『9-nine-はるいろはるこいはるのかぜ』レビュー

9nine - 春色春恋春之风

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ぱっれとが何を考えてるのか正直よくわからん。新作『9nine』シリーズをなんでこんなに雑にぶった切る必要があるんだ。ぶった切るだけならまだしも、そのペースがとにかく遅い。

一昨年の『9-nine- ここのつここのかここのいろ』、去年の『そらいろそらうたそらのおと』、そして今年の『はるいろはるこいはるのかぜ』。今年のこれはタイトルの通り、春色春恋春の風ってわけだ。

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ゲームを分割して売るのはもうトレンドだ。評判が良ければ続けるし、悪ければさっさと畳む。ただ「9nine」に関しては、この分割販売は明らかに場当たり的すぎる。最初の設定を覚えてるか? 主人公のいる村で異常現象が見つかって、いろんな「遺物」が世間に流出して人の体に入り込み、あちこちの人間が超能力を得た。死者まで出て、主人公も超能力バトルに巻き込まれる。、

一巻は主人公が超能力者の存在に気づく話だ。「魔眼」の超能力者が公園で石化させて女の子を殺し、同じ頃にクラスメイトの九條都も超能力者だと判明する。能力は「略奪」で、他人の聖物や能力を奪える。それからちょっと調べて……

一巻はここで終わり~

一年待って二巻が出た。二巻は何の話かっていうと、九條都の他に妹の新海天も超能力者だとわかる話だ。能力は「存在感の消去」、要は透明人間。さらに町の「超能力者組織」も見つかる。リーダー一人に雑魚が二人いて、雑魚の片割れゴーストが主人公を妙に気にして、挙げ句殺そうとする。最後は妹が能力で主人公を救う……

そして……

二巻もここで終わり……

あ、違う。二巻は実は一巻のパラレルワールドだ。ただ二巻の最後で、主人公が学校でいつもくだらねえ話をしてるあの受けっぽい親友も能力者で、しかも黒幕だってことが明かされる……

というわけでまた~一年待って、三巻が来た。予想通り三巻もパラレルワールドで、主人公と先輩の香坂春風の話……しかも元の枠組みの中で話が新たに進みそうだ。

進展って何か? まあ簡単に言える。

最初、主人公は香坂春風先輩に目をつけられる。先輩は主人公に話したいことがあるらしい。主人公は先輩がどっかの中二病超能力組織のメンバーだったのをうっすら覚えてたけど、半信半疑で先輩を知ろうとする。その後先輩の紹介でその超能力組織に紛れ込み、先輩の超能力も知ることになる。「期待を具現化する」能力だ。

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「期待を具現化」って何かっていうと、要するに四文字、思い通りになるってことだ!

ヤバいかどうか? この能力がヤバいかどうか聞いてるんだ!

ところが先輩は引っ込み思案な女で、この能力をそんなに使いこなせてない。少女漫画のヒロイン気分に浸って妄想したり、普段は女王様気分で小僧どもに崇められてる妄想をしたり、それを具現化する程度。だから先輩はやたら人気がある時もあれば、誰にも相手にされない時もあるわけだ。

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主人公がその中二病超能力組織に紛れ込んで、組織の活動を経て変なことに気づく。組織のゴーストが……妙に見覚えがある。誰かに似てる。

誰に似てるかって、主人公が毎日学校でしゃべってるあの受けっぽい親友、与一だ。

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主人公が淫獣ぬいぐるみと話し合った結果、ゴーストは親友が操る「ミラー」なんじゃないかと思い、親友に直談判しに行く。

親友はあっさり認めて、そのまま主人公(とそのハーレム)と戦いになる。

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主人公のハーレムは毎日イキってるわりに全く敵わない……逃げるしかない。

主人公がどうしようもなくなったところで、ずっと黙ってた先生が現れて秘密を明かす。主人公をずっと助けてたあのぬいぐるみ「ソフィア」は実は悪役で、ずっと「聖物を回収する」と言いながら本当は聖物を我が物にしようとしてて、ついでにちょっと破壊工作もするつもりらしい。

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さらに先生は、自分は実は「先生」じゃなくて、先生に憑依してる「イーリス」だと言う。別の世界から来た神様で、聖物の管理がどうたらこうたら。主人公に、あの中二少年どもを倒して聖物を回収するのを手伝ってほしいと頼む。

このイーリスが言うには、主人公の受け親友が持ってる能力は「魔眼」で、自分の片目なんだと。倒すのに戦闘はいらない、薬を一管飲ませればいい。その薬は能力者の魂を眠らせるから、殺さずに聖物を奪えるらしい。

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イーリスの話を聞いて、主人公もあのぬいぐるみソフィアを疑い始める。そしてぬいぐるみに聞く。

「相手を殺さずに聖物を奪う方法はないのか?」

「あるよ。薬があるにはあるけど、開発が遅すぎるし手に入れるのも難しくて間に合わない」

主人公はイーリスを信じることにして、ハーレムを連れてあの中二少年どもに毒薬を盛りに行く。薬を中二少年が買った出前の飯に混ぜて、みんなで食ったら「魂が眠る」どころか本当に死んだ。

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そこで主人公はイーリスに騙されたと気づく。あいつこそが悪役で、主人公を利用して能力者を殺し、自分の聖物も回収して両目の魔眼を手に入れ、完全に悪さを始める。そしてハーレム全員が石にされ、自分も死にかける。

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その時、主人公は突然自分の能力に目覚める……

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どんな能力かっていうと、ゲームでいう「セーブアンドロード」みたいなもんかな。セーブしてロードするアレ。主人公はロードして数日前に戻り、前周の記憶も「インストール」して全部を知り、そのままハーレムを連れてイーリスとの決戦に向かう。最初は勝てないんだけど、そのうち自分の能力がバグすぎることに気づく。何度イーリスに殺されても、主人公はロードしてまた生き返って戦い続ける……

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(ファミコンのエミュレータで、その場でセーブしてその場でロードするアレにちょっと似てる……)

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でもセーブとロードだけじゃどうにもならず、やっぱり勝てない。そこへ先輩の香坂春風が自分の能力に目覚めて、しかも能力自体がヤバいので、先輩のバフでついにイーリスをぶっ倒す。先生もイーリスの憑依から解放され、すべてが平穏に戻る。

もちろんゲームの主要内容の一つとして、その後の展開は主人公と先輩の恋愛とパコパコだ……

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ゲームの最後で、ついに最終的な秘密が明かされる。

  • ソフィヤは次の巻でこのぬいぐるみの分身じゃなく、本体が主人公の世界に降臨する
  • ソフィアはイーリスであり、パラレルワールドのイーリス。主人公が倒したのは邪悪化したイーリス(ウォークラフトの青銅竜っぽい?)
  • 能力者は九人いて、主人公とハーレムとNPCを合わせても八人。最後の一人、Overload能力を持つのは「あなた」(画面の向こうのプレイヤー)
  • 最終的な結末は次の巻で明かされるかもしれない

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正直、最初はこの巻をそこまで期待してなかった。「9nine」は最初ヒロインが三人しかいないから三巻で終わると思ってたのに、途中で「先輩分巻」が割り込んできた。どう見ても「売れたから急遽追加」で、尺稼ぎにしか見えない。元々の話の進みも遅いし、この巻はさぞ食い方が汚いだろうと。

ところが実際には、この巻が一番面白かった。最後の謎も期待させる。

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この巻で最初の謎「魔眼」が誰なのか説明され、派手な戦闘シーンもあり、話のどんでん返し(先生が善から悪へ)もある。ようやく「まともな小話を一つ語った」と言える出来だ。

特に最後の謎が次の巻への期待を膨らませる。どうやら次の巻で終わりらしい。最後の謎、一巻の「この世界はあなたが___した」というアレにも説明がつくだろう。完璧な結末を期待したい。

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ただゲームの最後にはもう、いくつか兆候が見えてる。主人公の能力は「複数の世界線を見て、自由に行き来し、何度もロードする」的なOverlordだと説明されてきたのに、最後にソフィアがOverlordは主人公じゃなく画面の前のプレイヤーだと言う。これはメタゲームの前兆に感じる。

実際、メタゲーム的な遊びは初めてでも何でもない。ただ今になって種明かしするのは、ちょっと陳腐だ。しかもゲームは細部の随所でメタゲームの要素を確かに見せてる。一番わかりやすいのはソフィアがよく「分岐」の話をすることと、「選択肢が一つしかなくてもなぜか選択肢を作る」あの感じ。プレイするオタクに「世界を掌握してる」「ゲームに参加してる」という存在感を与えたいだけなのが丸わかりだ。

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俺の予想では、最終的な内容はソフィアがプレイヤーと向き合い、このパラレルワールドの存在は全部「プレイヤー自身の選択」が生んだものだと告げ、ついでにゲームを昇華する的な話になるんじゃないか。まあそれは未来になってみないとわからん。

未来はどれくらい先か? これまでのクセからすると、最終編は来年になりそうだ。このゲームで一番気に入らないのはまさにそこ。分割して売るのはいい、分巻で売るのもいい。でもてめえ一年に一巻しか出さねえってのは、三巻を遊ぶ頃には一巻の内容なんてほとんど忘れてるっつーの。間隔が長すぎる。それともぱっれとはもう金がないのか? 和泉のおばさんが高すぎるのか? 一年かけてこれっぽっちしか作れないのか?

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全部を一つにまとめればいいゲームになったかもしれない。でもこう分巻で売られると、プレイヤーの熱も冷める一方だ。食い方が汚すぎて、最終的には可もなく不可もなく、そこそこの評価で終わるんじゃないか。

最後に次巻のタイトルを予想していいか? ゆきいろゆきそらゆきのはな?

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