『夏ノ終熄』レビュー
新型コロナの特効薬
おい、そこの君。新型コロナにかかったことはあるか?後遺症が心配じゃないのか?隔離されるのは怖くないのか?
これまで新型コロナは何度も「自己限定的な疾患」だと確認されてきた。要するにウイルスに直接効く特効薬なんてものはなく、免疫力を高めて体で耐え抜くしかない、という意味だ。だが「どうやって免疫力を高めるか」、ましてや「免疫力を著しく高める方法」なんて誰も教えてくれなかった。
ところが最近、とあるエロゲーが明確な答えを出してくれた。
『夏ノ終熄』はCUBEがなぜか突然世に出した作品だ。おそらくCUBEのあの投機連中が新しい稼ぎ口を見つけたのだろう。原画のU35は、たぶんあの「雨の日にバスケットボールをする青春作品」あたりから、彼が関わったギャルゲー作品はどれも濃厚な青春のホルモンに満ちている。その後の「秋の思い出」しかり、各種の「精神的続編」しかり、U35が描く女の子にはなぜか妙な親しみやすさがある。

だからCUBEはU35を呼び、そこに「何でも屋の脚本家」かずきふみを組み合わせ、長らく表舞台から遠ざかっていた声優の伊藤静を呼び寄せ、新たな「文芸系小品恋愛作品」をでっち上げて低コストでひと稼ぎしようと企んだ。
このゲームは一体どんな話なのか。
ヒロインのミオは生活の不如意から家出を選び、人のいない山奥へ行って自ら命を絶とうとする。そこで山奥でひとり暮らす主人公に出会い、彼に保護され、二人は同居を始める。そして次第に主人公の楽観的な精神に心を動かされ、自殺を思いとどまる。

実にシンプルな話だが、今の日本の社会情勢をよく映し出している。多くの若者は学校や職場でいじめに遭い、心が耐えられず逃げるか自ら命を絶つことを選ぶ。これも日本の自殺率が高い理由の一つだろう。
しかしこのゲームの一番ヤバいところは二つのエンディングがあることだ。普通のエンディングでは、ヒロインがある日突然、正体不明の病気にかかり、熱を出し、喉が痛み、体が弱り、息苦しくなり、最後には山奥で医療環境が乏しいために亡くなってしまう。主人公も相次いで感染する。この「正体不明の病気」が何なのかはゲーム内でも語られず、ただ日本のみならず世界中のニュースがその蔓延を報じ、制御が難しく、pandemicを引き起こしている……とだけ語られる。

まあ、この「正体不明の病気」が何なのかは、言うまでもなくみんな分かっていると思うが……
もちろん別のエンディングも存在する。中盤でヒロインをできるだけ主人公に付き添わせて狩りに行かせ、山の幸やジビエを食べさせ、とくに肉をたくさん食べさせると……二人はやはり相次いでウイルスに感染し症状も出るが、すぐに完治する……
ここでようやく、このゲームの真意を理解した。
二年前に上海の「あのネット著名人」が言ったことを覚えているか。新型コロナに対抗するには肉をたくさん食べ、粥は控えろ。粥は炭水化物で、肉はタンパク質。大量のタンパク質を摂取してこそ免疫力が高まり、体の機能でウイルスに打ち勝てる……
このゲームが啓蒙の役割まで担っているとは思わなかったが、その「啓蒙」がゲームの中にあると妙に浮いてしまう。その「浮き」がゲーム後半を少し冷めさせる。なにしろ肉を少し多く食べただけで運命を覆せるというのは、多くの人にはちょっと信じがたい。

「夏ノ終熄」というタイトルが本来語ろうとしていたのは、おそらく悲劇の物語だったのだろう。夏の終わりに消えるのは、夏の花火だけでなく、寄り添い合って生きる二人の若者の命でもある。
このゲームの二つのエンディングのどちらが正統なのか、すぐには判断できない。ただ言えるのは、このゲームから得た最大の収穫はこれだ。
新型コロナの特効薬は「肉をたくさん食べること」。
コメントは中国語の本家サイトで受け付けています。このミラーは閲覧専用です。