『ワールド・エレクション』レビュー

ラーメン・選挙・破壞神

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『ワールド・エレクション』(世界選挙)をやろうと決めたのはずいぶん前のことだった。確か2015年の冬。あの頃はろくでもない地雷ギャルゲーばかりで、秋野花がそこら中にいるゲームの中でも、まともに戦えるCVがほとんど見つからない。声豚にとってはもう地獄だ。植物が日光を失うように、ミミズが土を失うように、オタクがカップ麺を失うように、クローバーがTFboysを失うように。そんな中、漩涡社が新作を発表した。『ワールド・エレクション』、ヒロイン筆頭のクルルはCV沢澤砂羽。もう暗闇に差した一筋の光で、みっともない俺は照らされて興奮し、方向も分からなくなった。

もうストーリー重視もへったくれもない。画風重視も、業界の大作も関係ない。桐谷華がいれば、しかもヒロインポジションなら、それが最高なんだよ。

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しかしこのゲームが発売されるまでにはもう数か月が経っていて、実のところ自分はこのゲームにそれほど興味を失っていた。設定を見ても大体どんな展開になるかは予想がつく。天から降ってくる破壞神、多種族が共存する架空世界、多種族間の選挙に直面する中で、醜い主人公がきっとあれこれ人外ともヤれるに違いないし、もちろん破壞神様ご本人をベッドに押し倒して教え込むような展開も欠かせない。とはいえ、このゲームが去年の冬、俺が絶望していた時に希望を与えてくれたこと、おかげでようやくどこにでもいるクソ野郎ども——秋野花ばかりの苦海から逃れられたことを思い出すと、そして俺という人間はこんなにも有情有義なわけで、漩涡社がいつも設定は悪くないのに結果としてあと一歩足りないゲームを出すことを考え合わせ、日本語読解力を高める学習精神を込めてこのゲームを始めたのだった。

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しかしこのゲームは俺の予想とまったく同じで、漩涡社のこれまでのゲームの流れともまったく同じだった。

さっきも言った通り、「設定はいいのに、全体としてはあと一歩足りない」ってところだ。

ゲームの冒頭はテンポがめちゃくちゃ速い。主人公は2分も経たないうちに、空しく寂しい夜に空から自称・破壊神の女の子が降ってくるという衝撃の出来事に直面する。しかしこの破壊神、なぜか他のものは何も破壊せず、主人公の寮の浴室だけを破壊してしまう。破壊神は「お前を見たら記憶を失った」と宣い、そのまま寮母のおばさんに引っ張られていき、約20万円の借金を返済するため日給300円で働けと命じられる。こうして自称・破壊神クルルは生活の都合もあって堂々と主人公の学校に編入し、転校生となるのだった。

この架空世界の男子校には獣族のファウラ、悪魔族のソフィア、天使族のパーフィル、それに人間やロボットまでごちゃ混ぜにいる。だから自称破壊神がやって来ても別に驚くようなことじゃない。実際ゲームで見る限り、種族が多くても人設に角が一本増えたとか、尻に尻尾が生えたとか、背中に翼が付いた程度の違いで、大きな人外感はない。要は設定上の違いがいろいろあるってだけだ。

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ゲームのタイトルに選挙が入っているだけあって、共通ルートもやはり選挙が主軸となって始まる。とはいえ選挙の規模は世界規模なんてものじゃなく、ただの学校の生徒会長選挙にすぎない。

立候補した連中の大半は主人公が引っ張り上げたようなものだ。主人公は人間の学生代表として学園で暮らしているが、これといった人生の目標もなく、ただ日々をやり過ごしているだけ。毎日寮に戻ってはゲーム三昧。そんな折、父から電話がかかってきて「お前、学校で一体何をやってるんだ」と聞かれる。主人公は答えに詰まる。すると父が「目標もなく学校に通ってるなら、さっさと戻ってこい。そこに居座るな」と言い放つ。

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「目標はあるんだよ目標が。ほら、今まさに生徒会選挙に立候補しようとしてるだろ、だから他の部活には入ってないんだ」

そういうわけで、男主が吹いた大法螺のせいで、仕方なく生徒会選挙に立候補することになった。立候補するにあたって顔見知りがいないので、適当に知ってる奴を捕まえて推薦人として署名してもらおうとした男主は、周りの女の子たちを訪ねて回る。だが、その子たちは「大法螺を吹くために適当に遊ぶだけ」という男主の考えに同意せず署名を拒否するか、「立候補するなら大ニュースを起こして本気でやる」と言い出して男主をビビらせて逃げられるかのどちらか。最終的に男主は何も分かっていないクルルを見つけ、適当に騙して署名させる。クルルは、自分が男主の立候補を手伝えば男主が世界を滅ぼすのを手伝ってくれると思い込み、そのまま立候補してしまう。こうして男主は立候補者になったが、この一件で署名を頼んだ女の子たちの怒りを買うことになる。男主が自分を訪ねてこなかったのに自分で立候補したことに腹を立てる子もいれば、もともと立候補の計画があった子もいる。とにかく、立候補者には男主と雑魚ども以外に、悪魔の女の子、獣人狼の女の子、天使の女の子もいた。

その後ゲームの共通√に入ると、超__級__長__い__選挙戦が始まる。

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選挙をメインに据えたゲームは恋愛選挙チョコレートくらいしか触ったことがない。あれは本当かどうかはさておき、選挙をそれなりに見せる作りになっていた。人を集めるとか、公約を発表するとか、スローガンを掲げるとか、討論や演説でPKするとか。ちょっと子供っぽいところはあるけど、まあまともな選挙にもある要素ではある。

でもワールド・エレクションの選挙戦は、ほぼ…価値…が…ない…と言っていい。

良く言えば……いや、良くは言えない。要するに無法地帯だ。区域を選ぶこともなければ、票を集めることもない。政治闘争もない。あるのはただのデタラメで、喧嘩だの、資金集めだの、出し物だの、野外炊事だの、もう滅茶苦茶。男主角が選挙で競争らしいことをした場面も見当たらない。しかも共通√なのに、選挙√ではどのヒロインも登場する——クルルを除いて。各ヒロインへの感情描写も脳的死角で、一人ずつ小話を配って男主角と二人きりにさせ、CGを2枚出して、夜が明けたら全部終わり。

共通ルートで唯一ちゃんと感情描写があるのは狼女(オオカミ娘)くらいだと思う。他のヒロインは主人公を邪魔するか、からかうか、いじるかで、主人公にずっと寄り添ってくれるのは狼女だけ。口ではツンデレに主人公を攻撃しまくるけど、主人公が困ったときは必ず真っ先に助けに来てくれる。選挙の終盤になると、主人公が選挙に本気で臨むと知るや、自分から身を引いて持っていた票を全部主人公に譲り、当選を後押ししてくれる。まさに世界一の彼女だ。

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もちろん、それでも、狼女はゲームのTRUE ENDのヒロインになったのか?

そんなことはない!

なぜこうなったのか。先に手を出したのは狼女のほうなのに、ヒロインの妹でさえ、なぜ兄貴は彼女とのデートであんなに手慣れているのかと文句を言いたくなる。結局、狼女と接する機会が多かったからに決まっている。でも仕方ない、何しろ女一号はクルルなのだから。

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共通ルートの最後で、ようやくクルルがまともに出てくる。そう言うのも、それまでのクルルの存在感はほぼ空気レベルで、たまに出てきてツッコミを入れたらすぐ引っ込む、の繰り返しだったからだ。選挙戦の最終投票を前に、クルルが突然、空に浮かぶ銀色の月に向かってワケもなく暴走し始める。そこへ緑髪のヤツが飛び出してきてクルルの暴走を抑え込み、そのまま連れ去っていく。ついでにロボットのクルルを一体置いていき、身代わりにしたのだった。

そこでロボットはそもそもロボットであって人間とはやはり違う。すぐに男主はこのクルルがおかしいと気づき、本物のクルルを探しに行く。あの緑髪のロボットに邪魔されるが、男主の戦闘力がヤバすぎて、隠されていたクルルを無事見つけ出し、本物のクルルを救い出した。

もちろん救出されたクルルはどこかおかしくて、最初は記憶喪失で、それから無条件に男主のことが好きになり、毎日男主とべったりくっついていた。すぐに√は終盤に入り、男主はなぜかこれといった波乱もなく選挙に勝ち、クルルはアシスタントになり、二人はどんどん近づいていき、男主もクルルに告白して、クルルもOKした。ただ、この時のクルルが本当にOKしたのか、それとも二度目の記憶喪失で頭がおかしくなってOKしたのか、俺には判別できない。

とにかくまた告白、デート、そしてエッチ。ゲームはもうすぐ終わる。だが終わる前に新しいシナリオが出てくる。クルルはある日また月を見て、あのロボットの緑髪とまた出会い、自分の中に何かが目覚めたことに気づく。自分の真実の一端も知ったようで、それから主人公のところへ行き、結婚してほしいと迫り始める。

結婚の要求はあまりにも急で、朝に会ったら昼にはウェディングドレスを買いに連れられ、夜には着て結婚する勢いだった。主人公も別に不満はない、ただ早すぎる気がするだけだ。しかしクルルが尻に火がついたような様子なので、主人公も何も言わなかった。最後に夜に結婚してウェディングドレス姿で最後の一発を終えると、クルルは緑髪のやつに自分はもう行くと言い、緑髪は頷いた。そのあとゲームはわけがわからないまま終わり、主人公は寝ていて、他の連中は夜空を眺めていると、世界が変わり始めていることに気づく。空の月は紫の光を放ち、遠く地球の反対側では地震と津波が始まっていて、まるで世界の終わりが本当に来たかのようだった。

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意味がわからん、この結末は一体なんなんだよ……

もちろん、エンディングの最後には「コードを入手し、ストーリー『???』が解放された」というヒントが表示される。

ストーリー「???」の内容はめちゃくちゃ短い。中に入るとクルルの由来がわかる。クルルは機械帝国のやつで、地球を破壊するために送り込まれたらしい。自称・破壞神クルルは実は間違ってないんだけど、なぜか失敗して、最後にはなぜか地球も破壊されることになる。

その後「???」が終わり、新たな章・ワールド・セレクションが始まる。

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申し訳ない、自分の日本語が下手すぎるのか、それとも深夜にゲームをやっていていつも眠いせいか、あるいはこのゲームがずっと自分を眠くさせているせいか、この辺りのシナリオはよく分からなかった。唯一、前の手がかりから推測するしかない。

まずクルルが登場したとき、男主はクルルを調べたと言い、彼女は機械帝国の人間のはずだと気づく。男主は彼女がアンドロイド(Android)、つまりロボットかもしれないと称するが、しばらく付き合ってみると、このクルルは別にロボットでも何でもなく、ただの普通の人間だということが分かる。

主人公自身は人間として特殊能力を持っていて、その能力はダミメーカー(dummy maker)と呼ばれ、日本語の漢字では贋作師と書く。効果は他人の能力を1時間コピーするというもの。

最後に主人公が目を覚ますと、クルルがいなくなっていて、地球も津波や地震で終わりかけみたいな状態。緑髪を捕まえてクルルはどこだと問い詰めるが、緑髪は答えない。そこで主人公は緑髪ロボットの能力を強引にコピーし、その能力を使ってクルルが存在する起源──機械帝国を突き止める。

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機械帝国で主人公はマザー(mother)という奴に出会う。彼女はクルルにそっくりだが、自分こそが機械帝国の支配者だと言い張る。クルルは自分が地球を破壊するために造ったもので、名前も確かに破壊神クルルだと。クルルの能力は精神操作で、しかも伝染する。本来の計画ではクルルが地球に落下し、最初に出会った地球人が彼女に支配され、その支配された者がまた別の人間を支配して拡散していくはずだった。ところが運悪く、クルルが地球に落ちて最初に遭遇した地球人は主人公だった。主人公にはダミメーカーという能力があり、これが強力すぎてクルルの能力を打ち消し、さらにクルルを記憶喪失にさせてしまった。

その後クルルが現れ、この時点のクルルは自分がマザーを倒すと言い出す。マザーが他人を征服するのは間違っていると考えている。同時にクルルは地球も守る必要があるとも言い、その守り方とは……全員を自分が支配して、自分が守ればいいというものだった。この時のクルルは少し制御を失っている感じだ。

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最後はクルルが地球に来て全員を凍結・支配してしまう。主人公はダミーメーカーの能力を持っているおかげで支配されずに済む。クルルは「これは地球と主人公のためなんだ」と言うが、主人公は「ふざけんな」と一蹴。そのままクルルとタイマン開始。最後はチートじみた力で周囲の全員の能力を同時にコピーして暴走したクルルを叩きのめす。地球は元に戻り、クルルも元に戻った。

最後には機械帝国も地球も正常に戻り、マザー自身もクルルのやり方は理解できないと言いつつ、まあそれでいいかという感じで、主人公とクルルは共にエンディングを迎える。

あ、ちなみにマザーの話は20%くらいしか理解できなかった、あとは全部意味不明!ネットで誰かのネタバレを探して何なのか見ようと思ったけど、見つかるのはクルルに発情してるのばかりか、このゲームの萌えキャラに自己陶酔してるのばかりで、このゲームの背景にある機械帝国やクルルみたいな人造人間の起源に注目してる人はほぼいない。考えてみたけどやっぱりやめとく、どうせ萌えゲーだし、設定にこだわりすぎるのもバカらしい。

そう、ワールド・エレクションはまさに廃萌、最後にあんな大ニュースをぶち込んで、ちょっとした超展開に見えるけど、結局のところ根っこは変わらない。これは超展開をやらかした廃萌にすぎない。

ゲームの欠点は多いが、まず真っ先に挙げられるのが音響効果の酷さだ。CVの声量がバラバラで、秋野花はどんどん声が大きくなり、桐谷華はどんどん小さくなる。次に演出効果だが、これは「爛」の一言では語れない。漩涡社はこれまで戦闘ものをあまり作ってこなかったのは分かる。しかしやるならちゃんとやれ。キャラの手に火の玉が一つ増えて、画面が適当に二回光っただけで二人が戦ってると言われても困るし、キャラが相手を絞め殺そうとしているのに台詞で二言三言済ませるのもやめてほしい。CGを一枚出すのがそんなに難しいのか?

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そういえば、このゲームのCGは驚くほど少ない。CGを出すべき重要な場面で出てこないんだ。個別ルートはHシーンのCGこそ多いけど、それ以外の通常シーンへのCG投入はケチすぎる。このゲームは絵師が多すぎてキャラの顔がみんな違う、なんてツッコミもあるけど、正直それはどうでもいい。やっぱり気になるのはCGの少なさだ。戦闘エフェクトは多いのに表現力がひどく低い。最後はちょっと燃える展開になるはずなのに、本当に申し訳ないけど、主人公のチートCG以外は何も見えない。画面を飛び交う爆発する泡泡が見えるだけだ。これを戦闘描写だと言い張るならもう何も言わない。しかも主人公のチートCGも別に良くない。カッコいいと言う人もいるけど、どう見ても自分の乳首を揉んでるようにしか見えなくて、むしろ濃厚な違和感がある。

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それらに比べると、ゲーム本来のストーリーはむしろ語ることもない。物語の構成は良いか?良くない。設定はどうか?まあまあだが、大した意味もない。じゃあシナリオはクソなのか?何とも言えない。

そう、何とも言い難い。ワールド・エレクションの脚本家はゲーム脚本を構築する際に分担があったのかもしれない。個人的には、共通ルートは一人、クルル単体ルートはまた別の一人という感じがする。それに文章の端々から脚本家の一種の自制が見て取れる。彼はこのゲームが目立ったり、あまりに非凡になったりするのを抑えようとしているようで、ずっとこのゲームを白湯みたいに薄めようと努めている。それは細部を見れば一目瞭然だ。クルルが最初に登場してからの毎回のツッコミや世界滅亡への陶酔には、光る会話がたくさんある。しかし脚本家は光るものが出た途端、すぐに引っ込めてしまう。暑い日にアイスバーを一本渡されて、舌が触れた瞬間に渡した人間がそれを引っ手繰るようなものだ。隔靴掻痒、爽快感は皆無。かといって、この脚本家がダメだと断じることもできない。確かに書けるのだ。ただ、まともに書こうとしないだけで。

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これは共通ルートの狼女ツンデレや、クルル√の本気の告白にも表れている。特に最後のクルル√では、クルルが男主に「私のことが好きって言うけど、それはどのくらいの好きなの」と問いかける。

「君の話の好き、どんなくらい好きですか。」

「崖から落ちたときに戻ってきて助けてくれた、そういう好き?」 「一緒にいて楽しいって感じる、そういう好き?」 「それとも、ずっと一緒にいたくて、もう離れたくないっていう気持ちの好き?」

正直に言うと、エロゲーをたくさんやってると告白はだいたいワンパターンで、ここまで見事に書ける作品は本当に少ない。脚本家の「糖分投下」の腕前が光るってわけだ。ただ、前述のとおり、告白の余韻はあっという間に回収されて、その後はこの話に一切触れなくなる。正直、わけがわからない。

脚本家は遊び心も文章力もある人で、それはゲームからもよく分かった。ただ、なぜかいつも振り切れていない。いい感じに乗ってきたと思ったら急に終わってしまい、何が何だか分からないまま、残されたこっちはゲーム画面を前にして大写的“懵逼”な顔をさらすしかない。

『ワールド・エレクション』は漩涡社の10周年作品らしいけど、この作品のどこが周年記念なのか正直わからない。むしろ去年のクジラのほうが気合入ってたまである。クジラも前半は同じように薄味だったけど、ラストのパートはしっかり決まってたし、クジラの個別TRUE ENDでのCV秋野花の演技も良かった。クルルの中の人より感情が豊かだった。別に桐谷華が悪いと言ってるわけじゃない、一切ない。だってゲーム設定上クルルは感情の薄い喋り方をするキャラだし、設定がそうなんだから華姉を責めるのは筋違いだ。

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その後気づいたんだが、この十周年記念の背中は別のところで使われていて、たとえばゲーム内ではほぼすべての女性が攻略可能で、全員にルートがある。たとえminiルートでもな。しかも公式はゲームの拡張パックも出していて、中には十周年の漩涡社全キャラのイラスト集が入っている。

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ああ、そうか。漩涡社は「ゲーム内の女の子全員とヤれるなら、それが誠意だ」と思っているのかもしれない。俺が想像していた「ゲーム本編のルートをしっかり作る」という話とは違う。でもよく考えれば間違ってもいない。オタクはそういうのに弱いし、ゆずソフトや SAGA PLANETS の新作もシナリオを捨てて全員キャラ売りに走ったのと同じだ。オタクはゲームのストーリーなんて覚えてないし、覚える気もない。女の子が可愛くて、服がエロければ、タペストリーと抱き枕を買って家に飾り、自分の嫁を抱きしめていればそれで幸せ。ゲーム本編の話なんて、誰が気にするかよ。主人公なんてどうでもいい。キャラは自分のものなんだから。

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そう、この手のパターンでゲームを作られると、これからのゲームはもう遊ばなくてもいいかなって思う。設定を見ただけでストーリーが脳内補完できちゃうし、遊んだところで何も記憶に残らない。ワールド・エレクションと同じで、今思い返してみても残ってる印象といえば、桐谷華が声を当てた、ラーメン好きで、主人公の選挙を手伝う、可愛い破壞神くらいなもんだ。

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