『まどひ白きの神隠し』レビュー

神様になった日

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日系のアニメ・ゲーム作品でよく見るパターンといえば、主人公の出自が不明で、異端者扱いされて叩かれ、最後には実は救世主だったと明かされる展開だ。もちろん日本のアニメ・ゲームでは「救世主」なんて呼び方はあまりしなくて、たいていは「神様」と言う。正直に言うと、最初に日本のアニメ・ゲームを見たとき、「神様」という呼び方を聞くたびに敬意のようなものを感じていた。だって神様だぞ、全知全能の。きっと極めて優秀な頭脳と、十分なカリスマと、我々凡人が足元にも及ばない長所を備えていて、高みの見物でこちらを「凡人」と呼び、Die Mortal!と叫んで熱い深呼吸をかますんだろうな、と。

でもその後、アニメ・ゲームに「神様」が溢れかえっているのを見て、ようやく悟った。なるほど、いわゆる「神様」は日本ではシェアサイクル並みに価値がなく、神を祀る神社は日本人自身のツッコミによれば公衆トイレ並みにありふれているらしい(実際、日本の公衆トイレは全然ありふれてなんかいなくて、俺はよく駅のトイレに行く羽目になるけどな)。物語に設定された「神様」に至っては、まったく相手にする必要がない。だって大半のアニメ・ゲームの「神様」は普通の人間よりポンコツだもの。

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そうしてまた「神様」を冠したゲームが登場した。おなじみ Lump of Sugar から。

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正直、去年の Lump of Sugar のゲームは本当にひどかった。俺はわざわざ記事まで書いて紹介したし、商業原稿の依頼まで受けたのに、そのゲームは本当に普通だった。ここ数年、Lump of Sugar は奇妙な迷路にはまり込んでいて、「食い扶持があれば寝そべる」段階に入ったようだ。毎回、物語の背景を設定し、「獣耳っ娘」というキャラを「合理化」し、その枠組みの中で外注スクリプトを大量に集めて、適当に書いて済ませる。一夜にして Lump of Sugar は世間の冷暖と業界の諸相を見透かしたかのようだ。ストーリーを凝って何になる、ゲーム性を凝って何になる、今ギャルゲーを買うのはエロ目的なんだから、うちの作品の最大の競争力はシステムでもシナリオでもなく萌木原の獣耳っ娘だ、だから獣耳っ娘の魅力を極限まで引き出せばいい。

だから今回のゲームにも最初から期待なんてしていなかった。名前はめちゃくちゃカッコよく見えるけどな。まどひ白きの神隠し、中国語にどう訳すのか俺にもわからない。だいたい「神秘的な白い神隠し?」ってところか。どこかの組織が中国語版を手がけたらしいが、名前の翻訳も無理やり文学ぶったスタイルなんだろう。

で、このゲームはいったいどんな話なのか?

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主に、俺たちの主人公と実の妹が、ふとした拍子に部屋の鏡を通って異世界に入り込む話だ。その世界は「神様が存在する世界」と呼ばれ、住んでいるのはみんな「神様」。そして主人公と妹はその異世界で帰る方法を探す。共通ルートの日常が本当に薄味すぎるので、共通ルートの要点をまとめておく。

  • 異世界の姿は元の世界とまったく同じで、鏡像のような存在。違うのは住人だけ
  • 住人はみんな「神様」で、大小さまざま。しかも神様の生活は元の世界の人間の信仰に完全に依存して存在している
  • 主人公と妹が元の世界に帰るには、神様の力で送り返してもらう必要があるが、現状それができる神様は多くない
  • 主人公が初めて異世界に来たとき、「兎耳の神様」に出会い、「稲白みこと」と名乗り、「因幡の白兎」だと言ったが、後に日本の神「ツクヨミ」だと見なされる
  • 理屈では「ツクヨミ」の神力で主人公と妹を元の世界に帰せるはずだが、彼女が試してもできず、最後は天狗が招いたあるツンデレ神様の力でようやく実現した

そして最重要なのが、主人公と妹がついに元の世界に帰るチャンスを得たとき、二人がしたのはそちらの「両親」に挨拶しただけで、ここに残ることを選ぶ。自分たちに解けない謎があるからだ。

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では主人公と妹にはどんな謎があるのか? 二人はもともと「神様の世界」の子孫である可能性が高い。主人公によれば、自分と妹は今の養父母が雪の降る神社で拾ったのだという。養父母は結婚して何年も子供ができず、最後にこの兄妹を拾い、実の子のように今まで育ててきた。ここの神様の説明によれば、ここに渡ってこられる以上、何か縁があるに違いない。だから初期的判断として、二人はもともとこの世界の人間で、実の親もこちらにいるかもしれない。

こうして兄妹は実の親を探す旅に出る。

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ここでゲームは二つのメインルートに入る(少なくとも俺は二つだと思う)。一つは「稲白みこと」の秘密、もう一つは主人公兄妹の秘密だ。

まずセンターを張るヒロイン稲白みことの秘密から。要は彼女の個人ルートで、攻略を選ぶとすぐに彼女とヤッてしまう。そして主人公はすぐに気づく。この稲白みことは神様「ツクヨミ」の名を頭に掲げているが、実態は見かけ倒しで、本質的に「ツクヨミ」の力なんてこれっぽっちもない。その後、二人のくだらない悩みともつれ合う回想シーンと恋愛劇を経て、ようやくわかる。この稲白みことは「ツクヨミ」なんかじゃない。彼女が本当に表す神は「因幡の白兎」だが、この異世界の神様は「人間の信仰」に支えられている。実際、人間界では「因幡の白兎」という神を知る者などもういない。だから稲白みことはここで消えるはずだった。だが生き残るために「ツクヨミ」の名を借り、ツクヨミを名乗って月読の大神となり、いつしか嘘が真になったのだ。

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最終的な結末は当然、稲白みことが自分の名を取り戻し、本物の「ツクヨミ」の冠名も得て、主人公と幸せに暮らすというものだ。

もう一つの秘密は当然、主人公兄妹の秘密だ。異世界での調査でいくつかの手がかりが見つかる。

  • 異世界の神様は人間の信仰に支えられており、信仰がなくなればその神様は消える
  • 何年も前、この異世界に異常が起き、当時二人の神様が処理に当たり、最後に問題は解決したが、その二人の神様も消えた
  • その二人の神様とは、日本神道の創世神「イザナミ」と「イザナギ」
  • そして今、この異世界に再び異常が起き、一部の区域が腐敗状態にある。しかしかつての「イザナミ」と「イザナギ」もいない。この神様の異世界は人間界の信仰の喪失とともに次第に消えていく可能性が高い

そして……そしてP目でも察しがつくだろう。主人公兄妹の正体が誰か。

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そう、「イザナミ」と「イザナギ」の兄妹なのだ。何年も前、二人がここの異常を処理したとき、神力失って人間界に渡り、赤ん坊の姿になって記憶を失い、今の養父母に引き取られた。

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最後は当然、主人公兄妹が眠っていた記憶を呼び覚まし、過去の自分の武器を手に入れ、神力も取り戻し、異世界の腐敗を修復し、さらに人間界と異世界を自由に行き来する高度な能力まで獲得する。昼は養父母と食事し、夜は神界に帰って寝て、二つの世界を股にかけてヤリまくる。まさに神仙眷侶だ。


全体として、今回の Lump of Sugar の新作に抱いた感想は、何も感じない、だ。

なぜならこの手のパターンは何年もやってきたからだ。たいていは設定で獣耳世界を作り、水増し日常を注ぎ、最後に見かけ上整合性のある展開を用意して大団円への布石を打ち、それで終わり。今回も同じで、驚きは皆無。

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今回のシナリオがすごいと感じる人も多いかもしれない。まさか主人公兄妹が「イザナミ」と「イザナギ」だなんて、と。でもそれがどうした? 「イザナミ」と「イザナギ」の物語はこのゲームでほとんど描かれていない。要は「超すごい」名号にすぎない。主人公兄妹が梁山伯と祝英台だと言っても同じように通じる。それに本作の設定には「縫い合わせ」の痕跡がたくさんある。たとえば「鏡を通って異世界へ」という設定は完全に『不思議の国のアリス』の丸パクリだし、月神「ツクヨミ」に兎耳のキャラ設定があるのも「嫦娥と月兎」の伝説に符合する。神界のさまざまな神様は日本神道から来ている……

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考えてみれば今回の設定は「西洋」と「中国」、そして「日本」の三要素を融合させているな。

ともかく、今回の新作は「四平八穩」、つまり可もなく不可もなくと言うしかない。見どころもなければ、これといった欠点もない。CGを出すべきところで出し、OPを出すべきところで出し、声優も良くも悪くもなく、絵柄もあんなもの。黒タイツの獣耳、抜くべきところは抜いた。ルーチンワークのような感じだ。もちろん、ただ「獣耳」が好きで、暇つぶしにゲームでもしようかという人なら試してみてもいい。ただ俺はこのゲームの名前はちょっと退屈だと思う。主人公も妹もあんなにすごい神様なんだから、『神様になった日』に改名したらどうだ、話題性も便乗できるしな。

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