『紅月ゆれる恋あかり』レビュー
可以,但没必要
前回の「続編」である『白刃きらめく恋しらべ』に心から失望してから、早いもので会社 CRYSTALiA がまた新しいシリーズ作品『紅月ゆれる恋あかり』を出してくれた。
制作陣を見てみると、この新作はどちらかというと「本気」を出しているように思える。少なくとも前作のぼったくり作品よりは本気だ。なにより最初の脚本家が戻ってきたし、原画の質も大幅に上がっている。もちろん、最初の企画が戻ってくるわけではないが。
ゲームの設定はむしろ「前日譚」に近く、各家族の先輩たちがこの学校に武術を学びに来るという物語だ。さらに主人公の設定も変わり、退役した教官として「問題児」だらけのクラスを受け持つことになる。

ゲームの内容については正直大して語ることはない。どのヒロインも「問題児」なのだが、戦いになると一瞬で外掛(チート)が飛び交う。悪く言えば、全員のチートがほぼ反則級だ。この前日譚では、朱雀院家の長女・紅葉、先に触れた風嶺家の姉・雪月花、それに狐妖の血を引いて決して老いない指導役の佐々木巫琴といった面々が見られる。さらに新たに加わった九鬼旭、そして家柄がどこか忘れてしまった十部梨々夢……。
要するにこのゲームのストーリーはごく単純で、主人公が教官として女子生徒たちに武術を指導し、ゲームの後半では自分のクラスを代表して学校の武術大会に出場し、最高のチャンピオン資格を目指す。それだけだ。
だから物語も「武術」というスタイルに沿ったものになるのだが、はっきり言わなければならない。書いている内容が本当に……面白くない。

面白くないというのは、武術の過程で戦いが少ないという意味ではなく、むしろ「戦いすぎ」で、しかも「戦いに見どころが全くない」ということだ。どういうことかというと、ゲームはやおら二人を呼んでは戦わせ、一戦が30分近く続く。戦いのパターンにも戦略はなく、ひたすら「口撃(マウント)」→「チート発動」→「口撃」→「チート発動」の無限ループだ。各ヒロインのチート自体はそれなりに強烈で、特に朱雀院紅葉のチートは相手の100手先の動きを予測し、その予測に基づいて一撃必殺を決める。このチートを使えば、もう COOOOOOOL すぎる!
しかし……朱雀院紅葉は最初から最後まで、このチート一つしか持っていない。
練習の時もこのチート、試合の時もこのチート、決勝でもこのチート、最後の私闘でもこのチート……
こっちはもうとっくに飽きてるんだよ……
ゲームの中で少し面白いのは九鬼旭というキャラクターだ。彼女は負傷した兄の居合斬りを受け継いでいるが、この娘は毎日居合斬りしかできない。主人公も教官としてそれを注意し、別の技を出してはどうかと提案している。
そしてゲームの転換点はすぐに訪れる。最後の準決勝、九鬼旭 VS 朱雀院紅葉の対決で、九鬼旭は居合斬り以外のより猛烈な技を繰り出す。鬼の形態であり、朱雀院紅葉の不意を突く。
さらに九鬼旭はチートを発動する時、こう挑発してみせる。みんなが遊び惚けている間、私は黙々とこの新技を練習していた。みんなは私が居合斬りしかできないと思っているだろうが、実はとっくに自分を超えているのだ、と。

この対決は一気に燃え上がった!
そして朱雀院紅葉はとても慌て、あの何度使ったか分からない「100手先予測」をまた使い、彼女を瞬殺する。
私はもう呆然とした。なんだこのクソみたいなシナリオ、まさか朱雀院紅葉はお膳立てされたチャンピオンなのか?
そう、本当にその通りだ。彼女が強いからではなく、朱雀院家の人間だからだ。このゲームにはさらに二人、朱雀院家の人間が登場する。おなじみの朱雀院都子と朱雀院椿だ。この二人にはほとんど出番の意味がなく、無理やり出てきて数セリフ喋るだけ。目的は明確で、ゲームの人気を集めるためだ。

制作陣は分かっているのだ。このシリーズで一番人気があるのは朱雀院椿だと。彼女に関係するだけでゲームは売れる。だから朱雀院紅葉はお膳立てされたチャンピオンになった……。
チャンピオンが内部で決まっているのに、このゲームの対決が面白いはずがあるか?
要するに、相手がどれだけ努力しても、最終的には朱雀院紅葉が何度使ったか分からない必殺技の一発で片付けてしまう。しかも一番クソなのは、ゲーム内で風嶺雪月花というキャラを作り、必ず朱雀院紅葉を倒さなければ家族から追放されるとか言わせておいて、ゲームは二人の勝敗のバランスを取るために、朱雀院紅葉が学校の試合で勝ち、試合後に二人で私闘を行い、その私闘では風嶺雪月花が勝つ、という形で一勝一敗にした。実に和やかな社会だ。

試合が終わると、全員が望むものを手に入れ、あなたも私も良し、みんな良しでゲームは終わる。
そう、このゲームは共通ルートがすべてだ。HCG が見たければ個別ルートに進めばいいが、個別ルートは HCG の詰め合わせで、価値のあるストーリーはほとんどない。
なぜこのゲームがこんな作りなのか、私にはよく分からない。しかし、なんとなく分かる気もする。一つは HCG とストーリーを切り離し、全年齢向けプラットフォームに展開しやすくするため。もう一つは、これによってアニメ化を狙っているのでは、ということだ。

このゲームは全体として、前回のクソだった『白刃きらめく恋しらべ』よりはかなりマシに見えるが、それでも一作目には遠く及ばない。ゲームは戦闘を強化したが、戦闘の背後にあるものを重視していない。無脳に朱雀院紅葉をチャンピオンにお膳立てし、戦闘に戦略性がまるでなく、ゲーム全体の対決に本当に見どころがない。見ているうちにうんざりしてくる。
しかも忘れてはならない。初代のストーリーが面白かったのは、その背後の物語があったからだ。椿のルートが面白いのも、最初は自分がお嬢様だと思い込み、油断しすぎて、返り討ちに遭ってから見応えがあるからだ。キャラクター同士の対決と反差こそが、ゲームの物語を進める主な推進剤なのだ。『紅月ゆれる恋あかり』のように無脳に戦闘シーンを積み重ねる戦略は、前作よりはマシに見えるかもしれないが、物語の核心的な内実を欠いている。試合である以上、勝つか負けるかしかないのに、最後には無理やり一勝一敗に持っていき、キャラクター間の地位のバランスを取るなんて、本当に頭を蹴られてでもしない限りこんなことはできない。

この感じはまるで、あの有名な「馬保国」と「雷雷」の対決のようだ。二人がへらへらと打ち合い、互いを褒め合い、あなたも私も良し、みんな良し。最終的に何が面白いのか?
会社が『紅月ゆれる恋あかり』を出す意図は理解できる。要するに、あの幼女版の椿を登場させて、また一稼ぎしようというだけだ。しかし、本当に稼ぎたいなら、抱き枕やエロ絵のタペストリーをいくつか出せばいい。こんなクソゲーで蛇足を続けるのは、やってもいいが、必要ない。
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