『プラマイウォーズV』レビュー

おそらく一番ヤバくて最後の移植版ギャルゲー

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『プラマイウォーズ』は Asa Project の2015年のゲームだ。実はこのゲーム、Asa Project の作品の中では立ち位置がちょっと微妙で、過渡期というか。おふざけと顔芸を完全に捨てきれてないのに、純愛寄りにもしたいみたいな、そういうノリが漂ってる。

もちろんゲーム自体の姉ルートは悪くないし、俺の印象では Asa Project は珍しい「移植版が良心的なメーカー」で、全年齢向け携帯機に移植されるときは、もともとのサブキャラを昇格させて攻略可能にするだけでなく、新しいキャラのルートまで追加してくれる。しかも新キャラの CV はたいてい「最近ちょっと売れてるアニメ声優」ときてるんだから、誠意しかない。

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たとえば:

恋愛0キロメートル PSP版、ヒロイン2人を昇格、ヒロイン2人を追加。CV は阿澄佳奈と田村ゆかり。

一つ飛ばし恋愛 PSV版、ヒロイン2人を追加、CV は佐倉綾音、丹下桜。

そして今回話すゲームがこれだ:

プラマイウォーズV、ヒロイン1人を昇格、ヒロイン1人を追加、CV は洲崎綾。

こういう移植版の誠意を見ていくと、だんだん公式が手抜きになってるのも分かるし、今回のゲームもどんどん手抜きになっていくのが分かるだろ。

『プラマイウォーズ』の原作自体、別に大したことを言ってるわけじゃない。家柄の違う2家族が同居する話、それだけ。原作唯一の見どころは男主の姉ルートだと思うんだが、原作の「公式が推してます」感丸出しの「巴姉ちゃん」は、長妻樹里のゴミみたいな演技で完全にぶっ壊されてた。

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で、『プラマイウォーズV』で追加された新ヒロイン2人が、原作では男主のクラスメイトだった水無月時野(小野涼子)と、海外から帰ってきたその妹、水無月未菜。

ゲームの流れとしては、時野がふとした拍子に「海外にいた妹の未菜が転校してくることになった、学校で華麗に再デビューしたい(日本語だとよく「デビュー」って訳されるけど、個人的にはアホらしいと思う)」と男主に相談し、面倒を見てやってくれと頼む、みたいな話。

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で、男主がその「帰国子女の妹」なるものを見てみると、これがまあクソ野郎で。そう、マジでクソ野郎なんだよ。BL 鑑賞が好きで、口が悪くて、虚栄心が強くて、しかも他人に叩かれるのがとにかく怖い。海外から帰ってきたのに英語もできない……

完全に廃人じゃねえか。これで華麗にデビューとか言ってんの?

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もちろん問題は妹だけじゃない。姉も姉でろくでもない。姉の水無月時野は原作にも登場してるけど、存在感はほぼゼロ。二言喋ったら消えるモブレベルだった。ところが PSV の追加ルートで、姉はようやく完全体になる。正体は「腹黒」だった。

そう、誰が見ても「腹黒」だと分かるタイプの腹黒。男主も彼女のことを「腹黒」と呼ぶ始末。ただ俺が困惑するのは、アホでも自分がアホだと気づいた時点でそいつはもうアホじゃない、っていうのと同じ理屈で、周り全員が「こいつは腹黒だ」と認識してる時点で、もう腹黒とは言わないんじゃないか、ってことだ。

で、このキャラはいったい何なの? マジで困惑する。

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キャラの立ち位置がはっきりしない姉、同じく立ち位置がはっきりしない妹。困惑してるのは俺だけじゃない。声優の洲崎綾だって、自分が演じてるキャラが一体何なのか困惑してる。

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とにかく、姉妹に追加されたルートってのは、もともとの一家がめちゃくちゃツッコミ合う日常に、姉妹2人のエピソードを足しただけ。で、姉妹がなぜかよく分からないうちに男主を好きになる。

しかも姉を腹黒に見せるために、「姉が男主のところへ遊びに来て、うっかり他人の黒歴史を記録した手帳を男主のベッドに置き忘れる」みたいなベタな展開までわざわざ用意して、最終的にゲームが姉のキャラに下す解釈は「姉は小さい頃から他人のことに余計なお節介を焼くのが好きなだけで、別に腹黒じゃない」というもの。だいたい、天朝でいうところの近所の噂好きなおばさんみたいなもんだ。

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妹のほうも、人となりを補完して「ただ純粋に善良で、虚栄心が強いだけ」で片付けられる。

で、姉妹それぞれの個人ルートはどうなんだって? 悪い、語れないんだよ。

ある日、姉妹が男主の家に泊まりに来たときに、姉を攻略するか妹を攻略するかを選べるんだけど、その泊まりの夜、姉妹がそれぞれ自分のやり方で他のヒロインたちに男主への気持ちを表明させ、ついでに自分も流れで男主に告白する。で、男主に選ばれた方は男主とキスして、それから……

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それで終わり! ED 突入!

ED の後に After Story があると思う?

甘い! ED の後はタイトル画面に戻るだけ!

つまりこのゲームの追加ルートは、めちゃくちゃな与太話をちょっと足しただけで、個人ルートはほぼ皆無。追加 CG もお情け程度で、姉が3枚、妹が1枚。Asa Project が今年の新作でおまけに付けてきたサブキャラの HCG の枚数より少ないとか、もう笑うしかない。

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要するにこのゲームの追加ルートは完全に手抜きで、見る価値はほぼない。洲崎綾の演技もイマイチで、小野涼子はまだ OK だけど、そもそもキャラ設定が崩壊してるからほぼ意味がない。

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しかもこのゲーム、個人ルートがほぼ存在しない。これまでの Asa Project の移植版が完全な個人ルートを用意してきたことを思うと、このゲームは……

ホンマありがとうございます! あと、メルカリで200元で売ってくれた兄貴にも感謝します!

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あと、またこのプールの背景を見たんだけど、マジで何年モノだよ!つい先日、Asa の新作でも見たばかりだ。

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ここでふと思ったんだが、このゲームはおそらく Asa Project の移植版における最後の絶唱なんだろう。というのも、その後のゲームでも移植はやってるけど、新キャラは一切出てこないし、下手すると別名義にもしなくなってる。たぶん売上に自信がなくなって、あまり手間をかけなくなったんだろう。

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昨日、狗神煌が写真を晒されたのを見て、昔のゲームは移植後に新キャラを追加するのが伝統だったことを思い出した。ゆずソフトの『天神乱漫』しかり、枕社の『ひまわり教会』しかり。PSP ゲームが新キャラを追加できたあの時代が懐かしい。

ああ、ため息が出る。

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