『ネコ神さまと、ななつぼし -妹の姉-』レビュー
美しい人生
いつも通りの一日、いつも通りに妹が起こしに来る。
「お姉ちゃん、朝ごはんできたよ、起きて」
俺は男なのに、妹はずっと俺を「お姉ちゃん」と呼ぶ。
「なあ、ずっとそう呼ぶの、いいのか?」
妹が出て行った直後、横から人影が現れて、黒髪の女の子がそう聞いてきた。
実はこの「女の子」は猫で、しかも「猫神」、その猫神は俺の命の恩人でもある。
すべては二週間前にさかのぼる。

一、
あの日、俺は妹と一緒に買い物に出かけて、山道で一匹の黒猫に出くわした。なかなか可愛い猫で、しかも自分から妹に懐いてきた。
「ああ、可愛い猫ちゃん!」
女の子は可愛いものに弱いもので、妹はその猫を見て足が止まってしまった。
「お兄ちゃん、この子飼おうよ?」
「ダメだ!家は人だけで手一杯だ、猫なんて飼えるか」
「お兄ちゃん~」
「ダメ!」
俺が押し通したせいで、妹は仕方なさそうにその猫を置いて、その猫もこちらの会話が分かったのか、残念そうな顔で俺たちが遠ざかる背中を見ていた。

家に帰ると、妹はずっとふさぎ込んでいた。まだあの猫のことを考えているのは分かっていた。その時、窓の外で風が吹き、雨まで降り出した。
「お兄ちゃん……あの猫ちゃん……雨に濡れてないかな……」
妹がまた俺に頼んできた……
「分かったよ……傘持って、行くぞ」
妹がふさぎ込むのを見たくなくて、譲歩するしかなかった。
最初に黒猫を見た場所に戻ると、猫はもういなかった。
「お兄ちゃん、たぶんこの先だよ!」
妹が前の階段を指さす。階段の上には小さな祠があって、猫はそこで雨宿りしているのかもしれない。
俺が階段を速足で上った瞬間、突然体のバランスが崩れて、足を滑らせ、体ごと後ろに倒れた……頭から、思い切り落ちた。

そして意識を失った。

朦朧とする意識の中で妹が俺の名前を呼ぶ声が聞こえた気がしたが、残念ながら、俺は目を閉じてしまった。
次に目覚めた時、俺は天国ではなく、自分の家にいた。
目の前に黒髪の女の子がいて、自分はあの猫だと言う。
「なあ、お前は危うく死ぬところだった、俺が助けてやったんだ」
猫を名乗るやつは高慢な様子で俺に言う。
「俺はこの土地の猫神だ。あの日お前は死ぬはずだった。だから俺は自分の体内の三つの神のかけらをお前の体に植えてやった。だからお前は死なずに済んだんだ、感謝しろ」
どうやらあの日、俺は死ぬはずだったらしい。でもあの猫が助けてくれた。

「でも勘違いするな、お前の体内の三つのかけらは俺のものだ。将来お前が回復したら返してもらうからな」
「猫神なら、何でもできるんだよな?」
俺は自分の要求を出した。
「当たり前だろ、何せ俺は神だからな」
そして俺は猫神に妹の記憶を書き換えてもらった。妹が俺を「お兄ちゃん」ではなく「お姉ちゃん」と呼ぶように。
「お前、変わってるな」猫神は不思議そうな顔で、「このご時世、男はみんな妹に『お兄ちゃん』って呼ばれたがるもんじゃないのか?」
「できるのか?」
「当然だ」
その日から、妹は俺を「お姉ちゃん」と呼ぶようになり、俺の命を救ったあの猫神も当然のように家に紛れ込み、家族の一員になった。さらに転校生に成りすまして俺たちの学校に来て、自分に名前までつけた。「風子」と。

「お前、名前あったのか?なんでこの名前なんだ?」と俺は風子に聞いた。
「えー……実はこれは俺の名前じゃなくて、俺の知り合いのやつの名前なんだ……」
二、
実は妹に「お姉ちゃん」と呼ばせるのには、深い理由がある。ただ、他人には話したくないだけだ。
妹と俺は本当の意味での血のつながった兄妹ではなく、母が同じで父が違う妹だ。母は父と結婚して間もなく、浮気をして、海外で外国人を見つけ、その外国人と通じて、妹を産んだ。
母が浮気したその外国人は、そのうち働きもせず金もなくなり、母にたかって離れようとしなかった。そしてついに事が露見して、父のところまで騒ぎになった。
父は妹が自分の子ではないと知って、最初は怒ったが、その後、母を許すことを選んだ。

父はその外国人を追い払い、自分がすべてを背負うことを選んだ。それからというもの、父は仕事が忙しく、母が俺と妹の二人を世話することになった。
しかし母はあの外国人への憎しみから、妹を虐待し始めた。この女の子にはあのクソ野郎の血が流れているからだ。
やがて妹が母に虐待されていることが父に見つかり、父は今回こそ我慢せず、母と離婚した。
それからも仕事の忙しい父は相変わらず家にいないことが多く、父はメイドを一人雇って俺たちの世話をさせた。メイドは妹を可哀想に思って、少し多めに世話をした。幼く無知だった俺は、かえって嫉妬した。
母が妹をどういじめていたか、俺は覚えている。そのやり方を、俺はもう一度妹に使った。
妹は絵を描くのが好きだったから、俺はあれを描けこれを描けと言い、妹の描いたものに難癖をつけてばかりいた。実は妹は絵の才能があったのに、俺はずっとその作品を辱めていた。

「なんだよこの絵、クソじゃねえか!」
妹はただ泣いて、次はもっと上手く描くと言う。なのに俺は当然のように妹を虐待し続けた。やがて妹と一緒に学校に通うようになって……
学校に通う妹は、自分の生い立ちのせいで、級友たちに噂され始め、同時に多くの者が妹をいじめようとした。
それを見て、俺はかえって強い反感と怒りを覚えた。
その瞬間、俺は理解した。俺は内心、この妹を気にかけていたんだと。
ついにある時、俺は我慢の限界に達し、妹をいじめようとした連中に殴りかかり、しかもかなり激しくやって、かなりひどい結果を出した。
それ以来、妹をいじめる者は誰もいなくなった。誰もが俺を見る目を恐怖に変え、俺は「ケンカ好きの不良少年」になった。

妹が俺を見る目も、少し複雑になった。
妹は言わないけど、分かっている。妹は俺が昔虐待したことを覚えているし、母に虐待された過去も覚えている。それは妹が一生癒やせない傷だ。
俺は妹にそれを忘れてほしかったけれど、俺はただの普通人間で、そんなことできない。
もし神様がいたら、きっとできるはずだ。たとえその神様が猫でも。

だから俺は猫神に頼んで妹の記憶を書き換えてもらった。自分にお兄ちゃんがいることなど忘れて、ただお姉ちゃんだけがいると思い込むように。妹に「自分はお姉ちゃんだ」という幻覚を見させるだけだが、過去の不快な記憶はすべて消え去った。妹もより楽しくなった、これでいいじゃないか。
唯一の副作用は、妹の頭に猫耳が一対生えたことくらいだが、猫神の法力のせいで周りもそれに慣れていて、実のところ大した問題でもない。
最大の不便と言えば、この「家に居座る猫神風子」だろう。
三、
風子は俺の命の恩人だけど、あの「寛大な神様」とは全然違う。いつも俺をからかっている。風子は学校では清楚に装っているが、誰もいない時は牙をむいてくる。
「おい、体の中の三つのかけら、ちゃんと返せよ!」
風子はよくそう俺に言い、さらに最後通牒まで突きつけた。
「お前の体の中の三つのかけら、一ヶ月以内に吐き出さないと、お前は死ぬぞ」
「なんでだ?」
「だってそれは神のかけらだ。お前の体内に長くいればいるほど、お前はただの人間だから、じわじわと毒されて死ぬんだ」
「どうやったら吐き出せる」
「うーん……見せてやる」
風子は自分の頭を俺の額に押し当てた。突然光が走り、俺は吐き気を覚えて、銀色の小さな甲虫を吐き出した。

風子はむしろ嫌がらず、拾って拭いて食べた。
「あれがかけら?なんで虫なんだ」
「そうだよ、でもあと二つはお前の体内にある」
「なんで一度に全部取らないんだ?」
「だってその二つは別の方法でしか吐き出させられないんだよ!」
「どんな方法だ?」
「えー……普通はな、人間は大きな刺激を受けた時に、体内に残ったかけらを吐き出すんだ」

「大きな刺激?」
「そうだよ、で、お前が怖いものって何かあるか?俺が刺激してやる~」
風子は悪い笑みを浮かべた。
俺は当惑してしまった。怖いものなんてあるか?ないような気がする……
それ以来、風子は自分の行動を開始した。いつもあの手この手で俺に「刺激」を与えようとする。突然まずい飯を食わせたり、突然自殺しようとするオタクを見せたり、突然足を滑らせて山の斜面から落ちたりなどなど……
しかし俺を「刺激して、体内のかけらを吐き出させる」ものは何もなかった。
一度死んだ人間として、本当に怖いものがないのかもしれない。でも本当に怖いものが何もないというのはさすがに極端すぎる。風子もそれに気づいていた。
夏祭りが来て、俺は妹と一緒にこの祭りに参加した。賑やかな市場に妹はとても喜んだ。
俺がトイレに行ったほんの少しの間に、妹がいなくなった……
妹を見つけた時……妹はチンピラに絡まれていた……妹がチンピラに連れて行かれそうになったその時、俺は間に合って、妹を救った……

妹が救われた瞬間、妹は泣いて、俺に叫んだ。
「お兄ちゃん!」
待て、お兄ちゃん?
妹にかけられていた枷は、やはり解かれてしまった。
四、
妹を背負って家に帰ると、妹はベッドに倒れ込んで意識を失った。
眠っているのか本当に意識を失っているのか、それとも疲れすぎたのか、俺には分からない。
妹の目尻を見ると、まだ涙があった。もう少し遅れていたら、妹はまた傷ついていたかもしれない。
俺は妹の顔の涙を拭って、立ち上がろうとした。
「行かないで」妹が目を開けて、その視線で俺に懇願した。
俺は無言で、何と言えばいいか分からなかった。妹に謝る?ごめんと言う?俺の不注意で妹をまた傷つけてしまったから、それとも妹がまだ俺を「お姉ちゃん」と呼ぶのか確認したいという迷いから?

俺が口を開く前に、唇に濡れた温かさを感じた。
それは妹のキスだった。妹の唇が俺の唇と重なった。
本当の妹なのか?それとも妹の幻覚なのか?このキスは一体何を意味するのか?
俺は昔、妹を守ると誓った。俺も昔、妹に対してあの一線を越えたいと思ったことがある。でも子供の頃の罪悪感とともに、その想いは心の奥深くに埋めて、永遠に触れないようにしてきた。
俺たちは兄妹だ。兄妹はキスしていいのか?たとえキスしても、兄妹は一緒になれないだろ。
妹、お前は一体何を考えているんだ?俺たちは兄妹だ、こんなことしちゃダメだ。
それでも、俺の心にはやはり少しの喜びがあって、それとともにやってきたのは、もっと多くの胸の痛みだった。
甘さと胸の張り裂ける思いが同時に、それは君のユーモアか優しさか。 一瞬の花火か、それとも寂しさに耐えられないのか、初めて君が私を強く抱きしめた。 そっとキスして、ぎゅっと目を閉じる。 君なのか君じゃないのか、もしかしたら、まだ分からない。 夢のように軽いキス、息をするのも怖い。欲張りすぎるのも怖い、信じすぎるのも。私の幸運は、百パーセント君。
喜びと苦しみの間で、俺と妹は、結局あの夜、禁忌の一線を越えてしまった。
五、
あの夜以来、俺には妹がいなくなり、代わりに恋人ができた。
俺たちは恋人のように、街に出て、デートして、映画を見た。
俺たちは恋人のように、恋人がするような様々なことをした。禁断の果実を味わうことまで。

そして風子も気を利かせたように、消えた。
俺と妹は……いや、恋人と、新婚旅行のような生活を送った。でも平穏な日々は、たいてい嵐の前触れだ。暗い日は、やはり来てしまった。

ある夜、ベッドのそばで寝息を立てる妹を見て、俺は窓の外の夜空を見上げ、風子がしばらく来ていないなと思った。
顔を洗って鏡を見ると……なんと自分に猫耳が生えていた!

そして鏡の後ろに、風子の姿が見えた……再び現れた風子は、奇妙な笑みを浮かべていた。
「新婚生活はどうだ?一ヶ月後に死ぬこと、覚えてるか?」
「どういう意味だ?」
「つまりだな……お前と妹の関係、進みすぎだと思わないか?」
「進みすぎ?」
「お前は兄として、元々妹に少しは想いがあった。でもそれは心に埋めておくしかなかった。なのになんで今回は埋めきれなかったんだ?そのこと、考えたことないか?」
「つまり……」
「そうだよ、俺がお前の妹の脳を操って、自分からお前に愛を告白させたんだ。同時にお前にもちょっと手を加えて、お前も抑えきれず、妹を押し倒したってわけだ」
「…………!」
俺は突然、妹とキスした時の異様な感覚が何だったのかに気づいた。あれは本当の妹の感情ではなく、操られた操り人形だったんだ……
妹は俺のことが好きなわけでも、ましてや許しているわけでもなく、なのに俺は妹に過ぎたことをしてしまった……
間違いに間違いを重ねた!
突然体内に吐き気が走り、えずきとともに、俺は新しい甲虫を吐き出した。これが風子の言う「神のかけら」だと分かった。

「おほほ、今回の刺激はやはり効いたな、また一つかけらを手に入れたぞ」
風子は独り言を言い、さらに手を振ると、俺は膝が抜けて一瞬でひざまずいた。風子は見下ろすように続けた。
「お前、まさか俺が本当に神様だと思ってるんじゃないだろうな?」
「お前は神じゃないのか?じゃあお前のその能力は……」
「まさか、この世で神様だけが能力を持つと思ってるんじゃないだろうな?はは?」

「!!」
「よし、どうやらすべて順調に進んでるな、もう寝ろ」
風子が手を振ると、俺はまた意識を失った。
六、
次に目覚めた時はもう朝で、俺は自分の部屋の、自分のベッドに寝ていた。まるで悪夢を見た直後のようだった。
「お兄ちゃん、朝ごはんできたよ、起きて」
妹がいつも通りに俺を起こしに来て、何もなかったかのようだった。
記憶ははっきりしない。何かとても恐ろしいことを経験した気がするが、思い出せない。それに今のすべてはあまりに普通に見える。
考えすぎかもしれない、俺は起きて新しい一日の生活を始めた。
今日の生活はとても穏やかに過ぎたが、俺はなぜか大切な何かを忘れている気がした。家から何かが消えたような気がした。
考えながら道を歩いていると、いつの間にかあの階段の前、あの小さな祠の前に来ていた。突然頭に電流が走ったように、ずっと忘れていた大切なものを思い出した。
「風子!」
元凶の風子がいない!

俺は必死に走って帰り、家に帰って妹に風子に気をつけろと伝えようとした。あいつがどんな神様かは分からないが、少なくともいいやつではない。
家に着くと、妹がいない。探してもどこにもいない。まるでこの世から消えたかのように。
「ほほう、妹が見つからない、焦ってるだろ~」
聞き覚えのある声、あの風子の姿からだ。
「妹をどこにやった?」
「ここじゃ話しにくい、場所を変えよう」
結局、風子は俺を裏山の展望台に連れて行き、遠くを眺め、背を向けて立った。
「教えろ、妹はどこだ?」
「ほら、あそこに寝てるだろ」
彼女の後ろのすぐ近く、地面に誰かが横たわっているのが見えた。俺が駆け出そうとした瞬間、風子は鋭いナイフを取り出して、俺の前に立ちはだかった。
「妹を助けたいか?焦るなよ」
「何がしたい?」
「最後のかけらを取り戻したいだけだ」
「お前は一体何者だ?」
「うーん……教えてもいいさ、どうせお前はもうすぐ死ぬからな。実は俺は神様じゃなくて、団藻(Volvox)に似た生物で、ちょっとした特殊能力があるんだ」
「どういう意味だ?」
「つまりだな、俺は実は他のものに寄生して生きている。例えば今は猫に寄生しているから、自然と猫になる。犬に寄生すれば犬になる。もし人間に寄生すれば……」風子
「人間になるのか?」
「そうだよ、俺には三つのかけらがお前の体内にあるから、俺が人型に化けられるのは分かるだろ?」
「じゃあなんで俺の体内のかけらを取り戻すんだ?」
「俺は団藻生物だからな、すべてのかけらが一緒になってこそ最大の効果を発揮する。お前の体に三つのかけらを分けていると、俺の能力の発揮に影響するんだ」
「じゃあなんで最初俺を助けたんだ?」
「ほほう~」風子は悪い笑みを浮かべた、「お前、まさか俺が命の恩人だと本気で思ってるんじゃないだろうな?」

「!!!!」俺は突然、風子がさっき言ったことを思い出し、よく考えれば、あの時の俺の死には多くの疑わしい点があった。まさか……
「まさか、最初は……俺を殺して、それから俺の体に寄生して、操るつもりだったのか?」
「そうだよ!」風子は大笑いした、「最初はお前を転ばせて死なせて、その隙に体に入り込んで取って代わろうと思ったんだ。でもまさかお前が死なずに重傷で済むとはな。そばにはあの余計な女もいたし、俺も三つのかけらしかお前の体に入らなかった。俺の能力のせいでお前に寄生すればお前の体も治せる。だから俺はそのまま乗じて、命の恩人、猫様だと言ったのさ」

「じゃあなんでまた取り出すんだ?」
「それはお前が知るべきことじゃない」
言葉が終わるか終わらないかのうちに、風子の手のナイフが突然俺に突きつけられた。
意外なことに……突然一人の影が俺の前に立ちはだかった……妹だ。妹はいつの間にか目覚めていた。ナイフが妹の腹部に刺さり、うめき声をあげると同時に、妹から血が流れ出た。

「私の……一番好きな……お兄ちゃんを……傷つけないで」
最後の息を吐き出すと、妹はまた倒れた。
悲しむ間もなく、風子は残念そうな顔をした。
「おやおや、本当は彼女を傷つけるつもりはなかったんだが……時間がない、仕事を終わらせないと」

風子が一歩踏み出した瞬間、俺はすぐに妹の腹部からナイフを抜き、狂ったように自分を刺し始めた……
「おい!何してる!」風子は少し慌てた。

「来るな!」俺は怒鳴った。「お前が何を欲しがっているかもう分かった。俺を刺し殺して、それから完全にお前に寄生するつもりだろ?」
「ほほう……」風子は何も言わず、目を細めて俺を見ている。
「お前は猫神なんかじゃない。ただ一時的に死んだ猫の死体に寄生して、それを動かして生き返らせただけだ。その後お前は俺の体に目をつけて、俺に寄生しようとして、俺を誘って転ばせて死なせようとした。でも失敗して、三つのかけらしか寄生できなかった。お前は俺たちを騙して、自分は神だと言った。それに一ヶ月以内にかけらを取り出さないと俺は死ぬと言ったが、本当は一ヶ月以内に、お前が寄生している猫の死体が腐るんだろ?寄生に失敗したから、かけらを取り出して、また別の誰かに寄生しようとしたんだろ?」

「どうやらお前はバカじゃないみたいだな」
「かけらを取り出すためにお前はあの手この手を尽くした。実はこの前妹がチンピラに絡まれたのもお前の仕業だろ?時間がどんどん減っているから、早くけりをつけたかったんだろ。言っておく、ナイフは俺の体にある、もしこれ以上好き勝手するなら、自分の体をめちゃくちゃに引き裂いて、お前に寄生させないからな」
「お前バカか?」風子は冷たく言った。「お前がいなくても他に寄生すればいい」
「はは、今日は一ヶ月期限の最後の日だ。死にかけの人間を見つけて寄生する時間が十分にあるとは思えない。まもなくお前の猫の死体は腐る。寄生しないと生きられないお前は、すぐに行き場を失うだろ?」
風子は何も言わず、しばらくしてから口を開いた。
「どうしたいんだ?」
「俺と妹に寄生して、二人の傷を治せ」
「簡単に言うな……」
「選択肢はないだろ、最悪相打ちだ……」
……
長い沈黙の後、風子はうなずいた。
「分かった……お前の条件を飲む、一時的にお前と妹に寄生して、一人五つのかけらで、まず二人の命を助ける。でも……二人とも500メートル以上離れるなよ、かけらが失われて、二人とも今の血みどろの状態に戻るからな」

「ああ!」
「それに、俺は永遠にお前たちに寄生するわけじゃない。新しい目標を見つけたら、俺は出て行くからな!」
「そう願うよ」
風子は苦笑して首を振り、光になって俺の体に入り、そして妹の体にも入った……
そして風子が元々立っていた地面に残ったのは、ただボロボロの死んだ猫だけだった……
…………………………………………………………………………………………
七、
久しぶりに妹と遠足に行った。今年初めてだ。
妹と手をつないで山道を歩き、笑い合う。人生最高の時間かもしれない。
「お兄ちゃん、風子は天国で元気かな?」
俺は妹に、風子はあの寄生されていた黒猫の名前だったんだと話した。猫神を名乗るあの団藻については、俺たちは誰もその名前を知らない。
「風子はもう解放された、天国ではきっと幸せだよ」
俺と妹はもう離れない。少なくとも500メートル以上離れることはない。あの団藻の化け物のためではなく、何より俺たち自身のために。

「ああ、綺麗~」
夕日の残光を見て、妹がしみじみと言った。
「ああ、綺麗だ~」
俺は妹を見て、同じようにしみじみと言った。
人生は山あり谷ありだけど、結局は平和に戻る。俺と妹は生と死を経験したけど、最終的には離れられない幸せな生活へと向かうんだ。
あなたは魔法を使える、夜を光らせる。 一二三が目を開けると美しい人生が月光の下で踊る。 地図なんて忘れて、手のひらの温度だけ。 僕らはゆっくりと花草の香る小道を歩く
雨風の後の虹こそ美しい、まるで僕らの人生のように。
美しい人生、永遠に離れない。
(完)
ツッコミ:
1、ゲームの設定が『聊斎志異』の画皮とかにめっちゃ似てる。。 2、萌え系の画風で怪異ものの話をやるっていう操作がなかなかヤバい。 3、ゲームのプロデューサー丸山剛、ググってみればわかるけど、彼はいろんな意味で「地雷専門家」だから、プロデューサー見た時点で覚悟しといたほうがいい。 4、ゲーム自体のストーリーはまあまあ通ってる、ちょっと不気味なだけで地雷ってほどじゃない。画風に釣られてきた子供たちがビビるだけの話。
コメントは中国語の本家サイトで受け付けています。このミラーは閲覧専用です。