初雪桜:生者の願い、死者のため息(ネタバレ)

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『初雪桜』というゲームを知ったのは、ある年にニコニコ動画で見たその年のACGランキングだった。それが年間ベストの位置に押し上げられていた。とはいえ、そのランキングが本物かどうか、権威があるのか、工作されたものなのかを突き詰める気はなかった。ただ簡単に調べただけ。当時このゲームの中国語情報は驚くほど少なくて、なにせまだ翻訳がなかったからだ。幽霊が絡むゲームらしい、たぶんダーク系だろう、くらいしか知らなかった。

その後もいくつかの場所で、飄雪だの、5chだので、このゲームへの評価を見かけた。みんな口を揃えて同じ言葉を使っていた。「心を温めてくれる」と。

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分かっている。虚淵玄の「癒し」と同じで、これは九割九分、純粋なハッピールートじゃないってことだ。

それからは初雪桜について調べるのをやめた。幽霊が絡む、話が暗め、年間ベスト。ただそれだけを知って、それきりだった。

そして2013年12月23日、ついにこのゲームの翻訳版を目にした。翻訳チームに感謝。ちょうどWin8のタブレットも買っていたし、天の時、地の利、人の和が揃った。ダークルートへの期待を胸に、ゲームを起動した。

それから最近、ようやくこのゲームをクリアした。正直、そんなに時間はかからなかった。ただ言わねばならないのは、想像していたのとはまるで違ったということ……そして「心を温めてくれる」と形容される理由もほぼ理解した。確かに心を温めてくれる。両方の意味で。

初雪桜

正直に言おう。ゲームの序盤は純粋に訳が分からなかった……謎が多すぎる。ヒロインはどこから来たのか、主人公はなぜ復讐するのか、Ghostchildとは一体何なのか、なぜ主人公は名目上幽霊なのに大勢の人に見えるのか。さらに訳が分からなかったのは、一周目を終えたらなぜかバッドエンドに入ったことだ。しかも選択肢なんて一切ないはずなのに、主人公は自殺、ヒロインは黒化して、自分こそが本当に復讐したい奴だと言い出す始末。

なんだそりゃ! これが噂の黒化かよ!

認めよう、最近の小学生の流行りに乗った連中には確かに反感を覚える。もしかしたらこれは、バッドエンドが多いというだけで小学生が神作と叫ぶゲームなんじゃないか、とすら思った。

もちろん、結論を出すのは早すぎた。

続いて二周目、三周目、四周目と進み、小坂井綾、吾妻夜、白熊、東雲希のルートをクリアしていくうちに、気持ちはどんどん複雑になっていった。真実はジグソーパズルのように、各分岐で得たピースが少しずつ嵌まっていく……

最後に現れたGraduationの選択肢は、TRUE ENDへ至る最終ルート。深く息を吐いて、結末の道を歩き始めた。しかし本当に結末に到達すると、かえって気持ちはさらに落ち着かなくなった……この真実の最後のピースは、あまりにも巨大で重すぎる。

主人公は河野初雪、ヒロインは玉樹桜、ゲームは『初雪桜』。当然ながら、これは二人の物語だ。

幼い二人が初めて出会ったのは、大人たちの政治的利用によって婚約を結ばされたからだ。それでも二人は深く考えていなかった……爆発が起き、ヒロインは死に、宴席にいた大勢も死に、主人公だけが残された。

ヒロインの魂は消えられず、宴席の生霊たちも突然の死を受け入れられず、怨念が集まっていく。ヒロインは幽霊たちの首領、つまりGhostChildとなった。そして主人公は復讐を渇望する父によって大量の幽霊を強制的に吸い込まれ、肉体を持つもう一人の人為的GhostChildにされた。

「3年後の冬、お前はGhostChildの名の下に、あの爆発を引き起こした黒幕を殺し、冤罪で死んだすべての魂の復讐を果たせ」——そういう理念を植え付けられ、幼い頃から幽霊に育てられた。本来なら、真のGhostchildとなったヒロインがやるべきことだったのに。

生きている死人と死んでいる活人、たぶんそういう意味だろう。それでも二人は陰陽隔てられ、主人公はヒロインの存在を見ることができず、ヒロインは幽霊としてずっと主人公を見守っていた。

祓魔師はヒロインと、彼女の背後にいる大勢の死者の巨大な怨念を祓えなかった。そこで祓魔師は条件を出した。

「お前の望みを叶えてやる。そうすれば消える気になるか?」

「本物の肉体が欲しい。彼に触れられるように、彼にも私が見えるように。彼としばらく一緒に過ごしたい。ほんの少しの間でも、それで十分」

望みは叶い、ヒロインは生者の世界に降り立ち、主人公と出会った。しかしヒロインは記憶を失っていた。

ゲームの序章が始まる。

理由は分からないが、ヒロインはいつも主人公の手を握りたがり、主人公にまとわりつきたがる。これは逆ナンじゃない、本能だ。なにせ二人は子供の頃、まだ生きていた頃、よくそうしていたのだから。

二人が恋に落ちた後、ヒロインは記憶を取り戻した。それでも彼女はそのことを口にしたがらなかった。自分がまもなく消えることを知っているから、時間は短いから、少しでも多く主人公と一緒にいたいから。

結局、主人公も思い出した。しかし遅すぎた。時間は来た。ヒロインは約束通り、自分の魂を消した。消えたくないすべての怨霊を解き放って。

そして主人公自身は本当の死者ではない。自分の体から離れた魂は救済を得たが、もうヒロインを見ることはできない。

物語はその欠憾のうちに終わる。陰陽隔てた恋人たちは、ほんの一冬の時を経て、再び別々の場所へ。

せめてもの慰めは、ヒロインが今も主人公のそばで守っていること。主人公の卒業写真の中に、幸せそうな玉樹桜が主人公の腕に抱きついて笑っているのが見つかった。

これがハッピーエンドなのか、俺には分からない。正確に言えば、こういう筋書きは聊斎志異そっくりだ……鬼と人、人と鬼、恋に落ちた後、本質の違いゆえに再び別れる。しかし『初雪桜』の筋書きの処理には独特の魅力がある。最初の伏線をすべて溜め込み、最後の一片で全部爆発させる。それがとても……なんだろう、胸にぐっと来る?

心をわしづかみにする物語の主な手段は不完全な結末だと誰かが言っていた。そういう意味で、『初雪桜』は確かにそれをやっている。

成長と卒業

河野初雪と玉樹桜の物語こそがゲームの本筋だと、最初はそう思っていた。しかしクリアしてみると、作者は単にそんな物語を描きたかっただけではないように思えてきた。

ゲームの英語名はWhite Graduation。そして他のルートもすべて「卒業」という言葉に満ちている。どのルートの結末も、卒業に到達する。綾先輩にせよ、吾妻夜にせよ、東雲希や白熊にせよ。最終ルートの出現でさえ、そのボタンの名前はGraduationだ。

思い返して、はっとした。初雪と桜の感情はただの導入で、作者が本当に描きたかったのは、成長と卒業の物語なのだと。

他のヒロインのルートはそれぞれ物語の由来を説明している。小坂井綾のルートは前日譚的な性質で、なぜ主人公が不良と見なされるのか、そして主人公が無知な少年から成熟へと変わる過程を説明する。小坂井綾というキャラクターの造形は、ゲーム全体で最も成功していると思う。彼女は本当の意味での強い女性とは何かを体現している。他の「先輩ヒロインのツンデレ」とはまるで違い、常に冷静で、主人公に押し倒されても余裕の表情。生まれながらの覇気と王者のオーラとはこういうものだろう。彼女との出来事が主人公を成長させたが、多くのことを経験した後、救済された彼女は主人公の記憶を忘れ、それでも他人として主人公と再会する。うん、また不完全なエンディングだ。

正直、不完全なエンディングはどのヒロインのルートでもそうだ。吾妻夜は主人公が幽霊として消え、白熊のルートも同じ。東雲希は少しマシで、卒業の時に一度だけ主人公を見たが、また消えてしまう。なにせ主人公の正体は幽霊の王で、玉樹桜だけが彼を救える。そうでなければ、彼は消えるしかないのだから。

そして主人公というキャラクターの造形こそ、作者の卒業についての比較的完璧な解釈そのものだ。

主人公は最初から「復讐」の概念を植え付けられ、俺は愛と憎しみの物語だと思った。しかし物語の方向は完全に逆で、主人公自身は復讐に大した興味はなく、なぜ復讐するのかすら分かっていない。ただ周りの遊魂たちが囃し立てるだけ。「お前は鬼の王だ、使命は復讐だ、blah, blah, blah」。主人公が学校に通うのは他人の頼みを引き受けたからで、進学にも興味はない。3年後の卒業の年に復讐を果たし、すべてを破壊することを知っている。未来はない、だから卒業もない。

かつて俺は筋書きに腹を立てた。学園の日常が多すぎて、いろんな人との交流や活動ばかりで、「なぜ謎を広げないんだ」と、一度ならずツッコミを入れたくもなった。しかし今振り返ると、最後に主人公が復讐を捨て、救済され、卒業を選んで新生活を始める時、あの何気ない学校の日常を思い出し、最後のGhost Graduationの曲とともに、不意に涙腺が刺激された。

ある生活は、永遠の別れを目前にして初めて、その貴重さに気づく。

個人の意見だが、小坂井綾、東雲希、そして白熊、この三人のルートは多かれ少なかれ本筋に関わっているのに対し、吾妻夜の物語は完全に本筋と無関係だ。なのに制作側は彼女に一番長い分岐シナリオを与えている。作者の好みなんだろうな(笑)。

キャラデザ・音楽・その他

『初雪桜』のキャラデザは素晴らしい。ゆずソフトと関係があるのかは知らないが、どう見てもゆずソフトの画風にそっくりだ。

ただよく見れば違いもある。ゆずソフトの描く女の子はいつも口を開けている……

音楽は言うことなし、満点でもいい。蝦米で探して聴くといい。

http://www.xiami.com/album/519044@@H11@@

特にED曲、Ghost Graduationは、何度も聴くと泣けてくる。

正直に言うと、『初雪桜』のストーリーは一本の線にまとめられるはずだ。なのにゲームでは断片的な方法で提示している。常識で言えば、こんなあちこちつまみ食いするような表現は訳が分からなくなるはずだが、実際にはまったく困惑しなかった。ゲームに没入していたせいだろうか。

翻訳の品質については、良いとは言えない。ただ罵倒語がやや多い。主人公の「不良」な性格を考慮して、かなり罵倒語を使っているのだろうが、Bakaを「傻逼」と訳すのはさすがにやりすぎだ。とはいえ最後の桜ルートでは翻訳品質も正常に戻り、プレイ体験に影響はない。何はともあれ、翻訳チームの努力のおかげで、日本語がからっきしの俺がこのゲームに触れられたのだから、感謝しかない。

卒業というテーマは全ルートを通じてずっと流れている。進路指導委員会の存在も卒業のために設定されたものだ。物語の中の誰もが、卒業とともに自分の成長を遂げる。吾妻夜は自分から逃げることをやめ、小坂井綾は弟への罪悪感から解き放たれ、東雲希は自信喪失から抜け出し、白熊は……ええと、まあ、成長しただけだ。

主人公の卒業はさらに重要だ。彼は過去のつまらない生活を捨て、自分が誰かに守られていたことに気づき、積極的に未来へ向き合い始める。

多くの人が『初雪桜』に本当のハッピーエンドがないとさんざん文句を言うが、俺はこういう結末こそがむしろ優しい結末だと思う。『初雪桜』には過度な血みどろの売り込みはなく、十分にグロいCGを作れる場面もたくさんあるのに、作っていない。明らかに制作側は感覚的な刺激を意図的に避け、ただこうした少し感傷的な物語をきちんと語りたかっただけだ。実際、物語は感傷的だからこそ、人の心を落ち着かなくさせる。ネット上では『初雪桜』には本当のtrue endがあるという噂が流れている。美しい嘘だ。希望があるのはいつだって良いことだ。

1095日の憂鬱と期待

ゲーム中には1095日という言葉が何度も出てくる。365×3=1095、まさに三年という意味だ。このゲームの筋書きは、自分の学校生活を思い出させるところすらある……

恥ずかしながら、中二の時期以外は、あまり深い記憶を残していない。卒業も逃げるような気持ちだった。それでも、働き始めて初めて分かる。つまらない学園生活でさえ、今のクソみたいな職場環境よりはよっぽどマシだと。

玉樹桜は自分の望みを叶え、主人公のそばで守る魂となった。では俺のそばにも、守ってくれる魂がいるのだろうか?

思考と論理は微妙なものだ。信じれば、それは本当に存在する。自己満足であり自己安慰だと言ってもいい。しかし人生と感情の調整だって、結局はそういうものではないだろうか。

生者と死者の間には越えられない隔たりがある。しかし信じさえすれば、互いに守り合うこともできる。生者の願いを満たし、死者にため息をつかせない。

自分はいつもどこかの魂に見守られていると信じて、毎日を真剣に生き、自分の人生の各段階の卒業と未来を迎えよう。

 

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