『DEVILS DEVEL CONCEPT』レビュー
強行イキりで真善美の賛歌を詠い上げる
昔から、ある種の文体がとにかく嫌いだった。でも、それがどんな文体なのかうまく説明できなかった。
端的に言えば、何かあったときに決してストレートに言わず、必ず一度内容をラッピングして、こっちにちょっと読みにくい思いをさせる。学食のおばちゃんが飯をよそうとき、そのままよそわず、大きなおたまでご飯をすくい上げて、目の前で仙女のポーズでも決めてからどんぶりに放り込む、あの感じだ。
もしそのおばちゃんが自分より若くて、しかもセクシーな黒タイツ姿だったり、よそってくれる飯がタダでしかも豚カツが3枚も入っていたりするならまだしも、そうでなければ「このおばちゃん頭おかしいんじゃないか」と思うだけだし、長い目で見れば気持ち悪いとすら思うようになる…………
…………たとえ豚カツが5枚入っていても。
つまり、物語を語るときに言葉や過程を少しラッピングするのは構わない。そのラッピングに見合う中身が最後に展開されるならまだしも、屁みたいな話を世界の終わり級の深い恨みでもあるかのようにラッピングされたら……もう嫌いになるしかない。
DEVILS DEVEL CONCEPT はまさにそんなゲームだ。俺を惹きつけたのは、ヤバすぎる OP と、大好きな Refeia 先生の原画。最初は生肉でプレイしたけど、過程はなかなか奇妙だった。何を言いたいのか本当にわからなかったからだ……
その後ある日、これがまさかの中国語化されているのを発見。だから続きをプレイした。母語ならこのゲームのシナリオをより深く理解できるはずだと思っていたら、大間違いだった。もっとわからなくなった。
ゲーム中には知らない言葉が大量に出てくる。日本語でわからないならまだしも……中国語に翻訳されても、やっぱり日本語と同じでわからない。なぜならこれらの言葉はそもそもスクリプトライターが作った造語で、言語とは関係ないからだ。

クソなのは、このゲームにルートとシナリオロックがあること。全ヒロインのルートを攻略しないと TRUE END が解放されない。だから仕方なく一人ずつ進めるしかない。さらにクソなのは、各ヒロインに End が二つずつあること。どれもこれも歪んでいて、シナリオはさらに意味不明。わかるのは、主人公がとんでもなく強い悪魔で、ずっと覚醒しておらず、自分がすごいことを知らないということ。そして周りにまともな人間がほとんどいない。悪魔ハンター、半血の悪魔、人間、などなど。殴り合い、ヤり合い、ヤる前には長々とわけのわからない演説をぶちまける。もう頭がこんがらがるだけだ。個別ルートの結末はだいたい、主人公が誰かを好きになり、突然ボスが現れ、主人公が何も言わずにボスを瞬殺してルート終了。唯一クリエイティブなのは生徒会長・天津の女王ルート。主人公は覚醒せず、天津は輪姦される代償として主人公を操る女王になる。これはなかなか新鮮だった……それ以外は特に何もない。

だからこのゲームが何を言いたいのかどんどんわからなくなった。固有名詞が多すぎるからだ。ゲームには用語辞典があって説明してくれるけど、その説明の中にさらに専用用語が出てきて、もっと混乱する。

これらの言葉をろくに理解しないまま、俺はエンディングに到達した。そしてゲームの最後、突然……シナリオが理解できるようになった。
突然、内容から専有名詞が消えた……

突然、このゲーム全体が語ろうとしていた物語が、こんなにも単純だったことに気づいた……

DEVILS DEVEL CONCEPT の本質的なシナリオは恐ろしいほど素朴だ。主人公は独特の血脈を持つ悪魔で、その悪魔は強大な力を持ち、主人公は悪魔の中の覇者になれるはず。
でも彼は覇者になりたくない。人間でいたいし、人間の暮らしがしたいだけ。悪魔の世界には悪魔がいれば、悪魔ハンターもいて、半血の悪魔もいる。みんな主人公の独特な血脈に目をつける。殺したい者、引き込みたい者、誘惑したい者、利用したい者。
そして主人公はひたすら人間の生活を望み、悪魔の力も使わず、覚醒もしたくない。誰かに一度殺されても、復活した後も人間でいたい。誰かに呪いをかけられ、同族ではない悪魔と殺し合うよう要求されても、殺した後も人間でいることを選ぶ。

最後のボスを主人公がヤり倒した後、主人公が救った存在感の薄い女悪魔が主人公に質問する。「なぜ人間になりたいの? 人間は老いて病んで死ぬし、傷つくし、いじめられて支配される。なぜそれでも人間になりたいの?」

そしてゲームの最後、非常に乱暴に中心思想を教えてくれる。「人間には欠点があるが、人間の生活には楽しみがある。悪魔は強いが、強すぎてどこもかしこも嘘と欺瞞だらけで、面白くもなんともない。むしろ苦しい」と。
要するに、わが国のおとぎ話に出てくる、仙人にならず凡人になるというあのパターンと大体同じだ……
話全体を見終えて、これまでのあれこれを思い返すと、そのとき初めて、俺が憎んでいたあの語り方の名前がわかった。そして、その語り方がどれほど嫌なものかもわかった。
DEVILS DEVEL CONCEPT は俺に新しい語り方を悟らせてくれた。名付けて「強行イキり」。
大量の独り言と、双方の身元が不明な対白でページ数を稼ぎ、多くの指示対象を代名詞で置き換える。たとえば「あれ」「あいつ」「あのアレ」、その他は全部造語で置き換える。「風の炉」「火の夜」「XのX」「肉の棒」とか、もうめちゃくちゃ。後でおまけとして用語集を付けて、それぞれの言葉が何なのかを調べさせてくれる。

要するに、二人で延々しゃべっていて「うわ、このバカ二人は何を言ってるんだ」という感覚を与える。でもそのバカ二人の内容はすごく深遠でヤバくて高級なことを言っているようにも思える。画面中にイキりが溢れ出して顔に張り付く。実際に語られていることは二言で説明できるのに。
俺がプレイしたゲームや読んだ本、観た映像作品の中には「イキり」要素を含む筋書きがたくさんあった。ギャルゲーは中二病の本拠地とも言えるから、なおさらだ。ただ、シナリオ上イキる必要があるゲームもあれば、勢いでイキってしまうゲームもある。DEVILS DEVEL CONCEPT のように、本質的に屁みたいな話でイキる余地もないのに、自分でまずイキりの関数を定義してから自己呼び出しでイキるのは、「強行イキり」としか呼びようがない。
スクリプトライターの目的はとても単純だ。悪魔世界の醜さ、殺し合い、不安定さを描くことで、人間としての幸福な真善美がいかに素晴らしいかを際立たせ、不老不死の悪魔さえ憧れると示したかったのだろう。

残念ながら、彼はこの物語をどう語るべきか考えていなかった。むしろ、最初からスクリプトライターは強行イキり状態に陥り、止まらなくなって自 high していた。この物語は書き手にしか完全には理解できず、書き手も他人に伝わるかなど考えていなかった。ただそこで high になっていただけ。そして最後になってようやく「あっ、俺の神作が他人にわからなかったらどうする? まあいい、最後に説明しよう」と気づいた。

こうして最後に、これ以上なくストレートな「中心思想」が置かれ、その中心思想を踏まえて前の物語を振り返ると、ようやくわかる……
前の話は屁でもなかった。本当の中身は最後のあの一段だけだったのだ……
「強行イキり」は実に素晴らしい描写手法だ。これだけ空虚でバカバカしい内容を、ここまでの構造で書き上げるとは。毒、デブ味、大師、勉強になった。
だから俺も、さっそく習って使ってみることにした。強行イキりの技法で。
DEVILS DEVEL CONCEPT ってゲームについては? 本当に暇で暇で仕方ないならプレイすればいい。あるいは「強行イキり」を学びたいなら、ついでに朝色やギルティクラウン ロストクリスマスも良い強行イキり教科書だ。
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