『王様恋愛』レビュー

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かつてAsa Projectは中国語圏のコミュニティで「顔芸社」と呼ばれていた。理由はキャラのあの話題になった顔芸表情。そして節操のないお笑い恋愛劇、その頂点が『恋愛0キロメートル』だ。

だがAsa Project自身はどうやらその評価に満足していなかったらしく、以降の作品ではあの『間接恋愛』を除いて、少しずつ「顔芸」の比率を下げていった。最初は全キャラにあったのが、次は一人だけになり、その後は……ほとんど顔芸を見かけなくなった。俺個人としては、Asa Projectは「恋愛」をいろんな定義で表現する純愛会社という自己認識なんだと思う。

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たとえば一作ごとに新しい「恋愛」の形を考えて、それをタイトルにそのまま書いてくる。間接恋愛、劈腿恋愛、三角恋愛、恋愛争奪、バイト恋愛、脇役恋愛……などなど。もうタイトルに「恋愛」の二文字を先に書いて、後から中身を補ってるんじゃないかとすら思う。

一年ちょっとぶりにAsa Projectの新作が出た。今回のテーマは「王様恋愛」。公式紹介は「主人公は裕福な御曹司で、毎日王様のような生活を送っている」。本作の特徴は「男方から主動的に仕掛ける恋愛」——パッと見は「俺様社長に愛されて」な脚本かと思いきや、ゲームを終えてみると……どうやら全然そういう話じゃなかった。

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王様から主人へ

ゲームの冒頭で、主人公の家は財力抜群、金も暇もあり、家には専属メイドまでいることが語られる。「愛とは何か」を知りたいがために、外に出て女に接触し始める。

最初の被害者は赤毛。主人公が断りきれない金額を提示したので、彼女はあっさり主人公の家のメイド二号になった。さらに主人公は世間を知るため、自ら金を出して女子校に通い、女装プレイまでする。もちろん大半は家で過ごしている。家が広すぎて金が多すぎるから……。

そこからゲームの展開は俺には理解できない領域に突入する。赤毛は主人公が偶然出会って知り合ったとして、その後の令嬢、半血縁の妹、果てはスパイだと自称するドMの変態女まで、次々と押し寄せてくるのは一体なんなのか。しかも物語の展開は、主人公に対する全女性の好感度が最初からMAX前提。不満を抱く者などおらず、みんな我先にと主人公と親密な関係を持ちたがる。

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主人公が金持ちなのはわかる。だがAsa Project、お前は毎回純愛を掲げてたんじゃないのか? 今回の「愛」、現実的すぎるだろ。

しかもゲームの主人公は最初から完全に人を見下したクソ野郎っぷり。金持ちだから偉そうなのもまあ普通だ。ただ序盤のゲームから受けた印象は、高慢な金持ちとして「愛」を知らない主人公が、より多くの「普通の人」と触れ合うことで少しずつ変わり、内面が柔らかく優しくなっていき、より優れた別の人間になっていく……そんな話を描きたいのかと思った。

現実はというと、俺の考えすぎだった。主人公は最初から最後までほとんど変わらない。ずっとあの傲慢でイキり散らしたクソ野郎のままで、ワケのわからないプレイで全ヒロインをいじめる。そう、全員だ。

あることでは主人公は完全にキングの憑依状態。たとえば主人公は自分でオナニーすることを拒否する。自分は高貴な人間だから、自己安慰なんて自分でやるはずがない。だからオナニーすら他人にやらせる。最初はメイド、後には他のヒロイン。これを見た感想はただ一つ、すげえなお前。最初はタイトルの「王様」は形容詞かと思ってたが、名詞だったとはな。

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ゲームの全ルート展開はほぼワンパターン。中盤で一度わかりやすい選択肢が出て、そのまま対応ルートに入る。攻略対象は8人と謳っているが、分類によって二人一組にされていて、一度に二人を攻略することになる。はっきり言えば、各ルートの結末は全部3Pだ……。

しかもルートごとに物語に違いはほとんどなく、プレイのバリエーションが多いだけ。各種制服、各種シチュエーション、3Pの「NTRもどき」プレイ、そして最終的には「二穴一棒」などなど……。

物語の描写が完全にゼロかといえばそうでもない。多くのキャラには簡単な「回想シーン」が用意されていて、主人公とその人物が「恋愛」に至った理由が説明される。幼い頃に没落した家のメイドを引き取ったとか、一目惚れした令嬢との出会いとか、血の繋がらない妹との約束とか、まあそんな感じだが、本当に一瞬で過ぎ去り、その後すぐにハメ撮り主体の本番に入る。

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ゲームの最初の紹介で言っていた「ちょっとHな恋愛ストーリー」、この時になってようやくわかった。つまり抜きゲーということだ。これまでのAsa Projectはいつも努力して、無理にでも「純愛」の橋段と展開を書こうとしていたが、今回は完全に諦めている。あの一瞬の回想シーン以外は、「パパの肉棒大きい?」みたいな調教系の台詞がほとんどだ……。

必死にコストを削っている

俺のBlogをよく見てる人なら知ってるだろうが、Asa Projectについて俺がいつも鋭く突っ込む定番のネタがある。それは彼らがいつも過去作の背景画像を使い回してコストを削っていること。その典型中の典型が「15年近く使われたカフェ」の画像だ。以降の作品ではさらにエスカレートして、古いバージョンの背景画像がどんどん増え、どんどん露骨になり、どんどん手抜きになっていった。それでも毎回新しいものは出していた。

だが本作では、この「使い回し」が新たな高みに達した。背景画像だけでは飽き足らず、キャラの立ち絵まで「使い回し」の仲間入りを果たした。俺の限られた記憶力によれば、本作の全ヒロイン、あるいはほぼ全ヒロインの立ち絵のポーズは過去作の複製だ。手足や体はそのままで、服と髪型・髪色だけ変えたようなもの。各種の動作やいわゆる「顔芸」も過去作の期間限定復刻で、もちろん背景の使い回しも欠かせない。いや、むしろさらに氾濫していて、新しい背景を一つも思い出せない。ほぼ全部過去のものだ。

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ゲームのプレイ時間も非常に短く、全ルートクリアでだいたい10時間ちょっと。ほぼどのルートも公式通りで手抜き。主人公がルートを選び、そのまま光速で回想シーンに入り、ヒロインが「ずっと昔から主人公を好きだった」と説明され、その後はお決まりのパコパコ。まともな告白すらない気がする……。

ゲーム内で唯一少し物語を語っているのはメイドくらいか。昔の知り合いの話や主人公へのツッコミなどが語られ、他のルートは……脚本家が何を書いていいかわからなかったような印象を受ける。

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ゲームのスタッフロールで見覚えのある光景を見つけた。脚本家が一人で脚本、演出、UIデザイン、さらにはシステム設計まで担当している。人手が本当に足りていないのがわかる。だがこれはAsa Projectの過去作でもあったことだ。ただ本作ではそれがより手抜きに感じられる。脚本が演出を担当……なのに本作は演出がほぼない。UIデザインもそのまま流用。本作のOPとEDも従来のAsa Projectスタイルから大幅に縮小され、ダサい3Dトランジションもなければ、「ヒロインが走るシルエットからOP曲と歌手につながる」というあの定番の橋段もない……。

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なんだろうな。Asa Projectはこの作品を出すために全力を尽くしたとは思う。そのためにコストをかなり圧縮し、「完成は完璧に勝る」を実現した。だが本作にとって、本当に「完成」させる必要があったのか?

俺たちは何を期待しているのか

俺はかなり早い時期からAsa Projectのゲームを遊んでいる。Blogを見れば十数年前に未熟で感傷的な言葉で『恋愛0キロメートル』を評した記事も見られるはずだ。Asa Projectのゲームの最大の特徴であり、プレイヤーを惹きつける最大の要素は、やはり軽快でおかしい雰囲気、そして各種の話題になった「顔芸」だ。むしろ「顔芸」こそが最大の競争力であり、「Only Asa Can Do」なものだと思う。だからこそプレイヤーたちはAsa Projectを「顔芸社」と呼び、多くの人が以降の作品にも注目し続けた。

Asa Projectがそれに気づいていないはずがない。何しろ『恋愛0キロメートル』のすぐ後の『間接恋愛』では、顔芸表現の芸術が一つの頂点に達し、今に至るまで誰も超えられない存在になった……。当時このゲームには中国語化がなく、多くの人が生肉で遊べなかったにもかかわらず、それでも表情パッケージの候補になったほどだ。

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その後何があったのかは知らない。会社自身の方向性の問題か、「顔芸」が売上に繋がらないからか。Asa Projectのゲームは徐々に「顔芸」の比率を薄め、「純愛」を強調するようになり、「より豊かな恋愛描写」でプレイヤーを惹きつけようとした。表情パッケージではなく。面白いことに、Asa Projectは一気に「顔芸」を消したわけではなく、段階的に、ゆっくりと、少しずつ内容の転換を実現していった。そして後の絵師交代がその進行を直に加速させた。ゲームの題材もさまざまな「恋愛」の定義に触れようと努力していたが、ゲームはますます面白くなくなり、議論の場に現れる機会も減っていった。評価は悪いとは言えないが、もう成功して「話題になる」ことも「人を遊びに引き込む」こともできなくなった。かつて『恋愛0キロメートル』は、竹みたいな車と銃と球技しかやらない大バカまで引き込んだというのに。

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つまり、俺たちギャルゲープレイヤーは、Asa Projectにどんな作品を期待しているのか?

少なくとも俺にとっては、もっと多くのネタ、もっと多くのギャグ、もっと多くのR18級のお笑い漫画演出、そしてもっと誇張された顔芸が欲しい。俺はAsa Projectに海誓山盟刻骨銘心な恋愛物語を書けなんて一度も要求していない。何しろ「不朽の純愛」を見たいなら、俺にはもっと良い選択肢がある。なんでAsa Projectを選ぶんだ? Asa Project

一歩譲って「純愛」を追求したいとしても、大部分のギャルゲーは純愛向けで、多くの人がお前より上手くやっている。お前の出来も大したことないだろ。以前の「天使」の作品は、見た目にはかなり努力して書いたように見えたが、それでも合格ライン以上の良好レベルで、しかも他のキャラの全ルートの物語を犠牲にしていて、完全に損しかない。全力を尽くしてその程度なら……お笑い漫画のコンフォートゾーンに戻ることを勧める。

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しかも悲劇なのは、Asa Projectの現在の制作能力では、もう過去には戻れないだろうということだ。資源がこれほど逼迫していて、抜きゲーを作るのにこれだけコストを削っている。以前の「顔芸路線」に戻りたくても、もう資本がない。

文不对題な小品抜きゲー

実は俺はAsa Projectの現状に少し同情している。彼らが一歩一歩ここまで来るのを見てきたからだ。お笑いから純愛へ、そして今の小品抜きゲーへ。俺がこれまでにいろんな会社について知った経験から言えば、次の段階は合併か倒産だ。

ゲームの各所から、本当に売上が必要なのがわかる。多くのキャラの制服デザインはかなりエロく、複数のヒロインの胸もどんどん大きくなり、かつての『恋愛0キロメートル』時代の水準にまで来ている。だが面白いことに、こんな粗製濫造のゲームが、今回の評価はむしろ悪くない。多くの人が「使いやすい、何度も使える」と感じている。古参プレイヤーがみんな引退したのか、それとも俺のように諦めたのか。抜きゲーとして見るなら、本作は……少なくとも「妹天国」シリーズの70%の実力はある。少なくともあちらには動くCGがあり、膣内カウントダウン噴射もある。その点は比べ物にならない。

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無理に抜きゲーの視点でツッコミどころを探すなら、タイトルだ。「王様恋愛」、実際ゲームには恋愛なんてほとんどない。むしろ主人と性奴隷の間の王様ゲームに近い。むしろ「王様風味恋愛プレイ」と名乗った方がまだしっくりくる。

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