『Relirium -レリリウム- 遺跡と出逢いと冒険と』レビュー

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今年1月、Whirlpoolが新作の発表と同時に、これが最後の作品になると宣言した。この作品が発売されたあと、彼らは小さなライブを開いて、それで完全に解散するらしい。

正直、Whirlpoolが解散すること自体には驚かなかった。驚いたのはあまりにも突然だったことだ。作品の評判がちょうど上がってきたところだったのに。小品作もSteamでそこそこ売れていたのに、なんで急に逝っちゃうんだ?

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あとでWhirlpool公式がブログで理由を説明していた。金がなくなったから解散するわけじゃない、主な理由はネタが尽きたからだ、と言う。作りたいゲームは作り尽くした、企画したいものも企画し尽くした、これ以上続けてもクソゲーしか出てこないから、いっそ解散したほうがいいだろう、と。

どことなく、以前の瓊瑶の自殺を思い出す。まだ名が通っているうちに解散しておく。最後に抽象的な地雷ブランドになって、看板が汚れてから破産清算、なんてことになると、ちょっとみっともないからな。

とはいえ、最後の作品として、この『Relirium -レリリウム- 遺跡と出逢いと冒険と』はどうなのか。

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正直ちょっと予想外だった。シナリオがすごくお決まりで、平坦なのだ。

物語は、地球に突然謎の島が出現したところから始まる。島には遺跡があり、多くの冒険者が探検に訪れる。やがてその島は独立建国し、遺跡探索もこの国の主要な仕事のひとつになった。主人公の両親は10年前に島へ遺跡探索に行ったきり完全に行方不明になり、主人公は孤児になった。

大人になった主人公のもとに、再びこの島の高等教育機関から入学許可の手紙が届く。そこで学びつつ遺跡探索もして、両親の行方を探そうというわけだ。直感的に、両親は死んでいないと感じていたから。

学校に着くとすぐに校長に会う。校長の名前がすごい。イブ、英語表記ならEve、剣星のヒロインと同名ってことになる。校長は主人公の両親が失踪したことは知っていて、だから入学を誘ったのだと言う。ただし冒険に出すつもりはなく、まずは「アイドル部」で誰かのマネージャーをやれと。アイドル部に行くと、一目で毒舌ツンデレとわかる女、トワがいる。聞けばトワはインフルエンサーになりたいが、SNSのアカウントの伸びが悪いので主人公に手伝ってほしいと。主人公は策を授ける。要は集客のいつもの手口だ。そうこうするうちに急いで冒険者研修に申し込む。

遺跡を探索するには冒険者研修を受けなければならない。研修の先生は七海凪。もう、この名前と茶色い髪を見た瞬間に俺のアンテナがビビッときた。サメの尻尾があったりしないだろうな。凪は冒険者ランクが高いのに、主人公にあまり教えたがらず、かなりの部分をガグやという少女に丸投げする。それでも主人公はどんどん上達し、数日でダンジョン探索を始める。その天賦の才は学校の「探検団」団長の目にも留まり、調査兵団に誘われる。とにかくすぐに主人公の周りは美少女だらけになる。

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次は学校の国慶節みたいな祭典、お決まりの学園祭、お決まりの主人公と美少女の出し物、お決まりの主人公がいくつもの活動部に引っ張りだこ。ただ完全にお決まりというわけでもなく、学園祭の最中に巨大な竜が侵入して、みんなで戦闘になる。ひとしきり戦ったところでガグやが一発の軌道砲で仕留める。しかし竜は死体にも粉袋にもならず、石になった。それを見たトワが校長のもとへ走り、聞き取れない内容を話す。「魔神兵器」「上古の神獣」などなど。校長は自分はすべてわかっている、判断もするとだけ言う。

その後ゲームは超長いレベリング・ダンジョン巡り・恋愛モードに入る。各キャラの個人ルートの序盤はどれも似たようなもので、「Dragon Steak」という酒場を拠点に、毎日の訓練と宝探しが始まる。ただ各個人ルートでもいくつか設定が明かされ、本編の展開に関わるので、簡単に触れておこう。

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ガグやの個人ルートは、彼女の正体と使命を語る。彼女は人間ではなく、遺跡から掘り出された「ゴーレム」だ。Golem、あのウォークラフトのドワーフダンジョンに出てくる石人形みたいなやつ。体内の魔力が膨大で、しかも人を理解するため、掘り出されて究極の魔法的人形兵器に改造された。普段は学校で助手として教え、いざという時は軌道砲で人を撃ち、校長が直接保守管理している。ただしガグやはもともと異世界から来た人間で(異世界人も人間……だよな?)、故郷を守るため自ら犠牲になって魔法兵器と化し、のちに遺跡で掘り出されたのだ。ガグやも校長も、この島にまもなく上古の魔神が降臨することを知っている。戦うためには8つの封印ノード(ゲーム内では神依)を見つける必要があるが、今は7つしかない。つまり誰かが犠牲になる。本来は校長の役目だったが、ガグやが進んで任務を引き受け、校長は美しく身を隠した。やがて魔物が本当に来る。「oculus」という巨大な眼球怪(同時にThreadの親会社の某爆死製品の名前でもある)。通常の魔法では倒せず、ガグやを消耗品として戦わせ、犠牲にして封印するしかない。最終的に眼球怪は封印され、世界は引き裂かれ、島は異世界へと移り、ガグやはそこに残る。校長は元の世界に残り、ガグやは人形兵器として戦い続けられる(待てよ、これDoomの新作のストーリーにそっくりじゃないか。ガグやに盾とヘルメットとスピアガンを渡してやれよ)。

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騎士団長リゼットのルートはもっとシンプルだ。団長の姉が何年も前に遺跡探索で事故に遭い、帰ってきたものの命は取り留めたが目覚めない。おそらく魂が封じられているのだろう。リゼットは姉を救いたいが、自分がとにかく弱い。団を率いるのも戦うのも指揮もダメ、しかもひらめき大王を気取りたがる。ただ貴族の血筋なので、団に残ってマスコットとしてスポンサーを引っ張ってくるだけでも悪くない。実際の仕事はほぼ副団長がやっている。しかし団が新エリアを探索した際、遺跡の奥でリゼットの姉を見たという話が出る。リゼットは聞いてじっとしておれず、副団長や他の者の制止も、処分も恐れず、遺跡へ姉を探しに行く。そこでわかるのは、それは本物の「姉」ではなく、複製された幻影だったということ。幻影を倒したあと、意外なことに、その幻影が実は姉の魂をある意味で封じていたことが判明し、ずっと眠っていた姉は目覚める。そして今回リゼットが自分の意志で遺跡探索をやり遂げたことで、彼女も鍛えられ、能力を上げ、もうヘタレではなくなる。これが彼女のグッドエンドだ。

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七海nanami……じゃなくて七海凪の個人ルートはちょっと上級だ。彼女はずっと遺跡の奥深くの探検に憧れていて、教師もまともにやらず、普段も他の趣味はなく、レベル上げと探検だけ。のちに彼女には不治の病があり、本来ならとっくに死んでいるはずなのが、手の指輪のおかげで命をつないでいることがわかる。その指輪の能力は時間を操ること、時間停止や時間逆行だ。彼女はその停止能力で自分の不治の病を凍結し、今まで生きてこられた。しかしやがて指輪の魔力が尽きかけていることに気づく。しかもその指輪自体に一人の少女の魂が宿っていて、リリィという。リリィは家に帰りたいと言う。自分の家は遺跡の奥の転送門の向こうの別世界にある、と。そこで凪は、自分はもう十分生きたからついでに良いことをしてリリィを故郷へ送り届けようと考え、執拗に遺跡を探索する。凪とともに探索してわかるのは、リリィの故郷はとある魔神に滅ぼされ、全員が鉱石に変えられていたこと。その故郷の人々は時間を操る力を持っていたため、魔神がその力を欲し、人鉱に変えたのだった。リリィは指輪にされた。あとは当然戦いで、勝利後は故郷の人々も元に戻り、リリィも帰る。凪の不治の病もつながり、主人公は彼女が死んだと思うが、何年か後に帰ってみると凪は生きていた。リリィの故郷の人々に魔法で救われたのだ。もちろん代償として元の世界には戻れず、永遠にそこにいるしかないが。

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トワのルートはメイン本編に近い。ここまででわかるのは、島に遺跡があり、遺跡の中には異世界への転送門があること。実際、この島の遺跡は「ジャンプノード」のようなもので、ここから様々な平行世界へ行ける。ダークポータル的なやつだ。しかもまもなく遺跡のある島に魔神の降臨が訪れ、勝てなければ封印するしかない。校長は島の最高権力者として多くのことを知り、対応も準備している。トワのルートはこの設定を補完し、最後のTRUE ENDまで続く。主人公はすぐにトワがただ者ではないと気づく。アイドル部だのインフルエンサーだのと言いながら、実際はすごい特殊能力を持ち、背中には翼があり、テレパシーで会話もできる。問い詰められるとトワは打ち明ける。自分は実は異世界から来た、異世界の精霊のようなものだと。トワの両親は何年も前に主人公の両親と知り合い、一緒に遺跡探索に行ったが、主人公の両親に裏切られ、行方不明になった。主人公の両親も出てこず、ともに消えた。そしてトワの母は嫉妬からか、遺跡の奥で上古の魔物を召喚していた。「終末の蛇」と呼ばれるそれは、まもなく現れて世界を滅ぼそうとしている。主人公は自分の両親が裏切り者だとは信じがたい。校長も調査に青信号を出し、調べると、主人公の両親は誰かを裏切ったのではなく、助けを呼びに戻ったのだった。両親も死んでおらず、遺跡の奥に閉じ込められているだけだった。あとはこの「終末の蛇」を鎮め、トワの母に事情を説明するだけだ。

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力を集めるため、トワは異世界の精霊である身分を公表し、自分の能力で他の個人ルートの面倒事をすべて解決する。凪の不治の病を治したりなどだ。みんなもう迷いはない。トワは団を率いて遺跡の最下層を速攻で攻略する。一行は大挙してダンジョンへ進軍し、トワの母に事情を説明し、最終ボスを倒す。残念ながらトワの母は死んでしまう。そしてボスを倒すと島も崩壊し始め、団員全員が選択を迫られる。崩壊に従ってダークポータルを通り外域へ行くのか……じゃなくて、崩壊に従って異世界に残るのか、それとも元の世界へ戻るのか。どんな選択をしても、二つの世界をつなぐノードはまもなく砕け散り、もう二度と会えないかもしれない。それでも最後にはみんな、一緒に冒険した思い出を胸に、それぞれの人生を続ける。そしてゲームは終わる。


冒頭でも言ったが、『Relirium -レリリウム- 遺跡と出逢いと冒険と』は妙なゲームだ。あまりにもテンプレートでお決まりで、よくある異世界冒険もののシナリオに沿っている。しかも物語は以前のような「神棍」的なお決まりを完全に捨てて、ただ平坦に語る。主に描かれるのは冒険と日常で、シリアスな展開は実は短く、大半は萌えと恋愛だ。せっかく会社がちょっと持ち直してきたと思ったのに、最終作なら大きいのをやるべきじゃないのか?なぜまた元に戻ったのか。

そこで考えて、少しわかった気がした。もしかするとWhirlpool自身が「神棍」的なシナリオが好きじゃなかったのかもしれない。

Whirlpoolは2006年に設立され、渦をロゴと名前にして、面白い物語で全員を渦に巻き込み、自分もどんどん大きくなろうとした。大多数のギャルゲー会社と同様、Whirlpoolは外注会社から生まれ、ゲームは主力事業ではなく、どちらかと言えば上層部の個人趣味の投影だ。この会社は誕生から「ファンタジー」+「廃萌」にこだわり、それを何年も続けてきた。むしろそれが一貫した本色なのだ。「ファンタジー萌え系」の道は大ヒットではないが、常に固定のファンがいる。ブラウザゲー、ソシャゲ、二次元ゲーの連続的な攻勢の中で、変わることも試み、評価も勝ち取ったが、それはもう初心ではないと気づいた。『Pieces』シリーズ以降、物語はますます晦渋になり、展開はますます神棍になり、あの「地界碑」の設定すら今も公式説明がない。おかしいのは、わからなければわからないほど評価が上がるのに、売上は低迷していて嘘がつけないことだ。まるで『皇帝の新しい服』だ。みんなあの意味深なシナリオに深い意味があると思っていて、誰も自分がわかっていないとは認めたがらない。Whirlpoolはあの一連の作品で何かの社会実験をしていたんじゃないかとすら疑う。まあ、最後の作品で快適ゾーンに戻ってきたのは良かった。

振り返って『Relirium -レリリウム- 遺跡と出逢いと冒険と』を見ると、評価は実にシンプルだ。これは徹底した、Whirlpoolの伝統的なファンタジーの底色をまとった「廃萌」作品であり、ここでの「廃萌」はもはや貶し言葉ではなく、前の世代のギャルゲーへの原点回帰だ。ゲームには、もう「退環境」したと思っていた古典的要素が詰まっている。天然、ツンデレ、腹黒、お姉さん、どのキャラも個性全開。各個人ストーリーはそれぞれ違うがどれもわかりやすく、展開はすべてキャラの魅力を見せるために奉仕している。主人公の「両親失踪の原因を探す」メイン本編も、結末は安定していて、余計なことはしない。リラックスした気持ちでゆっくり遊べる。気軽な日常4コマ漫画を読むように。会話には新旧のネタやWhirlpoolの過去作のネタが大量に縫い込まれていて、わかる人には常にニヤリとさせられる。

もちろん、すべての「廃萌」ゲームを批判するように、シナリオが平坦、メイン本編が直球、会話が幼稚、ヒロインの逆張りが不自然……と言うこともできる。でもそれがどうした? 男性向けギャルゲーとして、9人の攻略可能な美少女を一気に詰め込み、それぞれ特色があり、画風も良好、音響演出も及第点。これで「失格」の理由がどこにあるというのか。美少女ゲームの核心は美少女で、シナリオは魅力を引き立てる手段のひとつにすぎない。Whirlpoolは最後の作品で自分の選択が間違っていなかったことを証明し、20周年の全行程をきちんと総括した。完璧な幕引きとして十分だ。

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要するに、Whirlpoolが骨の髄から好きなのはやはり廃萌なのだ。最後のゲームなんだから、やはり自分の一番好きなものを信じる。売上のためにどうせ潰れるんだし。結果、今作は評価も売上もむしろ良く、本当に自分を証明した。「廃萌は正しい」と証明したのだ。


最後の最後に、Whirlpoolの古参プレイヤーがどれくらいいるかわからないが、Whirlpoolの上層部はもう50を超えていると言う人もいる。昨日Wikiを見て、前の世代のギャルゲー制作者どころか、みんなが最もよく知る麻美先輩の声優、水橋かおりももう51歳だと知った。実は今作の叙事にはもうひとつ最大のネタがある。Whirlpool設立後に発売された2作目『MagusTale 〜世界樹と恋する魔法使い〜』だ。

このゲームは、主人公の妹が失踪し、主人公が探しに行くうちに、誰も知らない島国にたどり着く。妹を見つけるだけでなく、この島国には様々な次元の異世界への転送門があり、すべて中央の世界樹の力に依拠していることを知る。学校の校長もこの島の指導者で、主人公は異世界の人々と交流し友になる。

このゲームは発売後しばらくして、Whirlpool自身が「以後制作するゲームは基本的に本作と世界観を共有する」と言っていた。これはちょっとゾッとする。Whirlpoolはそんなに大きな布石を打っていたのか? 今作の幕引きもお前の計画だったのかWhirlpool!🌀

だからわかるだろ?

MagusTale 世界樹と恋する魔法使い Relirium 遺跡と出逢いと冒険と

ある意味、今作はWhirlpoolの既存世界観枠組み作品のリメイクと補完だ。MagusTaleには完全な結末がなく、Reliriumがそれを完成させた。しかもReliriumにはWhirlpoolの旧作キャラやネタも多数登場する。俺はあまりやり込んでいないが、いくつかは見た。Whirlpoolがこだわってきたファンタジー世界観枠組みのMagusTaleを、最後の作品で設定補完とリメイクで締めるのは、実に絶妙な選択だ。完璧な幕引きと言っても過言ではない。

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今作の結末はWhirlpoolの縮図だと言う人も多い。特に主人公たちが「異世界に残るかどうか」を選ぶ時、そしてあの「異世界」と現実世界のリンクが切れる時は、まさに「ファンタジー異世界」を専門にしてきたWhirlpoolという会社が終わりへ向かう時を表している。

感傷的なことはあまり言いたくない。伝統的なギャルゲーはもう前世紀の産物だ。新時代はAIとVRの後押しを受け、実写ゲームや各種高インタラクティブゲームの台頭とともに、新世代の「ギャルゲー」がゆっくりと台頭している。今ではアイデアとTokenさえあれば、自分でギャルゲーを作ることも不可能ではない。少なくともWhirlpoolは体面よく退場した。彼らの作品との交わりを、人生の美しい思い出としておこう。

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