『ワガママハイスペック』レビュー
4月アニメに『ワガママハイスペック』という変な新作があった。中国語だと「任性 High-Spec」と訳されていた気がする。中身はごく少なく、尺も極端に短く、見ていてわけがわからなかった。
ただ、これは要するにエロゲー原作だ。アニメ放送開始時点で、ゲームはまだ発売すらしていない。だからこれはゲームの宣伝用映像みたいなもので、泡麺アニメかどうかなんてどうでもいい。
結局のところ、これがどうなのかはゲーム次第だ。
少し前にDOOMはレトロ路線を行っているという話を見たが、俺はそうは思わない。DOOMはゲームの本質に戻っただけで、レトロとは言えない。ゲームは本来DOOMみたいであるべきなんだ。

レトロと言えば、ワガママハイスペックのほうがよほどレトロだと思う。エロゲーに対するレトロだ。
レトロ風のエロゲーとはどんなものか。まさにワガママハイスペックのようなものだ。学園、生徒会、生徒会長、後輩、妹、そして先輩。基本的な恋愛フラグが展開し、物語は穏やかに進んでいく。
そう、穏やかだ。ワガママは基本的に大きな展開がない。大筋はこうだ。主人公には妹がいて家もあり、両親はすでにいない(たぶん)。家が貧しいので(おそらく)、主人公は絵師と一緒に週刊連載漫画の企画をやっている。編集者に原稿を催促される中で、学校の生徒会長・鹿苑寺かおるこが自分と共同で連載漫画を作っている絵師だと偶然気づく。その後、会長に「やり取りが楽になる」という口実で生徒会に引き込まれ、パソコンの修理ができるからという理由で妹の鳴海兎亜も引き込まれ、さらに妹が親友の宮瀬未尋も生徒会に引き込む。こうして生徒会には主人公と攻略対象の4人、会長、副会長、妹、後輩がそろう。ここでゲームは典型的なエロゲーのハーレム展開に入る……

非常に典型的だ。前世紀からここ数年前までの穏やかな路線のエロゲーはほぼ全部この流れだ。そもそもこういうゲームの出発点は恋愛育成で、男性向けとしても多少のハーレム要素は必要だ。女の子たちが自分の周りを回って、笑いながら日常を過ごし、たまに小さな事件で一緒に感情を深め、最後にフラグを立てて告白し、その後はバカップルがいちゃいちゃして、暇なときにエッチして、後日談で未来を語ってED、という流れになる。

実際、ワガママハイスペックはまさにそうだ。会長ルートはたぶんゲームの本命ルートだろう。OPに使われている画像が全部会長ルートのものなのを見ればわかる。ただ、会長ルートはむしろ目新しさがない。設定上そもそも物語が会長から始まっているので、このルートをメイン寄りに扱うしかないんだろう。会長ルートの流れは、二人が漫画制作の協力を通じてどんどん接触し、理解を深め、会長がなぜ漫画を描くのが好きなのかを知る、というものだ。理由はちょっとアレだが……(「二磁猿が絶望に沈んだ私を救った」とか)。最後の告白はなかなか甘く、その後のカップル生活も悪くない。大きな起伏はないが退屈でもない。後半、主人公は会長の作画が優れすぎているせいで他の大作家に指名されて協力することになり、やきもちを焼いて自分も創作レベルを上げようと決意する。努力の末に脚本として認められ、協力相手であり彼女でもある絵師との関係も守る。ただ、本筋から見ればどうでもいい話で、二人がいちゃついているほうが重要かもしれない。

甘い恋愛というのはそういうものなのかもしれない。それに会長のCV本多真梨子が……本当に上手い。声が柔らかくて優しく、会長の天然っぷり、そしてある種の状況での天然黒さもよく出ている。最後の結末はかなり笑える。会長と主人公が天朝(中国)に遊びに来て、自分の漫画の翻訳本を見てしまうのだ。正直、主人公が企画しているデレデレXXXみたいなエロ際どい漫画が天朝で出版できるわけないだろ……

次にちょっと面白いのが妹・鳴海兎亜のルートだ。このルートをやった動機はとても醜い……そう、CVが後藤麻衣だからだ……声豚として自分の醜さを否定する気はもうない。振り返ると、妹ルートは会長ルートほど完成されておらず、いろいろと意味不明なところがある。でも全体としてはずっと面白い。主人公が編集者から「読者から妹との展開を入れてほしいという要望が出ています」と言われ、家で妹ものの作品を狂ったように見てネタを探す。最後に妹から「家に妹がいるのに妹ものなんか見てないで、私たちが試しに恋人同士になってみれば?」と言われる。面白いのは、最初のほうは妹が主人公にあまり興味がなく、主人公と恋人同士のふりをしてデートしても全然真剣でないことだ。主人公を呼ぶときも「お兄ちゃんという名のダーリン」で、最初は主人公を自分の行きたいゲームショップに引っ張っていき、自己満足で一周して、最後に主人公は何も感じられなかった。逆に会長が、主人公が「妹好きを理解できずに悩んでいる」のを見て、自分が主人公の妹のふりをしてデートし、主人公に恋の雰囲気を感じさせる。妹はそれを見て、自分の兄に対して「この妹はダメだ」みたいな不機嫌な顔をし、自分がいつも兄を道具のように使っていることに気づく……

そこからの展開は、少し悩んで長くなりそうで、でも少しずつ妹と主人公の関係を変え、二人が世間の偏見と戦って背徳感へ向かう……はずだった。残念ながらない。このゲームは急に主人公が妹に告白する。あまりに突然で、俺は何が起きたのかマジでわからなかった。その後の展開も物語が打ち切られるような感じだ。急にエッチして、急にカップルになって、急に付き合うと宣言する。ゲームが終わるのかと思ったら、主人公が突然倒れ、漫画も休載になり、物語はむしろペースを落として二次展開に入る。妹は倒れた兄を見て、自分がどれだけ兄に依存していたか、そして自分が何もできずにずっと兄に迷惑をかけていたかを思い知る。悩んだ末に妹も変わり、主人公と互いに助け合うようになる。

最後は当然めでたしめでたし。主人公は漫画家に復帰し、会長と新作を描き続け、旧作もドラマCD化されて人気も上がる。妹も昔のダメ人間ではなく、主人公の家の支えになる。
全体として、ワガママハイスペックの物語は展開を売りにしておらず、どちらかというとキャラクター造形に重きを置いている。恋愛ゲームの本質は確かにそうだ。キャラクター造形において、ワガママハイスペックはかなりうまくやっている。天然の会長、ツンデレの副会長、小悪魔な後輩、高飛車で毒舌な妹。それぞれのタグがはっきりしていて、話し方や仕草も非常に的確だ。オタクが遊んでもそれぞれ好みに合わせて楽しめるし、会話もそこそこ面白いので、少なくとも退屈はしない。アニメ界隈に置き換えるなら、まあ日常系の空気アニメ程度のものだ。実際このゲームのアニメもそのスタイルで、ただ主人公を削ったせいで百合アニメに見えるだけだ。キャラデザの長所と短所ははっきりしている。長所はCGの人体構図が的確で表情もいいところ、SDCGも加点要素だ。短所は胸が大きすぎて色づけが妙にデジタルなところ……もっと自然なほうがいい。音楽はもう萌えゲーの中では上等な部類だ。今どきエロゲーのBGMが滑らかに切り替わり、安っぽい電子音じゃないというだけでも非常に珍しい。だからワガママハイスペックはよくできている。

CVの演技は言うまでもない。やればわかる。本多真梨子はこのゲームが初めての下海だったらしく、見事な演技を見せ、その後もエロゲーのヒロインを猛然と担当するようになった。たぶんそれまでずっと我慢していて金欠だったんだろう。後藤麻衣はベテランとして相変わらず可愛く、妹専門としての演技は……瓜生桜乃と一緒だ。これは欠点ではない! 繰り返すが、絶対に欠点ではない!
总而言之(要するに)、ワガママハイスペックは確かに「レトロ」なスタイルのゲームだ。最初の純愛エロゲーがどんなものだったか覚えているか? 主人公が可愛い女の子たちに出会い、彼女たちと恋愛して、結末を迎える。伏線もなく、大きな展開もなく、あるのは可愛い女の子だけ、それだけだ。

ワガママハイスペックは小説化した物語のゲームではないし、何かの超展開で目を引く作品でもない。提示してくれるのは、四人の性格がまったく違いながらそれぞれ可愛いところのある女の子たちと、素敵な恋愛の時間だけだ。もちろん、こういうものは嫌いじゃない。むしろ僕たちをより憧れさせるものじゃないか?
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