『Areas ~空に映すキミとのセカイ~』レビュー
軟妹が描く女の子が昔から大好きで、宮坂みゆ先生も軟妹だから、その人が描く女の子が大好きだ。この文の論理にたぶん間違いはない。
本物の女の子がどんな表情と仕草をするのか知っているのは女の子だけ。女の子が描いた女の子こそが、女の子の神髄をちゃんと表現できる。この文にはなおさら問題がないはずだ。
だから半年前、十六夜のフォルトゥーナの時点で宮坂みゆの画風にやられてしまった。ああいう柔らかい女の子はドストライクだ。俺が一番好きなのは細くて小さい女の子で、そういう子を抱きしめてこねくり回したい……
というわけで『Areas ~空に映すキミとのセカイ~』は、良心に誓って画風目当てでやった。事前に中二空間の評価は見ていて「序盤はいい」「結末は意味不明」、しかもギリギリ及第点だった。But who cares? 俺はどんなクソを食ってきたと思ってる? いくらシナリオがクソでも、どれだけクソになれるっていうんだ? 全員が最初からデレデレ? 精神分裂? 強引ハーレム? 無理やりイキり? ラノベのパクリ? 聖母再来? TowerDefense? 郭敬明の物真似? エンドまで崩壊? それとも男を抱けと騙されるとか?
無理だろ! もうクソを食うありとあらゆる体勢は経験済みだ。新しい体勢でクソを食わされる理由なんてもうない!
神農は百のクソを味わう、俺はもう死を恐れない。

Game Start!
ゲーム開始早々はなかなか大作の雰囲気で、未来の世界では資源が枯渇しつつあり、主人公は流浪の身で国家機密を奪おうとして、あえなく見つかってしまう。
偉大なる主人公は義妹を守るため、支配者と手を組むことを厭わず、国家の新プロジェクトの研究対象になることを受け入れる。
で、その研究とは何か。科学者は主人公を薄暗い通路の入口まで連れて行き、こう告げる。
「向こうは異世界です。あなたの任務は、異世界で普通に生きること。そして必要な時に、異世界の動向を私に報告する。以上です」

こうして主人公は Areas と呼ばれる異世界へ来る。この世界は人類の元いた世界とは隔絶された独立した存在で、主人公はすぐにこの世界に馴染み、学校に通い始め、そこで色々な女の子と知り合う。エンジニアの女の子、ツインテールのツンデレ、長髪の先輩、それに柔らかい幼女……

毎日……毎日、色々な女の子とイチャイチャしている……
待て!
ゲームを半分ほど進めたところで、重大な問題に気づいた。
「このゲーム、冒頭のアレは何がしたいんだ? これってただの、すっごくすっごくすっごく普通の学園恋愛ゲームじゃねえか?」
異世界って何だよ。
Areas って何だよ。
暗い陰謀があるんじゃないのか?
主人公は研究対象なんじゃないのか?
主人公は何しに来たんだ? 女を口説くためか?
異世界に送られて女を口説く仕事、どこで紹介してるんだ?
色々な疑問を抱えつつ、一人のヒロインのルートをクリアした……ルートは普通、眠くなるほど普通。普通に会話して、恋をして、エッチして、二人で手を取り合って未来へ……おしまい。

黒幕は? いない。Areas の説明は? ない……
きっと俺が選んだヒロインのルートが違うんだ……今度はエンジニアの子のルートをやった……
ルートはやっぱり普通、やっぱり眠くなるほど普通。普通に会話して、恋をして、エッチして、二人で手を取り合って未来へ……おしまい。
どういうことだ? そこで俺は早送りしながらヒロインを進め、シナリオが少しでも進むことを願った……
だが? ヒロインをほぼ全員進めても、何もない……
このゲームは冒頭に SF の皮をかぶせただけのものだと思う頃、最後のヒロインを攻略し終えたところで True End に入った。
おおおおおおおおおお、ついに来た!!!

ところがその苦労してたどり着いた True End のシナリオは単純、爆発するほど単純だった。
つまり元の世界は資源が枯渇しつつあり、人類はこの Areas に侵攻しようとしている、少なくともここの資源を利用しようとしている。その行いを主人公は反対し、最初に主人公を送り込んだあの女科学者がやってきて、真面目な顔で主人公に問う。
「日本に帰ることと、ここにいて帰れないこと、どちらが大事なんですか?」
主人公は少し考えて、言った。「ここで築いた絆が一番大事だ!」
ここで作ったハーレムと振り回したチンポが大事なんだろ?
続いて主人公は元の世界への反抗を一度だけやる。反抗は極端にダサくて、ハーレムを数人連れて騒いだら、相手は諦めた……
そして妹を連れて、この Areas という世界で永遠に暮らしていく……
ふざけんなこのゲーム、何なんだ?????

つまりこのゲームは結局、「島でハーレムを築く、極めて普通の恋愛ゲーム」ってだけだったんだろ? 日常恋愛ものにしてもこれといった見どころはなく、シナリオは眠くなるほどで、2000 年頃の純愛ゲームのノリ。でもこれは 2009 年のゲームなんだよ、おい。オタクも女の子を適当に並べて貼っておけば勃起するような連中じゃなくなってるんだ、他人の Blog のコメント欄に乗り込んで記事主を傷つけ、各大手 SNS に共有して「UCCU」と指差し相互に傷つけ合う歪んだオタクに進化してるんだよ、そんな手がまだ通用するわけないだろ……
でもよく考えたら、このゲームに別に問題はないような気もする。シナリオが退屈なだけで、長さも短いから、適当に流せば終わる。他の面はそこそこ。宮坂みゆが描く軟妹は相変わらず柔らかいし、南條愛乃が演じるヒロインは相変わらず綺麗に聞こえるし、fripside の音楽は相変わらず悠揚としている。やってみたところで催眠効果が得られるくらいで、少なくともクソを食わされて悪夢を見ることはない。退屈を持て余した純情な少年なら遊んでみてもいい。なぜこんなに低い評価がつくのか分からない。
おそらく多くの人は序章に騙されたと感じたんだろう。よく考えれば騙しでもないよな……ほら、True End でちゃんと回収してるし? まあ幼稚園レベルの展開だけど(笑
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