『あざスミ -あざとくてスミに置けない彼女-』レビュー
知り合いの女性教師がかつてこう言っていた。
「恋愛では男が女を追いかけるように見えて、主導権はずっと女性側にあるのよ。だって女性は男の行動に対して選択肢を選ぶだけでいいんだから」
もちろん、彼女の言い分は不完全だと思う。これには前提があって、女性は美人でなければならない。湘南肉棒君みたいな顔をしていたら、選択肢をくれる男なんて誰も寄ってこない。
実はこの言葉は別の角度からも理解できる。正常な「男が女を追う」恋愛において、男が不屈の精神で女神を落としたように見えて、実際は女性が何度も何度も男にチャンスを与えているだけなのだ。
考えてみてほしい。もし女性が本当にあなたに全く好意を持っていなければ、接触の機会すら与えないし、あなたの言葉に耳を貸すこともしない。あなたは自分が彼女を攻略していると思っているが、実際は彼女があなたに攻略されることを許してくれているだけに過ぎない。

最近あるゲームをプレイして、これに強く感じ入った。海豹社とSMEEのコラボ作品、『あざスミ -あざとくてスミに置けない彼女-』である。
まず確かなのは、このゲームのタイトルはほぼ適当につけられているということ。海豹社とSMEEのコラボだから、両社の名前をタイトルに放り込んだだけ。あさらじだのスミだの、とにかくこのゲームは普通の「軟妹攻略」作品だと単純に考えておけばいい。

このゲーム、日本の評判がやけに良いのを見かけた。容量はたった450MBなのに、きっとシナリオがめちゃくちゃ面白いんだろうと思ってダウンロードしてプレイしてみたが、起動してみて全てがそんな話ではないと気づいた……
このゲームのストーリーは妙に淡々としている。主人公が学校でヒロインに出会い、二人はいつも偶然のように顔を合わせ、ヒロインはざっくばらんに主人公と話し、二人はなぜか急に距離を縮める。そしてありがちなデート展開、デートの最後に主人公が告白し、告白後は流れでパコパコ、そしてパコパコの後は……
ゲームが終わる。
終わるのだ!
そう、このゲームのストーリーはこれだけ。どう見てもテンプレで退屈すぎる。なぜこんなに高評価なのか?
そこでタイトル画面の「ヒロイン視点」に気づいてクリックすると、ゲームは新たな世界を開いた。

ここでゲームの主視点が主人公からヒロインに切り替わる。すると、男方から見た「様々な偶然の出会い」が、実は全てヒロインが張り込んで待ち伏せした結果だとわかる。主人公から見てヒロインが不意にぶつかってきたり軽く服がはだけたりするのは、全てヒロインの計算のうちなのだ。

しかも主人公とヒロインの教室での「偶然の二人きり」も、彼女がカネで隣の電球(邪魔者)を追い払った結果である。
主人公とヒロインのデートはヒロインの誘導で進み、主人公の告白はやや予想外だったが、そこまで来たらそうするのも当然だろう。
主人公がヒロインを家に誘ってパコパコしたように見えて、実際はヒロインがとっくに準備万端だったのだ!
こう見ると、完全にヒロインが主人公を釣ったのだ!
しかも最大の見どころは、このヒロイン視点の内容がツッコミ満載で最高に面白く、全く退屈を感じさせないこと!

そこでようやく、なぜこのゲームが「海豹社」と「SMEE」のコラボなのか理解できた。おそらく海豹社が男視点を書き、SMEEが女視点を書いたのだろう。
別の視点から恋愛を見ると、やはり違った体験になる。Twitterで有名な詩人・王さんが言っていたように:
「横から見れば嶺、側から見れば峰、遠近高低それぞれ異なる。鴿妹の真の姿を知らぬのは、ただこの山の中に身を置くからだ」
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