『まいてつ Last Run』レビュー
エロゲーの金脈
『まいてつ』というゲームは2016年の初頭に発売されたので、もう5年近く経っている。
このゲームがまさか4年以上前の作品だとは想像しにくい。当時このゲームに抱いた感想は「まあまあ」といったところで、制作面はかなり良心的に見えたけれど、シナリオについては一言では言い表せない微妙さを感じた。
どうにも一言では言い表せない。ゲームは「架空の世界」なのに、現実世界を指すのに同音字や象形文字をたくさん使っている。しかも「すべては蒸気機関車のノスタルジーへ寄せる」方向性だ。
どういう「ノスタルジー」なのかというと、作中には「新エネ会社」が設立されていて、それが悪役として設定されていたのを覚えている。新エネ会社は明らかに汚染問題を抱えているのに、しかも「邪悪」にも今の「蒸気機関車」を廃止しようとしていた。最終的に物語は「蒸気機関車」が本体の神様の加護を受けて、観光面ではまだまだ現役でやっていけるという展開になり、街の「新エネ事業」はそのまま頓挫してしまう。
正直、すごく疑問なんだが、新エネルギーが旧エネルギーに取って代わるのは当然のことのはずで、それがなんでこんなに悲壮な問題になるんだ?むしろ少し政治的なレベルにまで持ち上がってる気がするんだが?
それに、新能源には水質汚染の問題があるって言うなら、蒸気機関車には大気汚染や環境汚染の問題がないって言うのか?

しかもゲームは「新エネルギー」の邪悪さを際立たせるため、めちゃくちゃ笑える市長ルートと妹ルートを用意していて、新エネルギー派閥に対抗するためとはいえ、町の住民全員がより遅い蒸気機関車を選んで新エネルギーを拒否するみたいな話になっていて、もう笑うしかなかった。
どことなく「停電になっても原発は反対だ」という感じがある。
とはいえ、このゲーム自体の「ハチロク」ルートはなかなか良い。蒸気機関車を擬人化して、主人公と家族代々受け継がれてきた機関車との感情を描く、この点はかなり良い。まあ、あの邪悪な「新エネルギー」の話さえ出さなければ、このゲームは何の問題もない。
それにこのゲームはロリコンや鉄道オタクからも結構な好評を得ている。なにせ鉄道がテーマのゲームはあれだけ少ないし、合法ロリが出るゲームも数えるほどしかない。貴重な作品だからこそ支持されるのは当然だ。
だが、その後『まいてつ』はなかなかの高評価を得たあと、邪道に走ったらしい。

ゲームの会社は次の作品を作ろうとはせず、むしろ残った価値を搾り取る方向に動いた。だからこそ『まいてつ』は『爱上火车』になって中国語対応を果たし、Steam に上陸。全年齢版の Pure Station になって PS4 と Switch にも出た。アニメ版まで登場し、そして今回のいわゆる「続編」『まいてつ Last Run!!』につながるわけだ。
『まいてつ Last Run!!』は Lose が「正統続編」だとずっと言っていて、しかも容量も巨大で DVD 二枚分にも達している。過去の主人公たちのアフターストーリーだけでなく、新しい電車編や「仲国編」まであるとなれば、天朝のプレイヤーとして期待せずにはいられない。
ところがゲームが発売されて、ちょっと遊んでみたけど、これっぽっちの驚きもなかった。あったのはただ……「は?」って感じだけ。
まず最初に突き当たるのがこの問題だ:
「これ、マジで**『続編』**なのか?」

まず、ゲームの中身が根本的に原作そのもの。いわゆる「続編」は原作のラストに After Story をちょっと追加しただけ。最終的な Grand Ending と追加された2つの章も、ぶっちゃけ「読ませるもの」としてはほぼ機能してない。
いわゆる「読みやすさ」とは叙事性の上での描写のことだ。二つの章のうち一つは、日本で国有鉄道会社の民営化改革のなかで登場した最初の電車についての物語で、この話は実は Wiki にも書かれている。
しかしこの章には物語性がほとんどない。「電車のモジュールがなぜか運転士に惚れる」というクソみたいな話を語っているだけだ。最初の『まいてつ』とは違う。あの話には少なくとも衝突と起伏があった。だがこの「新章」にあるのは「歴史紹介文」のような歴史の再現だけで、感染力も乏しく、誰もかれも気力がない。そして何より……話が短すぎる。クライマックスにも達していないのに、終わっちまった。

小品の章として見るならまだしも、「続編」の一部としては、正直失格だ。
でも、もう一つの『仲国篇』にはさらにツッコミを入れざるを得ない。
『まいてつ』のシナリオ担当・進行豹が招待されて中国大陸へ取材に来たのは有名な話で、このゲームに中国の鉄道ネタを追加するとか言ってたらしい。まあどうせ「仲国」と「冥国」の衝突あたりを語るんだろうな、くらいに思ってたんだけど、そのいわゆる『仲国編』、見てて吐きそうになったわ。
内容は主人公が機関車の頭と妹を連れて仲国へ交流に来る話で、すごい北京西駅(俺も鶏尿も認めたあのボロ駅)を見て、Z系の緑皮列車に乗り、さらにコーラのホームグラウンド成都で蒸気機関車の小旅行を楽しむ……どこもかしこも「すごい」の連発で、自分がYouTubeで「财富密码」を熟知した外国人動画を見ているんじゃないかと時々幻覚を起こしそうになる。

大陸の鉄道を本当に褒めたいなら、高速鉄道に乗ればいいじゃん。緑皮車(在来線の普通列車)まで持ち上げるとか、しかもゲーム内では3段ベッドの硬臥(ハード寝台)って言ってるのに、背景画像は軟臥(ソフト寝台)じゃねえか。どういうことだよ。民族の自信が必要なのは分かるけど、ここまで田舎者丸出しの気まずい持ち上げ方はしなくていいだろ。

ゲームにはココミという中国語CVを起用して成都の蒸気機関車のMODを当ててるんだけど、あの標準的な北京語がもう完全に没入感をぶち壊してくるんだよな。成都の列車なんだから成都弁で喋れよ、と。おまけに零の軌跡から出てきたみたいな天朝の車掌といい、ASMR上がりのCV二人が演じる西瓜と姜秘書といい、セリフを最後まで聞いてたら鳥肌が立った(不快な意味での)。

要するにこの「仲国篇」は中国人にとっては特に見るべきものはなく、むしろNHKが撮った中国紹介ビデオに近い。桐谷華が声を当てた声すらナレーションみたいに聞こえる。中国の鉄道に興味がある日本人が理解を深めるのに向いている。もちろん中では中国が今やQRコード決済ばかりだという話も紹介されていて、ついでに中国でネットをするには手数料を払う必要がある(VPN込み)なんて話も出てくる。

一番アホなのは、この「仲国編」はゲームを全部クリアしないとアンロックされないってことだ。ゲーム開始時に「本編」をやったことがあるか聞かれて、はいを選べば After Story は直接アンロックされる。だが「仲国編」は含まれないので、また最初からやる必要がある。もちろん、シナリオ選択でこの制限を飛ばせることは教えないけどな。

振り返ってみると、『まいてつ Last Run!!』はどう見ても「続編」ではなく、原作の「強化版」でしかない。それなのに、もう一稼ぎできる(しかも全然安くない)とは、正直思いもしなかった。批評空間には、この作品に評価を下している日本人がいて、Lose という会社は実はずっと「金のなる木」を探し続けている、と述べている。

最初はロリゲーを作って、ロリコンの金脈を探すことから始まった。
そしてロリ+鉄道ゲーで、ロリコン+鉄道という金脈を探し当てるわけだ。
その後 Steam に進出し、海外市場という金脈の鍵を探し当てた。
Steamを通じて中国本土市場の大きさを知り、ゴマすりの『仲国篇』を追加して中国の富のパスワードを掴もうとしたのだ。
そしてゲーム発売と同時に、今最も人気のVtuberたちが合唱する主題歌カバーアルバム特典も登場。現在の日本のオタクの管人(Vtuber)への需要をがっちり掴む仕掛けだ。
Lose にはこれっぽっちも良識なんてない。とにかく流行ったもんに飛びつくだけ。すべては金のためだ。次はこの『まいてつ Last Run!!』を逆移植で Switch と PS4 に出して、またウハウハ稼ぐつもりなんじゃねえか?
要するに、『まいてつ』を一度も遊んだことがないなら、『まいてつ Last Run!!』は試す価値がある。最初の物語は悪くないし、演出もそこそこ、鉄道へのこだわりも感じられる。中国語版も見たけど、翻訳はなかなか良かった。それ自体、悪くないゲームだ。
だが、もし2016年にもうこのゲームを遊んでいて、今回の「続編」に何かを期待しているのなら……
だったら諦めることを勧める。今回の「新作」で追加された内容なんて、写真を加工した背景がいくつかと、大量の新曲だけだ……Lose は金を騙し取ろうとしているだけ。なにせ連中はもうエロゲーの金儲けの方程式を見つけてしまったのだから。
(それに比べて雪碧社はまだ見つかってないんだよな……)
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