『ガラス姫と鏡の従者』レビュー

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去年「2019年のお気に入りエロゲー」を書いたとき、1位を藤太先生の作品にした。

藤太先生はときどきやたら説教くさい展開を書くし、妙な「雑学」に妙にこだわって読んでて苦しくなることもあるけど、物語全体のまとまりは悪くない。なにより印象に残る作品を必ず書いてくれる。『フローラル・フローラブ』の勧善懲悪も、『タマユラミライ』の日本の民俗と比翼の鳥、さらには不老不死の伝説を探る話も、なかなか味わい深かった。JKを抱えた大阪黒シャークのリア充の言葉を借りるなら「でかい道理を語れる」ってやつだ。

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ところが藤太はすぐに俺の顔をぶっ叩いてきた。今日話すのはこの『ガラス姫と鏡の従者』だ。

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このゲームのストーリーについて語る必要はほとんど感じない。印象にすら残ってないからだ。むしろ見終わったそばから忘れた。

大まかに言うと、主人公は学生として、日本なのか北欧なのかよくわからん貴族学校で学ぶ。学校には各名家の「姫」たちがいて、姫の従者を目指す「従者」たちもいて、学校での養成を経て従者は姫とマッチングを果たす……

この世界観、バカすぎるだろ。特殊サービス付きのKTVみたいだし、この学校はデカいポン引き会社みたいなもんだ。

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主人公もこの学校で学び、努力の末に念願の姫の従者になり、ついでに何発かやらかす。

「姫」候補は何人かいる。幼馴染の金髪、兄を探すために男装する青髪、どこから来たのか知らんがやたら色っぽい日本の紫髪、それに胸がやたらデカいメイド志望のピンク髪。全体から見て、ゲームが推すヒロインは間違いなく金髪だ。冒頭の回想シーンでもう全世界に宣言している。金髪と主人公には幼い頃の共通の記憶があり、将来一緒になると約束までしている。だから金髪の結末も当然の流れってわけだ。

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しかもゲーム推しのヒロインルートでさえ見どころがない。主人公がヒロインの従者になりたい、ついでに付き合いたいと思うけど、そこで延々と「貴族社会」の「政略結婚」の話が絡んでくる。要するに主人公は所詮「従者」で、階級が違うから「姫」と対等にはなれないし、ましてや恋人にもなれないと。ゲームは階級差を見せつけるために「ホモっぽい男」まで設定していて、その「ホモ」が貴族で、政治的な必要から金髪と結婚するかもしれない、つまり主人公はホモにNTRされるかもしれない、と。

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別にいいじゃん、と思う。ホモと金髪が表向き結婚して、主人公は裏で姫と密通を続ければいい。ホモも主人公のことが好きだって言ってるんだから、主人公が「男女どっちもいける」展開にして、最後は「三人で幸せに」でいい。せっかくのオープンな「ハッピーエンド」なのに、なんでわざわざそんなに苦く重くする必要があるんだ?歴史上こういう話はいくらでもある。結末は必ず主人公のような「庶民」が正エネルギーの演説と努力で上流階級に認められる形じゃなきゃダメなのか?必要か?可能か?

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意外なことに、このゲームにはルートロックもなければ、金髪が主人公の最終選択だと感じさせるようなシナリオの連動もない。ただ全キャラを並べて好きに選べというだけで、キャラ同士の話にもほとんどつながりがない。まるで別々の世界線みたいだ……これまでの藤太先生の作風と全然違うじゃねーか!しかも藤太本人がわざわざ攻略順まで出してるのに、それでもこのゲームの批評空間のスコアは挽回できなかった。

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欠点が多すぎるので、簡単に箇条書きにしよう:

1、クソみたいな戯画エンジン

戯画エンジンがどれだけクソかはやった人間ならわかる。みんな覚えてるだろ、「アオナツライン」起動時のあの黒画面地獄。あのクソみたいな「バッテリー認証」も覚えてるだろ。たとえどっちも忘れてても、あのクソ細くて長いフォントで確実にメンタルを削られる。戯画は外に向かって自分はソフトウェア開発会社だと言ってるし、X(旧Twitter)では戯画の開発フローは先進的だと言う人もいる。だが先進的なフローもあのクソみたいな美工は隠せない。しかも本作は相変わらず720pのみ。2021年だぞ!技術主導を自称するゲームソフト会社なら、画面にもうちょっとこだわれよ。あのクソパクリ「刀剣封魔録」戦闘システムのゴミACTはもう作るな、システムの画面とセンスをちゃんと上げろ、毎日クソ移植で稼ぐのはやめろ。Switchに移植するなら、コントローラーの十字キーとタッチスクリーン対応を忘れずにな!

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2、激ダサのゲームOP

『ガラス姫と鏡の従者』のOPはVtuberを二人起用して歌わせているが、この歌唱現場はもはや交通事故レベル。いや違う、現場じゃなくて録音スタジオの音源だ。nayutaが歌った方が100倍マシだと誓ってもいい。ゲーム側は今Vtuberが人気だから歌わせれば集客になると思ったんだろう。実際、脳をVtuberにレイプされたクソオタクは少なくない。批評空間では「最初はダサいけど聴いてると癖になる」と持ち上げる声まであった。これが伝説のストックホルム症候群ってやつだろ。

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3、「貴族」の正しい使い方を間違えている

このゲームは上流社会の話だから、藤太は上流社会を見た瞬間に精神病を発症したのか、画面中に敬語、そして終わりのない社交辞令の数々。見ていてものすごく居心地が悪い。断言するが、非日本人の俺が見て不快なだけでなく、日本人が見ても不快だ。多くの日本人は「敬語」や「階級」そのものを文化のカスだと思っているし、日本社会でそれに押しつぶされて息が詰まっている。なのにゲームでまたそれをやる?しかもエロゲーで?自殺行為だろ。

しかもこのゲームは根本的に「貴族」の正しい使い方を間違えている。なぜエロゲーに「お嬢様」要素が次から次へと出てくるのか?なぜ多くの抜きゲーで「お嬢様」や「貴族の女」が人気キャラになるのか?なぜ多くのオタクが「高嶺の花」を好きなのか?絶対に会話の「敬語」が好きだからでも、「上流階級の雰囲気」が好きだからでも、「高等階級」の生活に憧れているからでもない。ただそんな「貴族」を押し倒して、その反動の快感を味わいたいだけだ。忘れるな、これはエロゲーなんだぞ!

対応する音符社を見てみろ。よく貴族ルートをやるけど、最終的なHCGはどれも実用性が爆上がりだ。彼らが「貴族階級を超えるべきか」なんて社会問題を君と議論したか?これまでのGalgameで人気の貴族のお嬢様を見てみろ。同人誌やエロ画像が山ほどあるやつばかりだ。しかも貴族にはガーターと黒タイツが付いてくる。完全にデブオタクの性癖を挑発してるんだよ。

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だからこのゲームで唯一好評なのは日本の紫髪の姫だけ。シナリオがいいからじゃない、色気を振りまいているからだ。大阪黒シャークのリア充だってJKを捨てて彼女で抜く。これこそGalgameにおける「貴族」の正しい使い方だ。


要するに『ガラス姫と鏡の従者』は、システム面がクソすぎ、OPが激ダサで、共通ルートが激眠く、ゲームが描くシナリオも現実からかけ離れすぎている(2021年だぞ、どこに姫と従者がいるんだ?KTVの個室か?)。そしてなによりゲームのテーマと方向性が間違っている。藤太先生、印象に残る話が書けないなら、いっそ抜きゲーとして書けばよかったんだ。この半端に抜きゲーなクソゲーは、CGだけ見て抜くのがお似合いだ。

もちろん、藤太先生が実は逆張りで、俺と同じく戯画というクソ会社にさっさと死んでほしいと思って、わざとこのゲームを作って赤字にさせたのなら、何も言うことはない。いいね!

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