『和香様の座する世界』レビュー
何年前だったか、『人類は衰退しました』という小説原作アニメがあった。人類が理由不明で衰退したあと、世界を「妖精」が占め、人間であるヒロインが妖精たちと交流し「妖精を観察する」というエピソードを描いた作品だ。
原作は読んでないので、ここではアニメの話しかできないが、正直アニメもよくできていた。あのアニメを観終わったあとの感想は大体三つに集約される。面白い、SF、そして「よく分からんが凄い」。で、この「よく分からんが凄い」が一番印象に残る。あのアニメには何かを「暗示」したり「比喩」したりしているように感じるのだが、完全に対応する内容を見つけるのが難しく、作者が結局どの立場で何を言いたいのか、この物語が何を伝えたいのか……blah blah blah、しかしそれこそが『人類は衰退しました』の魅力なのだ。あまりに明確に立場を示すと、かえって詰め込み式の意見表明になってしまい、思考を誘いにくい。『人類は衰退しました』のように「琵琶を抱えて半ば顔を隠す」感じがちょうどいい。
そして注目すべきは、『人類は衰退しました』の作者、田中ロミオである。
これが初めてで、唯一の田中ロミオ作品との出会いだった。その後彼が書いたものにはあまり興味が持てず、詳しくも知らなかったが、先日『和香様の座する世界』というゲームが発売され、ゲームの脚本欄でまたこの懐かしい名前を見た。田中ロミオ。
そしてこのゲームは、かつての『人類は衰退しました』を思い出させた。

『和香様の座する世界』、中国語に訳すなら「和香様が坐す世界」あるいは「和香様が降臨する世界」だろうか。このゲームには全体的にこれといった明確なメインストーリーはない。本質的にパロディゲームで、日本神話の天地創造をパロディ化し、その後の物語はほとんどが日本の神鬼伝説の二次創作だ。『大話西遊』や『悟空伝』に近い……物語に厳密さはあまりなく、ギャグ寄りである。
ヒロインは当然「和香」、主人公は祖父の神社を継いだ何も持たない底辺男。何もなく、退学して学校に行かなくなった主人公が、ふとしたことで神社に封印されていた「和香様」を解封し、神や鬼との楽しい物語が始まる。
「楽しい物語」と言ったのは、本当に楽しいからだ。牛鬼蛇神だらけに見えて、ほとんどがツッコミとギャグのスタイルで、『銀魂』のような半架空ファンタジーとして見ても合格点。ただ、大部分はパロディとはいえ、ゲーム内にはいろいろなものが描かれていて、それらはゲームのさまざまな「小話」の中に隠れている。ちなみにこのゲームは実質「一本道」だが、選択肢が多く、多くの「印」が各選択肢に隠れていて、印を集めないと本当のルートが解放されず物語が進まない。そうでなければバッドエンドに落ちる。ゲーム性は多少あるようだ。

このゲームのストーリーをどう説明すべきか分からないので、ゲームの構成に沿って簡単に話そう。序章、酒吞童子章、八岐大蛇(?)章、脚本が制御不能になった天照大神の痴話喧嘩章(?)……
序章は主に主人公と登場人物の紹介。ヒロインの和香は実は日本の「国津神」で、「天津神」とは対立関係にある。和香も目覚めたあと、過去に「天津神」と戦ったこと、妹の「るるは」を連れていたことを語る。もちろん最後は二人とも敗れたらしい。

ゲームは最初から「黄泉路」という概念を説明する。中国にもあるが、日本神話の黄泉路は伊邪那岐と伊邪那美に関係し、この二人は毎日セックスして日本のいろいろな島々を生み出した。
序章の大半は妹るるはに割かれ、主に主人公と世間知らずの女邪神るるはの口喧嘩を見るもので、まあ漫画を読むレベル。実は結構面白い。

第二章は百鬼夜行・酒吞童子章。鬼たちがこっそり人間界に来て酒を盗み飲みし、最後には童子切安綱に斬られそうになったところを、逆に主人公が二人の邪神を連れて軽くKOする。そして酒吞童子章を経て……このゲームの日本神話の描写がどんどん分からなくなってきた。

あ、分からなくなったというより、ただクソつまらないのだ。あるいは私は日本人ではないので、この日本神話の思考回路がどうしても理解できない。
ゲームはさまざまな小劇場と「再演」の手法で日本神話の伝説を再現する。一番アホなのは伊邪那岐と伊邪那美がセックスして生まれた子供が全部日本列島になったという話。しかも伊邪那岐が黄泉路から戻って目を洗うと天照大神が生まれ……鼻を洗っても神が生まれる……
日本神話でおなじみの内容はまだまだある。後半にも小劇場の演出が続き、八岐大蛇の退治、九尾の狐と殺生石など、我々も多少は聞いたことのある要素が登場する。これがどこから来たか知らなくても……少なくとも『NARUTO』は読んだことがあるだろう?

そういえば、後半には「三匹の子豚」など奇妙なものも乱入してくる。
ゲームは最終的に「小劇場」を「日本の天皇」が生まれるまで演じきることになるのだが、主人公の身元が不明なので、脚本が脳洞全開で、主人公に「自分が自分を生む」ことまでさせる……そして自分が生んだ自分がまた自分の妻を生み……生まれた自分と生まれた妻がまた生み続け……ついに日本の天皇が誕生する。見ていて「黒人問号顔」である。

最終的な結末は当然、国津神と天津神の対決なのだが、これといった決着もつかず、あっさり終わってしまう。続編を見たいという人も多いが、このゲームは続編を書くのは無理だろう。序盤の物語はまだ理解できたし、酒吞童子百鬼夜行もまあ耐えられた。殺生石や九尾の狐も「妲己」の伝説と多少関係があるからまだいい。その先は、もう自分の能力の限界を感じた……特に最後の主人公の「自分が自分を生む」展開で完全に混乱した。脚本自身も最後はどう収拾をつけていいか分からず、慌てて終わらせただけなのかもしれない。

画面はまあOK。「神の降臨」的なややダークな雰囲気に合っている。それよりキャラクター造型が「物語」自体より優れている。神々は人間を見て一様に「人草」と呼ぶ。人の命は草のように軽いという意味だ。しかもヒロインの説明によれば、古代の神は人を食らったが、現代社会では「現代の料理が美味しすぎる」ので人を食うのをやめたそうで、これも笑える。
各キャラクターに個性があり、性格描写も的確で成熟している。声優陣も「大物揃い」で、ヒロイン和香のCVは生天目仁美、女二号の小野涼子、敵役(?)の陽傘女は北都南。他の声優も負けておらず、少なくともキャラクター造型には絶対の誠意がある。

システムは「特色がある」程度。前述の通り、このゲームは実質「一本道」(最後に複数エンドがあるが、自分には一本の線に感じる)。多くの「印」を隠すことで他の選択肢を選ばざるを得なくさせ、その結果、最大の感想はゲームに分断感があること。どの印が足りなくてバッドエンドになったか分からず、結局攻略を見に戻らなければならない。一気に見終わらせてくれないのは、いささか蛇足に思える。
一番評価しにくいのはやはりシナリオだ。以前観た『人類は衰退しました』を評価しにくいのと同じで、このゲームも「何かを表現したい」ような気がする……しかしよく見ても、所以が分からない。どちらも田中ロミオが書いているので、彼の個人的な特色とスタイルに分類するしかない。ただ後半、あの滅茶苦茶な魔改神話を見ているうちに、脚本の意図が少し分かった気がした。
昔、漢字が日本に伝わったとき、日本人は元々死んだ人々を「かみ」と呼んでいた。そして最終的にこの「かみ」の漢字に、中国語の「神」が当てられた。今に至るまで。

つまり日本人にとって、彼らの「神」と我々華人の「神」は同じ概念ではない。我々の神は至高無上だが、彼らの神は至高無上である以外に、死後の魂を表すものの方が多い。
だから日本には「八百万の神」という言い方がある。そこら辺の物を適当に拾っても、中に「神」が存在する。この「神」は God ではなく、せいぜい Spirit だろう。日本創世神話の伊邪那岐から始まり、彼は多くの神を生んだが、大部分は「神」とは言えない。鬼神を斬る者も普通の人間だ。日本神話では「神」はそれほど高貴ではなく、むしろどこにでもある存在なのかもしれない。
『和香様の座する世界』が表現できるのは、せいぜい「神も狂う」という概念だ。かつての国津神が現代に来てみれば、普通の女と何も変わらない。人を食らう邪神るるはが現代社会に暮らせば、かえってアホみたいに見える……

日本人の神崇拝は昔からあるが、私が日本に行って感じたのは、多くの日本人は自分が拝んでいるのが「仏教」か「神道」かなど気にしておらず、「神」を見ればとりあえず拝むだけで、どの村にも鳥居があり、めちゃくちゃで、神がそこら中にあるということだ。
「日本ではね、鳥居は神をやたら拝む連中がそこら中で立ちションするみたいに、どこにでもあるんだよ」
ゲーム内の老婆の台詞だが、これがこのゲームの脚本の考えをすでに表しているのかもしれない。
「神なんて大したことない。時にはゲームを書いて、神をこっちの馬鹿騒ぎに付き合わせるのも、楽しいじゃないか」
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