『ゆきいろゆきはなゆきのあと』レビュー
9-nine- ゆきいろゆきはなゆきのあと
ずいぶん長いこと引っ張っていた「9-nine-」シリーズもついに第4巻、最後の攻略ヒロインである結城希亜が登場し、ゲーム設定の様々な秘密がさらに明かされていく。タイトルは『ゆきいろゆきはなゆきのあと』、中国語だと『雪色雪華雪之跡』になる。

実は前巻でようやく「シナリオの謎解き」が本格化して、メインの筋が大体どんなものかが明かされた。第1巻と第2巻はどちらかというとキャラを売って布石を打つだけだった。第4巻の説明をしやすくするために、まずはここまでの3巻を軽く振り返っておこう。
第1巻:世界観が説明され、異世界に存在する「遺物」が人間界に流れ着き、それを拾った者は超能力を得る。同時に異世界から来た人形「ソフィア」が現れ、主人公に「遺物」の回収を手伝うよう求める。第1巻のヒロイン九條都の能力は「略奪」で、他人の「遺物」を奪って自分のものにできるが、遺物を奪うと相手の命が失われる。結局何も解決しないまま、わけのわからないうちに終わった。
第2巻:別の世界線に入り、主人公の妹・新海天も「遺物」を拾って「存在感を消す」能力を得る。ここでゲーム内の「敵チーム」も登場し始め、ゴーストという女が非常に好戦的で、あれこれ追い回そうとする。主人公も、この「遺物」回収をやっているのは自分たちだけではなく、もう一組の敵側もやっていることに気づく。もちろん物語は敵側について多くを語らず、先輩の香坂春風も能力者だという点以外は、触りだけですませている。
第3巻:三つ目の世界線。主人公が自ら先輩の香坂春風に近づき、先輩の能力が「思うがまま」という非常に強力なものだとわかる。しかも先輩はただ敵組織に無理やり引き込まれただけだった。同時に最終ボスも登場する。あの人形ソフィアの黒化版イーリスで、イーリスの目的は「遺物」を使って世界を混乱させること、ソフィアとは対立している。最終的に主人公はイーリスとの対決の中で自分の能力:Overloadに覚醒する。世界線を何度も「セーブ&ロード」できる能力で、ついにイーリスの攻撃を回避し、比較的平和な世界線の結末にたどり着く。そして第3巻のラストで、ソフィアも正式に手の内を明かす。主人公の能力Overloadはこれだけのものではなく、もっと多くの問題を解決できる。最終目標は、あの大悪役イーリスをぶっ倒すことだと。

そして第4巻の冒頭、ソフィアが主人公のOverload能力の様々な可能性について語る:
- 主人公はOverload能力を使って、世界線を自由に「行き来」できる
- 主人公のOverload能力は世界線を越えた後に「記憶をInstall」し直す必要がある。つまり主人公本人が「越えた」のではなく、彼の「記憶」と「意識」が越えたのだ
- イーリスは前の「第3巻」の世界線で倒されたのではなく、一時的に「回避」されただけ
- ソフィアは主人公にイーリスを倒す方法を見つけてほしいと願う。でなければ今のこの世界は、どう進んでも最終的にイーリスにぶち壊される
- ソフィアは、イーリスを倒す鍵となる方法には、かなりヤバい能力が必要かもしれないと示唆する。その能力の持ち主こそが結城希亜だと
- ここでゲームはOverloadの世界線と時間線のフローチャートも解放し、これまでの3巻の内容の時系列がほぼ一目でわかるようになる
ソフィアがそこまで示唆するなら、結城希亜の能力を知り、彼女と良い関係を築くことが鍵になる。だがこれまでの世界線では結城希亜と主人公はそれほど近い関係ではなかったし、彼女自身かなり変わり者だ。知りたければ、最初から彼女に近づくべきかもしれない。だから主人公は物語開始の初日まで戻り、結城希亜の面影を探すのだった。

話は順調に進み、結城希亜は最初から主人公に落ちる。主人公も彼女の能力「The Order」を知る。この能力、何というか、バグすぎる。能力者が相手に直接罪を宣告し、罰を与えられる。その宣告は極めて「主観的」で、要はこうだ:
「俺がお前は有罪と言えば有罪、俺がどう裁きたいかでどうにでも裁ける。」
この感じ、どこかで……しかも主人公は結城希亜と付き合いながら、本来起こるはずだった「超能力バトル」のイベント、石化事件や火災事件などをできるだけ回避し、悲劇を最小限に抑えていく。
だからイーリスを倒すには、当然結城希亜の力を借りることになる。第3巻の内容から見ると、イーリスは先生に憑依することになるので、主人公も早くから先生に注目していた。世界が超能力による混乱に陥り、先生がイーリスに憑依されて暴走しかけたとき、全てのヒロインと力を合わせ、先生の中のイーリスを裁き、結城希亜がトドメを刺す。

こうしてイーリスは倒され、世界は平和を取り戻し、みんな幸せに暮らしましたとさ……ゲームもEDに入る……
ところが意外なことが起きる。ゲームのEDで先生の人物紹介が出た瞬間、先生が突然邪悪な笑みを浮かべ、直後に全てが巻き戻り、結城希亜が先生を裁いたあの瞬間に戻る。
そこでソフィアが教えてくれる。イーリスは死んでいない、さっきのハッピーエンドは実はお前の幻想だったと。
結城希亜はイーリスに憑依された先生を裁いたが、それは偽物で、本物のイーリスは主人公の親友:深沢与一に憑依していたのだ。

主人公は自分のOverloadで巻き戻そうとするが、驚くべきことに、イーリスに憑依された深沢与一は主人公と同じOverload能力を持っていた。
つまり、お前は過去に戻って世界線を変えられるが、深沢与一もお前と同じ時間線に戻って妨害できる。彼はお前のヒロインを自らの手で殺すことだってできる。理由なんてない、お前を絶望させるためだけに。

世界線を越えられる能力を手に入れたつもりでも、ボスも同じことをできる。お前が何を変えても、彼はさらに手を加えて悲劇の結果を変えられないようにできる。たとえ彼を殺しても、彼は巻き戻して殺せなくできる。お前は彼を殺せず、彼もお前を殺せないが、彼はお前の目の前でやりすぎなことをし続け、お前を苦しめ、絶望させることができる。
実際、主人公は確かに絶望する。この「殺せないボス」は本当に際限がなく、終わらないLoopに陥って何も変えられず、目の前が真っ暗に感じられるばかりだ。
だがゲームは最終的に転機を迎える。主人公のOverload能力がさらなる覚醒を遂げる。その鍵は、ソフィアが「画面の向こうのプレイヤー」に呼びかけ、自分の力をゲーム内の主人公に貸してほしいと願うことにある。

主人公のOverload能力はアップグレードし、世界線を越えて記憶を移すだけでなく、他の世界線のキャラを召喚できるようにさえなる。一方イーリスは記憶を移すことしかできず、他の世界線の人間を召喚できない。
主人公は自分の四人のヒロインを召喚する。「画面の向こうのプレイヤー」の協力のもと、他の世界線から召喚されたのだ。五人は共に最終ボスに立ち向かう。この時点でボスはすでに痛手を負っているが、イーリスに憑依された深沢与一は力を求めすぎて、身体と意識をイーリスに喰われ、まるごとイーリスになってしまう。倒すのはさらに難しくなるが、ここで「プレイヤー」が再びゲームに介入し、他の世界線の先生とソフィアを接続、異なる世界線に存在するイーリスの化身を繋げて一点に集め、結城希亜が集中爆破する。いわば「まとめてAした」状態で、ついにイーリスを完全に始末する。全ての世界線も徐々に平穏を取り戻していく。
主人公が召喚した異なる世界線のヒロインたちも皆帰っていき、彼だけが残される。

だが「プレイヤー」の助けにより、主人公の記憶は結城希亜と共に暮らす世界線に書き込まれる。その世界線で、結城希亜は主人公と同じ結末を迎えるのだ。
イーリスを倒し、このゲームも終わりを迎える。主人公もいくつもの世界線で、異なるヒロインと幸せな生活を手に入れた。ソフィアは主人公に感謝し、最後には画面の前のプレイヤーにも感謝する。そして、最後にもう一つ回収すべき「遺物」があること、イーリスに乱された世界線も剪定する必要があることを告げ、「画面の前のあなた、一緒に協力してほしい」と願う。

そしてゲームは終わる。
感想:
「9-nine-」シリーズの第4巻として、本作はこの物語に一つの結末を与え、きちんと決着をつけてくれた。
ゲーム四巻を俯瞰すると、これは王道の「世界線を越える」超能力主人公が世界を救う物語だ。前半三巻が三つのルートに対応し、最終巻がTrue Endといった感じ。ただ他のゲームと違うのは、これがバラ売りされ、しかも4年もかけて売られたことだ。
要するに、ギャルゲー一本分の3つの個別ルート+True Endを四つのゲームに分割して毎年一つずつ売る、そういう感じ。もし分割せず最初から一本にまとまっていたら、個人的には「良好」な作品だと思う。驚くほどではないが、質は悪くない。「驚き」なんてものは偶然の産物で、しかも「主人公が越える」設定は多くのゲームで使い古されている。だがこのゲームは分巻販売を選んだせいで、評価がとても難しくなる。

ゲーム自体から言えば、「9-nine-」の第3巻と第4巻はなかなか良い。ただしあくまで「シリーズ内」での比較で質が高いという話で、第1巻と第2巻はやや退屈に見える。全体評価を求められれば、こういう「シナリオ重視」の作品を分巻にするのは非常に愚かだと言わざるを得ない。特に「一ルート一巻」のやり方で、しかも一巻に一年待たされるとなればなおさらだ。もちろんこのゲームにも光る点はあり、第4巻の最後にはやや「斬新」な方法、メタゲーム的なものを使って画面の向こうのプレイヤーをゲームに招き入れ、主人公を助けさせる。主人公がゲーム内で言う「相棒」とは、実はゲームを遊んでいる人間のことだ。またゲーム最後の絶望と超展開を際立たせるため、細部にも凝っている。最初のEDのとき、イーリスは実は倒されておらず、ただの主人公の幻覚だった。ゲームのEDは依然として暗く、最後のEDではずっと明るくなっている。そして最終章に入ると、ゲームタイトルからヒロインが消える。これは主人公が世界を変え、ヒロインがすでにイーリスに殺されたことに対応している。

他の人が覚えているかは知らないが、自分はずっと覚えている。ゲーム第1巻のOPにあった「この世界はお前が___したものだ」という言葉だ。無意識に「世界は主人公が創り出したものだ」という意味だと思った。そしてその後、ゲームはまる二巻にわたって中心的な内容に一切触れず、ただ中二病っぽい超能力を売り、ヒロインのエロCGや色っぽい絵を売るだけだった。第3巻の最後の部分までは、このゲーム自体が最初のOPの言葉を忘れてしまったのではないかとさえ思っていた。それが最終巻でようやく、あの第1巻OPの「伏線」はやはり深く埋められていたのだとわかった。

このゲームは分巻販売のスパンが大きすぎて、第4巻の時点で自分はもう最初の二巻の内容をほとんど忘れていた。ゲームは絶えず回想を挟んでくるが、何も思い出せない。制作陣もさすがに思い出せないとわかっていたのだろう、だからあのOverloadのタイムラインを作って思い出させようとした。だがそこまでする必要があったのか?一度に作れるゲームを、なぜ四回に分けなければならないのか?
比べてみると、このゲームは予算がそれほど高くない。モブはほとんどおらず、背景はいつも同じ数か所、音楽のOSTも一つだけで、それを丸四年使っている。OPは4つあるかもしれないが、OPを作るのは正直そこまで複雑ではなく、MADのレベルでしかない。各巻の新作は、過去の古い素材を再利用した上にCGとOP、EDをいくつか足しただけ。そんな制作に一年かかるなんて、自分は絶対に信じない。

もちろん、パレット制作陣が本当に金がなかった可能性もある?業界がこれだけクソなのだから、あり得ない話でもない。ともあれこのシリーズはついに終止符を打ち、しかもAmazonで9-nine-全シリーズがまた売上上位に急上昇しているらしい。このシリーズを見れば、かなり儲かっているのは間違いない。
9-nine-シリーズを経て、パレットにはより良いゲームを続けて出してほしい。分巻はもうやめてほしい。もちろん次の新作の前に、また稼ぎ目的で9-nine-が一作出るかもしれない。何せ最後にソフィアがプレイヤーに、まだ一つやるべき任務がある、不幸な結末を剪定すると言っていた。おそらくハーレムFan Diskだろう。
前三巻本站付録:
『9-nine- ここのつここのかここのいろ』 『9-nine- そらいろそらうたそらのおと』 『9-nine- はるいろはるこいはるのかぜ』
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