『雪の夜、俺は妹を裸にする』レビュー
こういうゲームはだいたい一人称視点で、適当な物語を書いて終わりにしている。
しかしこのゲームに関しては、そんな気分にはなれなかった。書いたら自分が強姦犯になってしまう。とはいえ、このゲーム自体は抜きゲーのように見えて、そのブランドの過去作と同じく、「抜きゲーでも中身はある」タイプだ。
というわけで、中身の話をしよう。犯罪動機や心理的なものに触れるゲームは、やはりあまり多くない。
主人公は大都会で一人暮らしをしている。普段は学校に通い、バイトで金を稼ぎ、自給自足。時々遠縁の従妹の家庭教師をやったり、学校でも颯爽としていて礼儀正しく、どう見ても「新時代の好青年」だ。
だがある日、実家の妹がやってくる。自分の街の学校を受験する予定で、冬休みの間ここに住みたい、兄のところに泊めてほしいと言うのだ。
それを聞いた瞬間、主人公はキレた。好青年の雰囲気はすべて消え失せた。
主人公は実家に電話までかけて、なんでこんな足手まといを寄越したんだと問い詰める。
主人公の内側で同じ声が繰り返される。
「妹が一番嫌いだ!」
なぜ妹を嫌うのか。幼い頃から両親に不公平な扱いを受けていたからだ。両親は妹ばかり可愛がり、主人公ばかり叱る。それが妹への嫌悪、いや憎しみに繋がった。
主人公は妹を殴ったこともあるし、両親に言うなと脅したこともある。
しかしそのすべてが、妹に奇妙な感情を芽生えさせた。妹は自分の兄が「かっこいい、いい男」だと思い、次第に憧れを抱くようになった。
冬に主人公のところへ泊まりに来たのも妹が自分から言い出したことで、兄の助けになりたい、もっと一緒にいたいという気持ちからだった。

こうして物語は奇妙な地点に到達する。兄は妹を嫌い、妹は兄を好き。
同居が始まって数日、主人公は妹にいい顔ひとつしなかった。買い物も含め、ほとんどが冷淡な態度。間違いなく妹を嫌っており、正月が終わったら実家に帰れと思っていた。
だがその前に、遠縁の従妹が主人公のところへ来る。勉強を教えてもらうためだ。

従妹は主人公の妹を見て妙な表情を浮かべ、やがて主人公が送って行った帰り道、いきなり告白する。
主人公は困惑する。お前みたいなガキに何がわかるんだ、恋愛って何か知ってるのか?
従妹は堂々と言い返す。「告白しなかったら、お兄ちゃんはその妹に取られちゃうでしょ。毎日一緒に住んでるんだから」

その一言で主人公はカッとなる。は?妹が好き?主人公が一番嫌いなのは妹だ!とはいえ、自分の妹が自分を好きだということは薄々わかっていた。
最後には腹いせに従妹に言う。「俺のこと好きなんだろ、カップルが何するか知ってるか?」
従妹は首を振る。
「よし、カップルがやることをやろう!」
家で待つ妹のことも気にせず、主人公は従妹を引っ張ってホテルへ連れて行く。
その先は想像通りだ。興味ないだろうから詳細は省く。
確かなのは、主人公は従妹を愛していないこと。例の行為の最中、頭にあるのは「これをすれば妹に復讐できる」ということだけ。奇妙だが、主人公が考えているのはいかに実の妹を傷つけるかであって、従妹とイチャつきたいわけではなかった。
それからというもの、主人公と従妹はほぼ毎日あんなことをするようになり、従妹もどんどんオープンになっていく。主人公も家に帰らず、妹を放ったらかしにする。

しかしすぐに主人公はつまらなくなる。もっと妹に復讐したい。妹が自分を好きなら、従妹を家に連れて行って妹に見せつける芝居をしようと決める。
妹は兄がやっと帰ってきたとドアを開け、固まる。主人公が従妹とヤっている最中で、しかも実の妹の目の前で。
一部始終を目撃した妹を見て、主人公は気まずくなるどころか、さらに激しく腰を振る。部屋に従妹の喘ぎ声が充満する。
その光景は妹にあまりに大きな衝撃を与え、妹は呆然とし、何も言わずに出て行く。
主人公は復讐が成功したかのような、言いようのない快感を覚える。

翌日、妹が何も言わずに出て行ったことに気づく。置き手紙から、実家に帰ったらしいとわかる。
それを見た主人公は最初こそ興奮したが、次には喪失感に襲われる。
従妹は主人公とヤりたがるが、主人公はその気になれない。そこでようやく悟る。
自分がずっと気にしていたのは妹で、妹がいなくなれば生理的衝動すら失ってしまう。
主人公は従妹と手を切ろうとする。従妹は必死にすがり、「お兄ちゃんは妹が好きなんでしょ、じゃあ私が今から妹を演じる!」

最後の結末は、主人公も従妹もイカれてしまう。従妹は妹の雪の花の髪留めをつけ、妹と同じ髪のカツラをかぶり、毎日主人公とヤる。主人公は妹に扮した従妹に向かって、妹の名前を叫ぶ。
二人はそのまま堕ちていく。
物語はここで一区切りだ。
このゲーム最大の見どころ、語る価値があるのは:妹に対する主人公の感情だ。
表面的には妹を嫌っており、内なる声は四六時中「妹を見ると腹が立つ」と囁いている。
しかしゲーム内の具体的な行動を見ると、主人公の妹への感情は嫌悪ではない。もちろん愛でもない。別の微妙なものだ:
占有欲と侵犯欲。
妹を見ると生理的衝動が湧き、妹に関わることを考えるだけで生理的衝動が湧く。従妹との行為も、妹を刺激し「冒涜された」と感じさせたいだけ。そうして快感を得る。だからこそ、妹が実家に帰った後、主人公は喪失感に陥る。そして最後には妹に扮した相手とヤり続け、内なる獣の欲望を満たそうとする。

ゲーム内で主人公は、両親の偏愛が妹嫌いの原因だと言うが、それは主人公自身の心理的暗示でしかない。要は:口実にすぎない。
主人公の正体は、妹を見ると生理的衝動を覚えるケダモノでしかない。
そう、主人公の妹への感情は生理的衝動だけで、愛などではない。
この点はゲームの「妹ルート」でも示されている。
妹ルートでは、主人公は従妹を捨て、ある夜帰宅したとき眠っている妹を見て、下半身を抑えきれず、妹を力ずくで押し倒す。
以降は毎日、主人公と妹のセックスが続き、尺もどんどん大きくなる。しかし主人公は妹に告白したことも、「好き」「愛してる」と言ったこともない。
あるのは欲を吐き出すことだけ。これも主人公の妹への感情が生理的衝動だけである証拠だ。皮肉なことに、妹は主人公への愛があるからこそ、主人公のために色々と恥ずかしいことをする。

最終的な結末は、休みが終わり、妹が実家に帰ろうとするのを主人公が引き止める。
妹も主人公を助けると決め、実家に電話して帰らない、探すなと言い、主人公と駆け落ちする。
二人は人のいない山村へ逃げ、毎日ヤりまくり、性欲に従う獣になる。
では、このゲームに「もう少し純愛寄りの結末」はないのか?当然ある。妹を完全に手放し、従妹を完全に受け入れる道を選べば、主人公は従妹と普通の恋人になる。逆に、主人公が内なる欲望を抑え、妹を安心して実家に帰して学業を終えさせ、再会して恋人のような関係になる道もある。
どちらも比較的「純愛」に近い結末だ。「近い」というのは、主人公は相変わらず女の子への恋愛感情が見えないからで、少なくともより「人間」に近いように見えるだけ。

さらに、ゲームには「妹のための復讐」ルートもあるが、復讐というより犯罪に見える。妹の女の同級生にいじめられ、主人公は妹の復讐を決意、妹にその同級生を家におびき寄せさせ、強姦したうえで肉便器に調教する。
ゲームは冒頭で「すべてのヒロインは18歳以上」と繰り返し宣言しているが、
そんなの信じるわけねえだろ!
とにかく『雪の夜、俺は妹を裸にする』というゲームは、一見ただの抜きゲーに見えて、中身にはほんの少しだけ何かがある。
男が異性に抱く感覚は複雑だ。男が女を見て生理的衝動を覚えるのは、恋愛の前兆だと言う人もいる。

その意見にはずっと賛成できない。このゲームも同じ考えのようだ。
生理的衝動がもたらすのは、より暴力的なもの。本当の「恋愛」なら、もっと相手を思いやり、ヤりたいだけでは終わらない。
「本当に好きな相手には、すぐにヤりたいとは思わない。むしろもっと交流したい」という意見には、確かにうなずける。恋愛は性だけではなく、長い時間を共にすることのほうが大きい。
ただ、このゲームの主人公には「恋愛」の気配はまったくない。性欲を抑えた、ただの衣冠禽獣だ。
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