『Maggot baits』レビュー
Maggot baits:ろくでもない世界に呪いを
Maggot baitsの制作会社はClockup。知ってる人なら、あるいはうっかり手を出した人なら分かるだろうけど、この会社はいくつか重口ゲーを出してる……
だからMaggot baitsというタイトルからして、名前の通り、ある程度は察しがつくはずだ。
Maggot:蛆虫 baits:餌
組み合わせれば蛆虫への誘餌。
ゲームの筋書きと照らし合わせると、まさにその通り。触手がいて、巨大な虫がいて、そして虫に喰われ、貪られる……魔女と呼ばれる者、狩人と呼ばれる人間たち。

物語は大きく三つのパートに分かれている。最初の世界観の構築、過去の振り返り、そして最後の結末だ。
舞台は「関東邪法街」と呼ばれる無政府区域。もともとは日本の領土だったが、とある事情で制御を失い、誰も手を付けられない混沌の地となっている。
関東邪法街は魔女、怪物、そして本国では生きていけないゴロツキ、チンピラ、ヤクザで溢れかえり、娼婦、麻薬密輸、マネーロンダリングなど、あらゆる職業も生まれた。

同時に関東邪法街では「魔女狩り」のような活動が行われている。関東邪法街の最も高い建物の中で、一団が狩ってきた魔女を様々に拷問する。目をえぐる、手を切る、足を剁る、理由は「魔女を滅ぼす」ためだ。
「魔女狩り」が始まろうとしたとき、主人公が現れる。面白いことに、主人公の手下には数人の魔女がいて、彼女たちは主人公の命令に従う協力者だ。
興味深いのは、「魔女狩り」側にも別の魔女がいること。つまり関東邪法街という区域には様々な魔女が存在し、彼女たちの間には従う相手が違うために対立関係さえある。
しかし魔女は死なない。ゲームの設定では精液の滋養を受けると、魔女は様々な肢体を再生する。つまり普通の切断では魔女を殺せず、より深層の拷問が必要なのだ。狩られた魔女はまず凌辱され、虐待され、肢を切断され、最後には蠢く虫の群れに投げ込まれ、触手に貪られて死ぬ。
これがゲームの第一部、関東邪法街。地獄と称される場所で、混沌、無秩序、魔女がいて、魔女を拷問して楽しむ者もいる。
同時に謎も提示される。ここで何が起きたのか、なぜこうなったのか? 男主は何のために戦うのか?
第一部を経て、ゲームは男主の過去の回想に入る。実は男主はかつて特警で、「正義の味方」を目指していた。ある日、どこかで神秘的な少女失踪事件が発生し、調査の結果、少女たちは謎の組織に誘拐されていたことが判明する。組織の頭目は最も高い建物、つまり今の関東邪法街のあの建物にいる。突入すると、中は理性を失った行屍走肉で溢れていた。激しい戦闘の末、行動した特警は全滅し、男主だけが残る……
男主が生存者を探すと、見つかったのは失踪少女たちの死体だけだった。少女たちは皆、甚だしい侵犯と凌辱を受け、肢体さえ損傷し、ほとんど人の形を残していなかった。

男主が出会った少女は瞳子といい、まだ息があった。しかし男主は彼女を救えず、ただ見ている前で無惨に死なせてしまった。一度の作戦で、誘拐された26人の少女が全員死亡。男主は唯一の生存者として、中の地獄のような惨状を目撃し、その後昏倒し、五年間眠り続ける。
五年後に目覚めた男主は、あの場所が既に人間地獄、関東邪法街となっていることを知る。国は管理できず、中には神秘的な力、魔女がいる。様々な組織もあり、いっそ封鎖して無政府区域とした。五年前の事件も「建物内生存者なし」としてうやむやになった。
男主は納得せず、復讐を決意する。再び装備を整え、その区域へ向かう。入った直後、「魔女狩り」で捕まりそうになっていた魔女キャロルを救出し、キャロルは男主の最初の従属魔女となる。その後男主は他のまだ捕まっていない魔女も見つけ、幾度かの交戦を経て、最後の黒幕はあの最後の高い建物にいると確信。そこへ最後の攻撃を仕掛けることを決める。
ここで語るべきは男主と従属魔女たちの関係だ。男主は一切の感情を持たない奴として描かれ、心にあるのは復讐のみ。五年前の事件の黒幕に代償を払わせなければならないと考え、他はすべて犠牲にしても構わない。だから最終攻撃の際、男主は容赦なく手下の魔女たちを数手に分け、キャロルを自分に同行させ、他の魔女は実質的に囮として死なせる。

一方キャロルは男主に妙な好感、いや好意さえ抱いており、ゲーム内でもその点は何度も描かれる。Fateシリーズの、感情のないマスターとマスターに好意を抱くサーヴァントのような関係に近い。だから最後の突撃でも、男主の従属魔女たちは死ぬ者は死に、盾になる者は盾になり、とにかく男主は彼女たちを気にしない。死んだら死んだで構わない。むしろ男主は魔女を完全に邪悪な勢力と見なし、最後に教会のオッサンが聖弾をくれたときも、迷わず魔女を滅ぼすために使う。
ボスの前に来て初めて、男主は事の真相と、自分の過ちを理解する。ここが第三部、最後の結末だ。
ゲームの最後、黒幕のいる場所で、男主は「無名の魔女」と名乗る者に出会う。最初は不死の魔女の一人かと思うが、こいつは男主に告げる。すべての「魔女」は死んだ女性が復活したもので、魔女は26人、ちょうど五年前の事件で死んだ26人の少女に対応している、と。
魔女は言う。あの魔女たちは自分が創ったものだと。創って、放し飼いにし、希望を与え、肥え太らせてから狩り、虐待して死なせ、絶望に陥れる。自分はその巨大な触手と虫で、希望から絶望への間のエネルギーを吸い取る(QBみたいだな)。自分の願いを叶えるために。

魔女のそばには年老いた男がいる。魔女に養われた祭祀で、魔女を補佐する役目だ。魔女は自分は元々ある教会の者で、世界で最後の魔女だと言う。過去に虐げられ、世界に絶望し、この世界には光も愛もないと断じ、魔力を発動して世界を滅ぼし、自分で愛ある新世界を創ることを決めた。
魔女の力はどこから来るのか? そこで思い出したのがこの「26人の女性を捧げる」法術だった。不死の魔女を囮に、延々と育てては屠り、繰り返しエネルギーを吸い取る。そして今、あと一歩で旧世界は滅び、新世界が誕生する。

男主は最後の魔女と対抗するが……敗北。魔女の触手に貫かれる。最期の瞬間、男主は惻隠の情を動かし、従属魔女キャロルの命を救う。
魔女は強引に男主の従属魔女キャロルのエネルギーを吸い取り、最後の儀式の結晶を得て、新世界を創る。その世界には戦争も苦痛も争いも悪もない。
しかし面白いのは、エネルギーを吸われたキャロルがこの世界を憎み、いわゆる新世界の幽魂となって、この世界に反抗し、否定し、創られた新世界の魔女となることだ。

要するに、『魔法少女まどか☆マギカ』のような希望と絶望の関係。まとかが新世界を創ったが、同時に巨大な絶望を背負った、という意味だ。
実は物語はここで終わっている。世界に絶望した魔女が世界を滅ぼして新世界を創ろうとし、他の者の命を犠牲にすることを厭わず、最後に儀式は成功し新世界が落成する。しかし世界を創った魔女は創造の過程であまりに多くの罪孽を積み、その罪孽の怨霊が新世界の反抗勢力となる。邪悪な力は依然として生まれ、いわゆる新世界は依然として完璧ではない。
少し考えさせるものがある。
だがゲームは終わらない。もう一つの結末があり、ただこの結末は個人的には平凡だと思う。
男主は最後に復讐を捨て、キャロルを救うことを選ぶ。それでもキャロルは無惨に死に、男主はキャロルの肢体の一部を食べてその力を得る。その後男主は魔女を一人殺すごとに一人と合体し、ボスの前に着く頃には怪物へと進化していた。

最終的に男主は魔女の祭祀や多くの人々の助けを借りて魔女の儀式を阻み、魔女を滅ぼし、キャロルの身体を解放する。そこでキャロルこそがかつて自分が任務で救おうとした瞳子という女性だったと判明。瞳子は復活し、男主は死ぬ。

最後の画面は、瞳子が男主の墓前に花を一輪供える姿。その頃、関東邪法街は元の姿を取り戻していた。ただ、ごく一部の者を除いて、男主を覚えている者はいない。
間違いなく、Maggot baitsは物語重視の作品だ。重口要素が多いにもかかわらずそう言うのは、前述の「魔女の凌辱死」がゲーム内で余すところなく描かれているからだ。本当に凌辱で、信じられなければCGを見ればいい。多くの人は受け入れがたいかもしれない。
しかし重口要素を除けば、Maggot baitsの筋書きは確かに見どころがある。まず「関東邪法街」という人間地獄の造形に大量の篇幅を割き、プレイヤーに十分に雰囲気を感じさせる。用語には漢字が多く、全編三人称視点の描写で、私は中国人なので漢字で大きく有利で当て推量でもかなり意味が分かるが、日本語としてはきっと「文芸武侠風」の描写になっているのだろう。そして環境の造形が終わるとすぐに本編に入り、テンポが速く、引き摺らない。過去と未来の語り、絶望の中の突出には強い衝撃力があり、それは目を引くCGだけではない。

音楽も精良で、不快なものは徹底的に不快に、酔わせるものは酔わせる。画風は言うまでもなく、娘は可愛く、凌辱されるときも……「可愛い」。絵師は分かってる人で、本当に感服する。
物語は前述の通り、「今の人間を犠牲にして自分の好みで新世界を創るべきか」という問いだ。ゲームの答えは否。多くの人にはそれぞれの幸せがあり、自分がこの世界を嫌いだからといって、他人を巻き添えにはできない。
無名の魔女の祭祀は実はこの無名の魔女を愛しており、だからゲーム内で彼は無条件に魔女の命令に従う。それでも最後には魔女に手を引くよう諭す。
「秦始皇は自分の目的のために無数の人を犠牲にした。結果は?」 「古代ローマ帝国は自分の目的のために無数の人を犠牲にした。結果は?」 「ヒトラーは自分の目的のために無数の人を犠牲にした。結果は?」 「ならば殿下、あなたは自分の目的のために再び無数の人を犠牲にしようというのか。結果を考えたことは?」

基本的にこのゲームの主題を示している。世界は不完全だが、自分が不完全だと思うからといって呪ってはいけない。自分のやっていることが正しいと断言できるのか? ましてや他人の幸福を強引に奪おうとしている。
公式は男主が世界を救う結末をTrue Endとしているが、私にとっては「新世界が創られ、旧世界の怨霊が新世界の美しさを否定する」という結末の方が面白く、意味がある。ただ制作側は、やはり最後にはHappy Endが必要だと思ったのだろう。
すべての物語に良い結末があるわけではないし、良い結末がある物語がすべて良い物語でもない。だが完璧な筋書きを求めるプレイヤーのために多少犠牲を払うのは、まあ理解できる。
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