『Study Steady 2』レビュー
スタディ§ステディ2
何年も前、『Study Steady』(別名「スタディ§ステディ」)というゲームがあった。会社は「橘子酱」(marmalade)。実はこの会社のゲームにはかなり好感を持っていて、初期の「Primal」シリーズや後の「マシュマロ」なんかを見ても、この会社の印象は「堅実」だ。話に奇をてらうことはせず、ごく普通の学園恋愛を書いて、ちょっとした感動を添える。いわゆる「王道」な作品群だ。
ところが前作『Study Steady』で何を血迷ったのか、制作スタイルをガラッと変えて、ゲームエンジンの開発に力を入れ始めた。俺から見ればかなりの労力を費やして、別に目新しくもない Emotion 技術なんてものに取り組み、そのせいでゲーム内容の大半を捨ててしまった。
だから『Study Steady』は妙な感触のゲームになった。シナリオは極めてシンプル、進行もとにかく退屈。唯一の見どころは風船みたいにゆらゆら揺れる「動くヒロイン立ち絵」なのに、技術が未熟なせいでその立ち絵はぎこちなく見えるうえ、プレイヤーの物語への没入を妨げる。おまけに動作環境が妙に高くて、ハイスペックPCじゃないと30fpsすら安定しない。ヒロインの黒タイツCGを絶賛する声は多く、HCGも大量に収録されたが、そのHCGに「動き」がないせいで拍子抜けだった……
俺の目には、『Study Steady』は完全な失敗作に映った。だが不思議なことに、この作品はFDまで出し続けられるし、もっと理解できないのは続編まで出たことだ……『Study Steady 2』が!

この続編についても一応ゲーム紹介を読んだ。俺の経験が間違っていなければ、この「2」は要するに1作目と同じ路線で、ヒロインを何人か入れ替えただけのものだ。
病院の隔離施設に放り込まれてあまりに退屈だったので、このゲームをやってみた。感想としては、1作目と比べて進歩もあるし、現状維持もあるし、後退もある。
まず進歩した部分。動作の滑らかさは明らかに改善されていて、前作のような「1070tiでも動かない」という気まずい状況はもう起きない。制作陣も少なくともゲームの最適化を覚えたようだ。ヒロインは相変わらずemotion立ち絵だが、だいぶ滑らかになり、ちょっとやそっとでフレーム落ちしなくなった。しかも中指まで立ててくる。

で、進歩の部分はそれで終わり。次は現状維持の部分だ……
基本システムは前作のまんま。キャラの展開や世界観の設定は前作と共有していて、前作のキャラも一部登場する。キャラのemotionは前作より滑らかになったのに、HCGには相変わらずemotionがない。これがまったく理解できない。シナリオに関しても語ることはない。前作同様、出会って、少し話して、適当にアホみたいな選択肢を選んで、個別ルートに入って、始まって、終わり。

ただ違うのは、今作はやけに「卑猥」になっていること。エロいネタやギャグをたくさん盛り込んでいる。前作の王さん、鳩娘ルートにはなかったものだ。あっちは正統派のクリスマス告白だったからな。童貞の俺がこういうゲームをやりすぎていなければ、もしかしたらちょっとくらい感動したかもしれない。
最後に後退した部分。それもまたあのemotion立ち絵だ。

前作のキャラ立ち絵は「正面立ち」だった。つまりキャラがいろんな表情や手ぶり、身振りを作れて、キャラの反応がそこそこ豊かに感じられた。ところが今作の2代目では、多くのキャラの立ち方が標準的じゃない。一番顕著なのが大波鈴というキャラで、ずっと「ケツを突き出す」ポーズのままだ。emotionの力で「動いて」いるし、シナリオに合わせた多彩な着替えもあるけれど、ケツを突き出すもんはケツを突き出す。ゲーム全編を通して唯一変わらないのがこの「ケツ突き出し」ポーズで、彼女の顔を反対側に振り向かせることすらできない。こんなバカげたemotionに何の意味があるんだ? 動くエロゲ立ち絵だって、キャラにいろんな表情やポーズの切り替えを用意して使い分けるもんだ。このゲームは「動く」ようになったのに、キャラは逆に一つのポーズに固定されてしまった。動くものを静止画以下に仕上げるとは、呆れるやら笑えるやら。

『Study Steady 2』の登場には、ますます首をひねるばかりだ。俺から見れば、システム性能の最適化が1作目よりちょっとマシで、新キャラのCVが一部の1作目キャラよりちょっとマシな以外は、ほぼ1作目以下だ。1作目も性能面で散々叩かれたが、後のパッチで修正された。もちろん1作目だって俺にはろくでもない。その1作目よりさらにろくでもない「2代目」には、ますます困惑させられる。

Marmaladeは多作なギャルゲーメーカーじゃない。一作作るのに何年もかかる。技術力もない、資金も限られているのに、ずっとこの無意味なEmotion技術に固執していて、そのいわゆる「動的効果」のために他のすべてを犠牲にしている。しかも笑えるのは、一番「動的能力」を高めるべきHCG部分は静止画のまま。この「力の向けどころを間違えた」感じには深く首をかしげる。まさかこのゲーム、売れてるのか?

素直に「マシュマロ」みたいなゲームを作ればいいじゃないか。
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