『灰色的乐园』レビュー

迷宮を越えて、楽園へ

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『グリザイアの果実』には続きがある。2作あって、ひとつは『グリザイアの迷宮』、そして完結編の『グリザイアの楽園』だ。

『グリザイアの果実』はすでにテレビアニメ化されている。『迷宮』と『楽園』のアニメが今月12日に放送開始予定だから、ネタバレが嫌なら見ないほうがいい。

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正直な話、時間が経ってから『グリザイアの果実』を振り返ると、シナリオ構成はそんなに優れているとは思えない。長ったらしい共通ルートに、伏線もほとんどなく、ただ回想で展開する個別ルート。回想の話が面白くて心理描写が細かいからまだ持つけど、そうでなければ退屈に感じるのは容易い。

『グリザイアの迷宮』(グリザイアの迷宮)は実質『グリザイアの果実』のファンディスクだ。でもその中に、主人公・風見雄二の過去を描いた「カプリスの繭」という章が入っている。つまりこの章こそが『迷宮』の本体で、ほかはおまけの短編が多い。

「カプリスの繭」は雄二の子供時代から始まる。雄二の家庭は悲惨だった。父親は大志もない商人で、破産してからは毎日家族に当たり散らし、酒に溺れた。その後、風間一姫が生まれて希望ができた。一姫は8歳でIQ180に達する天才で、あらゆる分野に秀で、絵も得意で、描いた作品はどれも高値で売れた。雄二の父親はまるで藁にもすがる思いで、一姫に絵を描かせて金にし、さらに深造させるため送り出した。一姫の弟である雄二には見向きもせず、邪魔者扱いだった。そしてある日、『グリザイアの果実』で一姫がバスケ部の合宿に向かう途中に事故に遭ったとき、死亡が確認される。これは雄二の父親にとって致命的な打撃だった。家の金脈がなくなり、すべてが終わった。彼はまた酒を飲み始め、毎日雄二とその母親を殴った。母親は耐えきれず、雄二を連れて家を逃げたが、すぐに父親に見つかり、わずかな金を出せと迫られ、機嫌が悪いと雄二の母親を強姦した。母親の苦しむ姿を見て、耐えられなくなった雄二は殺意を抱く。

「もし、この邪魔な男がいなければ……すべてうまくいくのに。」

雄二は父親が飲み残したビール瓶を手に取り、思い切り父親の後頭部を殴りつけた。瓶が割れ、父親は血の海に倒れた。そのとき母親はもう心神耗弱状態で、最後の金を雄二に渡し、先に逃げろ、自分もすぐ行くと言った。雄二は純粋に信じて走ったが、しばらくして違和感を覚え、すぐ家に戻ると、母親は首を吊って自殺していた。遺書には「夫を殺したのは私です」とあった。

雄二は一瞬で孤児になり、父親の友人に引き取られた。友人の名は桐原。ところがこいつはテロリストの首魁で、ホモで、しかも小男孩に性欲を抱く死んだホモで、さらに同性の小男孩に女装をさせる性癖を持つ死んだ変態ホモだった。雄二は女装させられて弄ばれた。桐原は雄二を気に入っていた。その頃の雄二の心はすでに壊れていて、飯と寝床さえあればよく、ほかのことはどうでもよかった。

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桐原は後に雄二を自分のテロリスト少年訓練基地に送り、開発した薬物を注射した。「スーパーソルジャー」計画と呼ばれ、無敵の戦場殺し屋を作り上げるものだった。雄二はそこで数年を過ごし、最終的に卒業し、世界中で女装の子供に扮して人を殺し始めた。

ここで触れておきたいのは、雄二自身は臆病者で、人を殺したくないし殺せないということだ。ただ桐原が精神薬を注射するから、雄二は血に飢えた状態になり、狂ったように人を殺す。ターゲットの顎をボールペンで貫通して脳幹まで届かせ、同時に脳を破壊するという、極めて残忍な手段だった。

雄二の活動は別の組織の目に留まった。その組織は依頼を受けてテロリストの首魁・桐原を狙撃しようとしたが、逃げられた。組織の人員は殺し屋の雄二を捕まえた。このとき雄二はまだ子供だった。組織の監察官であるJBとその友人・日下部麻子がこの少年に気づく。日下部麻子は雄二を気に入り、憐れみ、養子にすることにした。

最初、雄二はなかなか懐かなかった。長期間薬物を投与されていた雄二は心を失い、生き方もわからなかった。麻子は雄二の養母となり、森の中の住まいに雄二を引き取り、毎日一緒に暮らしながら、少しずつ雄二を普通の人間に戻していった。

この部分の日下部麻子の描写はとても印象的だ。彼女を一言で表すなら「洒脱」。まるで古の女武将のようだ。実際、麻子は女性軍人で、部隊では狙撃を担当する神射手だった。麻子は自分のすべてを風見雄二に教え、雄二を自分と同じ存在に仕立て上げた。

雄二は精神薬なしでは人を殺せない。自分が父親を殺したこと、さまざまな人を殺した場面をよく思い出し、恐怖を感じる。

「引き金を引くのは、人を殺すためじゃない。仲間を守るためなんだ。」

麻子の言葉が雄二の頭に入り、彼は一時的な救いを得て、影から抜け出した。その後、麻子は長期間狙撃手として働いたため右目の毛細血管が破裂し、瘀血の腫瘤が脳を圧迫して視力が低下した。彼女は雄二に自分の代わりに殺し屋の仕事をさせ始め、同時に雄二をアメリカ海軍の訓練キャンプに送って兵役につかせた。そこで雄二は多くの仲間と出会い、面白い日々を過ごした。

除隊した雄二は正式に麻子の仕事を引き継いだ。ある日、JBから電話があり、麻子が倒れたと告げられる。雄二は麻子の瘀血の腫瘤が脳内で頑固な病となり、余命いくばくもないことを知る。麻子の手を握り、雄二は苦しみを感じた。麻子は笑い、その微笑みの中で目を閉じた。

雄二は養母を失った影から抜け出すのに一週間かかった。麻子の友人JBが麻子に代わって雄二を引き取り、雄二は麻子の未完の事業を続けながら、学校に通い「普通の学生の普通の生活」を送る。ここが『グリザイアの果実』の物語だ。

『迷宮』の最後、雄二はある任務を受ける。とある首魁を狙撃するよう命じられ、その首魁を見たとき、目の前が真っ暗になった。面前の人物は他でもない、かつて自分を引き取り、テロリストに育てた桐原だった。桐原は雄二のスコープの中で笑い、唇の動きで雄二に告げる。

「風見雄二くん、ただいま。」

雄二はすぐに狂乱し、人を殺せなくなり、狙撃は失敗する。ここで『迷宮』の物語は終わり、続くのが『楽園』だ。

『楽園』にも三つの大きな脚本があり、ほかは枝葉だが、重要なのは「ブラン・エールの種」という章で、『迷宮』の物語を繋ぐものだ。

「ブラン・エールの種」は、学校の寮にいる各ヒロインたちに、風見雄二が大使館襲撃の容疑で捕まったと告げるところから始まる。テレビで報道され、襲撃者の風見雄二との類似度は65%に達し、名前もカザミユージと同じ。雄二は頭号戦犯とされ、拘禁され、政府に引き渡して裁判にかけるよう要求される。

雄二の監察官であるJBも罷免され、雄二の通う学校も廃校になる。ヒロインたちは雄二を助けたいが、どうすればいいかわからない。小嶺幸が、雄二の部屋にもう一部屋あり、そこに雄二が語った過去と、口外できないものが保管されているとみんなに告げる。

みんなが見に行くと、壁一面に雄二の心の苦痛の懺悔が書き綴られていた。

「俺は人を殺した……」

「俺はいろんな人を死なせ、いろんなものを失った。」

「俺はただ、死ねる場所を探していただけだ。」

「麻子に引き取られ、救われた。なら、死んでもいいだろ?」

「学校で5人の女の子を救った。なら、死んでもいいだろ?」

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「雄二が夜中に寝ないで、一人でこの部屋に黙って座り込んでいるのを見たことがある」周防天音の言葉で、寮の女生徒たちは、無表情に見えた風見雄二がずっと大きな苦しみを抱えていたことに気づき、雄二を救うと決心する。

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しかし雄二を救うのは簡単ではない。そこへ「タナトス」と名乗る者が携帯で girls に連絡を取り、自分には雄二を救う方法があると告げ、協力を求める。一行は彼女の意見に従い、雄二の拘束場所に近づき、準備を始める。「タナトス」の助けで、少女たちは銃を買い、逃走経路を視察し、武器を用意し、資金も調達した。

ではこの「タナトス」は誰なのか? 実は『グリザイアの果実』で死亡が確認された風間一姫だ。一姫はあの夜、周防天音を送り出した後、人肉を食べる生存者たちに捕まったが、彼らは一姫をどうこうするでもなく、内輪揉めで殺し合いを始めた。人肉を食べて正気を得た者は自分が人肉を食べた事実を受け入れられず他人を襲い、ある者は狂った。次々に死に、最後に生き残った教師も人肉中毒による肝不全で死んだ。風間一姫は後から来た者に救われたが、政府に引き渡されず、天才的なIQのために組織に連れ去られ、「教授」として人工知能「タナトス」計画を育成するために使われた。少女たちに連絡した「タナトス」は、一姫の脳を原型に作られた人工知能で、一姫の性格とIQ、声まで備えている。本物の風間一姫はまだ実験室に囚われていた。

「タナトス」はあちこちで動き回り、ネットやさまざまな力を使って浸透し、JB、少女たち、風見雄二、そして雄二がアメリカで兵役に就いていた戦友たちにそれぞれ計画を下ろす。すべては組織が雄二を移送するその日に、少女たちが突撃して雄二を取り戻すためだった。

桐原たちも動いていた。桐原の今回の計画は「タナトス」人工知能を奪うことだ。桐原の研究する「スーパーソルジャー」計画はすでに成果を上げ、完璧な戦闘力を持つクローンまで作り出していた。あとは最良の人工知能を手に入れれば計画は完璧になる。同時に「タナトス」が風間一姫であり、風見雄二が一姫の最も愛する弟であると聞き、さらに自分が死んだホモで風見雄二を好きだということもあり、雄二移送の日に襲撃を仕掛ける。

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こうして大戦が始まる。桐原が先に動いて雄二を拉致し、少女たちが再び動いて桐原の手から雄二を奪い返す。第一戦力の小嶺幸は一人で特殊兵3人を叩き伏せ、入巣蒔菜は遠距離狙撃銃で車列のシリンダーを撃ち抜いた。天音が合流し、一行はカーチェイスを始める。組織は雄二を取り戻すために武装ヘリまで出し、一行は森に逃げ込んで周旋する。最終的に「タナトス」の指示を受けた雄二の戦友たちの助けで、天音たちは海上の潜水艦に迎え入れられた。

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同時にJBも「タナトス」の命令に従い、組織の核心に赴き、囚われていた風間一姫を救出し、潜水艦にやって来る。ここで、長い年月を経て風見雄二は再び姉・風間一姫と対面する。

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物語はまだ終わらない。桐原は依然として雄二を狙っており、自信を取り戻した雄二も自ら動いて桐原と決着をつけると決意する。彼はこっそり桐原の船に潜入し、一人で殺戮を繰り広げ、桐原の面前に至る。しかし現れたのは桐原の死んだホモではなく、自分とそっくり同じ姿の男だった。

これが桐原の「スーパーソルジャー」計画の完成品。風見雄二を基にクローンを作り、薬物でほぼ無敵の究極の殺人兵器に仕上げた。名前も雄二と同じ発音のカザミユージ。だから最初に大使館を襲撃したのは彼であり、雄二ではなかった。

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二人の最終決戦が始まる。ここで以前使った薬物を使うか選択できる。もちろん「いいえ」を選ぶ。そうでなきゃ雄二のこの苦労は何なんだ。

激闘の末、雄二は自分のクローンを倒し、桐原の面前に至る。桐原は相変わらずの死んだホモの姿で、また激闘になり、桐原も死に、雄二も重傷を負う。しかしそのとき雄二は気づく。死んだ桐原は本物ではなく、本物の桐原はすでに老いさらばえ、脳のリンクで外のクローンを操り、自分の代行者として動かしていた。桐原は自分の計画を語る。新世界の神になるつもりだと。(安っぽい?) 同時に雄二を仲間に誘う。

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そこで「拒否」を選び、一太刀で桐原の本体と機械を斬り倒す。船体が爆発し、雄二は吹き飛ばされるが生き残り、ヒロインたちを連れて日下部麻子が畢生の貯蓄で雄二に買った個人の小島へ行き、楽しい生活を送る。

過去編『迷宮』と完結編『楽園』を振り返って思うのは、この二つのゲームはシナリオのレベルがまったく違うということだ。『迷宮』は過去の描写で『果実』の重さを受け継ぎ、相変わらず細かすぎるほど丁寧なテンポを保っている。中間の兵役編は正直長いが、アニメではカットされるだろう。

一方『楽園』は、もはや『果実』『迷宮』と同じシリーズのゲームとは思えない。キャラクターが同じなだけで。最初のハイテク救出作戦、その過程での大量の爆発、目まぐるしい戦闘、戦闘中のアメリカンジョーク満載のツッコミ、そして最終ボスの変身。自分が科学的に厳密な『果実』の続編をプレイしているというより、『パシフィック・リム』や『スパイダーマン』『バットマン』のような大作映画を見ている気分になる。確かにこのハリウッド的な展開は熱いし、ゲームも誠意に満ちていて、特效とCGを使うべきところは一切手を抜かない。ただ『果実』シリーズの中に挟まるとやや違和感がある。

それでも『楽園』は、最初の準備段階が長すぎるのを除けば、最後の戦闘はかなり熱い。少し奇妙だけど、誰が気にするだろう。本当の物語は『果実』で語り終え、私たちが知りたかった主人公の過去も『迷宮』で解答を得た。なら『楽園』の存在は、私たちに「迷宮」を越え、「果実」を摘み、「楽園」へ奔るハッピーエンドを与えるためのものにすぎない。

ハッピーエンドは悪くないだろう? 風見雄二はあんなに惨めだったんだ。そろそろ余生を穏やかに過ごさせてやってもいい。

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