『Pieces/揺り籠のカナリア』レビュー

揺り籠のカナリア

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去年僕がずっと持ち上げてて、破先生がずっと貶してたゲーム『Pieces/渡り鳥のソムニウム』が、一年ぶりに続編を出した……

もちろん続編と言っても、どう見てもファンディスクで、タイトルは『Pieces/揺り籠のカナリア』、揺り籠の中のカナリアだ。

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実はこのゲームがFDを出すと聞いてかなり驚いた。原作のストーリーはもう終わってるし、FDを出そうにも後日談なんてほぼ無理がある。なにせ主人公たちはみんなあの「夢世界」から目覚めて、男主と女主が再会しても過去の記憶を失っていて、ただの運命的な再会ってだけだ。FDで何を語れっていうんだ? まさか現実世界でまた一発やるのか?

現実にはもう竹牛逼(竹チンポ)みたいなBoringな晒しチンポ飲精のクソ野郎がいるんだ、そんなの御免だわ!

しかも体験版まで配信されてて、見た瞬間に噴いた。

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やっぱり純粋なファンディスクで、「夢世界」が崩壊する前の、男主が各ヒロインと恋に落ちた後のちょっとした日々を描いてる。せいぜい前の内容の補足程度だ。同時に原作でクソほど頭の悪い巻き毛女貴族のルートも追加されてる。

このゲームのストーリーラインは「夢世界」の真相が明かされる前の話で、恋愛日常がちょっと足されただけ。

実際どのヒロインのルートも同じで、事件をいくつか捏造して、それに参加して解決して、男主と女主の仲を深めて、最後に大団円CGでED。

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最初は「巻き毛女貴族」のルートはクソだろうと思ってたけど、意外にも彼女が一番強い。中二すぎて逆に笑いの効果がデカい。いつも真面目に漫才やってて、「高貴な人士」を自称してはよく笑いを取る。しかも面白いのは彼女が男主を父親に会わせるシーンで、男主に早く婿入りしろ、彼女の父親を置き換えて新しい男主人になれと要求して、義父を吐血寸前まで怒らせる。

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このゲームはこのまま終わるんだろうなと思ってた矢先、どうやらTRUE ENDがあるらしいことに気づく。

FDに隠されたTRUE END、それはヒロイン君原結愛の後日談ルートをクリアすると解禁される、omnium篇というものだ。

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そのomnium篇の前に、君原結愛の標準的なFD内容は他のヒロインと大して変わらない。ただのIfの世界で、もしみんなが「夢世界を解散して現実に戻る」を選ばなかったら、この「夢世界」は続いていく、という君原結愛のFD後日談だ。

ところがomnium篇はこれをひっくり返す。みんなは「夢世界」の解散を選んだ、理論上は君原結愛は現実で目覚めるはずで、全員が現実に戻る、男主自身を除いて。

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なぜなら男主はこの夢世界の主人「天使」が創った「案内人」のようなキャラで、夢の中の人間と接触し、世界で一番尊いものは何かを見つけるためだった。実は元々男主(天使)は答えを見つけていて、原作TRUE ENDで結愛と男主は現実で再会している。

しかし妙な話で、男主はただの「夢世界」に存在する偽物のNPCなのに、なぜ現実に現れるのか? もちろん深く考えなかった。愛が奇跡を起こすんだろう、きっと天使の神力なんだろう。

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だがこのomnium篇では、あの「再会」は実は「並行世界」の存在だったと明かされる。

天使は夢世界を解散し、男主は夢世界に一人取り残される。同時に天使は「並行世界」を創り、その「並行世界」には別の「結愛」と「男主」がいて、再会する。

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本当の物語はまだ終わってない。男主と結愛はやはり離れ離れになる。ゲームは偶然この夢に迷い込んだもう一人の天使ノア(Noah)を導入する。このノアは自分も天使だが傍観者にすぎず、この夢は自分のものじゃないから関わる気はない、ただ面白いと思って「世界で一番尊いもの」とは何かを自分も解明したい、だから男主の妹に成りすまし、男主と他のNPCの記憶を書き換えて夢に加わった、と語る。

本来「夢世界」は誰かが夢を見て維持する必要があり、生きてる人間が全員去ったらこの世界は崩壊するはずだった。しかし崩壊しなかった。どうやら以前夢世界で結愛のそばにいた鳥カステラが「夢主人」の役を演じ、この世界の存在を支え続けていたらしい。

結愛は夢世界を去る時、男主の正体が夢世界のNPCだと知る。去った後も当然納得できず、あのノアの助言もあって、再び睡眠によってこの夢世界に戻り、男主と過ごす。

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だからomnium篇で、男主には毒舌な妹(あの天使ノア)が増え、君原結愛も再び帰ってきて、二人は楽しく暮らす。周りの仲間たちもいるにはいるが、それは創られた幻にすぎない。

このカステラが維持する夢世界には、「君原結愛」と「男主」の二人しかいない。(そう、あのノア天使と鳥は人間に含まれない)この世界は完全に結愛が男主一人のために作ったもので、男主こそが揺り籠のカナリアだ。

だがこの偽りの世界は長くはもたない。ノアの推定では3日後、夢世界は崩壊し、君原結愛は目覚め、男主はまた彼女と離れ離れになる。

そこでゲームは3日間のイチャイチャを披露し、しかも夢の中で結婚式まで挙げて結愛に指輪をはめる。3日目、カステラは耐えきれず消え、世界が崩壊しようとする。君原結愛は男主との再会の機会を維持するため、自ら夢の維持を引き受け、そして男主に自分を代替させ、現実世界で目覚めることを選ぶ。

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そう、男主は本来現実生活の身分を持たない、ただ夢世界の人物にすぎない。しかし君原結愛は自分の身分を彼に与えた。別れ際に男主に「大丈夫」と告げた。

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男主は目覚めると、自分が「君原燕」になっていて、「高坂燕」ではなくなっていた。そばには「紬」という従妹がいる。男主は君原結愛の現実の身分を完全に代替し、夢から出て凡人になった。同時に周りが「君原結愛」という存在をあまり覚えていないことにも気づく。

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男主は忘れていなかった。探し続ける。幸い自分にはあの「他人の夢に入る」能力があった。元々「君原結愛」の夢に入ろうとした。なぜなら彼女がまだ現実世界にいて眠っているなら、必ず夢を見るはずだから。しかし結果は出なかった。そこで夢を通じてかつて「夢世界」で知り合った仲間たちをそれぞれ訪ね、重大な情報を得る。

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現実世界に、名前のない少女がいて、ずっと眠り続けている。みんな彼女を「天使」と呼んでいる。

男主はこの人がきっと君原結愛だと推測し、最終的に現実世界で、夢世界の君原結愛のマンションに似た部屋を見つけ、ベッドに横たわる彼女と再会する。

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男主は彼女の今の名前を知らないので、手を握って彼女の夢に入るしかない。

男主はついに君原結愛と再会する。君原結愛は男主に感謝するが、現実の身分は一つしか持てない。君原結愛はすでに自分の名前と身分を男主に与えてしまった。自分はおそらく目覚められず、男主のように夢世界に残らなければならない。

しかしかつての天使(ノア)が結愛に一つのチャンスを与えた。

(ただここで理解できないのは、結愛がカステラの夢世界の維持を引き受けた後で神様になったと言うのはなぜか。おそらくあの夢世界の神様ということだろうか?)

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彼女は結愛に0.1%の確率で男主と会えるチャンスを与えた。0%よりは、0.1%あれば再会の希望がある。

最終的に「天使」はその世界から消え、現実世界から目覚めた。

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何年も後、男主燕の家の近所に隣人が引っ越してくる。同じ角度から見ると、かつて見慣れた顔。二人はついに再会する。

そして再会した君原結愛の薬指には、今も男主がはめた結婚指輪が輝いている。

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(でもここはツッコむ。確か指輪は夢の中でつけたはずなのに、どうやって現実社会に来たんだ? これじゃ男主が何年も後に女主と現実で再会して、すでに嫁いでいるのを知った、ってなるじゃないか)


長々と語ったけどわかりにくいかもしれない。このFDのomnium篇の内容は、原作のあのTRUE ENDは並行世界のストーリーだった、ということだ。本当の物語は、女主が夢世界から目覚め、男主が一人夢世界に閉じ込められているのを知り、女主がまた男主を探しに戻る。同時に自分の肉体を男主に与え、男主の代わりに夢世界に残る。夢世界の天使が女主の一途さを哀れに思い、現実世界に戻って再び男主と会うチャンスを与える、たとえ0.1%の確率でも。二人は運命の関係でまた再会し、ゲームに円満な幕を下ろす。

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全体としてこのomnium篇は確かに原作の結末をより完全なものにしているが、それでも僕は釈然としない。原作のTRUE ENDの演出はあんなに素晴らしく、近年まれに見る僕の心を打った結末だったのに、FDでそれは並行世界で、全部偽物だと言われて、やっぱりすごく落胆した。

しかも本当のFinal TRUE ENDの再会演出も原作ほど良くないし、バグまである。夢世界の指輪を、なぜ結愛がずっと現実世界でつけているのか? まさか再婚したのか? これってすごく気まずいじゃないか。

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このストーリー以外に、ゲームが大きく向上しているのはCGの数と質だ。

結愛のCGは各方面で原作より美しい。本当に美しい。夏和小の声も加わって、さらに美しい。

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まあみんなわかってるだろう。夏和小が出るゲームは僕は全部100点をつける。他は何も言わない。FDとして原作のTRUE ENDを補完しようとする姿勢自体が称賛に値する。今こんなことをするメーカーは本当に減っているからな。

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