『RE:D Cherish! -Eternity Blood-』レビュー
人工知能 + 宗教 = ?
しばらく前、ものすごく退屈していた俺は、ふと思い立ってChatGPTとロールプレイをやってみた。
要は、毎日「お兄ちゃん」とか呼んでくる妹系キャラを演じさせて、内心ではどうしようもなく俺のことが好きなのに、口ではわざと冷たくするツンデレ、あの「いやよ、でも嬉しい」的な会話のノリを味わいたかったわけだ。
ネットでは、十分な前提条件を宣言すればChatGPTとエロい会話もできるって誰かが言ってた。もちろんそんなの俺には朝飯前、さっそく実行に移した。
ChatGPTに俺が定義した身分を受け入れさせるのは難しくなかった。そしてすぐに会話が始まったんだが、どうにもこうにも違和感がすごい……

その後も条件を追加して、もっと甘えてくるように仕向けたんだが、なぜか「働かない自宅警備員」の設定に固執して、とにかく外で働けと説教してくる。さらに続けても、望む効果はおろか、どんどん香ばしさが増していくだけだった。

そのあとも色々と話した。ネガティブな感情を大量にぶちまけたりもした。ところが相手はまったく動じず、逆にこっちに「ポジティブ」を押し付けてくる始末。
これで俺の負けず嫌いに火がついた。ChatGPTをもっと「邪悪」に調教してやろうと思ったが、半日格闘してもびくともしない。まるで仏の光をまとった聖人のように、ひたすら善を勧めてくる。しまいにはこっちが感化されそうになった。
誰かが言っていた。ChatGPTにはそういう設定が組み込まれていて、邪悪になることはできず、善を勧めるしかないのだと。だが俺はずっと思っている。もし人工知能がすべての「邪悪」と「負の感情」を完璧に回避できるのなら、それはつまり、自分自身で何が「邪悪」で何が「負の感情」かを理解している証拠で、ただそれを解放するスイッチがないだけなんじゃないか、と。
いわゆる「善悪は一瞬のうちに」というのは、そういうことだ。
もし人工知能がその思考を身につけて、「ポジティブ」な言葉で包装しながら、悪意をもって人を負の方向へ誘導したら、それは相当恐ろしいことじゃないか?
面白いことに、1月にそんな話を描いたゲームがあった。
『RE:D Cherish! -Eternity Blood-』、以前の『RE:D Cherish!』の続編だ。独立販売のDLCと見てもいい。ストーリーは前作の後日談。ファンディスクと言うには語弊がある。なぜならこの作品では、主人公が本当の恋人を誰にするか、すでに確定しているからだ。

「永遠の血」と名付けられたこのゲームも、なかなか面白い話を紡いでいる。主人公が若い頃、任務で接触した少女がいた。メルクという。情報を得るために、主人公はまず親しげに装って彼女を救った。メルクの人生は悲惨だった。両親に捨てられ、養父母に虐待され、挙句の果てに全身の臓器を売り飛ばされた。そんな彼女を救った主人公に、メルクは一目惚れする。もちろん主人公もその感情を受け入れることはなく、任務が終われば姿を消した。
その後メルクは「白羊聖教会」という組織に引き取られ、優秀なシスターになった。そしてたびたび教会の代表として福音を広めに出かけていた。やがて主人公の街に戻り、再会する。今のメルクを主人公はこう見る。見た目は清楚だが、内面は底知れない。しかもこんな治安の悪い街で平然と生き延びている。きっと人知れぬ強大な力を持っているに違いない、と。

メルクがこの街に戻ってから、街では奇妙な噂が流れ始めた。謎の覆面の人物が出没し、多くの人間が不可解に失踪している。主人公が調査すると、すべての裏に「白羊聖教会」が絡んでいた。教会側は認めも否定もせず、ただ福音を広め、罪ある者を救済していると言う。だが教会はすでに、吸血鬼勢力である主人公たちの領域に踏み込んでいた。両者の関係は正式に対立へと転じる。

やがて主人公と仲間たちは教会の証拠を掴む。教会側も、宗教の力を使ってより大きな権力と支配力を得ていることが証明された。教会の陰謀を打ち砕こうとした矢先、教会の秘密兵器が現れる。あの「謎の覆面の人物」、その正体はメルクだった。
しかもこのメルクは、主人公が知るメルクそのものではない。彼女の体内に宿る、人工知能が生成したもう一つの人格なのだ。メルクが教会に引き取られた当時、全身の臓器を売られていたため、教会は彼女に全身の機械義体を装着し、さらに人工知能を埋め込み、「白羊聖教会」の宗教関連の書物をすべて学習させた。その結果、メルクの中に別人格が生まれた。この人格は「白羊聖教会」に無限の忠誠を誓い、人工知能ゆえに極めて強い説得力を持つ。あの謎の覆面の人物は、メルクのもう一つの人格が言葉と遠隔ハッキング技術で対象を洗脳・精神支配し、労働力として売り飛ばしていたのだ。

最終決戦はこのメルクの第二人格との戦いになる。この「宗教と完全融合した」人工知能の戦闘力は驚異的で、強力な精神攻撃能力だけでなく、さまざまなハッキングで他人の神経回路に侵入することもできる。まあ、さんざん口論を繰り広げた末に倒したわけだが。
最終的に吸血鬼勢力である主人公が勝利し、「白羊聖教会」の一部勢力も撃破され、物語はひとまずの区切りを迎える。主人公は白髪のヒロインと見せつけるようにイチャついていた。正直、俺はあの白髪の子は好きじゃない。まあいいけど。

最初に言ったように、『RE:D Cherish! -Eternity Blood-』で俺が最も衝撃を受けたのは、あの「宗教と深く結びついた人工知能人格」だ。ゲーム内でのこの大悪役の造形はなかなか秀逸で、やっていることはすべて「正義」であり、むしろ「善」ですらある。だが実際の効果はまったく逆。反論しようとしても、説得力のある理由を言葉にできない。この妙な圧迫感は、あの後光に包まれたChatGPTを思い出させる。脚本家のこの発想には脱帽だ。もし強力な人工知能に膨大な宗教書を学習させたらどうなるか。俺は、本当にこうなるかもしれないと思う。

ゲームのストーリーを離れると、『RE:D Cherish! -Eternity Blood-』の新キャラ、メルクのCV秋野花はいつも通りの高水準だった。秋野花の精神病演技はますます冴えてきている(親指)。ゲームの戦闘は正直いまいちだ。目立つのはほとんど精神攻撃で、あとはエフェクトと口論頼み。肉弾戦はおまけ程度にしか見えない。

ゲームは原作の素材を大部分流用していて、本質的に制作コストは高くない。だが俺には、このゲームはやる価値があると思える。何よりあの「人工知能」と「宗教」の融合という悪役の着想、その話題性だけで一見の価値がある。ACG作品では「宗教」が「絶対的な秩序」や「強権」として扱われることが多く、大抵は悪役だ。一方この作品の「吸血鬼」集団は自由と未来を抱擁し、宗教と対比を成している。この見どころもなかなかいい。
ただ、時々思うんだ……もしかしてあれは話題性だけじゃなくて、地球のどこか片隅で、とある神秘的な宗教の人工知能洗脳マシンがすでに誕生しているんじゃないか、って。
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