エロゲー会社の次回作、エロゲーである必要はない
ALcotはここ数年あまりパッとしない。昨年、一昨年作品のFDを出した以外は完全に音沙汰なしで、本社も分舵も死んだように静かだ。もう倒産するんじゃないかと誰もが思っていた。ところが昨年後半、ALcotの社長・宮蔵がCampfireでクラウドファンディングを始め、「ALcot作品の人気ヒロインの声優を集めてOPとEDを歌ってもらう企画」なるものをぶち上げた。要はCDを出すってことだ。しかもカバーアルバム。歌うのは全部裏業界の声優たちである。
最初この企画は正直どうでもよかった。ALcotが頼れる声優なんて知れてる。遠野か北見六花だろ、と。だが桐谷華と黒咲桐子の名前を見て、俺は金を払った!
本来は今年2月完成予定だったが、例の疫病のせいで今までズレ込んだ。最近ようやく完成したわけだ。ALcotは割とマメで、ずっと進捗を報告してくれていた。某仙台のオバサンみたいに、個人アルバムを作るってクラウドファンディングをやらかして、毎日「何を食べた」ばかり報告し、アルバムの話はろくにしない。曲目すら更新が遅い。あの仙台のオバサンに嫖られた気分だ。

さてアルバム本体だが、全17曲。最後の合唱を除けば正確には16曲か。じゃあ一つずつ感想を述べよう。俺も暇だし、ネット上でここまでマジメにアルバムを評する奴は他にいないだろう。カバーだから歌唱力で評価する。なので歌唱者別に分けて評していく。

1, 清水愛 - 歌唱曲:「SHINE RING」「Rebirth ∞ Impact」
車好きのあの人も大概だな。多分ALcotで一番有名な参加作だろうが、そのゲームを俺はやってない。そういえば昔、青春ホルモン全開の破さんが「中の人などいない!」をやれとうるさかった記憶がある。当時は彼の薦めるものは全部クソだと思っていたのでスルーした。まあこのゲームのOPとEDはぶっちゃけ良くない。どちらも「定型フォーマットのエロゲーソング」って感じだし、清水愛の歌唱力も……普通、中の下。ゲームのキャラ声に寄せようとして少し音程を外しているが、通して聴くとまあ悪くない。合格点の出来だ。
2,明日葉よもぎ - 歌唱曲:「初めての恋よ咲き誇れ!」「キミはAngel」
正直、明日葉よもぎって誰なんだ。ググっても本名が出てこない。知ってる声豚がいたら教えてくれ。彼女の歌う2曲は「そして初恋が妹になる」と「彼女は天使で妹で」から。両方とも俺は積んでる。途中で默示の漢化版が出てるのに気づいて、そのタイトルを見て吐き気がしてやる気が失せたからだ……
理由はクソだが、このゲームのOP EDは聴いてる。やっぱり流れ作業レベルの曲で、印象に残りにくい。
一つ言えるのは、明日葉よもぎはそこそこ歌える。音程も外してない。もう同人歌姫の80%より上手いし、nayutaの連中を遥かに置き去りにしている。このゲームに俺が思い入れがないせいか、聴いてもso soって感じだが。
3, 花澤さくら - 歌唱曲:「ねぇ、ありがとう」
最近は花澤さくらが嫌いなんだが、よく考えれば彼女は悪くない。声の幅が狭すぎて、いつも同じ声。しかも母猪キャラを大量に演じている。その母猪ボイスが純愛作品のヒロイン1番手に出てくると違和感がある。正直に言えば、花澤さくらは新世代の声優として歌唱の訓練を明らかに積んでいる。この曲は本当に上手い。原曲に匹敵するレベルだ。声が一つしかないから歌うのも楽で、無理に裏声を出す必要がないってのもあるかもしれん。
とにかく「将軍様はお年頃」のEDはかなり良い。個人的に80点をあげる。
4, 深田愛衣 - 歌唱曲:「純情可憐な恋の華」
桐谷華のプラスチック姉妹、別名・鹿児島の酒好き、着物狂い、猫奴隷……深田愛衣は仕事にかなり真面目だ。YouTubeで小劇場の舞台に打ち込んでいるのを見ることができる。朗読劇もオペラも芝居もずっと練習している。プラスチック姉妹とは大違いだ。だから小劇場だけじゃなく、Saga Planetsの新作にも出ている……稼いだ金は猫に全部吸われてるのか酒に消えてるのか。
稽古の賜物で、「将軍様はお年頃」のOPはなかなか良い。とにかく聴けば彼女の声だと分かる。ちょっとしたビブラートもあって、パッケージして音をいじれば同人歌姫レベルに紛れ込める。少なくとも不快ではない。ただ、これだけ特徴のある声なんだからもっと歌ってくれよ。
5, 秋野花 - 歌唱曲:「僕のとなりで恋をして!」
「君のとなりで恋してる! The Respective Happiness」のOP。原曲は茶太。秋野花も新世代の声優で歌唱力は悪くない。だが……
この曲、最初に彼女が拍を落としている。
しかも後の調整もどうやらされてない。まあ、歌えてるから細かいことはいい。秋野花は音程を外してないが、歌っているうちに声が「茶太化」していく。自分の色が出せない。聴き終えると原曲と大差ない気がする……
まあ秋野花は歌が少ないから、1曲でも多いのはありがたい。Purely Cationのキャラソンはまだどこにあるか分からんし。
6, 桜咲千依 - 歌唱曲:「新しい調べ」
正直に言うと、この曲は「春季限定ポコ・ア・ポコ!」のED。ゲームはやったのに、EDは全然記憶にない。
というか藤咲ウサのキャラ自体記憶にない。脚本が一番好きなヒロインだったらしいが。
そしてこの曲、聴いててめちゃくちゃしんどい。藤咲ウサはそのゲームで中性寄りの声を使っていたはずだが、この曲でもその声を押し通して歌っている!
そのしんどい声が「音程を外すか外さないか」の境目を行ったり来たりして、逆に妙な中毒性がある。このアルバムで唯一、聴き終わってすぐにもう一回聴きたいと思った曲だ。
7, 氷青 - 歌唱曲:「アンコール」
歌唱者は誰か……氷青。この「幼なじみは大統領」でプーチンを演じていたはずだ。当時のロシア大統領。
そして今もプーチンらしい。まあ、どうでもいい。
氷青には歌手の経歴があり、アルバムも何枚か出している。で、この曲だが……emmmm……
聴き終わったが原曲が誰だったか忘れた。
8, 榊原ゆい - 歌唱曲:「茜色の空へ」
榊原ゆいが歌う「茜色の境界線」のOP。emmmmm….
原曲が誰かも忘れた。
それにしてもALcotが榊原ゆいにこういう曲を歌わせるのは本気で次元の違う攻撃では?他の声優はどうやって勝負しろと。これから突っ込む予定の不出来な連中は特に。
あと、「茜色の境界線」の脚本家の名前は覚えておけ。彼らのゲームは絶対にやるな。99%地雷だ。
9, 岡嶋妙 - 歌唱曲:「百花繚乱ファンタズム」「FairChild-VersionYUI11507-」
みんな大好き遠野そよぎ、声がエロい遠野そよぎ。まさか歌がこんなに下手とはびっくりだ。「鬼ごっこ!」のOPで今まで聴いた中で一番上手いのは南条愛乃のバージョン。さすがプロ。その次が原曲の真理絵。遠野の歌はもう音程が飛びまくっている。
後の曲はAlcotの初期作「FairChild」のOPらしい。こっちは多少マシだが、それでも転音で大量に音を外し、高音になるほど外していく……
とはいえ、それでも俺は遠野そよぎの由貴先生で抜ける!
10, 小野凉子 - 歌唱曲:「Aliare」
一番有名な曲「春季限定ポコ・ア・ポコ!」のOPは、今一番売れている北見六花に任された。パッと聴くとかなり良い。遠野よりずっとマシだ。だが聴くほどに違和感が増す。
この歌、キーが下がっている。
しかもキーを下げても高音で歌いきれていない。
小野凉子も年を取ったな。昔は歌が上手かった記憶がある。……待て、彼女はずっと歌が下手だったかも。なぜ「歌が上手い」という幻想を抱いていたのか。
11, 種﨑敦美/又吉愛 - 歌唱曲:「CloverDay’s」「CloverHeart’s-New Decade Edition」
俺が一番期待していた歌手だ。まず、「Clover days」のOP1「CloverDay’s」はなかなか良い。一人一句、合作の合唱もある。しかしどう聴いても、又吉愛の方が桐谷華より上手い。そして「CloverHeart’s-New Decade Edition」では、二人が完全に全編合唱で、桐谷華の声がほとんど聴こえない……
なぜ一人一句で歌わないのか。それはこのディスクの最後の曲の話につながる。合唱版「CloverHeart’s」、全声優総出演の合唱だ。ALcot KB 48と化していて、誰の声か分からない。訳も分からず終わる……
多分、この曲は各声優が別々に歌を録って、最後にミックスして合唱にしたんだろう。鷹倉姉妹のバージョンも同じ作り方だ。本当にコスト削減だな!
俺はこれのためにお金を払ったのに、騙された気分だ。クソが!「CloverDay’s」みたいな一人一句バージョンは作れなかったのか!!!
尻尾:
2020年、ALcotは新作ゲームを出さず、よりによって「音楽カバーアルバム」を作った。みんなALcotは倒産するからゲームをやめてこれを作ったんじゃないかと思っている。このアルバムがALcotの絶唱になる可能性もある。
さらに驚くのは、ALcotがCampfireの紹介文に「制作中に自社が倒産したらどうするか」という条項まで書いていたことだ。本当に金がないんだな。

そしてアルバム発売後、暇つぶしにクラウドファンディングのリターンを見て、ぶったまげた:

さらに総額を見ると:

うわ、22,839,276円。当日のレートで日本円を人民元に換算すると148万元だ。CDとグッズの制作費がそんなにかかるわけがない。この金額はエロゲー市場では大儲けだろう?
ALcotはもうゲームを作る必要はない。今後はこの手法でいい。
まさに「エロゲー会社の次回作、エロゲーである必要はない」。CD一枚でもいいのだ。
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