ベイヤーダイナミック インナーイヤーイヤホン レビュー
晨光復刻 MX500
大学に入ったばかりの頃、初めてのインイヤー型イヤホンを買った。確かEDIFIERのやつだったと思う。耳に突っ込んだ瞬間、新しい世界が開けた。
時間が経つにつれて、イヤホンといえばインイヤー型、というのが暗黙のルールになっていった。そもそも基礎的な遮音もできない代物だと、聴いていてつらいだけだし、低域やら高域やらの調整も難しい。
ところが人間ってのは面倒くさい生き物で、最近になってインナーイヤー型(平頭塞)にハマっている。きっかけは古いCreative Airを引っ張り出してきたことで、その広めの音場にちょっと驚いた。そこでようやく、インナーイヤー型にもインイヤー型にはできないことがあるんだと気づいた。
ただインナーイヤー型はハイエンドが本当に少ない。あったとしても今から追うのは難しい。幸いbeyerdynamicがちょうど入門モデルを出していたので、試しに聴いてみた。するとこれがまた、新しい世界を発見したような気分になった。何というか、少し広めの音場、それほど窮屈じゃない低音、そして豊かな中域。静かな夜に聴くと、確かに普段とは違う感覚を与えてくれる。
もちろん、静かな夜に、だ。インナーイヤー型の泣き所は遮音性がクソなことだから。
インナーイヤー型に驚かされて、ふと思い出したのが、俺が初めて手にしたまともなイヤホン、Sennheiser MX500だった。多くの人は俺と同じなんじゃないかな。
あれは高校の時分。TomPDAでトップ固定の業者を見つけて、正規品のMX500を買った。店の名前も覚えてる。「耳機天堂」という、とても明るいおっさんだった。話してみると、彼は別にこれを専門に売ってるわけじゃなく、本業は株式投資なんだそうだ……今もやってるのかは知らんけど。
当時はネット通販が面倒この上なかった。メルカリはまだクソだったし、eBayはあちこちでオークションをやってた。200近くするイヤホンは俺にとって安い買い物じゃなかった。結局、夜自習の合間に反対側の道路まで行って、工商銀行のATMでその金を振り込んだ。
イヤホンが届いたのは早くはなかった。5日かかった。当時は配送もそんなに発達してなくて、覚えてるのはEMSと順豊くらいだ。
その頃のプレイヤーはまだWalkmanの香水瓶だった。初めてワクワクしながら耳に突っ込んだとき、正直ちょっと失望したのを覚えてる。
「これがハイエンドイヤホン?別に変わんなくね?」
前になんのノーブランドを使っていたかはもう忘れたけど、その時は確かに違いが分からなかった。その後、音楽リソースを探しているうちに音楽専門サイトを見つけて、Baidu音楽検索から離れるようになった。192Kbps VBRの周杰倫のアルバムを落としてきて、ようやく音質が大きく進歩していることに気づいた。もしかしてそれまでは全部96Kbpsだったのか?それとも中学校の頃にラジオを聴きすぎたせいか?
でも今になっても分からない。この音質の向上が、単に音源の質が上がったからなのか、イヤホン自体の素性のおかげなのか。
まあ、どうでもいい。少なくとも俺はより良い音を楽しめたんだから。
時が経つにつれて、UKOOの音楽品質も192Kbps VBRから320Kbps CBRになり、俺の音源への要求もどんどん高くなった。同級生のCDを借りて、あのクソみたいなSonicStageでAtract AACに圧縮して品質を追求したりもした。そうしてある夜、「発如雪」の低域の弾力が前と違うことに気づき、さらにWestlifeの「You raise me up」のボーカルがより豊かに聴こえるようになった。俺もだんだんオカルトパラメータを理解し始め、オカルトの道義を悟り始めた。そしてこのMX500に秘められた力を徐々に感じ取るようになり、よく仲間に自慢していた。
「ほら、Sennheiserのだぞ!」
Sennheiserの知名度はそこそこ高いからね。
でもだんだん……ある日、1年近く連れ添ったMX500が低域で時々ノイズを出すことに気づいた。振動板が壊れたみたいな音だ。
結果としてこのMX500は本当に壊れていた。当時の俺は保証のことも考えず、保証があるのかも知らず、そのまま最初に話したEDIFIERのインイヤー型を買って、二度と戻らなかった。インナーイヤー型の世界からは遠ざかった。当時は常々、インイヤー型こそが高級で、インナーイヤー型はラジオに挿す程度のものだと思っていたから。
晨光の復刻版MX500を手にして、耳に突っ込んで聴いてみたとき、俺は少し戸惑った。

初めて感動させてくれたMX500がどんな音だったか、もう覚えていないからだ。あの頃の俺には比較も参考もなく、ただいいイヤホンだと思っていただけだった。今聴くと、それほどいい音とは言えない。この復刻版MX500にはこれといった特徴がない。解像感が少し、高域が少し、低域が少し、中域が少し。何もかもが少しずつあって、どれも少しずつ足りない。個性もなく、楽しさもなく、あの頃の感覚も……ない。

多くの人がこの復刻版は確かに当時のMX500の音だと言うけれど、俺はそれが本当かどうか疑わしい。何しろ当時聴いていたMX500はかなり良かったんだ。もう一度「You raise me up」を開いてみても、Westlifeのでもカバーのでも、あの感覚はまったくない。

むしろこのイヤホンは短所だらけで、完全に入門の「音が出ればいい」レベルだ……
そういえば昔これで范瑋琪の歌を聴いたことがあって、印象に残っている。探し回ったけれど、ハードディスクから見つからなかった。
そこでようやく分かった。脳裏にあったあのMX500は、もうあの時代に置いてきたままだ。今の俺はもう戻れない。あの歌が見つからないのと同じように。
はあ、また老けた気分だ。
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