『神戸恋愛物語』レビュー

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1989年に日本でNEC PC-8801向けに発売された、『神戸恋愛物語』というテキスト恋愛アドベンチャーゲームだ。まあ何かの縁だと思ってプレイしてみることにした。7枚組のフロッピーディスクで供給されるゲームなのだが、クリアまでに使ったのは6枚だった気がする。最後の1枚はユーザーディスクだったのか? よく分からない。

プレイ時間は大したことなく、1時間ちょっと。途中、ストーリーの進行に合わせて頻繁に次のディスクへ差し替える必要がある。ゲーム全体の容量は2MB。1989年当時なら間違いなくAAA級の容量で、なんせ当時の主流パソコンのHDDが20〜30MBだったことを思えば、2MBは今の1TB HDDに100GB食うようなものだ。しかも1時間ちょっとのプレイ時間に対してこの容量は正直見栄えがしない。短めである。

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操作はシンプルで、観察、会話、聴く、動作、移動、といった選択肢を場面ごとに切り替えていく。一番使うのは移動と会話で、ひたすら移動して会話して、また移動して会話する。選択肢は多く見えて実のところ一本道。この場面で会話を済ませたら次の場面へ移動、を繰り返してクリアまで進む。

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ここでゲームのシナリオについて触れざるを得ない。ちょっと……意外だった。

冒頭、主人公は彼女に振られる。理由は彼女が主人公と別の女が一緒にいるのを目撃したから。主人公はそれを否定も肯定もしないまま、よりを戻そうとして失敗し、独り身になる。そこへ親友が仕事を回してくる。東京から来た3人の女の子を神戸観光に連れて行くという話で、暇な主人公は引き受ける。3人を連れてあちこち回り、そのうち久美子という女の子と良い感じになっていく。

話しているうちに、久美子には元彼がいて、その元彼に振られたことが分かる。主人公は余計なお世話で元彼のところへ話をつけに行き、そいつがクズ男だと判明する。さらにそのクズ男が主人公の元彼女とくっついていることが発覚。主人公は元彼女に忠告しに行くが、逆にやり込められてしまう。

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そこで主人公は久美子に、あの男は何者なんだと問い詰める。聞けば聞くほどおかしな話で、背後に大きなからくりがあることが分かる。実は久美子はずっとあのクズ男と付き合っていて、久美子の兄がそれが気に入らず、クズ男に出て行けと金を渡そうとした。ところがクズ男は金だけでは足りない、新しい女を用意しろと要求。兄が見ると、クズ男が指定した新しい女とは主人公の彼女だった。そこで兄はさらに金を積み、OLを雇って主人公を酔い潰させ、わざと主人公の彼女に見せつけて、主人公が他の女とホテルに入ったと誤解させた。彼女は怒って別れ、主人公は酔っていたので記憶も曖昧。これがゲーム冒頭のあの場面というわけだ。

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つまり最初から全部仕組まれていた。兄が妹・久美子のそばからクズ男を遠ざけるために、金で人を動かしてクズ男に主人公の彼女をNTRさせた……そして偶然にも主人公がその妹・久美子と接触して良い感じになる……

物語の最後、久美子は神戸での滞在を終えて東京へ帰ろうとする。主人公は全てを知った上でそれでも告白し、久美子は承諾。将来必ず神戸に戻って主人公に会いに来ると言う。しかし待つこと数年、ようやく久美子は社会人として主人公と再会するのだった。

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1989年のゲームとして、『神戸恋愛物語』のシナリオは確かにあの年代の都市恋愛ドラマらしい特色を持っている。伏線も少しあり、局中局のような感じもする。しかも大量の実写背景CGを使っていて、当時の画面で見たらさぞかし衝撃だっただろう。神戸の有名観光地ばかりで、容量が巨大なのに話が短い理由もそこにあるのかもしれない。

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ただ、NTR要素を含むこの話は好き嫌いが分かれるだろう。しかも神戸での展開はわずか2日間で完結していて非常にタイトだが、まあちょうど良いとも思える。

このゲームは当時としてはなかなか良い出来だと思う。少なくともシステムは今のギャルゲーより充実している。なんせPC8801のクロックは4MHzしかないのだから。

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