天鈹 RX 7600 XT eGPUドック レビュー
天鈹 RX 7600 XT eGPUドックを買った
正直、なんでこれを買ったのか自分でもよく分からない。たぶんダブルトゥエルブ(12.12)のセールで安くなってたからだと思う。自分でeGPUドックを組んだらこれより高くつくのは計算済みだったし、最近ゲームをやる需要があって、LinuxノートだけじゃなくWinの携帯機でも使えて、拡張の余地も残したい。色々見て回った結果これが条件を満たしてたので買った……。
買ったのはいいとして、主に使用感の話をしたい。多くの人が気になってるはずだし、ネット上にはこれのLinuxでの対応状況を書いたものがほとんどない。だから使ってみた感想を書いて、eGPUドックに興味があるLinuxユーザーの参考になればと思う。

まずこれを選んだ理由の一つは、セールで安かったこと以外に、市場で唯一のUSB4満血インターフェース搭載製品だからだ。本当のPCIe 4.0×4で、GPUもデスクトップ用のAMD RX 7600XT。本体はOCLinkとThunderbolt 4のデュアルインターフェース対応で、用途に応じて接続先を変えられる。One-NetbookもRX7800Mの外付けGPUドックを出してるのは知ってるけど、あれはデスクトップ級じゃないし、Thunderbolt 4側のPCIeも3×4で満血とは言えない。
超マイナーで誰も見向きもしないブランドを除けば、他に選べるのはHuawei(Wiko)のドック、GPDのG1、One-NetbookのGPUドックシリーズあたり。一応調べたので以下で個別に触れる:
**Huawei(智選):**一番安くて、1500くらいまで待てば買える。ただし代償に冷却がひどく、ファンが離陸する(マジで離陸する)。消費電力の切り替え非対応で、性能解放は90Wには届かず80W前後で安定。いいところは充電器が小型のGaNで電源内蔵、持ち運びが楽。
**GPD G1:**ハードウェアバグのある2023版と改良された2024版がある。前者は安いが過熱してディスプレイ出力も途切れ、ファンも離陸する。後者はマシだがそれでもファンは離陸するし、値段も離陸していて2400超えで売ってる人もいる。電源は小さめだが本体は大きい。性能解放も普通で、100Wしか出せずしかも安定しないらしい。安くて1999で拾えるならまだしも、2300超えは払う価値なし。
**One-Netbook GPUドック:**電源が巨大、性能解放はまあまあ。でもあの抽象的な価格を見ると買う気は失せる。
天鈹GPUドック:ファンの音はよく抑えられていて、冷却もちゃんとしてる。満血チップだし、少し大きいけど使ってて小さいバグは出ない。思うに、最安のHuaweiのを買うか、ちゃんとした性能解放のやつを買うか、どっちかにすべき。中途半端は正直しんどい。自分はそこまで重いゲームはやってないけど、スト6を走らせると150Wを食い切って、温度も60前後。ファンの音も許容範囲。

付属の電源は330WのGaN。軽量化のためっぽいけど……実際そこまで軽くない。330WのGaNはやっぱりデカい。とはいえレンガみたいなのを引きずるよりは断然マシで、しかもこの電源だけで400以上の価値はある。
ここからLinuxのテスト。まず自分の環境と機材:
**ノート:**ThinkPad T14P Gen 3 内蔵GPU版 U285H + 64G
**OS:**Fedora 43 64Bit Gnome(Wayland)
**インターフェース:**Thunderbolt 4
画像を一枚:

このドックを買う前から気になってた。2026年にもなって、Gnome+WaylandでeGPUのプラグアンドプレイができるのか。結果は予想外で、自分のノートはこのドックのホットプラグに対応していた。Steamを起動したまま挿してからゲームを立ち上げるとdGPUが優先される。さすがにゲーム中に抜くのは無理だけど、ホットプラグ対応なだけでWindowsより遥かにマシだと分かる。

ここでAMD外付けGPUを選ぶ利点を強調しておく。Linuxではドライバ不要。AMDはカーネル開発チームと協力が多いから、挿せば認識するしゲーム性能も悪くない。NVIDIAだとドライバを入れる必要があるうえ、Flatpakを使ってるならFlatpak側にももう一度ドライバを入れなきゃいけなくて、抽象すぎる。
次にこのGPUでLLMを走らせるのも可能。Docker推奨で、コンテナを落としてデバイスをマッピングすればいい。RocM専用のLLMコンテナは各種使える。欠点はこの外付けGPUが8G VRAMしかないことで、たぶん画像生成くらいしか回せない。
最後に外付けによるロスについて。Thunderbolt 4インターフェースなので理論帯域は最大3.94 GB/s。このGPUがPCIe 4×4対応でも、結果はPCIe 3×4相当の効果になる。ただしデバイスがOCLink対応ならこの帯域ロスは発生しない。もっともOCLinkはホットプラグ非対応だ。

それに自分はこのドックを内蔵画面経由で使ってる。これで二次ロスが発生する。データをGPUに送って画面に戻すから、また帯域を食って性能がさらに落ちる。それでも元の内蔵GPUに比べれば十分デカい向上だ。
内蔵画面の性能ロスをできるだけ減らしたいなら、方向は一つしかない。ゲームのフレームレートを下げる。45FPS〜60FPSに収めるのがベストで、画質を上げるかフレームレートを制限するか(前者を推奨)。フレームレートが高いほど、特に90FPSだとロスが大きくなる。ポータブルモニタなどの外付け画面を使っても解決できる。
自分のテストでは、安定60FPSを目標にする前提で4060と同等かそれ以上、画質は4060より良くもできる(フレームを抑えるから)。自分の目標は1080Pで60FPS、FSRなども許容なので、この外付けGPUでほぼ需要は満たせている。
このGPUにはOCLinkもあるし、インターフェースも外部出力も満血性能も揃ってる。将来OCLink付きのデスクトップと組んで単体GPUとして使える可能性も残ってる。バラ組みのSteam Machineを作るのもあり。
最後にまとめると:
2026年の最新カーネルとWayland+Gnome環境なら、LinuxでのThunderbolt 4外付けGPU(AMD)はプラグアンドプレイで動く。
Win携帯機の対応は言うまでもなく、今後ゲームをやるプラットフォームは確保できた。次世代のGPUドックは9070らしいけど、Thunderbolt 5はまだ普及してない。手軽さのあるThunderbolt 4の前では、GPUドックとしてのこの性能向上に大した意味はないと思う。どうせロスするんだから。
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