『プラマイウォーズ』レビュー

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ゲームはな、楽しけりゃいいんだよ。新作が必ず神ゲーだなんてのは無理に決まってるし、終わったあとにクソを食った気分になるのは制作陣のイキりが原因で、そんなことは誰も望んじゃいない。ほら、ここにプレイすれば必ず気分が良くなる作品があるんだが、見ていくかい?

プラマイウォーズはAsa Projectの新作だ。この会社のゲームの特徴は……ここでも書いたが、とにかく滅茶苦茶やって顔芸する。表面的にはぐちゃぐちゃな感じなのに、なぜか楽しい空気をくれる。恋愛0キロメートルはプレイしたことある人も多いだろうし、特徴もだいたい知られてると思うが、表向きは滅茶苦茶でもシナリオにはちゃんと芯があって、騒がしさの合間に女の子それぞれの女子力をしっかり感じられる。

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で、制作陣はそのパターンが受けたと思ったのか、そのままパクって設定もだいたい同じ新作を出してきたわけだ。それがこのプラマイウォーズ。名前の意味は俺もよく分からんが、puramaiは日本語でwarsは戦争、要は一軒の家に同居する二家族の対抗戦が主な設定ってわけだ。片方は主人公の「品行方正」サイド、もう片方は別家族の「品行下等」サイド。

公式サイトの紹介は「物語は品行方正と品行下等、二家族の戦争のなかで始まる」だそうだ。

ここで一つ澄清しておきたいんだが、このいわゆる「戦争」はゲーム内ではほぼ存在しない……基本はかなり仲良くやってる。

作文の添削で言うところの、脱線である。

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恋愛0キロメートルの設定は家族交換、プラマイウォーズの設定は家族同居で、ほぼ大同小異。それからキャラ設定だが、このゲームにもNoKiAと同じ顔芸&ボケ倒し女がいる。藍咲だ。特徴もNoKiAと一緒で、下ネタ、顔芸、ボケ、そして制作陣から大量の新しい顔芸が投下される。

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藍咲以外のキャラで印象に残るのは主人公の姉、弟大好きな姉だ。貴重なことに彼女も顔芸をやるし、その活躍ぶりは藍咲に負けず劣らずで、共通線の日常はほぼ藍咲と姉の境子が交互に支えてるようなものだ。

多くのギャルゲーの日常を退屈にしないためには、シナリオのエンジン役が必要だ。鈴木加奈における大図書館、みちるにおける灰色の果実、めぐるにおけるサノバビッチ、ヒカリにおける花咲ワークスプリング!みたいなもんで、要するに長い日常のなかに「めちゃくちゃ面白い」かつ「笑わせるのが上手い」キャラが一人は必要ってこと。じゃなきゃ誰だって本筋と関係ない話をずっと見てられるほど暇じゃない。

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だからプラマイウォーズはゲーム全体を通して日常がめちゃくちゃ面白い。特に共通線の日常はボケが止まらず顔芸も止まらない。米澤円が最初に演じた藍咲は清水愛のNoKiAより微妙だなと思ってたんだが、序章が終わる頃には調子が上がってきて、もう雪菜っぽさはほぼ聞こえてこない。共通線の演技は恋愛0キロメートルと同じ高水準で、「面白い」の評価は伊達じゃない。

だが個人線に入ると、その高さはガクッと落ちる。

攻略可能なヒロインは5人。主人公の姉、妹、もう一家の三姉妹だ。姉の境子ルートはテンポが良く、個人線でも多くのキャラを引っ張って共通線に負けない面白さを維持してるが、他の脇キャラの個人線はあまりにテンプレすぎる。

藍咲のルートはもともとやれるはずだったのに、NoKiAのあの嫌らしい感じは実現されなかった。藍咲は恋に落ちた途端に元の顔芸とボケを完全に失い、キャラの個性が死んで、他のキャラと何ら変わらない女の子になってしまう。みのりんのルートはもっと単純粗暴で、主人公がふと自分が彼女を好きだと気づいて、しょっちゅう可愛い可愛い褒めてたら褒められてるうちに赤面しました、で終わり。大姐に至っては共通線で主人公に「全部お前が子供の頃に私に犯した罪の復讐だ」と言ってたあの件も、ルートでひと騒ぎした挙げ句、ただ大姐が子供の頃に自我が旺盛で、一方的に主人公が自分に気があると思い込み、引っ越しで別れる時に主人公が泣かなかったから振られて虐められたと感じた、というだけだった。

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「ひと騒ぎしてあれだけ引っ張っておいて、蓋を開けたらこの程度かよ」——この一言は、ゲームOPで語られる大姐のメイン筋を形容するのにこれ以上ないほどぴったりだ。

妹のルートはもっと適当で、訳も分からず始まって訳も分からず終わる。

シナリオで言えば、姉の境子と共通線は優秀だが、他はほぼ及第点以下。確かにギャルゲーで一本のルートと共通線が光ってれば上出来だが、俺の不満はそこじゃなくてゲーム本体にある。

このゲームは少なくとも9枚の背景が恋愛0キロメートルの元絵そのままだ。ネタだと言うかもしれないが、ゲームの設定にネタの影は一切見えない。

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人件費削減以外に説明のしようがない。言い忘れてたが、共通線はめちゃくちゃ長くて個人線はめちゃくちゃ短い。それなのにCGは少なく、大半はHCGに突っ込まれてて、しかもHCGはどれも同じパターン。学校で一発、家で一発、風呂場で一発、ホテルで一発。ゲームの本当のシナリオ部分は徹底的にマンネリだ。これは軽いノリのギャグゲーだと分かってるが、少なくとも恋愛0キロメートルは個人線でも女子力と甘い恋を味わわせてくれた。なのにプラマイウォーズにはギャグしか残ってない。キャラの女子力や可愛さを見せる部分が……

ああ、あるにはある。姉の境子がこのゲーム唯一の良心だ。

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で、このゲームはどうなのか。俺に言わせれば悪くない。ただ以前の恋愛0キロメートルと比べると総合評価は一段落ちる。CGの手抜きと個人線の手抜きのせいだ。ギャグについては従来の水準を守っていて、しかもかなり極端に振り切ってる。個人線のシナリオはまあ求めなくてもいい、元々そういう作品だし。ただもうちょっと上手くやれてたらキャラの完成度は上がったはずで、前作はできてたのに今回はできてないのは、やっぱり惜しい。

もちろんただ笑いたいだけなら、このゲームは期待を裏切らないはずだ。

何? 純粋な恋を味わいたい?

oh、何言ってんだ、この顔を見て勃つのか?

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ちなみにこのゲームのEDとOPはめちゃくちゃ良い。一応おすすめ理由の一つとして挙げておく。

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