『ISLAND』レビュー
ISLAND:20万年の長い旅路
ISLANDを俺が注目したのは、同時期に発売された他のゲームが分かりやすすぎたからだ。
本当は他のゲームを「つまらない」と書きたかったが、ワガママのほうはそんなにつまらなくもない。ただ大半の作品は、紹介を見た段階で展開が予想の範囲内に収まって見えるだけだ。
だからISLANDは「全年齢」「ストーリー重視」「高度な伏笔回収」というタグを掲げて登場し、発表から間もなくアニメ化まで決まった。
展開重視の俺にとって見逃せない作品に思えた。だが長く苦しいプレイを経て、これは俺が想像していたようなゲームではないと分かった。
もちろん不出来だと言いたいわけじゃない。むしろストーリーの厳密さはある種の極致に達している。ただ俺には合わなかっただけだ。EVER17やSteins;Gateのような時空リープ系が好きな連中なら、この手のゲームに熱中するかもしれない。

つまり俺が嫌いなゲームの種類は多くないが、嫌いリストの中にISLANDのこの展開を正面からぶつけてくるタイプがある。仕方ない、このゲームは俺に少しの愉悦も与えてくれず、苦痛だけをもたらした。
正直に言うと、ISLANDの設定や紹介、画風や各種資料には欺瞞が満ちている。それだけじゃない、ゲーム本編のストーリーにも欺瞞が詰まっていて、しかも一度や二度ではない。
普段ならゲームのストーリーをまとめるのだが、ISLANDの場合まったくまとめようがない。むしろこの話に結末はなく、すべてがまだ続いている。ましてや脚本家が読者に推理と議論をさせるために残した各種のネタなど語るまでもない。
物語は記憶を失った主人公・切那が、外部に対してほぼ閉鎖された小さな島に流れ着くところから始まる。切那は何も知らないまま島の数人の少女たち――巫女の沙羅、お嬢様の凛音、そして島の管理者の娘・夏蓮――と出会う。主人公はお嬢様の凛音に引き取られて家の使用人となり、ひとまず島に留まることになる。島の名は浦島。島民は排他的で、本島の人間でなければ送還される。凛音が引き取らなければ、主人公は追い出されていた。

ここから共通ルートが始まる。長くも短くもない共通ルートは島での男主の日常を中心に展開し、いくつかの謎を残す。
1、タイムトラベラー
お嬢様の凛音は男主に初めて会ったとき、自分はタイムトラベラーだと言う。だが一瞬のことで、その後は特に触れられない。一方で男主は最初から自分は未来から来たと言い、救いたい大事な人がいると言うが、なぜなのかどうしても思い出せない。救う相手はリンネという名前らしく、お嬢様の凛音と同名だ。しかし男主は自分の出自をまったく知らないままだ。同じように、島の人々も男主が自分で名乗ったセツナという名に覚えがある。ただ相手にしていないだけで、漢字名の「切那」と呼ぶだけだ。共通ルートではタイムトラベルや転生が何度も語られるが、そのすべての手がかりは後の真相によって強制的に断ち切られ、実は冗談だったと告げられる。男主は夢の中で未来や災害、火事の話を何度も見るが、目が覚めるとすぐに男主の知能低下とボケによってうやむやにされる。
要するに共通ルートで気づけるのは、タイムトラベルがあり、男主はタイムトラベラーで最初の周回の人間ではないかもしれない、ということくらいだ。それ以外はほぼ手がかりがない。それだけだ。
2、浦島の伝承
日常の中で巫女が浦島に古い伝承があると教えてくれる。昔々、切那という男がいて、自分の妹の凛音と恋に落ちた。同時に夏蓮という少女も切那を好きだったが、兄妹の恋は許されず、夏蓮は嫉妬から神に告げ口して二人を罰するよう求めた。その結果、凛音は天罰を受けて治らない病にかかり、まもなく死ぬことになる。切那は恋人を救うため、浦島近くの暴竜島へ行き、巫女(だか女妖だか)に許しを乞う。最後に巫女はしぶしぶ同意するが、代償が必要だと言う。凛音は命を差し出して輪廻に落ち、切那は永遠に海底で眠る。次に切那が目覚め、転生した凛音と出会い、再び二人が恋に落ちれば呪いは解ける、と。

この伝承は共通ルートで何度も語られ、ゲーム全体を通して複数のバージョンが存在するが、根幹は同じだ。重要なのは切那が眠らされ、凛音が輪廻に落ちるという点である。なぜこの伝承の登場人物が共通ルートの男主やヒロインたちと一致するのか、最初の説明は「偶然」だった。宿命だと言うヒロインもいた。
3、煤紋病
治療不可能とされる病で、浦島にだけ存在する。かつて浦島の御三家のうち巫女の一族がこの病の解決を担っていたが、その方法は治療ではなく、絶症ゆえに火葬して焼き殺し、患者を絶つことだった。この煤紋病の由来も浦島の伝承と関連づけられている。伝承で凛音が天罰として得た絶症が煤紋病であり、長年受け継がれて完全に消えることがない。
浦島の巫女・沙羅がいる神社はかつて火災に遭い、母もその災難で死んだ。生き残ったのは沙羅だけ。火災は5年前のことだが、沙羅は火災の細部をよく覚えていない。
凛音は煤紋病の可能性があるとされる。煤紋病には太陽に当たると悪化する特性があるため、凛音はいつも真夜中に散歩に出る。
次は個別ルートだ。推奨ルートは夏蓮/沙羅→凛音→True Endの順で、俺はこの順に進めて怒りから平静へと至る過程を経験した。
大体の感覚は、最初は「おい何だこのクソシナリオ」、中盤は「え、そんなのアリかよ?」、終盤は「もう言う通りにしますわ」だった。
夏蓮ルート
夏蓮の個別ルートに価値ある内容はほとんどない。大体は、夏蓮が浦島の娘として父に島を出ることを禁じられ、この地を嫌って自由を求め、いつもこっそり抜け出そうとして失敗する話だ。自分の母は昔早くに出て行って音信不通で、母を羨み、会いたがっている。

最後は男主と夏蓮が恋に落ち、夏蓮が島を出るのを手伝って自由を得る。そして最後に、ゲームは後の重要手がかりを提示する。浦島近くの海上観測所、そして夏蓮の母が浦島を研究する海洋科学者だということ。だがこれらも一筆書きで、観測所は取り壊されたからだ……
だから夏蓮ルートで覚えておくべきは、科学者がこの島を研究中だということだけだと思う。
沙羅ルート
沙羅のルートは夏蓮より少し面白い展開だ。大体は沙羅が母を追憶し、なぜ母が焼死して自分だけが生き残ったのか理解できず、母が生きていた頃に何か大事なことを忘れている気がする、という話だ。

最後の展開は非常に暴力的だ。沙羅は母が残した写真から驚くべき事実を発見する。母の体にあったほくろが自分にもあり、位置も同じ。そして自分の過去の記憶がない。これらを合わせて沙羅は推測する……
自分は自分の母なのではないか、と。

自分は近いうちにある事件で過去へ飛び、自分の母となって万里愛と名乗り、自分を産む。そして母になった万里愛は自殺し、娘の沙羅が再び成長して現在に至る。これはデッドループのようなものだ。
そして沙羅ルートの最後、事実を受け入れられない沙羅は本当に神社全体に火を放ち、男主が助けに来たときには遅く、大火は消せず自分も逃げられない。その瞬間、男主はふと閃く。神社に祀られたある宝箱に伝説の力があるらしい。だから沙羅を抱えて宝箱に隠れ、ひと騒ぎの後、沙羅は救われる。男主はあの宝箱に時空を超える力があると感じる。これで沙羅と男主は大火を避けて宝箱に隠れ、5年前に戻って結婚し沙羅を産み、再び5年の輪廻を経る。こうして沙羅の伝説も説明がつく……

だがEDの後でゲームは容赦なくぶち壊してくる。男主は過去に戻っておらず、沙羅も焼け跡から生き延びただけ……タイムトラベルなんて何もなかったのだ。
夏蓮ルートと沙羅ルートを終えると、ゲームの展開はもはや一本の線では語れない……
共通ルートと夏蓮・沙羅ルートの手がかりを合わせれば、残る凛音ルートについて大半の人はこう想像するだろう。男主がかつての過去の災難の中で何らかの理由により時空を超え、未来へ来て過去の自分と恋人を救う、といった展開だと。救済の手がかりは煤紋病で、かつての伝承も男主と関係があるかもしれない、などなど……
いわゆる「伝承」と「タイムリープ」に依拠した物語は大体この展開だ。大半はこの展開で間違いない。
だが全部間違っていた……
凛音ルートの一周目もやはり男主と凛音が恋に落ち、そして凛音に多くの疑問点が見つかる。凛音がかつて5年間「神隠し」に遭ったこと、つまり忽然と5年間消え、5年後に現れたこと。再び現れた凛音はその5年の記憶がまったくなく、自分が5年消えていたとも思っていない。さらに凛音は子供の頃に男主を、少なくとも男主と同じ名の誰かを見たことがあると言う。二人は仲良くしていたが、後に災難で暴竜島へ逃げたとき、そいつは自分を救って犠牲になり、生き残ったのは凛音で、SETSUNAという幼馴染は完全に消えたという。
そしてまたゲームの謎解きがあり、凛音は気づく。男主は過去の子供時代のSETSUNAが時を超えて来たのだと。男主はかつて時を超えて凛音を救いに行き、世界線を「凛音が救われ、SETSUNAが死ぬ」世界線に修正した。つまり男主が過去の自分を死なせたことになり、現在の自分は過去にすでに死んでいるから存在しないはずで、その結果すべての記憶を失った。
などなど……ゲームは長大なタイムラインの説明を始める。俺はこの関係を整理するために簡単な図まで描いた。だが凛音ルートのED1に至って、自分がどれほど愚かだったか思い知らされた。

凛音ルートのED1は、凛音が男主を救うため自分が死ぬことを選び、凛音が死亡する。EDの後の章で男主は島の外から来た研究者に会う。研究者は海上の研究施設がもうすぐ取り壊されるのは惜しいが、中にはまだ良いものがたくさんあると言う。さらに浦島は良い研究素材で、神秘的な力が存在し、浦島には「竜宮城」があるという噂さえあると語る。
浦島太郎の伝説は誰でも知っているが、本当に竜宮城があると信じる者はいない。ゲームでも何度も言及され、俺も気にしていなかった。伝説が本当だなんて誰が言うか。
男主は研究施設を見に行き、とんでもないものを見つける。研究施設には数々のブラックテクノロジー製品があり、その一つが「生命冷凍装置」。人の生命を凍結して老いも死もなくし、無数の年月の後に再び目覚めさせる……

研究者は同時に明かす。凛音が「神隠し」に遭った5年後、実は浦島の外の「暴竜島」の洞窟で誰かがこの装置を見つけ、中に眠る凛音を発見した。この装置がどうやって来たのかも研究中だという。

凛音ルートのEDの最後、男主が危機に陥り、ゲームは「未完待続」と告げる。瞬間、ゲームタイトルも変わり、ISLANDからNEVERISLANDになる。


知能の低い人間として言うが、NEVERISLAND編はもう説明できない。物語は元の内容とあまり関係なくなり、完全な架空世界系になっている。男主は自分が22016年に来たと気づく。そう、22016年だ。男主は自分をセツナと名乗り、荒れ地でゴミ拾いをしていた小さな少女リンネに拾われる。そして男主は、この22016年では人間が「エイランド」という壁の中の世界に暮らし、食料は限られ、すべて身分証のようなもので配給されていることを知る。男主はリンネの助けで食料の資格を得て、二人で日常を始める。ほどなく男主はこの22016年の世界にも様々な階級矛盾と衝突があり、教会が精神的指導者として存在し、身分証がなく食料を得られない地下の抵抗者たちもいることを知る。面白いことに抵抗者のリーダーはカレン、教会のシスターの長はサラだ(つまりあの面々が衣装を変えただけ)。長い日常の中で男主とリンネは深い絆を築き、小社会の矛盾はますます顕著になる。何しろ食料が足りない。リンネは男主に、この救いようのない世界を救いたいと言い、こっそり「エイランド」の生活区を抜け出して外の世界を探検し、雪原で何もないことを知る。

長い展開を経て、NEVERISLAND編の結末で「エイランド」世界に暴動が起きる。聖女だか主教だかのサラは食料のない暴徒たちに吊るされ、男主は「エイランド」から追放され、リンネは男主を救おうとするが手立てがない。こっそり「エイランド」施設を抜けた他の者、例えばカレンは煤紋病にかかり始める。すべてが終わりの様相の中、男主とリンネは共に努力し、最後に「生命冷凍装置」を見つける。男主は中に入り、自分を凍結して時を超えることを選ぶ。

NEVERISLAND編の結末は悲劇のはずだが、大体理解できた。セツナとリンネがどう恋に落ちたか。そして最後の生命冷凍装置は過去に戻るためだと思ったが、実際は違った……
NEVERISLAND編が終わると、ゲームはまだHAPPY ENDがあると示唆する。再びゲームを始め、真夏編、つまりTRUE ENDへ進む必要がある。
このENDの前提はもう語ることはない。やはり共通ルートと凛音ルートの内容だが、今回は男主に記憶がある。記憶があれば楽だ。片っ端から相手に打ち明け、隠れていた転生者ともすぐに対話でき、助けられる者は助け、解決できることは解決する。最も重要なのは男主が凛音の母の秘密を見つけることだ。最後に選択肢があり、男主は運命を受け入れて現在の浦島の凛音と結ばれるか、運命に抗って過去に最初に出会った恋愛対象のリンネを救うか決める。

凛音を選べばすぐ結婚して終わる。リンネを選べばさらなる展開が待つ。
そうそう、ここで別の事実を知る。いわゆる22016年とは実は2万年前、氷河期よりさらに早く存在した人類で、後に様々な理由でその時代の人類は絶滅し、その後は恐竜、そして今の新世代の人類が生まれた。当時の人類はブラックテクノロジーを持ち、今の人類の技術は当時の水準に達していない。救済とは研究者が浦島付近で地下の「竜宮」を発見することにある。竜宮と言うが、実はNEVERISLAND編で当時の人類が地下に掘って住んでいた要塞だ。

つまり2万年前、生命冷凍装置に飛び込んだセツナは2万年後に目覚め、転生したリンネ、すなわち現在の凛音と出会う。同時に男主はこの一連の過程を一度ならず経験しているらしい。2万年前から2万年後の1999年へ、そして再び2万年眠り、人類文明が再び興り同じ高みに達するまで、ただリンネとの約束を果たすため、この世界を救い、リンネを救うために繰り返し時を超える。
だからリンネを救うのが本道だ。リンネは男主が最初に恋をした女性で、後の1999年の相手も実はリンネの転生にすぎない。浦島の伝承も、実は最初のリンネとセツナの恋の別の形の流布であり、共通ルートでも誰かが言っていた。伝承とはもしかすると過去の古代のどこかのタイムリープが残したものかもしれない、と。

最後の結末は、男主が自分の使命に気づき、リンネを救うために再び輪廻に入ることを選ぶ。時空を超えると記憶が失われるため、忘れないように男主は装置の内部に、自分と各世界線のリンネの名前をびっしり書き込む。
ゲームが終わっても男主の物語は終わっていない。彼はまだ輪廻し、この2万年の間を行き来している。
ゲーム内の男主の年齢から推測すると、少なくとも10回は時を超え、大体20万年の旅を成し遂げている。
このゲームの時空を超えるタイムラインは、厳密な図に描けるはずだ。ただ俺は鈍いし、ゲーム後半でこの点を考えるのを諦めた。明確にタイムマシンがあるとは告げられず、あるのは生命冷凍装置だけ。一度凍結すれば2万年眠り、2万年の連続した眠りと人類文明の興亡で、タイムリープに似た輪廻効果が得られる……詳細はもう考えるのを諦めた……
そう、俺は諦めた。最初に言ったことを覚えているか?俺はこの手のゲームが大嫌いなのだ。
嫌いだと表明する前に、まず称賛させてほしい。ISLANDには多くの箇所で大きな魅力がある。
まずCV。ISLANDが18禁ではなく全年齢を選んだのには確かな理由があり、これは紛れもない「ストーリー重視」作品で、声優も表界の大物、田村ゆかり、阿澄佳奈は実力派だ。しかもこの二人が全年齢ギャルゲーに出ているのを一度ならず見ている。村川梨衣は新人ながら非常に輝かしい演技で、侮れない。多くの場面で表現の緊張感が求められるところ、田村ゆかりは完全に場を抑えている。他の人ならあの場面は起伏を出せなかっただろう。
音楽はお馴染みのPeak A Soul+で、品質に文句はない。少し光るものに欠けるが違和感はなく、無意識にBGMの存在を感じないかもしれない。これこそBGMのあるべき位置だろう。画風も的確で、一般的な萌え系ゲームと似て見えるが不満はない。「○○だが不満はない」みたいな言い回しをいつも使うが、むしろこの方面は「無難」ということだろう。
ゲームのストーリーは議論を呼ぶはずで、俺個人が非常に嫌いなところだ。
ISLANDは紹介で、島と伝説、輪廻と時空を超えた宿命といった印象を与える。だが誰が想像するだろう、これが2万年をまたぐ少しSF寄りの作品だとは。
実際ゲーム序盤の展開も確かに小規模な描写で、せいぜい5年前の失踪、5年前の災難程度だ。俺はずっと、男主はきっとタイムリープし、島で遺跡か神秘的な神の力を見つけて時空を超える能力を得て、再び救いたい人を救うのだと思っていた。
だがすべては凛音ルートの最後、研究者が真顔で「生命冷凍装置」と言った瞬間に崩壊した……大体の感じはホラー映画を見るようなものだ。すべてのミステリーの最後には説明があるべきで、ISLANDは人の仕業に見えたホラー映画の最後に、突然すべては幽霊の仕業で、霊媒師を呼んで退治したと告げるようなものだ。

俺はいつも、超展開がもたらすべきは「ああ、そういうことか、なぜ気づかなかった」という感覚だと思っている。
「おい何だこれは、そんなのアリかよ?」ではない。
ISLANDで最も不快なのは、序盤の脚本家による読者への玩弄だ。何度も様々な伏筆と暗示を立て、最後に自らの手で一つ一つ破壊し、すべては冗談だったと告げる。最後にお前が信頼を失った頃、2万年越しのハイテク展開を直接ぶつけてくる。俺に言わせれば不快以外の何ものでもない。さらに残念なのは、脚本家が恋愛や日常を書くのがまるで下手なことだ。共通ルートでは男主の愚かさが耐え難く、時折甲状腺亢進のように走り回り裸になる様子に笑いどころを見出せない。唯一面白いのは男主が自分のJJは8cm未満だと言うくらいで、あとは無理に笑わせようとする退屈さだ。しかも男主はしばしば唐突に下ネタを挟む。まあ記憶喪失だと言えばそれまでだが、シリアスな場面の男主はまるで別人のように無限に頼もしく正派で、以前のバカと同じ人物か疑いたくなる。ISLANDの日常パートはまったく「面白い」と感じられない。
もちろん俺が言っているのは「日常と感情」であり、ゲームの論理と伏筆の運びは別の話だ。
脚本家は日常を書くのは苦手だが、筋書きと関連性を書くのは得意だ。ゲーム内のすべての伏筆は、注意深く探せば対応する記述が見つかる。いわゆる「伏筆回収」である。
ISLANDの伏筆回収の精度の高さは、脚本家がまずフローチャートを描き、そのフローチャートと時点に厳格に従って全体の構造を少しずつ構築したのではないかと疑わせる。何しろ男主が数十回時空を超える構造では厳密さが必要で、一部でも失敗すれば全体の流れが破綻する。ISLANDはそれをきちんと成し遂げている。ゲームが描くタイムラインを追って少しずつ謎を解いていけば、大きな楽しみが得られるはずだ。

そう、ISLAND の脚本の面白さは、主人公が何度も時を超え、輪廻する間のプロットを解読して考察するところにある。脚本家もかなり 666 で、多くの箇所を曖昧に書いている。穴を掘っているのか、わざとそうしているのか、とにかく想像を膨らませて脳内補完させるのが狙いだ。ともあれ、このゲームで楽しみを見出すルートに、ゲーム自体の情感や日常的な剧情は含まれていない。
むしろこれは暗号解読ゲーだ。いっそ ISLAND は穴埋め問題にでもすればよかったのに、本篇を読み終えた後にプレイヤーが積み木を組み立てるようにタイムラインを埋めていく、それならなかなか新しいタイプの AVG になったかもしれない。

個人的にタイムリープものは嫌いじゃないし、深く伏線を張って最後に一気に回収するゲームも嫌いじゃない。ただ、もともと一つのスタイルだったものが、最後に突然画風を一変させて「実は我々には複数の次元があってね」とか Blah Blah Blah みたいな展開を告げられるのは、とても気持ち悪い。こういうゲームはそうした展開に入る時点で、基本的な「物語の描写」をほぼ放棄して、全精力をこの展開の合理性の維持に注いでいる。もともと共感できた剧情と物語が、一瞬で自分からこんなにも遠く感じられる——そんな感覚だ。
だからこそ、ISLAND が NEVERISLAND 編に入ったとき、俺は死んだような顔で画面を見つめ、「言う通りにしますよ」とでもいうように虚ろな目で剧情を眺めていた。階級闘争だの、人類再起源計画だの、生命冷凍装置だの、はいはいそうですか、と。俺の脳内にあったあの小島と継承、海と夏の匂いに満ちた物語は完全に死んだ。
もし ISLAND が最初からこんな展開だと宣伝していたら、絶対にやらなかった。俺がこの手の展開に耐えられる限界は EVER 17 だ。これ以上ぶっ飛ばされると、自分は小説ではなく説明書を読まされているだけだとしか思えない。説明書は厳密だけど退屈で面白みがない。小説はところどころ滅茶苦茶でも面白い。タイムリープや輪廻の設定はゲームの剧情とキャラクターを補助するためのものであって、主役を奪って日常を味気なくさせ、「いったいどうやって来たのか」の探索を物語の中心にしてしまうべきじゃない。終わる世界とバースデイも同じだけど、あっちはテンポが速くて、プレイヤーを弄ぶ要素もそんなに多くない。その後の双子座のパラドクスは ISLAND と同じ轍を踏んでいて、輪廻はまだ許せるけど、日常がクソつまらなくて全然読み進められない。おまけにキャラデザも酷くて、さらに追い打ちをかけている。
時々、ISLAND の後半の展開が嫌いなのは、前半の主人公があまりにもアホすぎるせいなんじゃないかとも思う。主人公が発狂するのを見るたびに画面を叩き割りたくなって、その怒りで落ち着いて剧情を読めなくなる。
まとめると、ISLAND は剧情が緻密で、SF 要素の超展開がとてもよくできたゲームだ。SF タイムリープに熱中し、時間と空間について常に考え、情感の描写にはそれほど要求がない感覚の深い理系生には向いているかもしれない。俺みたいに理系生の集団に混ざった文系生で、情感の描写と日常の細部を求める人間には、完全に畑違いの料理だ。このゲームが悪いとは言えない。確かに一つの伏線ごとに前因後果がきちんと書かれているから。その原因が牽強付会だとは思うけど、牽強付会だと言うのも現実的な根拠はない。現実にこんな展開はないから、それ自体がすでに SF になっている。

ISLAND はさらに図々しくもいくつか穴を掘っていて、ひまわりにも ISLAND の紹介があるし、作者は ISLAND の他の要素を解読する小説まで出している。興味があれば読んでみるといい。
最後に感慨を一つ。作者はよくもまあ書いたものだ。一千年のタイムリープなら見たことがあるけど、二万年は初めてだ。しかも十数回、人類の文化継承を伴っているから、おそらく二十万年になる。ゲームが主人公をずっと「旅人」と呼んでいるように、主人公も本当に大変だ。二十万年の旅を経て、いまだに明確な終着点を迎えていない。
でも、このゲームは俺にとっては、たぶんもう終着点を迎えたんだろう。
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