『ハジラブ -making*lovers-』レビュー
抜きこそ勝ち
去年、SMEEがとんでもなく抽象的(というかタイトルが抽象的)なゲームを出した。
ほら、このゲームの本題は「はじらぶ」、つまり初恋で、サブタイトルの方がSMEEの別の有名作『Making Lovers』なわけ。メイキング・ラバーズ、つまり……人を、いや、「彼女を作る」って意味だろう。なんでこのタイトルが抽象的かっていうと、パッと見だと『Making Lovers』の続編に思えちゃうのに、実際はそうじゃないところ。
なんでこんな命名にしたのか、ズバリ言えば単なる便乗、話題性目当てだ。絵師も脚本も制作チームも『Making Lovers』とは何の関係もない新作を、あたかも『Making Lovers』シリーズの精神的続編だと錯覚させて買わせて、売上を伸ばそうという魂胆である。
だったら最初から本物の『Making Lovers』続編を出せよ、となるわけだが、ここがミソで、『ハジラブ -making*lovers-』の真の狙いは「抜きゲー」分野への進出だった。これまでのSMEEといえば社会寄りの「純愛」路線、いわゆる「婚活ゲー」ばかりで、SMEEのゲームで抜こうなんて誰も思っていなかった。だから今回の「実用性」への挑戦はやけに照れくさくて、「純愛」だと何度も繰り返し強調している。もう抜きゲー絵師を何人も引っ張ってきているのに。
だが『ハジラブ -making*lovers-』の反応は予想以上に良かった。突然抜きゲーになったと戸惑う古参ファンも多かったが、体は正直、売上は嘘をつかない。
SMEEの成功を参考に、同じ会社のHOOKも当然この一歩を踏み出す。そうして生まれたのが、この『シークレットラブ(仮)』である。

まずはタイトルから。前のカタカナはそのまま、Secret love、秘密の恋。後ろの(仮)は普通「暫定」とか「仮」の意味だ。ゲームの設定に合わせれば「秘密の恋(仮)」ってところ。
設定はというと、お前は誰にも相手にされない透明人間。そんな折、突然学校で告白のラブレターを受け取る。差出人が誰かも分からないうちに、四人の美女が次々と現れて、お前への愛を告げ、我先にとズボンを脱がせて交尾しようとしてくる。
どの美女を攻略してもいいんだけど、攻略後には「交際を公表する」か「しない」かを選べて、それによって展開が変わる仕組みだ。
HOOKは例のごとく「公表するか否か」の選択システムがどれほど凄いか吹聴しているが、Galgameをやり込んでいる人間なら分かる通り、これは要するに各キャラに二本のルートを用意して、個別ルートを二つ作っただけ。以前の「恋愛の主導権を選ぶ」とかと一緒で、ただの「複数ルート分岐」のバリエーション、中身は同じで新味ゼロ。HOOKsoftには毎度毎度、ただの「選択肢ボタン」みたいなアホみたいな操作を、あたかも「高度なシステムとゲーム性」みたいに美化する手際には感心させられる。PPT作って投資家を釣って壮大な話をやらないのが本当にもったいない。

というわけで本作は八本の個別ルートを持つ萌え系抜きゲー。絵師陣もお馴染みの萌え抜き勢で、K子にマンゴープリン。後者はともかく、K子はみんな知ってる通り、妹系抜きゲーにいくつも参加している。あの名物「右手禁止」のOPメロディが今にも口をついて出そうだ。
で、ゲーム自体の出来はというと、求められた役割には応えている、というほかない。このゲームに恋愛ドラマ、それも「関係を築く」タイプの恋愛を期待しちゃダメだ。見られる「恋愛」は全部、恋人になってからのより激しいアレで、どのキャラにも露骨な「性癖ステレオタイプ」が与えられている。狙いはズバリ、お前のチンポへの需要を掴み、一刻も早く手で抜かせることにある。
とはいえ、HOOKは本作でもやはり抑え込みが過ぎる。すべてを捨てて抜きゲーに完全に身を投じるわけではなく、ただストーリーが直接的になって、黒タイツやヤクルトが増えただけ。標準的な抜きゲーの装備が欠けているのだ。中出しカウントダウンに、膣内のアップ、白濁注入、emotionのダイナミック乳揺れ、何もない。俺みたいな電子EDの中高年には、明里つむぎ先生の女教師新作を何本か見た方がよほどスッキリするレベルだが、HOOKの基本盤の多くが純情な童貞どもであることを考えれば、これくらいがちょうどいいんだろう。

正直に言えば、HOOKが本気で抜きゲー路線を行くなら、あれこれ気にせず新レーベルを立ち上げて完全に振り切った方がいい。今の感じは、これまで良家だった娘が初めて水商売に足を踏み入れるみたいなもので、もう売られに来ているのに、まだお高く止まっている。これじゃあ、物足りなくてつまらないか、あるいは壊されるまで調教されるかのどっちかしかない。
抜くならとことん抜く。業界は甘くないんだから、純愛作は評判はいいが売れない。抜きを愛する者だけが勝つ。
長所:
- K子の萌え抜きキャラデザが安定の仕事っぷり
- HOOKの過去作よりHCGが多く、実用性が増した
- 退屈な日常会話や恋愛が少なく、すぐにエロ絵が見られる
短所:
本物の抜きゲーにはまだ遠く、「純愛」と「抜きゲー」の中間
「秘密の恋」はただのハッタリ
OPもEDもイマイチで、HOOKらしさが失われている
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