『Monkeys!¡』レビュー
猿たちのパフォーマンスが今から楽しみだ
正直、最初はHARUKAZEって会社もう終わったのかと思ってた。これからは全部TokyoToonの全年齢作品に転換するんだろうな、と。まさかまた生き返って、しかも新作を引っさげて戻ってくるとは思わなかった。
タイトルは「Monkeys!¡」。しかも後ろに意味深な「二重逆感嘆符」が付いてる。加えてゲームの背景設定もあって、今回は女装ネタをやるんだな、とピンと来た。
女装作品にはあまり触れてこなかった。たいていのパターンは同じで、花を咲かせられるものは本当に少ない。印象に残っているのは昔の「まりあ†ほりっく」くらいだし、それも女装とはあんまり関係ないような気がする。
俺は昔からHARUKAZEの「ネタを振る」力には感心していた。今回も期待でいっぱいだ。新しいサプライズを期待したい。

ただ、実際にやってみた感想を言うと、この作品がもたらした「サプライズ」は多かった。でも「失望」の方がもっと多かった。
Q:『Monkeys!¡』は要するにどんな話なのか?
A: あらすじはすごくシンプルだ。大体、主人公が通う男子校が廃校になって駐車場になる話。学校の運営を続けるために、主人公は近くの女子校に助けを求めて、二校の合併を実現しようとする。もちろん女子校の運営を説得するために、やむを得ず男装ならぬ女装で相手の内部に潜入して同意を取ろうとする。で、その女子校には「三大巨頭」が牛耳っていて、月島カラス、霧灯ユキ、硝子ノ宮硝子。彼女たち三大巨頭の首を縦に振らせれば、男女合併の結果も決まるというわけだ。

Q:で、最終的に合併は成功したのか?
A: 成功した。
Q:このゲームのシナリオはどうなのか?
A: 大部分のHARUKAZE作品と同じで、メインの話はシンプル。でも語り口には大量の掛け合いや、各種の冷笑話が増えている。今回の冷笑話は正直「寒すぎる」。ほとんどGetできない。最後にはスクリプト自身の病気になってる。前の「野良猫」シリーズと同じように小劇場もたくさん増えた。ただ今回は「この男子はむり」とかいう小劇場で、中身も冷笑話、しかももっと寒い。最初から最後までやって、Getできたのは二つだけだった。

Q:でも多くの人がこのゲームには感動的なところや熱いところがあると言っている。なぜ君はシナリオがGetできないと言うのか?
A: 言いたいことはわかる。ゲーム中盤にはいくつか泣かせ要素がある。新しいプレイヤーにはきっと良いだろう。でも俺はもうHARUKAZEの旧作をやったことがある人間だ。このパターンはパクリとは言わないまでも、元の旧作と完全に同じだ。「野良猫」の主人公は孤児、「銀河龍」の主人公も孤児。だから奇遇にも「Monkeys!¡」の主人公は孤児ではないけど、同じように親に捨てられたと思い込んでいる可哀想な子どもで、孤児とほぼ同じ。この設定に対応するために、ゲームには「母を探す」「親情」「母性愛」「親との和解」の橋段が欠かせない。橋段の演出効果も高度に似ている。突然語彙が感傷的になって、磁力のある声の浅吟低唱が加わって、その雰囲気を直接盛り上げる。この手は「銀河龍」で使い古されたのに、また使われた。

「熱い」ところも「銀河龍」シリーズで使われた。ただ単に「銀魂」みたいに、すごく中二的な夢のために大声で叫ぶようなもの。俺はもうこういう表現に免疫ができたのかもしれない。「Monkeys!¡」のシナリオに新鮮さは感じなかった。旧作要素の再提示に過ぎない。
Q:なぜこのゲームの名前は「Monkeys!¡」なのか?
A: たぶんこのゲームに残された唯一の面白い点に関わる。周知の通り、Monkey = 猿。で、主人公の名前「浮木々猿吉」には「流浪の猿」的な意味がある(ああ、もう「流浪」って言ったらまた「野良」じゃないか)。同時にゲーム後半では説教くさい口調で「男女は相互理解すべき」というテーマを示す。いわゆる相互理解こそが「猿」を「人間」に変える。ゲームのテーマもここで表現される。「人間」が「人間」になれるのは、他人と「共感」できるからだ。感情を失った人間はせいぜい醜い猿に過ぎない。

同時にこのテーマを表現するために、主人公はよくバナナを食べる。名前と呼応して、ゲームタイトルのもう一つの表現でもある。
Q:このゲームの立意はかなり高度に見えるね。
A: 高度も何もない。主人公の名前と、最後の説教味のある説明、そして主人公がよくバナナを食べる習慣以外に、「Monkey」という要素についての説明や表現はこれ以上見当たらない。
Q:桐谷華が再び主人公を演じるというのは、かなり期待できるはず。君は桐谷華が好みだと言ってたじゃないか?
A: 桐谷華が男を演じるのは初めてじゃない。今回桐谷華がオッサンを演じるからって経験値になるのはバカな小萌新だけだ。以前彼女が演じた女装ギャルゲーは言わないとして、アニメの芥子さん役ですでに十分有名だ。だから桐谷華にとって男性声線を演じるのは朝飯前みたいなものだ。

言いたいのは、せっかく桐谷華を男役に使って、しかも女装作品で、笑いを得意とするHARUKAZEの後押しもあるんだから、桐谷華の殺傷力抜群の「男女両声線切り替え」をゲーム内で見たかった。でもこのゲームにはない。
ない!白髪男の個別ルートで二言三言ある以外、他は完全にない!
これは声優の無駄遣いだ!
それに今は夏和小の殺傷力が桐谷華より高いと思うから、早く砂糖のガチャをUpしてくれ、引くから。ありがとう。
Q:そう言うと、このゲームには良いところがないのか?
A: もちろん良いところがないわけじゃない。ゲーム最大の強みは演出だ。とてもクリエイティブな漫画風の演出を採用している。この方式の最大の特徴は二つある。
第一に、一般的な「会話式」のギャルゲー演出よりずっと良い。立体漫画のような感覚がある。
第二に、コストが安い。
この「漫画式」演出は、CGで作る同類作品より生き生きしているのに、大量の高品質CGを描く必要がない。しかも漫画の画風自体が「かなり雑」なので、さらにコストを圧縮できる。

前に言ったのを覚えているか。はとは「小さな予算で大きな仕事をする」できる人だ。それがこのゲームでも存分に発揮されている。

ゲームのOPも、昔の新房昭之スタイルの大きな色ブロックで、イキり度高め、予算低め。
このゲーム最大の長所は、この独特な演出スタイルと、「野良猫」「銀河龍」のような日本式の冷ユーモアを保ちながら、最小の予算で最高の演出効果を出していることだ。
Q:多くの人がこのゲームは「地雷」だと言っている。どう思う?
A: まず、「Monkeys!¡」のシナリオは俺の期待に全く達していない。OP前まではまあまあの青春コメディだった。しかしOP後、シナリオは目に見えて光速で崩れ、スクリプトの病気的な自己陶酔に陥る。自分ではユーモアのつもりでやったネタも、俺にはGetできない。

一番批判されるのは月島カラスのルートだろう。このルートにはシナリオロックもあって、他のヒロインを攻略し終えないと入れない。でもこのルートが非常に意味不明だ。最初は典型的な恋愛で、その後主人公がなぜかチンピラに殴られて半死半生になり、月島カラスが発狂し始める。なぜか愛する男のために学校を破壊しようと裏切り、半死半生だった主人公が突然目を覚まして月島カラスを止める……

スクリプトが何を言いたいのかはわかる気がする。でもこの大喘ぎの脱線展開には多くの人が罵りたくなる。スクリプトはこれが恋愛ゲームで「銀魂」じゃないことを忘れているようだ。いや「銀魂」を模倣しても新八のようなツッコミ役がいないから、ゲーム全体に張りがなく、むしろ意味不明な印象すら与える……
もちろん、このゲームは単純に「クソ」であって、悪意に満ちた「地雷」とは言えないと思う。
Q:ではこのゲームの売上についてはどう見る?
A: 今のところ、「Monkeys!¡」の評価は微妙だけど、忘れちゃいけない。このゲームは中国語化してSteamに登場すると発表された。みんな知ってる通り、ギャルゲーに中国語が付いてSteamに登場すれば、たとえクソでも好評価が付く。ただし、いわゆるX(旧Twitter)のインフルエンサーがリズムを取って貶さない限りは。でも「Monkeys!¡」のような優越感とイキり度のある背景ゲームなら、誰も真実を言ってクソだと白状しないだろう。

このクソゲーがSteamで「特別好評」を獲得するのを楽しみにしよう!
その時はSteamの中国語レビュー欄で、あの「猿」たちのパフォーマンスが見られる。
た の し み だ な あ!
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