Moondrop Nice Buds & Old Fashioned の正直な感想

水月雨は正しい:Nice Buds & Old Fashioned

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実はこれまで、水月雨というブランドにそこまで悪い印象はなかった。300円台のイヤホンを買ったことがあるが、悪くない出来だったし、作りも音も問題なかった。あの「二次元マーケティング」も所詮は製品を広めるための路線のひとつで、実際かなりの効果を上げている。オーディオ市場がどんどん競争過熱していく中で生き残るには差別化が必要で、もはや「トレンド路線」に踏み出すしかないという面もある。

だからスニーカーやアパレルのブランドがデザインとブランドの識別性でプレミアム価格を付けているのと同じように、水月雨がACG文化に寄りかかってプレミアムを取るのも別にアリだと思う。しかも水月雨の低価格帯製品はそこまでプレミアム価格じゃない。基礎的な品質を確保した上で「おしゃれ」な要素を付けてくれている。少なくとも低価格帯の中では一番見た目がいい。イヤホンは外に着けて歩くものだから、音質以外に飾りとしての道も悪くない。業界の「古参オーディオ好き」が水月雨の高価格製品をあれこれ批判するのは知っているが、「オカルト」の領域では高価格製品そのものが知能税的なものだ。そこまで踏み込むなら、水月雨を買ったほうが少なくとも外に着けたときhifimanより格好いい。

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最近、水月雨はなかなか良いと思う製品を2つ出した。ひとつはNice Buds、もうひとつはOld Fashioned。どちらも低価格を売りにしたレトロ風味の製品で、一方はインナーイヤー、もう一方はオーバーヘッドだ。

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この2つはまとめて語れると思う。似たようなスタイルで、半透明の筐体、シンプルなパッケージ、安い価格、そして十分な音。一番大事なのは装着感の良さだ。

イヤホンを買おうと決めたばかりの人が音質を気にするのは分かる。実際、この2つの音質は「価格を超えた秒殺」レベルではなく、価格に見合った程度だ。いろんなジャンルの音楽、特にポップスを聴くのに使える。クラシックを聴く人はたぶんこんなの見向きもしないだろうし、民族音楽を聴く人がこんな安いものを買うのか? いわゆる「個性的な変な調音」は出てこない。高域のために低域をぐちゃぐちゃにするとか、ボーカルのために全体をぼやけさせるとか、そういう「特定の音楽しか気持ちよく聴けない」気まずい状況にはならない。やや中正寄りの調音で、どんなポップスにも合う。一般の入門ユーザーには十分だ。そもそもHome Studioの時代だし、コンピュータ制作とサンプリングを基準にした電子音やヒップホップがとっくにポップスの主流を占めている。どこがHi-Fiだとか言わずに、このイヤホンで十分だ。

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この製品に一番合うのは若い貧乏学生で、しかも装着感が極めて快適だ。私はインナーイヤー型が大嫌いで、主にすぐ落ちるし音漏れするからだ。もちろん音漏れはどうにもならないが、Nice Budsは珍しく装着がしっかりしている製品だ。付属のスポンジがちょっとした設計になっている気がする。2ヶ月使ってもまだしっかり本体に付いている。昔聴いていたゼンハイザーMX500あたりだったら、とっくに何セットも落としていただろう。

Old Fashionedは見た目がさらに良く、珍しいリケーブル対応設計まである。バランスケーブルを出す人までいる……必要ないと思うけど。そして何よりOld Fashionedは見た目が十分格好よく、しかも99元(時にはもっと安い)だけだ。経済の低迷による消費降格のせいか、最近多くのオーディオメーカーが低価格市場に再注目し、「レトロ」と「安価」を軸にした新製品を出している。前者は古参ユーザーを玩具として惹きつけ、後者は予算の少ない層の基本的な機能需要を満たす。まさに一石二鳥だ。だから見た目が良くてそこそこのイヤホンが欲しいなら、この2つで十分に需要を満たせる。

最初の話題に戻る。多くの人が水月雨の二次元マーケティングを嫌っているが、実際は各メーカーがこぞって真似している。例えばかつての「原道」は、その二次元キャラがほぼ全製品に登場していて、しかも水月雨より醜くてLowだ。先日、FiiOも水月雨に似た製品を出しているのを見た。ただ少し差別化していて、例えばFiiOのレトロな小型オーバーヘッドはBluetooth機能込みで199元。ちょうど水月雨と競合しない。しかもその時初めて気づいたのだが、いつの間にかFiiOは「雪漫天」というサブブランドを立ち上げていて、若者市場向け、さらに二次元に力を入れると説明している。考えてみると、「雪漫天」……これってまさに「水月雨」を狙い撃ちしているんじゃないか?

FiiOに対する認識はずっと実直で、スペック重視、マーケティングもあまり虚飾しないというものだった。FiiOがわざわざブランドを作って追随し、製品ラインまで模倣しているとなれば、それは水月雨が正しいということだろう。

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