Anbernic RG ARC-D を使ってみた
Anbernic RG ARC-D:中身が伴わない飾って楽しむフィギュア
これが何台目の「レトロ携帯ゲーム機」なのかはもう覚えていないけど、このマシンは見た目が独特すぎてどうしても惹かれてしまった。
Anbernicは公式にこれを「格闘ゲーム機」、FTG向けだと謳っている。しかしこのパッドのレイアウトは明らかにSEGAのサターンパッドの丸パクリだ。つまり格闘ゲームだけでなく、SEGAのMDやサターンのゲームを遊ぶのにも向いているということになる。
もちろん理想はそうだが、現実はまた別の話だ。
この機体は発売時にずる賢く2バージョンに分けられた。シングルOS版のARC-Sと、デュアルOS版のARC-Dだ。こういう携帯ゲーム機の「LinuxとAndroidのデュアルOS」なんてのは大体が中途半端で無用の長物なんだが、よりによってこの機体はカラーリングで商業戦略をやってきた。みんなが好きなレトロカラーはデュアルOS版にしかなく、シングルOS版はひび割れしやすい「スケルトンブラック」と「スケルトンホワイト」だけ。しかもデュアルOS版はシングルOS版より少し高い。おかげで俺みたいなプレイヤーは、目当てのカラーリングのために一生使わないデュアルOS版を余計に金を出して買う羽目になった。
もちろん実際、このマシンの問題は俺が思っていたよりずっと多かった。

まずはパッドの手感
この機体のパッドのスタイルはSEGAサターンを完全に模倣しているが、本物のSEGAサターンパッドと比べると程遠い。最大の問題は「硬すぎる」ことだ。方向キーは本来のSEGAサターンのような軽快さがなく、むしろ非常に硬い。右側のファンクションボタンもかなり硬く、手にした感じは軽快とは言えない。これだけで購入を検討している多くのユーザーを諦めさせるのに十分だ。
しかもこの機体は届いた時点で方向キーが引っかかる問題が発生し、工場に返送して新品交換してもらった。品質管理もお察しだ。
次に本体の性能問題
ボタンとパッドの操作感でSEGAサターンを再現したレトロ携帯ゲーム機なのに、その性能はなんとサターンのゲームを完璧にエミュレートするには足りない。これはもう意味不明としか言いようがない。MDのゲームを走らせるのがやっとといったところだ。こんなボタンレイアウトで、みんなサターン目当てに来ているのに、サターンを快適に遊べないとなると、一体何に使うというのか?SoCは相変わらずショボいRK3566で、せめて紫光T618を使っていればこのマシンは完璧になったはずなのに、そうはならなかった。貧弱な性能が、このマシンから購買理由をまた一つ奪っている。
最後は極めてお粗末なシステムサポート
レトロ携帯ゲーム機として、まともなシステムサポートは必須だ。公式提供のシステムが十分使いやすいか、サードパーティの選択肢が十分多いか、どちらかが必要だ。しかしARC-Dの場合、公式システムは非常に使いにくく、起動は遅く、操作ロジックは人間工学に反している。さらには多くのキーマッピングが実際の表示と一致していない。例えばMDの『魂斗羅 ザ・ハードコア』を遊ぶとき、本来6つのファンクションボタンに対応しているはずなのに、このシステムはその6つのボタンに全く対応していない。従来のA B X Yのままで、プレイヤーが自分でキー配置を変更する必要がある。マジでありえない。このボタンレイアウトを作っておいて、公式システムはテストすらしていないのか?
公式システムがゴミなのはまだいいとして、この機体はサードパーティのオープンソースシステムのサポートも欠けている。つまりカスタムファームを焼こうにも何を焼けばいいか分からない状態だ。しかも公式システムのアプデはこの機体を忘れたらしく、まさに「産んで育てない」典型で、買って本当に災難だった。
ああそうだ、「デュアルOS」のAndroidを使えなんて言わないでくれ。周知の通り、大半の安価なレトロ携帯ゲーム機のAndroidシステムではパッドにかなりの操作遅延がある。この機体も例外じゃない。しかもこの機体の4インチのショボい画面でAndroidを動かしても何の意味もない。
まとめると、Anbernic RG ARC-Dは「格闘ゲーム機」として設計されたもので、アイデアは非常に良い。しかし最終的な製品は失敗と言わざるを得ない。手感は形だけ真似て精髓を再現できず、性能も模倣対象を完全に快適に動かすことはできない。標準搭載のOSには大量の問題があり、公式も直す暇がない。しかもこの携帯ゲーム機は安くもない。個人的には買う必要は全くないと思う。
ああそうだ、フィギュアとして飾るつもりなら別だ。フィギュアとして見るなら、これも多少は面白い。少なくとも電源は入るからな。
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