『KATANA Project CompleteBox 煌花絢爛』レビュー

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日オタ文化に触れたばかりの若い子たちは、よく勘違いして妙なフィルターをかけてしまいがちだ。日本人は仕事が丁寧で、専門的で、信頼できて、地に足がついている、と。

その理由の大半は、日本のあの融通の利かなさや、巷に溢れる「仙人」たち、そしてそこら中にいるマイナー趣味集団の健全な発展にある。確かにレトロなサブカルチャーの愛好家集団は日本で見つかるし、そういう連中が作った考証ガチな資料もある……

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だが物事には必ず裏がある。日本人は金を巻き上げるのも平気でやる、節操もへったくれもない。

Amusecraft の下には大量のブランドがあるが、その大半はトイレットペーパーのように使ったら捨てられる。中の CRYSTALiA というブランドも、設立当初から KATANA という新企画を立ち上げるためだけに存在していて、テーマは未来感のある世界で「刀」と「武士」の物語を描くこと。テクノロジー感を強調するため、「武士刀」はスマホみたいな設定にされていて、独自の OS を積み、hack すらできるハイテク産物になっている。ゲーム内ではこの設定を補完するために金髪女のルートまで追加されていて、そのルートには「武士」も「決闘」もない。あるのは「おりかみ」なる内蔵チップ搭載のハイテク武士刀の開発と制御の話だけだ。

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最初のバージョンでの女一号は上和泉桜夜で、完全にヒロインテンプレ。チートじみた外掛を内蔵し、最終的に覚醒して心の悪魔に勝つ、みたいなやつ。あの白毛の椿は、おそらく敵寄りのキャラに設定されていて、あおかなのあの令嬢みたいなもんだ。生まれながらにしてローマにいて、ヒロインの引き立て役として優秀、というわけだ。

だがその後の話はみんな知っての通り。発売後、ヒロインは誰にも相手にされず、白毛が爆発的人気。金毛に至っては、とっくにどこかへ忘れ去られている。制作陣も節操なしで、熱いうちに金を稼ごうと続編をシリーズで出し、白毛を主役に推し、白毛の散らばった設定まで補完して、彼女の三人の姉の話まで直接出した。しまいにはネタが尽きて何も出せなくなった。

当初設定された「hack できるハイテク武器の刀」なんてとっくに食われて、二度と話題にも上らない。シリーズ全体の物語は伝統的な武人同士の対決に妖術の背景設定を少々、って方向に回帰した。未来感? 知るかそんなもん。

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前述の通り、白毛家の姉妹の話は全部書き終えたから、制作陣はもうどう話を作ればいいか分からない。一番後悔してるのは、一作目で白毛家の姉妹の人数を固定しちゃったことだろうな。できることなら白毛に姉が 9 人いることにしたかったはずだ。今の設定ではもう白毛をヒロインに据えるネタがない。そこで出た最終手段が「大乱闘」。今回の総集編にくっついてきた「新篇章」ってわけだ。

新規シナリオの話はこうだ。ある日、朱雀院家の姉妹たちが全員妙な招待状を受け取り、なぜか平行世界へ転送される。この非現実の時空では、異なる時間軸の朱雀院姉妹同士も顔を合わせられ、姉妹は互いに決闘し、誰が「最強刀姫」かを競わされる。だが何度か決闘したところで、黒幕がとんでもない悪党だと判明する。目的は朱雀院姉妹を殺し合わせて最強を決めさせ、自分が最強刀姫の力を直接吸収すること。結末も単純で、姉妹が手を取り合ってこの悪党を倒し、結界も壊れ、それぞれが元の時間軸と世界へ帰って、物語は終わり。

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この話の手抜き具合は、「王者栄耀」「League of Legends」「Heroes of the Storm」あたりの設定みたいなもんだ。平行世界だの何だの、完全に Nexus じゃねえか。CG も新しい戦闘内容は特になく、最後に一稼ぎするための姿勢が丸見えで、実際その通りだった。

ここで思うかもしれない。「金巻き上げの搾取ゲーだと分かってて、なんでそんなに書くんだ?」と。

いい質問だ。なぜなら俺はこのゲームの商業稿を書いたからで、削られた部分を記事一本にまとめなきゃ無駄じゃないか、というだけのことだ。

ただ、このシリーズのあの「hack できる武士刀」設定はマジで coool だと思う。それが市場の都合で捨てられたってのは、この会社に製品への軸がまったくないってことだな。

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