『アサガオは夜を識らない』レビュー

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最初はこの新しいMELLOWという会社と、かつてのMMEとの関係を振り返ろうかと思ったんだけど、考えてみれば意味ねえなと。だってMMEはもう死んでるんだし、だったら直接このゲームの話をしたほうがいい。

ゲームは元MMEで最もネタを振るスクリプター「垂花」によるものだ。あの、やたら大乱交や援交を書くやつ。たまにはマトモな仕事もしてたから、発売前から「こいつ絶対なんかやらかすだろ」という匂いがプンプンしていた。

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アサガオは夜を識らない。

タイトルは日本語で見るとなかなか文芸的だ。アサガオは漢字で「朝顔」、紫色の……ラッパ状の花を指す。中国語で言うところの……えーと、要するにアサガオだ。直訳すると「朝顔は夜を知らない」だが、作中では「夜」に「あい」とルビが振ってある。つまり漢字の「愛」だ。そうするとタイトルの意味は「朝顔は愛を知らない」になる。

ちなみにヒロインの名前もアサガオで、このダブルミーニングの匂いがプンプンしてくる。表記は「朝顔は夜を知らない」、実際は「ヒロインは愛を知らない」ってわけだ。

ゲームは宣伝当初からずっと「本作は真の純愛を描く」と強調していた。

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経験者はわかってるだろう。脚本家が「純愛」を連呼する時、中身がどうなるか……かつて虚淵玄も純愛を語るとか言って「愛の戦士」を自称してたじゃないか。

宣伝画像でヒロインが抱いている血まみれのウサギを見て、俺は覚悟を決め、そしてちょっと期待もしながらゲームを起動した。

しかし、それが失望の始まりだとは知る由もなかった。

はっきり言うと、このゲームのシナリオは俺の想像を超えて単純だ。物語は三部構成で、第一部は当然世界観の説明から始まる。主人公は外界から隔絶された孤島におり、そこで学んでいる。島には心理カウンセラーのような先生もいる。ゲームはだらだらとした日常の水増しが延々と続き、OPが流れる直前になって、主人公はようやくこの島が実は刑務所だと知る。

「ここで学ぶ者は皆、かつての犯罪者だ。島に流刑されて労働改造を受けている」

そして第二部。相変わらずだらだらとした日常の水増しで、端々で各ヒロインがかつてどんな罪を犯したのかをほのめかす。ある者は間接傷害、ある者は麻薬密売? 細かいことはもう忘れた。同時に物語の終盤で、わけのわからないOP2が流れる。

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OP2の後もゲームは全然終わらず、第三部に入る。唯一のヒロインであるアサガオの問題が説明され始める。長ったらしい回想シーンを経て、俺たちはようやくアサガオが精神疾患を抱えた殺人容疑者だと理解する。彼女は「好きなもの」に対して殺意の衝動が湧くのだ。たとえばウサギが好きならウサギを殺す。ならば主人公が好きなら、主人公を殺したくなる。

そして主人公もまた殺人犯だ。長年にわたる両親の虐待に耐えかねて両親を殺し、この場所に送られた。もちろん主人公は両親を殺す前、路上を彷徨っていた時にすでにアサガオと出会い、知り合っている。

最後の結末は当然、主人公とアサガオが愛を確かめ合うのだが、問題が待っている。アサガオは精神疾患があり、誰かを愛するとその人を殺したくなる。ならば主人公を愛した以上、主人公を殺したくなる。俺たちは選択を迫られる。アサガオに自分を殺させるか、否か。

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拒否を選ぶと主人公は一人で島を去り、アサガオは島に残って治療を続ける。許可を選ぶと、結末はクソすぎる。主人公は刺し殺され、アサガオの病は治る。「主人公を殺したことで心が満たされたから、もう人を殺さない」という理屈だ。しかも最後には主人公との遺児を連れて花を手向けに来る。

つまりこのゲームは、ヒロインに精神病があり、好きになった相手を殺してしまい、主人公を好きになって主人公を殺し、精神病も治った、that’s all。

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だからどこが「純愛」なんだよ。

脚本が表現したかった「純愛」はわかる。人を愛するならその人を成就させることだ。アサガオの主人公への愛が彼を殺すことなら、彼に殺されることを選んで、その偉大な愛を成就させる。

このテーマ自体はまあOKだと思う。だがこのゲームの最大の問題は「余計な枝葉が多すぎる」ことだ。

ゲームには何人ものサブヒロインがいる。彼女たちにもそれぞれ問題があるが、本筋との関係は本当に薄い。しかも終盤にはわけのわからない敵役まで追加される。どれだけわけがわからないかは、プレイした人ならわかるはずだ。

だが、そもそもこんなクソ長いゲームをすんなりクリアできる人がいるのか疑問だ。あまりにも長すぎる。

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ゲームのシナリオの山場は二つ。一つは「島の真実」、もう一つは「ヒロインの精神問題の真実」、つまり「なぜヒロインがここにいるのか」。前者はOP1の前に爆発するが、後者はゲームの大大大大終盤まで見ることができない。その間の長いシナリオは、全く進展のない水増しだ。

しかし脚本もそれに気づいたのか、途中で大量のHCGを追加している。だから主人公とヒロインが話している途中で服を脱いでセックスを始める場面が頻繁にある。ゲームが「純愛」を謳うなら、こんな家畜みたいな行為と最後の純愛に何の関係があるんだ? しかもゲームが指定するTrue Endは、主人公が他の女性を選ばずアサガオを選ぶことだ。ゲームには他のヒロインのルートがなく、二つのエンディングはどちらもアサガオのものだ。

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このゲームは純愛もなければシナリオもない。ただの雑な抜きゲーに感じる。

抜きゲーだとしても、あまり抜けない。絵もかつてのMMEの画風に劣る。個人的には20時間近くかけてこのゲームをやるのは全然おすすめしない。本当に興味があるなら、冒頭だけ見て、あとはCtrlで飛ばし、最後の章で主人公の選択だけ見れば、大体の意味はわかる。

「アサガオは夜を識らない」、とても良いタイトルだ。しかし残念ながら、愛を知らないのはヒロインだけではない。ゲームの書き方も知らない脚本家もだ。垂花は『カサブランカの蕾』も書いているのに、あれはまぐれ当たりだったのか?

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