『タラレバ ~as in What if stories~』レビュー
君の時間はとても貴重だ
SNSでたまに、俺のことを知ってるって言い出す奴がいる。
もちろん俺はそいつのことを知らないし、どうやって俺を知ったのかもわからない。
「あ、李先生、私はあなたのファンです」と最近Telegramで話しかけてきた見知らぬ人が言った。「あなたのブログを読むのが大好きで、特にエロゲーの感想が」
これはちょっと心が躍ったね。というのも、俺のブログを好きだと言ってくるバカはたくさんいるが、揃いも揃って自虐ネタが好きだとか言って、エロゲーの感想を見るとスキップしたとか言い出す。中には俺がエロゲーの感想ばかり書くのは目が汚れるとまで言う。ここは俺のアジトで、書きたいものを書いて何が悪い。あいつらは殿様気取りで俺の好みに合わせて料理を出せと要求してくる、ふざけんなって話だ。
「そうか?」 普段なら俺に絡んでくる人間は無視するんだが、こいつは思ってもみないことを言ったので返信することにした。
「はい!でも最近のエロゲー感想は前より面白くないですね」
実は俺も同感で、最近は適当に筋を復唱して「良い」「悪い」と言って終わり、タイトルすら考えるのが面倒になっていた。
「以前のエロゲー感想はすごく良かった、特に前に書いた感言が」
「感言?」
「そうです、あの退屈なゲームの筋を書く前の、過去の思い出とか、最近お見合いで振られた小芝居とか、最高でした!最近は全然なくて、つまらないゲーム紹介だけが残ってて……」
その後なにを言ったかは知らない、ブロックしたらチャット履歴も見られなくなったようだ……
誰の時間も貴重で、つまらないバカのために無駄にする価値はない。今どきギャルゲーの序章だけで最低4時間かかる時代に、超高速のギャルゲーがあればそれは一陣の風にもなるだろう……
『タラレバ ~as in What if stories~』はOPが良かったのでやってみた。もちろんもっと大きな理由は、他のゲームが全部Windows 10の最新20H1でクラッシュしたからで、解決する前にこれを動かしただけだ。

設定が琴線に触れる。もし主人公に8年前の過去へ戻って後悔しないことをやり遂げるチャンスが与えられたら、彼はどうするのか……
誰にでも過去の後悔はあるだろう?これを話題の切り口にするのはゲーム作りとしてなかなか良い、最後には人生を省みることにもなるかも……
ところがゲームを15分ほど進めて、俺は呆然とした。
なにしろテンポが速すぎる、展開が飛びすぎていてついていけない。
ゲーム開始から2分も経たないうちに、コンビニでバイト中の主人公の前に少女が現れ、過去へ戻りたいかと聞いてくる。条件は二つ。
1、過去の人に自分が未来から来たと言ってはいけない。 2、再び未来の自分を後悔させてはいけない。
主人公が反応する間もなく、もう戻されてしまった……
目を開ければ学生時代に戻っていて、そこから展開は全編離陸状態だ。学校には幼馴染がいて生徒会長がいて超能力研究会の先輩がいて、超能力があると自称する少女までいて、ごちゃごちゃと大量にいる。もちろん主人公は未来で自分を過去へ戻したあのコンビニの少女も見かける。しかし戻され方があまりに慌ただしくて何をすべきかもわからず、日常を送り始める。クリスマスが近いと言われ、学校から何人かがクリスマスツリーの飾り付けに駆り出される。そこで主人公は突然思い出す。未来では、幼馴染がツリーの飾り付け中に下敷きになって植物状態になり、目覚めた後は記憶を失って主人公のことを一切覚えていなかったのだ。

幼馴染を傷つけないため、ツリーが倒れかけたとき主人公は自ら飛び込んだ。幼馴染は下敷きにならず、主人公が軽傷を負っただけで、未来の後悔の一つはこうして消えた……
話はこれだけだと思うか?違う。最初の謎の少女のことはまだ話していない。
主人公の学校には超能力研究会があり、会長は先輩で、毎日コックリさんやら皿回しやら超常現象やら幽霊やらを研究している。主人公はなぜそこまで好きなのかと不思議に思い、付き合ううちにわかる。先輩にはかつて妹がいて、一緒に花火大会を見に行ったとき目を離した隙に妹が車に轢かれ、植物状態になって二度と目覚めなくなった。先輩は自責の念にかられ、自分のせいだ、妹に許してほしい、でも妹は植物状態だ……
そこで主人公は先輩の家に妹を見舞いに行き、唖然とする。その妹こそ、自分を過去へ戻したあの少女だった。主人公はずっと彼女が見えていて、しかも神出鬼没。あの少女は先輩の妹の、さまよえる魂だったのだ。

最後に主人公はことを先輩に話し、妹の魂も見つけ、妹はもう許していると伝える。妹の魂は自分の体に戻ると言うが、時間がかかると。
こうして主人公は対話任務を終え、8年後へやって来る。先輩から電話があり、妹が目覚めたと……

ゲームはこれで終わり。ちなみに妹ルートもあり、内容は前のコピペで、視点が妹に変わるだけ。最初に事故に遭い、天国で誰かに導かれ、自分が主人公を過去へ導いて姉の人生を変えさせた、といった具合。ただし結末は主人公が姉とではなく妹を好きになる……

要するに「過去のとある出来事で親友が植物状態になったので、未来でタイムリープして悲劇を変えた」という話……
実にシンプルだ。そう、とてもシンプルで、そのせいでこのゲームもとてもシンプル。
どれくらいシンプルかというと、進行が超高速なのだ!
数えてみると、共通ルートはゆっくりで2時間ほど、個別ルートもゆっくりで2時間、最後の妹のTRUE ENDはコピペで半分は見た内容だから1時間で終わるだろう。
このゲームの容量は1.7Gだが、インストールディレクトリに自分のOSTと曲のRarが入っている。合集ゲームでも1Gちょっとだろう。
一言で言えば、短い!本当に短い!妊娠ENDがあっても短い!

ギャルゲーには「短さが百の醜を隠す」現象があると気づいた。流れが短ければ筋書きもそれなりで、あとは自分で補完して「ああ、実はこの話も受け入れられなくはない」と思える。だからタラレバについては、CGは良くないし音楽もありきたりで話も新鮮ではないが、とにかく短いので最後までやって特に不快感はなかった……

このゲームの話を長くしたら、おそらく地雷レベルだろう。各人の感情の変化が速すぎるし、妹の魂を呼ぶところはありきたりでバカすぎる。しかも多くの泣きポイントに伏線がなく、いきなり転換して、また瞬時に転換が消える。
だがどうしようもない、短いのだ。我慢すればすぐ終わるので、大きな不満もない。
見どころといえば、OP以外ではCVも悪くない。秋野花が珍しく中性的な声を当てていて、なかなか良い。
他はまあ、そんなものか。体験版だけで20時間を平気で出すゲームもある時代に、このゲームはメインだけなら6時間もかからずに終わる。大量の選択肢で時間を引き延ばしてはいるが、傾向がはっきりしすぎて完全にサービス問題で、攻略の歴史的行程を止められはしない。

実は時々ブラウザゲーの広告も理にかなっている。「君の時間はとても貴重だ」
だからタラレバは俺の時間をあまり無駄にしなかった。俺も大きな不満はなく、ちょっとした小説を読む感覚で流せばそれで終わりだ……
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