『恋嵐スピリッチュ』レビュー

猫のわがまま

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Parasol というブランド、母体がどこだったかは覚えていない。ただ、ずっと「半死不活」だなとは思っている。

いわゆる「半死不活」というのは、時代に合わない、どう見ても売れなさそうなゲームを平気で作るくせに、それでも潰れないというのが一番ヤバいところだ。

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とはいえ Parasol もたまにはまともなゲームを出す。ただ、そういう時の脚本は脳みそがおかしいんじゃないかと思うことが多い。一番有名なのが『晴菜花』だ。それでも Parasol には「いいゲームを作りたい」という心があるとは思うし、二年前の『桜ひとひら恋もよう』は正直そこそこ質が良かった。しかも「ネット依存更生施設」みたいな概念を先取りしていて先進的だった。残念ながらこのゲームは多くの日本人には理解されなかった。「人を軟禁して校長に無限に服従させる学校が実在するなんて嘘っぽすぎる」とみんな言う。ただ、このゲームには公式簡体字中国語版も出ているらしく、中国のユーザーのほうが分かってくれるのかもしれない。もちろん、中国のユーザーが遊んだ後の感想までは調べていないけど。

『桜ひとひら恋もよう』のようなゲームを作れるのだから、Parasol にも腕があるのは間違いない。なら勢いに乗って、もっと上のものを作り、自己変革を遂げ、人生の価値を完成させるだろう。そう待っていたら、2019 年に Parasol が出してきたのが『恋嵐スピリッチュ』である。パッと見はなかなか凄そうだった。設定を見て、即噴いた。

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設定は何かというと、主人公の学校で幽霊騒ぎが起きる。幽霊のボスはエリーゼという白髪ロリで、こいつがまるで淫魔のように学校で暴れ回り、生徒と教師の間にあれやこれやの変態淫乱なことをさせる。ついに学校と生徒会長である主人公は我慢の限界に達し、祓魔師を呼んでこの幽霊を始末しようとする……

おいおい、この設定は何なんだ。俺の印象にある Parasol と違うぞ。Parasol といえば小清新で郭敬明レベルの設定を書くイメージだったのに、急に抜きゲーみたいなものを出してきたな。

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ゲームを開けてみたら、マジで抜きゲーみたいだった。主人公が呼んだ祓魔師は二人。一人は巫女の桜守糸世、もう一人は猫神の牡丹。二人は夜中に学校へ来て、適当にバトルを繰り広げ、すぐに最終ボス・エリーゼと対面する。だが全然敵わない。しかもエリーゼは除魔隊のリーダーである主人公に条件を出してきた。自分とセックスするか、精液を少し貢献するかすれば、一時的に見逃してやると。

あ、そうそう。あの二人のポンコツ祓魔師はエリーゼに勝てず、魔力も宝の瓢箪……じゃなくて箱に吸い取られてしまった。

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ここで主人公はようやく思い出す。自分には超凄い魔道の血統があったのだ。どこが凄いかというと、自分の精液で他人のマンコを充電できる。充電されたマンコは一気に強くなる。こういう設定はもうお馴染みで「補魔」と呼んでいる。

つまりこのゲームの共通ルートは、主人公が毎晩二人の祓魔師を連れて学校へエリーゼを討伐しに行き、毎回勝てず、その後いろいろな理由で祓魔師たちに補魔するという流れ。その傍ら、主人公は学校で「外国人」に出会う。実際は金髪なだけの辻郷翼という妹で、彼女もエリーゼ討伐のためにこの学校へ来ていた。みんなでチームを組んでボスを倒し、みんなで主人公に補魔させる。最高じゃないか?

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みんなでボスを倒せると思った矢先、ボス自身が語り始めた。ボスは学校を混乱させることが目的ではなく、自分も「Für Elise」という悪霊に悩まされているのだと。エリーゼがこうしていたのは、より多くの祓魔師を引き寄せ、他人の能力を吸収して祓魔師の姿勢レベルを上げるためだった。今は人数が足りたから、一緒にこの「Für Elise」を倒しに行ける……

この論理はクソだが、まあ筋は通っている。そして一行は黒幕を倒す(黒幕がどんな姿かは最後まで見られなかった)。エリーゼは解放され、そして……

そしてこのゲームの物語はほぼ終わる。

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その後のルートは想像通り、セックスからのED? nonono、我々は「ストーリー重視」のギャルゲーだ。もう少し「来龍去脈」を加えねばならない。

というわけで「猫神牡丹」ルートでは、猫神の来歴が明かされる。猫神は元々ただの猫で、女主人に飼われていた。やがて女主人は猫と最期まで一緒にいたいと願い、その願いがなぜか叶って猫は不老不死の猫神になった。女主人が死んだ後、猫神はやむを得ず大殺戮を繰り広げ、封印された。封印から何年も経って、巫女の桜守糸世に解放され、今に至る~

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あ、そうそう。このゲームにはエリーゼのルートもあって、パッチを当てないと見られない。このルートは非常にシンプルで、Afterstory にそのまま置かれている。内容も大したことはなく、自由になったエリーゼが主人公とセックスするが、自分は所詮幽霊で死んでいるから成仏して転生する必要がある。しかし天に昇った後、妊娠していたために天庭から追い返され、仕方なく人間界に残って主人公と暮らす、という話だ。


とにかく『恋嵐スピリッチュ』というゲームは、俺にはちょっと訳が分からなかった。

まず画風。色使いも背景も、2019年のゲームには見えない。2000年前後の匂いがプンプンする。特に妹の立ち絵は、Alcotの処女作と言われても信じる。次に設定。より多くのHCGのためにわざわざ作られた感じがする。実際、ゲームのシステムもより多くのHCGのために変えられていて、なんと「ヒロインの胸」を大きくするか小さくするかを自分で選べる。

シナリオにこれといった見どころはない。後半で多少挽回しようとしているのは分かるが、残念ながら絆創膏のような効果しかなく、全体としてゲームの質を上げるには至っていない。

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これがParasolの2019年の作品だなんて信じられない。二年前の記念作が売れなかったのか? それともこの会社は潰れるのか? しかもまた杏子御津がヒロイン一号を演じていて、しかも下ネタ全開だ。他のことはよく分からないが、杏子御津はシングルマザーで息子二人を育てていて本当にお金が足りないのか、どんなゲームでも出演するんだな。

ただ、このゲームにも見どころはある。それはEDだ。ゲームは相変わらずSolfaが手掛けていて、各ヒロインに専用EDがある。中でも猫神牡丹のED「猫のわがまま」は、編曲もメロディも非常に良く、しかもどこか哀しさが漂う。ゲーム内のちょっと可哀想なシナリオに対応しているのかもしれない。

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とはいえ、このゲームはおすすめできない。時間があるなら、もっとクソなPulltopの『さくらいろ、舞うころに』をやったほうがマシだ。少なくともあのゲームはクソとしてのスタイルを貫いている。

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