入れがある。彼が書いた『初雪桜』が、初めて「うわ、ギャルゲーってこんなこともできるんだ」と思わせてくれたゲームだったからだ。何しろそれまで俺が遊んできたギャルゲーは、ありきたりな学園恋愛もので、毎日ヒロインと会話して、時間が来たら告白して、そのままエッチして終わり、というパターンばかり。ところが新島夕はなんとかなり特殊な展開をぶち込んできたので、俺の中で彼の印象はすこぶる良くなった。
その後も新島夕は次々と新作を出した。『魔女恋愛日記』だの、あの『しんあい彼女』だの、評価は彼を叩くものが多かったけど、俺は彼には才能があると思っていた。ただギャルゲーのユーザー層に理解されていないだけで、時には小説でも書けばいいのに、ギャルゲーなんていう安っぽいものを作るべきじゃないとすら思っていた。
そしたら新島夕がクソ野郎の麻枝准とつるみ始めたと聞いた。二人で商業互賛して、Summer Pocketsをでっち上げ、さらには新島夕が枕のホモどもと一緒に『サクラの刻』を作るだとか……
俺が新島夕のことなんか忘れかけていた頃、今月発売のゲームに『アインシュタインより愛を込めて APOLLOCRISIS』なんてものがあるのを見つけた……
みんな知ってる通り、最近の日本エロゲー業界は終わりかけていて、8月にしたってロクに張り合える大作が一本も出なかったもんだから、退屈しのぎに別のゲームを漁るしかなかったわけだ。
そんなとき、たまたまとあるブログで『幻觉』ってギャルゲーを絶賛してるのを見かけたんだが、面白いことにその制作元「灰烬天国」の前作『旧手表』がSteamでなかなか好評らしい。
Steamの国産ギャルゲーは、あれこれネタに走って自爆した連中を除けば、たいてい評価は高い。まあ『旧手表』は特にシナリオ面で高評価だったし、なにより俺が暇で暇で仕方なかったってのもあって、『旧手表』+『幻觉』のセットを購入してプレイ開始。まずは当然『旧手表』からだ。
ゲームのボリュームは長くも短くもないってところか。正直に言うと、『旧手表』は俺の予想をはるかに上回ってきた。昔触った「オタク濃度が高すぎて吐き気がする」ようなゲームどもに比べれば、『旧手表』にはある程度本物の「国産ギャルゲー」の片鱗があったし、長所も短所もはっきりしてる。だからこの記事ではこのゲームと続編、そして今ぞくぞく出てくる「国産ギャルゲー」について思うことを書いてみる。今回はあらすじ紹介もなければ、激しいツッコミもしない(国産ギャルゲーをディスると叩かれるらしいんでな)。ただの随筆で、思いつくままに書く。
咸魚には、MicrosoftのWindows Hello顔認証に対応した改造カメラを売っている人がたくさんいる。要はノートPCからカメラを集めてきて、自分で改造してUSBデバイスにしたもので、PCに挿せばIR顔認証対応カメラとして使えるという代物だ。原価はそんなに高くないはずだが、外装はほとんどが3Dプリントか金属スペーサーで、見た目はちょっと怪しい。まあ、じっくり見なければ特に問題はない。とにかく安いのが大事だ。
結局、69元送料込みのを買った。他の出品者は79元から99元以上、しかも送料別がざらだったからだ。
届いてみると案外シンプルで、3Dプリントの外装の中にノートPCから取り外したカメラが入っているだけ。ケーブルは付属していないが、自分でUSBケーブルを見つけてPCに挿した。主に職場のPCで使うためで、OSも最近話題のWindows 11だ。
付属の外装には両面テープが付いていて、モニターの上端に簡単に貼り付けられる。こんな感じで:
最初はこの新しいMELLOWという会社と、かつてのMMEとの関係を振り返ろうかと思ったんだけど、考えてみれば意味ねえなと。だってMMEはもう死んでるんだし、だったら直接このゲームの話をしたほうがいい。
ゲームは元MMEで最もネタを振るスクリプター「垂花」によるものだ。あの、やたら大乱交や援交を書くやつ。たまにはマトモな仕事もしてたから、発売前から「こいつ絶対なんかやらかすだろ」という匂いがプンプンしていた。
アサガオは夜を識らない。
タイトルは日本語で見るとなかなか文芸的だ。アサガオは漢字で「朝顔」、紫色の……ラッパ状の花を指す。中国語で言うところの……えーと、要するにアサガオだ。直訳すると「朝顔は夜を知らない」だが、作中では「夜」に「あい」とルビが振ってある。つまり漢字の「愛」だ。そうするとタイトルの意味は「朝顔は愛を知らない」になる。
ちなみにヒロインの名前もアサガオで、このダブルミーニングの匂いがプンプンしてくる。表記は「朝顔は夜を知らない」、実際は「ヒロインは愛を知らない」ってわけだ。
ゲームは宣伝当初からずっと「本作は真の純愛を描く」と強調していた。
経験者はわかってるだろう。脚本家が「純愛」を連呼する時、中身がどうなるか……かつて虚淵玄も純愛を語るとか言って「愛の戦士」を自称してたじゃないか。
宣伝画像でヒロインが抱いている血まみれのウサギを見て、俺は覚悟を決め、そしてちょっと期待もしながらゲームを起動した。
しかし、それが失望の始まりだとは知る由もなかった。
Making*Lovers は SMEE が前に出したゲームで、あれは評判が良かった。理由はいくつかある:
音楽がいい ギャグが面白い キャラが可愛い 恋愛が甘い 他の人は知らんが、俺はこの四つが主な理由だと思う。その後 SMEE は異世界転生ものをいくつか作ったあと、ようやく本質に戻るべきだと気付いたのか、この新作を出してきた。予算が足りなかったのか、新作なのに前作の皮を被せてきて、同じ『Making*Lovers』を名乗っている。だが俺から見れば、この二つのゲームには本質的な違いがある。
車ではずっとあるフィリップスOEMの充電器を使っていて、以前も話したけど、スマホを載せてナビとして使えるやつだ。当時これを選んだのは、数少ないワイヤレス充電対応製品だったからでもある。ただ何年も使ってみて、ちょっとムカつく問題がいくつか出てきた。
吸盤の固定が甘く、熱くなると落ちてくる。少なくともこの何年かで4〜5回は落ちた。頻度は低いとはいえ、運転中に落ちるのはやっぱりムカつく 視界を遮る。こんな大きな塊が真ん中にあると、時々かなり視界の邪魔になる ワイヤレス充電の出力が低すぎる。一加5を引退させてPixel 3XLに替えてからというもの、これで充電しようとしても充電できないどころか、逆に電池が減っていく 出力不足だけでなく、Pixel 3XLは熱くなるとLTEデータ通信を無効にしてしまう。こっちはナビに使ってるんだよ、データ通信なしでナビなんかできるか。なんで熱くなるかって、これが真ん中にあるからだ。冬はまだいいが、夏は調子が悪くなる とにかく、もう何年も使ったし、そろそろ替え時だ。
年初に知人から、今年ゆずソフトが新作を出すと聞いていた。
そして先日、本当に発表された。ただ予想外だったのは、それが全年齢作品だったこと。ゆずソフトは子ブランド「ゆずソフト Sour」、つまり「酸っぱい柚子」を立ち上げた。まあ柚子は元々酸っぱいだろ、というツッコミは置いておく。
何より重要なのは今回発表された作品、『Parquet』。
多くの柚子厨は新作がまさかの「全年齢」と聞いてメンタルをやられたようだが、俺は別にいいと思った。柚子には物語をちゃんと語る力がある。少なくとも『千恋万花』は良かった。あの低レベルな「発情」や「売肉」テーマを捨てて、シナリオ重視に舵を切るのもアリだ。叙事と演出がしっかりしていれば、これを機に大きく方向転換するのも悪くない……
もちろん、「叙事と演出がしっかりしていれば」、だが。
で、このゲームは実際「しっかり」しているのか?
今年はコロナのせいなのか、ギャルゲーの作品数が急減していて、しかも老舗ブランドが制作への熱意をどんどん失っていく。例を挙げるならHOOKSOFTだ。今年のHOOKSOFTとSMEEは新作の企画をかなり出してきたけど……その新作は正直一言では言い表せない出来だった。
例えばHookの『ゆびさき』は完全にSMEEの作品って感じで、SMEEの新作はむしろMoonstone Cherryっぽい。ただこの2本(まだ発売してないHookのアレも含めて)は、宣伝のスタイルから公式サイトの紹介文まで、驚くほど似通っている。はっきり言えば、この3本は「ものすごく露骨に量産ラインの痕跡がある」。
俺は昔ゆずソフトの作品を批判した時から「量産品」に強い嫌悪感を示してきた。そりゃ「量産ライン」は作業効率を上げ、コストを下げ、発売速度を速め、収益を伸ばせるだろう。でもゲームは冷たい供給品じゃない。物語性と文化を伝える媒体なんだよ。そんなものを量産ラインで作れば、コストは下がり、速度は上がり、収益も伸びるかもしれないが、ゲームそのものが当然つまらなくなる。
日系のアニメ・ゲーム作品でよく見るパターンといえば、主人公の出自が不明で、異端者扱いされて叩かれ、最後には実は救世主だったと明かされる展開だ。もちろん日本のアニメ・ゲームでは「救世主」なんて呼び方はあまりしなくて、たいていは「神様」と言う。正直に言うと、最初に日本のアニメ・ゲームを見たとき、「神様」という呼び方を聞くたびに敬意のようなものを感じていた。だって神様だぞ、全知全能の。きっと極めて優秀な頭脳と、十分なカリスマと、我々凡人が足元にも及ばない長所を備えていて、高みの見物でこちらを「凡人」と呼び、Die Mortal!と叫んで熱い深呼吸をかますんだろうな、と。
でもその後、アニメ・ゲームに「神様」が溢れかえっているのを見て、ようやく悟った。なるほど、いわゆる「神様」は日本ではシェアサイクル並みに価値がなく、神を祀る神社は日本人自身のツッコミによれば公衆トイレ並みにありふれているらしい(実際、日本の公衆トイレは全然ありふれてなんかいなくて、俺はよく駅のトイレに行く羽目になるけどな)。物語に設定された「神様」に至っては、まったく相手にする必要がない。だって大半のアニメ・ゲームの「神様」は普通の人間よりポンコツだもの。
そうしてまた「神様」を冠したゲームが登場した。おなじみ Lump of Sugar から。
FAVORITE のゲームと聞いてまず浮かぶ印象は、文芸的で、幻想的で、そしてやたら長い、というところだ。特に前作の『さくら、もゆ。』なんかは「全部が無駄話」とまでは言わないが、「くどくて長い」と言われても仕方ない出来だった。文章そのものに問題があるわけじゃないんだが、あの「日系」の「堂々巡り」がとにかく多すぎる。真剣に二人の会話を30分も眺めているのに話がこれっぽっちも進まない、なんてことがざらにあって、すぐ眠気に襲われる。以前の FAVORITE のゲームにもそういう特徴はあったけど、ここまで酷くはなかった。だからこそ俺は『いろとりどりのセカイ』や『アストラエアの白き永遠』シリーズはクリアできたのに、『さくら、もゆ。』だけはどうしても攻略を終えられなかったのだ。
しかも FAVORITE という会社はどこかミステリアスで、ゲームのリリースペースはめちゃくちゃ遅い。ただ、後になって分かったんだが、この会社の傘下には ωstar という「分社会社」があって、その ωstar がどんな「大作」を出しているかは、分かる人には分かるだろう。ああいう「大作」の人気と売上を考えれば、FAVORITE の収入も悪くはないはずで、少なくとも倒産まではまだ distance がある。だがどうやら FAVORITE はそんな座して食うだけの状況に満足できず、さらなる発展を目指したらしい。2021年にひっそりと長年使ってきた旧ロゴを捨て、より分かりやすい新商標に変更。さらにその下にこれまた分かりやすいスローガン「The Next Generation」を掲げ、同時に新作『ハッピーライヴ ショウアップ!』を発表した。この新作には従来の「F社」ファンの多くが困惑した。司田はメイン絵師じゃなくなったし、シナリオも企画も漆原雪人の名前がない。設定もあらすじもどう見ても「普通」で、女の子たちが舞台でパフォーマンスをしたいというだけの話なのだ。
こんな変化に失望した古参ファンも多いだろうが、同時に好奇の目も向けられた。新世代を掲げる FAVORITE は、本当にこのまま凡庸になっていくのか?
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