『恋愛、借りちゃいました』レビュー

レンタル・ラブ

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ここ数年のAsa Projectは方向性を見失っていたらしい。もともと彼らのゲームは「おバカなノリ」が主体で、ほぼ毎作「顔芸担当」がいた。ところが何を思ったのか、作品はどんどん大人しくなっていき、逆に「純愛を探る」みたいなテーマをやり始めた。以前の『三角恋愛』や『寄宿恋愛』なんかがそうだ。でもこういう作品は、どうにもこっちがムズムズする。普段はヘラヘラして真面目さのかけらもない奴が、急に真面目な顔で話し出すようなもので、なんだそれ?高度なブラックユーモアか何か?

しかもその前のAsa Projectの2作も出来が良くなくて、設定を乱暴に放り投げただけだった。三角関係だったり三角恋、寄宿だったり、本質的にこれといった見どころはなかった。あの中途半端な設定を消しても、たぶん大差ない。おまけにゲームが売りにしていた「顔芸担当」の存在感まで徐々に消されていき、かつて個性のあったブランドがどんどん「埋もれて凡庸」になっていくのが、見ていて痛々しい。

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それだけじゃない。Asa Projectのタイトルもどんどん陳腐になっていて、「恋愛」に形容詞をくっつけただけのものを出す。タイトルで堂々と「これは三角関係です」「これは寄宿恋です」なんて書くバカな作品、見たことあるか?『WHITE ALBUM』だってそんな書き方してないぞ?お前らタイトル付けるのが面倒になったのか?

そして2019年、タイトルはさらに露骨になった。「恋愛、借りちゃいました」。見てくれ、見てくれよ、これがまともな「タイトル」に見えるか?これは文だぞ、しかもその中にめちゃくちゃ気まずい句読点まで入ってる。なんなんだ!『僕、満腹』『君、放屁』『彼女、女装した』みたいなタイトルの作品を見たことがあるか?

このゲームは、俺が珍しくタイトルを見ただけでやる気をなくした類のものだった。でもどうにも気になって、結局見てみたら……意外にもなかなか良かった?!

言ってしまえば、タイトルがアホなだけで、少なくとも水準はかつての『恋愛0キロメートル』に一歩近づいた。Asa Projectがようやく自分たちの「転換」をどうやるべきか分かってきたのは嬉しい。

ゲーム名は『恋愛、借りちゃいました』。直訳すれば「恋愛、貸し出しました」だが、この意味不明な名前がタイトルでありながら、ゲーム自体は確かにこの言葉と関係がある。

主人公は学生で、バイト請負人。金のためなら何でもやる。

普段学校では前髪を長く伸ばして顔を隠し、クラスでの存在感を消しているが、バイトの時は髪を整えてさわやかなイケメンになる。だから学校の同級生でも、主人公が外でバイトしていることにはなかなか気づかない。

そして最重要ポイント:主人公はイケメン、イケメン、イケメン。(強調)

イケメンなら何でも許される。だから主人公は「レンタル彼氏」という特殊な仕事までしている。

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客から金を受け取り、客の彼氏を演じて特別なニーズを満たす。それだけだ。

最初の客は同じクラスの瀬川絵未。絵未は虚栄心が強く、毎日女友達に「イケメンの彼氏がいる」と吹きまくり、リア充で女負け組じゃないとアピールしていた。そこで友達が「彼氏を連れてこい」と絵未に迫る……

絵未は嘘を認めるに認められず、レンタル彼氏のサービスを探し、対応したのが当然主人公だった。

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主人公は絵未の彼氏を演じるのが実にプロフェッショナルで、絵未の虚栄心を満たしただけでなく、絵未自身も少し主人公に惹かれ始める。この「偽彼氏」ともっと話したいとまで思う。

だが商売は商売。主人公は最後まで容赦なく絵未から料金2万円余りをきっちり受け取り、「また仕事あったら紹介するよ、じゃあね~」と言い残す。

駅前で絵未だけがぽつんと取り残され、茫然とする。

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二人目の客は、主人公が通う専門学校の講師。いい年して独身で、家にこもってゲーム機でランク戦ばかりしている女教師、空路椿。

想像どおり、女教師は実家から結婚を急かされ、さらには妹分まで派遣されて「ちゃんと相手を探しているのか」と確認に来る。仕方なく椿は主人公を雇って偽の彼氏にする。ちなみにゲーム内では「彼氏」ではなく「愛人」と言っていて、椿が実は彼氏がいるが公にはしたくない、という体を演出している。

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主人公はここでも見事に任務をこなし、報酬を手にする。そして三人目の客へ。

三人目は双子の姉妹。二人は他の子たちが毎日「背が高くて強くて頼りになるお兄ちゃんがいる」と自慢するのを見て、自分たちも欲しくなり、主人公を「臨時の兄」としてレンタルする。

双子も主人公に多くを求めず、兄を装って動物園に連れて行って自慢するだけ。最後はきちんと精算して金を得る。

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主人公のバイトは「彼氏としてレンタルされる」だけではない。レストランのウェイターなどもある。外でバイトしていることは本人がうまく隠していたが、それに気づいた女子生徒が一人いた。この赤毛、天満八純だ。

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八純は同じクラスで、同じ専門学校にも通っている。しかも最初から主人公の「多重身分」を知っている唯一の人物だ。さらに奇妙なことに、八純は主人公が金髪の絵未の「彼氏」だと知ると明らかに緊張し、「金で偽装している」と分かると態度が読めなくなる。

八純はいつも神出鬼没に主人公のそばに現れる。バイト中も、他人の彼氏を演じている時も、授業中も、専門学校で学んでいる時も……

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まるでストーカーのように。もちろん物語の焦点は八純の神出鬼没ぶりだけではなく、もう一つの問題にある。

主人公の「掛け持ちバイト」と「多重身分」が露見しようとしているのだ。

  • 主人公と金髪の絵未は同級生で、しかも身分を隠して彼女の「レンタル彼氏」をしている
  • 主人公と女教師・空路椿は専門学校で師弟関係だが、同時に彼女は主人公の「レンタル彼氏」の客でもある
  • 主人公と双子の姉妹は客の関係だが、双子の姉は専門学校に通い、妹は食堂でバイトしていて、主人公もそこで働いている
  • 主人公がバイトする食堂の新しい店主……は女教師・空路椿の親戚
  • そして金髪の絵未は「レンタル彼氏」に金を使いすぎて懐が寂しくなり、バイトを始める。そのバイト先も主人公と同じ食堂

こうしたごちゃごちゃの事情で、主人公はあちこちで別々の身分として現れ、すぐに全員にバレてしまう。

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もちろん最も遅く気づいたのは金髪の絵未で、キャラ設定上ちょっと「天然ボケ」なのだ。

身分がバレた後、物語は二人のヒロイン、赤毛の天満八純と金髪の瀬川絵未の間に焦点を移す。

最初は瀬川絵未と主人公は「レンタル彼氏」の関係だった。しかし主人公の「仕事熱心」と「気配り」のせいで、絵未はいつの間にか主人公を好きになってしまう。果てはこの「偽の恋愛関係」を終わらせ、本当の恋人になりたいと願う。

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だが主人公は恋愛自体に興味がないらしく、ただ金が欲しい、もっと稼ぎたいだけ。

瀬川絵未はそれが理解できず、主人公を金の亡者だと何度も罵る。

そこへいつも天満八純が現れ、傍らで火をつける。彼女は意識的にか無意識にか、主人公と瀬川絵未の「デート」を邪魔する。その振る舞いに瀬川絵未は我慢できなくなり、どういうつもりか直接問い詰める。

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天満八純は隠すことなく言う。「主人公が好きだ」と。瀬川絵未は不満だ。「私が先に主人公と知り合ったのに、この小娘がずっと第三者として割り込んでる」。

天満八純は問い返す。「あなたは主人公についてどれだけ知ってるの?私はずっとずっと前から彼が好きだったのよ!」

そして天満八純は子供の頃に主人公を見た話をする。主人公は幼い頃に親戚と喧嘩して(両親が死んだのか忘れた)、妹を連れて家出することを決め(そう、主人公には妹がいるが、攻略できないから触れない)、一人で妹を育てた。独立生活には金がかかるので、主人公は身分を隠してひたすらバイトで稼ぎ、すべては自分と妹がしっかり暮らすためだった。

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天満八純はそんな主人公の覚悟に惹かれて好きになった。しかしずっと話しかけられず、話すために先生に頼んで卒業証書を届けに行ったこともあるのに、主人公はそっけなかった。

主人公は学校では前髪で顔を隠しているが、天満八純はずっと彼の一挙一動を見つめ、ストーカーのように主人公を追いかけ回していた。

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主人公がバイトを始め、特に他人の「彼氏」になったと知った時、偽物とはいえ天満八純はじっとしておれず、行動を開始する。

だから彼女はいつも神出鬼没で、主人公と偶然を装って出会う。ずっと後をつけているからだ(ストーカーじゃねえか?)。

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天満八純の方が先に好きだったが、それを知った瀬川絵未も諦めない。何しろ主人公とデートした最初の女子なのだから。

ここから「楽しい」「主人公争奪恋愛バトル」が始まる……嘘、全然楽しくない。主人公は二人の女子に挟まれ、こっちにデートに連れて行かれ、あっちにデートに連れて行かれ、とても受動的だ。

二人とも主人公が金を必要としているのを知っているので、当然のように金を駒にする。天満八純は家が金持ちなので現金をどっさり渡し、瀬川絵未は懐が苦しいながらもバイトで稼いだ金を主人公に渡そうとする。二人の争奪戦はついに表舞台へ。夜のデートで捕まった後、ついに選択を迫られる。

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二人とも主人公に恋愛感情を表明する。一人はキャッシュカードを、一人は現金の束を差し出す。

明らかに主人公が誰を選ぶかで、そのルートに入る。

実は選択後のルートは個別の恋愛物語になるだけだが、普通の恋愛物語とは「独特の特性」がある。独特とは何か?それは:

どのヒロインを選んでも、選ばれなかった方のヒロインが「第三者として割り込む」姿勢を保ち続ける。

簡単に言えば、金髪を選べば赤毛が二人を引き裂こうとし続け、逆もまた然り。

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「ヒロインを攻略したら他のヒロインは全員空気になる」ようなありがちなゲームをさんざんやってきた身には、この展開はなかなか面白い。新鮮だし、普通に楽しい。

その後は特に内容もなく、恋愛の後はエロシーンでEDへ。

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赤毛と金髪以外に、女教師と双子も攻略可能。だが女教師ルートは「普通すぎる普通」の恋愛ルートで、第三者の割り込みはない。双子ルートは典型的な抜きゲー……ちょっとした笑い要素はあるが、非常にエロい。脇役攻略はほとんどおまけで、内容もなくすぐ終わる。

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つまり正統な物語は……金髪の瀬川絵未と赤毛の天満八純の三角恋愛だけ、ということだろう。

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今回のゲームをやって、久しぶりの「新鮮さ」と「懐かしさ」を感じた。

新鮮さは、Asa Projectが以前いくつもの作品で延々と様々な「創意工夫の恋愛」をやってきたのに一つも成功しなかったのが、今回ようやく成功したこと。主人公が「レンタル彼氏」から本当になるという王道はよくあるが、そこに少し新しさを出せたのは貴重だ。

懐かしさは、かつての『恋愛0キロメートル』のFeelを感じたこと。使い回しの空のCGが何枚もあるというだけでなく、ゲームの雰囲気そのものがそうだ。「みんなでふざけている」のに「女の子の可愛さ」がちゃんとある、あの感じ。

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見どころは共通ルートから個別ルート前半部分。三角関係と金髪・赤毛の知恵比べで、ヒロインの可愛さが伝わる。赤毛は「小賢しい小悪魔」、金髪は「天然で純粋な天使」に造形され、話が面白いと同時に、以前のAsa Project作品と比べて最大の進歩は「ヒロインの造形がより豊かになった」ことだと感じる。

豊かになったのは二人だけだが、それでも十分だ。さらに嬉しいのは、Asa Projectが初めて「顔芸」と「下ネタ」だけに頼らず、実質的な中身を持ったことだ。

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もちろん今回、Asa Projectは大きく進歩し、『恋愛0キロメートル』の水準をかなり取り戻したと強調してきたが、ゲームには明らかな短板もある。

最大の問題は、二人のヒロイン以外のヒロインに見どころが全くないこと。女教師はただのオタク女に教師のテンプレを被せただけ、双子ロリの設定は二流メーカーの妹萌えゲーみたいで、エロ以外に残るものがない。

ちなみに、俺が女教師で一番好きな台詞はここ:

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分かりやすく訳すと:昨日ランク戦やってたの、ソロで、マッチした味方が全員バカだった。

メインの二人のヒロインでさえ、個別ルート後半は飽きやすい。個別ルートに「第三者の割り込み」要素を残すのは新鮮で面白いが、ゲームは「ほどほどに」してくれない。最後まで相手が諦めないのは何なんだ?結婚しても浮気を試すつもりか?

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他の面は可もなく不可もなく。二人のヒロインはよく描けているし、女教師もOK。双子ロリは数年前のAsaの古い絵柄に見えるが、意図的なのかもしれない。CVも面白く、前作の「ヒロイン」たちのCVが今回は脇役を演じ、新しいヒロインのCVは俺もあまり詳しくないが、声を聞く限り一人は低配版の清水愛、一人は乞食版の水橋……って感じだ。

しかもゲームには先祖伝来の古いCGがてんこ盛りで、もう言うのも面倒……中にはPSP版のものまである。

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OPも『恋愛0キロメートル』そっくりで、EDの歌唱は花たん。ただなぜか新しい名義、piquetに変わっている。

とにかく、Asa Projectがようやく正しい道に戻ってきたのを見て嬉しい。もちろんこのゲームの名前はどう考えてもアホすぎる。

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Asa Projectのこれまでの命名ロジックに従って「レンタル・ラブ」にでもすればよかったのに。


最後にやっぱり思う。男はイケメンに限るな!

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二人の女が争って金をくれる!イケメンなら怖くない、夢に金を払わせろ!

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