『Ninja Girl and the Mysterious Army of Urban Legend Monsters! ~Hunt of the Headless Horseman~』レビュー

東方文化を輸出する、Weeboo 向けの小品ゲーム

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日本国内のギャルゲー産業がじわじわ落ち込むにつれ、Steam というプラットフォームに目を付けて海外市場を開拓しようとする連中が増えてきた。最初に一歩を踏み出したのはおそらく WillPlus で、Steam で『If My Heart Had Wings』(この大空に、翼をひろげて)をリリースした。だがこのゲームはかなりの批判を浴びた。Steam の審査基準を満たすため、そして欧米ユーザーに媚びるために、大量の削除と改変が行われ、エロ要素は消され、挙句ストーリーまで原作と違うものになったからだ。この行為に多くの Weeboo が反発し批判し、中には「原作復活」パッチを作ってゲームをこれ以上「調和」されていない状態に戻そうとする者まで現れた。

ああそうだ、Weeboo が何か知らない人もいるかもしれない。ネット上の説明によれば、Weeaboo is a mostly derogatory slang term for a Western person who is obsessed with Japanese culture。中国語で言えばもっと簡単、Weeboo=欧米人種の中の死宅である。

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こうした Weeboo は Steam における主要な消費者層のひとつで、何より彼らの金は日本本土のオタクより稼ぎやすいらしい。欧米の死宅はストーリーがどーのこーのと長々語る暇なんてなく、妹が可愛ければ waifu と叫ぶ。Twitter であの狂った melonpan を覚えているか?あれこそまさに典型的な Weeboo だ。

WillPlus が Steam で踏み出した第一歩は成功とは言い難かったが、確かにお金は稼いだ。すぐに後続が現れ、日本本土のギャルゲーを翻訳して並べるだけの連中以外に、Frontwing や whirlpool といったそこそこの大手ブランドが、Steam 向けに専用の、いわば「プラットフォーム独占」めいたギャルゲーまで作り始めた。『Corona Blossom』、『猫忍 EX-heart』、そして『XXXトリガー』シリーズ之類だ。

プラットフォーム独占と言うのはちょっと違う。これらのゲームは日本でも売られている。ただこの二社の作るゲームは明らかに Steam だけに照準を合わせていて、正直なところ、そんなゲームを日本本土の市場に持ち帰っても大した金にはならず、日本の死宅も買わない。理由は簡単、ハードコアじゃないからだ。エロくもグロくもなく、ゲーム内容は完全に欧米の Weeboo 向けなのだ。

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日本人は欧米の Weeboo に対して、ある程度のステレオタイプを持っているらしい。あのガイジン死宅を惹きつける要素といえば、要するに以下の通りだ。美人な忍者、戦闘、メイド、謎の組織、獣耳、学校、ある程度の百合、通学要素……

だからまた Weeboo 向けのゲームが現れた。それがこの『Ninja Girl and the Mysterious Army of Urban Legend Monsters! Hunt of the Headless Horseman』である。

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英語名が長すぎる。中国語の意味はつまり『忍者少女と都市妖団:首なし騎士を追え』だ。このゲームの全工程は全然長くなく、だいたい2時間ほどで終わる。内容にネタバレもクソもない、最初に登場した首なし騎士を倒しただけ、物語の始まりって感じだ。

それでも、このゲームはなかなか面白いと思う。まず、ゲームはさっき言った欧米死宅の好みをほぼ全部満たしている。男主角すらおらず、百合要素しかない。しかも原画に茉宮祈芹先生、脚本に渡辺遼一を迎え、少なくとも布陣としては日本の準一線エロゲー水準に達している。ゲーム自体の CG 品質は、茉宮祈芹が同時期に参加した『タマユラミライ』より良いと思う。あのゲームはヒロインがなぜか頻繁に首を傾げるし、色遣いも変、表情も少なかった。対してこのゲームにはそうした問題が一切ない。たぶんギャラがちゃんと支払われたんだろう。

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ストーリー面では、本編は短いが雑談の内容はかなり多く、その中に「日本文化」「中国文化」(そう、中国語版があるせいかも)に関する細かい解説が大量に含まれている。日本の忍者流派だの、西遊記だの、三国志だの、道教だの、かなり面白い解釈をしてくれる。こういう内容はヨーロッパの死宅が東方文化をより深く知るのに非常に役立つと思う。一種の文化輸出だ。同時に日本自体のオタク文化に関するツッコミもあり、「なぜ日本では北欧のメイド服が流行るのか」「明治維新以前なぜ日本は鎖国していたのか」など。脚本の渡辺遼一に関する私の知識によれば、彼は「日本人のアメリカへの不満」を表す私物をかなり隠しているらしい。会話から感じるだけで、証拠はないが。もちろん東方文化の解釈以外に、ゲーム自体の敵役「首なし騎士」にはあまり筆が割かれておらず、由来を簡単に説明して倒して終わり……

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そうそう、ゲームには中国語(繁体字中国語)が内蔵されている。この翻訳は全体として90%の中国語漢化組より優れているものの、ツッコみたいところはある。特に「キルロイ」を「吉佬儿」と訳したのは悪ふざけか本気か?あとゲーム内で何度も出てくる「Rune」魔法、台湾版『ワールド・オブ・ウォークラフト』の訳に従えば「符文魔法」であって「露恩魔法」じゃないはずだ。とはいえ翻訳者には感謝したい。ゲームに中国語をローンチ言語として入れてもらえたのだから。

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ゲームは一本道だが選択肢がいくつかあり、もちろん選び間違えれば Bad End。難易度は高くなく、あっさり抜けられる。Bad End 後には追加の小劇場もあり、細部はなかなか凝っている。

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とどのつまり、もともと欧米 Weeboo 向けに位置づけられたゲームとして、本作は任務を非常にうまく果たしている。可愛い妹、忍者、戦闘、謎の組織、獣耳、メイド、そして和風の会話とツッコミ、大量の東方文化要素。会話にもちょっとした中身があり、退屈な萌え売りやエロ売りではない(そう、『ネコぱら』や『ネコぱら忍者』のことだ)。軽く見るだけでもなかなか良い。

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少なくともこのゲームは私の予想よりずっと良かった。しかも現状は序章にすぎず、今後シリーズ化するはずだ。某『XXXトリガー』みたいに回を追うごとにクソつまらなくなったりしなければいいが。

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最後に、このゲームで感じたことはまだまだたくさんある。一番言いたいのはやはりありきたりな話だ。日本人は Steam でギャルゲーを売る時、自分の文化を宣伝することを知っている。Weeboo が日本のどんな要素に一番興味を持つかも分かっている。自分の文化テーマの中で、他の東方文化までついでに輸出できる。我が国はギャルゲーをかなり作っているが、まだ完全に日本を丸パクリしていて、キャラ全員に日本名を付け、日本人声優を起用している。それが間違いとは言わないが、全面的に日本を模倣するなら、みんなが直接日本のゲームを遊べばいいじゃないか。やはり自分のものも少し見たいんだよな、はあ~


Steam にも同時掲載 https://steamcommunity.com/id/plumlis/recommended/1094930

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