『見上げてごらん、夜空の星を』レビュー

夜空の星を見上げて

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『見上げてごらん、夜空の星を』は PullTop が今年の年末に発売したゲームだ。実はこの会社のゲームはこれまでほとんど触ったことがない、いや、そういう言い方も変か。俺が触ってきたのは子会社の作品ばかりで、たとえばなついろレシピとか、恋する夏のラストリゾートとか……この会社には『この大空に、翼を広げて』というなかなかすごいゲームがあるらしいが、それはずっと未プレイのままだ。

ゲームの宣伝では『この大空に、翼を広げて』の原班スタッフが制作したことが売り文句になっていて、夜空の星を見上げる天文観測がテーマ。これまでの飛行機作りとは違い、今作は季節が冬、クリスマス前後に設定されていて、12月発売というタイミングにも非常によく合っている。

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あ~、実は最初にいろいろ前書きを書いたんだが、うっかりまた小黄文みたいになってしまったので、感想を直接言うことにする。このままじゃ汚い道から戻れなくなる。

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簡単に言うと、ギャルゲーとしてはかなり良いゲームだ。だが「天文観測」をテーマに掲げるなら、ちょっと物足りない。

攻略可能なヒロインは全部で4人。幼なじみの箒星ひかり、子供の頃に知り合った転校生の天ノ川沙夜、後になって主人公を誘って星を観測する他校の部長・白鳥織姫、そして主人公の親友の妹・日下部ころな。物語は大きく3つに分かれていて、共通線が一部、共通線後の個別線が二部構成。この個別線の二部も、別に隔離された世界線というわけではなく、時間的な前後関係になっている。共通線では主人公の現実と回想が交差する形で進み、子供の頃の友達・ひかりの再登場がポイント。両親を亡くした主人公が田舎に来て祖父に引き取られ、ひかりと沙夜の二人と出会い、ひかりに導かれて天文観測を始めるまでが描かれる。

主人公の父親は天文観測関係の仕事をしていて、主人公も天文観測に多少の興味を持っていた。ある年の誕生日、父親が499ドルの天体望遠鏡を誕生日プレゼントに買ってくれ、一緒に星を見に行こうと約束する。しかし、たいていの死亡フラグがそうであるように、両親はその後事故でこの世を去ってしまう。残された主人公は引き取られた祖父と共に田舎へ行く。手元には何もなく、ただ父親にもらった望遠鏡だけをいつも持ち歩いていたが、残念なことに使い方がわからず、間違ったレンズでしばらく覗き込んだ挙げ句、うっかり壊してしまったと思い込む。

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そこにひかりが現れ、天体望遠鏡の使い方を教えてくれる。そして夜には主人公と一緒に夜空の星座を観測し、星空観測の魅力を教えてくれた。同じ時期、学校に特殊な転校生が来る。オッドアイの少女、天ノ川沙夜だ。彼女は自分のオッドアイを人に見せたくなくてサングラスをかけていた。主人公とひかりは積極的に沙夜と友達になり、学校の同級生を集めて夜にシリウス座群を観測する。星座の主星と伴星の青と金色を使って、より多くの同級生に沙夜のオッドアイを好きになってもらい、沙夜と他の人たち、そして主人公との間の壁も取り払った。その後、町にダムを建設する話が持ち上がり、学校や線路が撤去されるかもしれなくなる。ひかりはニュースで、社会実践活動が優秀で市長に会えた学生がいると知り、それなら自分たちも社会実践プロジェクトをうまく進めて町やさらに上の地域で賞を取れば、きっと市長に会えるはず。その場で市長にダム建設反対を直訴すればいいと、子供ながらに考える。社会実践で何をやるか? 主人公の望遠鏡を思い出し、それなら星空観測だと一致団結。沙夜は主人公とひかりと一緒に星を観測することを目標とするグループを立ち上げ、頻繁に一緒に星を観測して記録を取り、「今後何があっても三人はずっと一緒に星を見る」という誓いを立てる。

しかし共通線の中で、主人公はひかりがその後この村を離れたこと、ダムも完成したこと、沙夜も別の学校へ行ったことを明かす。成長した主人公は学校の天文部の部員兼責任者として、近くの別の学校の天文部部長・白鳥依織から誘いを受ける。白鳥依織は最近夜空を観測したい学生が減っていて、近隣の学校の天文観測部がどこも存続の危機にあると話す。いくつかの学校の部活を合同でリソースを集中させ、一緒に観測すればもっと便利だという提案だった。しかし主人公は最初、自分は天文部の部員で天文部に住んでいても、もう星は見ていないと拒否する。周りは不思議がるが、主人公は理由をはっきり言わない。この件を知っているのは沙夜だけだった。沙夜は言葉の端々で、主人公が星を見なくなったのは子供の頃にひかりと喧嘩したことと関係があると示唆する。

この喧嘩について、共通線では説明されない。ただ主人公とひかりが仲違いし、その後ひかりはそのまま他所へ行って戻らず、社会実践の観星活動も立ち消えになった、とだけ語られる。

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白鳥部長の他校合同観星活動も順調ではない。人が増えれば良い機材が要るが、金がない。みんな学生で、白鳥部長もそんなにリソースを提供できない。そこで悩んでいたある夜、主人公は村に戻ってきたひかりと出会う。ひかりは非常にあっけらかんで、前に最後に会った時の喧嘩のことなど全く気にしておらず、そのまま主人公と旧交を温める。そして間髪入れずに「まだ星を見てる?」と聞く。主人公は見ていないと答えるが、天文部にはいること、白鳥部長の話をひかりに伝える。面倒見のいいひかりはすぐに動き出し、あちこち駆け回って、最後には以前学校が解体された時の残り物と村の知り合いを使って、粗末な手作り望遠鏡を作り上げる。主人公が再び望遠鏡を通して星空を眺めた時、自分はやはり星を見るのが好きだったと気づき、再び星空観測への熱意に火がつく。

その後、ひかりはまた町を離れ、再び戻ってきたのは数ヶ月後。再会した時、主人公はふと、ひかりが今回戻ってきたのは何か用事があるんじゃないかと尋ねる。ひかりは戻ってきたのは一時的で、しばらくしたらまた行くと答える。主人公は突然、ひかりは自分のことが好きなのかと問い、子供の頃にもらったラブレターをまだ持っている、ただ開けていないだけだと言う。

ひかりは突然ひどく慌てて、その手紙は必ず返してくれと言い、挙げ句の果てにこっそり主人公の部屋に忍び込んでその手紙を持ち去ってしまう。その後、主人公は沙夜の体から手紙が落ちるのを見つける。開けてみると、それは先日ひかりに奪われたラブレターだった。中身は沙夜が主人公に書いたもので、自分は主人公のことがとても好きだ、返事が欲しい、橋のたもとで待っている、という内容だった。

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主人公は不思議に思う。ラブレターは確かにひかりからもらったのに、なぜ中身は沙夜が書いたものなのか。しかもなぜこの手紙が沙夜のところに? 実はこの件は子供の頃のひかりと主人公の喧嘩と関係があった。子供の頃、三人で星を見ていた時、沙夜はすでに主人公のことが好きで、告白しようとしていた。ひかりはそれに気づいて沙夜を励ますが、沙夜は恥ずかしがってできない。せっかちなひかりは沙夜の手紙を届けるのを手伝うことを選ぶ。主人公はひかりからラブレターを受け取り、ひかりが自分に気があるのだと思い込んで悩むが、開けはしない。ひかりは主人公と沙夜をくっつけるため、主人公から距離を置こうとして、わざと主人公と喧嘩し、自分はもう星を見たくない、見飽きた、社会実践もしないと言う。主人公は怒って、それまでの観測ノートを破り捨てる。その後ひかりは町を離れる。すべてを見ていた沙夜は悲しみ、すべて自分のせいだと思う。そしてこっそり破られた観測ノートを貼り合わせて大切に保管し、その後も一人で星空を観測してはその日記を書き続ける。さらに一方的に、主人公はあのラブレターを読んだはずだ、あの夜橋のたもとに来なかったのは自分を振ったからに違いない、と思い込み、主人公からも離れていく。

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やがて主人公を引き取った祖父が亡くなり、主人公は一人ぼっちになる。沙夜は主人公が悲しんでいるのを見て元気づけようと、再び主人公に話しかける。そこで二人は徐々にまた親しくなって友達に戻るが、沙夜はもう主人公が自分のことを好きだとは思っていない。

その後、主人公はすべての経緯を知り、なぜ沙夜がひかりの去った後、自分の前から進んで消えたのか、なぜ子供の頃の沙夜が主人公から離れようとしたのかをようやく理解する。ここで選択肢があり、沙夜が好きかどうかで分岐するが、大まかな流れは同じ。結果は当然、主人公が改めて沙夜に告白し、受け入れる。沙夜と主人公が親しくなったことはすぐに学校に広まり、沙夜に彼氏ができたと噂される。沙夜の母親はそれを聞いて激怒し、反対する。沙夜は母親と喧嘩し始めるが、最後には主人公が直接沙夜の母親に謝りに行く。沙夜の母親は、娘の彼氏が主人公だと知ると一瞬で受け入れ、「沙夜が毎晩遅くに出かけて遊んでる相手はどこの不良かと思ってた」と言う(おいおい、主人公だって毎晩遅くに出かけて遊んでる不良じゃねえか?)。主人公は沙夜のあの日記を思い出す。そこにはひかりと喧嘩した後の星空観測日記がすべて記されていて、沙夜はずっとこっそりこれをやっていて、三人で一緒に星を見ていた頃に戻りたいと願っていたのだった。

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最後は当然、わだかまりも解けてすべてOK。ひかりも暇ではなく、白鳥部長の合同観測組織を使って大きなイベントをやろうと企画する。もっと多くの人に星空の魅力を知ってもらおうと、村の人々に大晦日の夜、つまり半年に一度の流星群が現れる瞬間に、一斉に明かりを消してしばらく空を見上げてほしいと訴える。

「祝祭の明かりは眩しすぎて、天上の美しい星空を覆い隠している」

最初は村の人々も反対したが、沙夜の観測ノートに書かれた「近年見える星がどんどん減っている」という記述が多くの人の共感を呼び、沙夜とひかりの先生も手を貸してくれて、ついに成功する。星空の下、沙夜とひかり、そして主人公は再び星空を見上げる願いを叶え、物語は結末を迎える。何年も後、沙夜は先生になり、より多くの子供たちを連れて星空の魅力を体験しに行くのだった。

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実は沙夜のルートがこのゲームの正統ルートだと思う。何しろラブレターを届けるのも三角関係の部分も沙夜が中心だし、ひかりは最初は重要人物かと思ったが、劇中ではむしろ触媒のような存在だ。彼女の行動はすべてガキ大将/女魔王/オーガナイザーそのもので、主人公への感情もあまり明かさず、ずっと「しばらくしたら町に戻る」ような旅人のままだ。三角関係の時でさえ盲目的に主人公をけしかけるだけで、自分自身の感情描写すらない。ひかりはむしろ物語を進める推進役で、沙夜こそこのゲームのメインラインなんだろう。

共通線が終わると選択肢がある。ある場面で素直に帰るかどうかで、帰ればひかり/沙夜ルート、帰らなければ白鳥/ころなルートになる。この二つのルートには時間的な前後関係がある。もちろん前述の通り、沙夜の部分だけではゲームの物語は不完全で、沙夜の話ではひかりはすでに二度目に町へ戻ってきている。一度目の帰還から二度目の帰還までの間にはかなりの時間があり、この期間に起きた出来事がもう一つの部分の内容になる。

白鳥/ころなルートはシンプルだ。この時の主人公はまだラブレターの真相を知らず、白鳥ところなは星空観測の組織のことで悩んでいる。沙夜はまだ主人公のそばにいるが、会話の中で、自分はひかりと正面から競争する必要がある、今度ひかりが戻ってきたらラブレターのことをはっきりさせようと言う。ああ……つまりこのルートは、主人公がラブレターの真相を知る前に他の二人のヒロインに落とされるだけの話……

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もちろんそれだけではない。このルートでも沙夜ルートで語られた事柄のいくつかが説明される。たとえば白鳥がなぜ後に部長を辞めたのか(卒業による引退)、ころながなぜ白鳥の学校へ行ったのか(優等生で、しかもこの観星活動を続けたかったから)、なぜころなと沙夜の関係がそんなに悪いのか(嫉妬)など。無論、星を見ることと無関係というわけでもなく、ころなルートの後半では主軸が「電波望遠鏡」に変わり、曇りの日にこれで星空を観測して成功し、普及させていく。ただ所詮は脇役ルートで、本筋との関係はもう薄い。

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全体として、ゲームの本当のメインラインはひかりが主導して進め、沙夜が結末を迎えるルートだろう。共通線の回想、沙夜のラブレター、ひかりのアシストが招いた誤解、そして沙夜の最後の葛藤、どれもゲームで最も豊かに描かれている部分だ。白鳥とところなの部分も全く無価値ではなく、時間軸が先行している利点を生かして後の物語の多くの「なぜ」を説明しており、ゲームの一部と言える。

ともかく、このゲームの音響監督には満点をあげたい。音楽は他のギャルゲーとは違い、映画のような表現方法を取っている。つまり全編にBGMが流れているのではなく、物語が進展する時にだけ音楽が入る。音楽自体も素晴らしく、雰囲気作りは完璧。CVの演技も安定していて、しかもキャラクターのCVには方向性がある。たとえば女の子が右にいれば声は右から、後ろにいれば声は後ろから聞こえる。ただしバイノーラル録音ではなく、コンピュータ合成だ。多くのゲームが実現していることとはいえ、このゲームのように全編にわたって貫徹しているのは評価に値する。

絵柄については多くを語る必要もない。品質はあそこにある。そして星を見るゲームとして、星空の演出効果も確かに作り込まれている。大量の動画が使われ、自作望遠鏡を披露する場面では珍しく3Dも使われていて、そのせいで私のSurface Pro 4のファンが爆音で回った。画面や演出、効果音に問題はない。むしろ見どころが多い。

同時にゲームシステムにも細かい驚きがある。場面転換時に物差しのような表示があり、Past / Ago / Current の三つの時間軸を示す。Pastは子供の頃、Agoは共通線の時間軸、Currentは主に共通線直後の個別線を表す。話が切り替わるたびにこの表示が出るので、一部のゲームのように時間の切り替えを勘で察する必要がなく、プレイヤーの違和感を大幅に減らしてくれる。もちろん、話が細かすぎて指標がないとすぐにわからなくなる、という見方もできる。

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そう、ゲームの物語は細かい。最初の「主人公が星を見なくなる」から、次の「複数校合同の星空観測」、そして「ラブレター三角関係」、さらに後の回想に挟まれる「観星日記」、最後には町全体を巻き込んだ観星へと、簡単な言葉で物語を要約するのは難しい。しかし最終的には一つのまとまりになっている。ただ最後に私を感動させたのは、星を見ることよりも、主人公と沙夜の恋愛のほうだった。

振り返ってみると、ゲームは共通線以降、星を見ることについてほとんど語っていない。

いや、むしろゲームの中に本当に星を見るのが好きな人はほとんどいないんじゃないか。ころなが沙夜に問いかけたあの言葉のように。

「あなたは本当に星を見るのが好きなの? それとも彼(主人公)と一緒が好きだから星を見てるの?」

主人公が星を見るのは父親の残した望遠鏡があるからで、ひかりもそこまで星が好きなわけではない。でなければ無表情で何も告げずに去ったりしない。沙夜は主人公が好きだから星を見る。ころなも主人公に好意があるからで、しかも告白した後に電波望遠鏡で星空観測に興味を持った。では…………

残って本当に星空が好きなのは、いつも一方通行の白鳥部長だけなのか?

観星を掲げるゲームだが、星についての描写はそれほど深くない。もちろんギャルゲーに専門的な視点で要求するのは酷だが、「星を見る」という点を除いて「星を見ることをきっかけにした恋愛物語」と解釈すれば、ずっと良い。

もともとそういうものなのかもしれない。

もう一つ特筆すべきは、ゲームの物語が二つに分かれていて、片方を進めるともう片方の二人のヒロインの出番が大きく減ること。逆にずっと出番が多いのは主人公の子供の頃の女教師(後にニートのパラサイトになる)。女教師は萌えるが、攻略不可……

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批評空間に、ある人がゲームの雰囲気を称賛して「よし! 今週は俺も時間を作って星を見に行くぞ」と書いていた。

ああ、その気持ちもわからなくはない。ただ鄭州のPM2.5が500というのを見ると、星空を見上げても何も見えないだろう。月が見えたとしても、低解像度の月だろうな(笑)。

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