『月影のシミュラクル』レビュー
『月影のシミュラクル』は無料ゲームで、発表されたときはけっこう驚いた。日本人が突然あるゲームを無料にすると言ったら、99%はカードゲームにするんだろうなと思ったら、カードゲームじゃなくて、ギャルゲー風の内容だった。
で、思ったよ。お前、ギャルゲーにするってことは、選択肢ごとに課金させるんじゃないのか?
そしたらこの野郎、デカデカと「完全無料(ゲーム内課金無し)」って書いてやがる。
だから余計に疑問なんだよ。日本のエロゲー制作はもうやってけないって言われてるのに、なんで慈善事業なんか始めたんだ?それに、安売りで市場をかき回すなら、魅族みたいに発表会を開くもんじゃないのか?
まあいい、とりあえずダウンロードして見てみるか……タダだし。それにしても、さすがはバカな日本のショボいサーバーだよ。公式サイトはすぐ落ちるわ、Dropboxのリンクはすぐに帯域超過になるわで、残ったのはGoogle Driveだけだった。さすがはグーグル先生だな。

日本人、自分たちでVPSの一台も借りるのってそんなに難しいのかよ??
ゲームはあっぷりけから。この会社のゲームは名前だけはよく聞くけど、プレイしたのは少ない。初期の『黄昏の密薬』はずっとやってないし、昔『花の野に咲くうたかたの』をやったことはある。他人が『時を紡ぐ約束』をやってるのも見た。正直なところ、『花の野に咲くうたかたの』は自分にはすごく読みにくかった。日本語初心者が、脚本・桐月の時々しんみりさせ、時々ひっくり返し、時々イキる(褒め言葉)文体とどう向き合うか想像してみてほしい。当時はアニメで聞いたセリフと照らし合わせて聴き取ってるような文も多かったから、そのうちこの描写方法は蔡駿ってヤツに似てるなあと思うようになった。でも日本の脚本家・桐月には一つの利点がある。漢字をよく使うんだ。日本では漢字は文学的教養の高さを表すし、こっちとしては辞書を引く手間が減る。天朝人を楽にして日本本国人を困らせる、その高素質な行為には賛辞を贈りたい。とはいえ、このゲームの会話のスタイルはやはり小説風で、生活感はない。つまり、まだそんなに簡単には読めないってことだ。むしろ思うんだが、この人が前に書いたゲームも確かに対白が生活的じゃなくて、演劇みたいだった。もちろんそれは悪いことじゃない。誰もがバラエティ番組みたいな対白のゲームをやりたいわけじゃないんだから。
ゲームの話は理論上、全然長くない。十日間ほどの出来事のはずだ。でも脚本のあの……文学的な描写のせいで、すごく長く感じた。物語は、主人公が遠縁の親戚に招かれ、その親戚の家である儀式に参加するというもの。遠縁の親戚は「如月」家で、「如月家」は代々続く人形の家元で、人形作りの技術を掌握している。今風に言えば「人形師」だ。そして如月家には非常に神秘的な作品がある。伝説では「生き人形」、つまり生きている人形を作ることができるらしい。さらに、その「生きている人形」を真人間のように扱い、一定の年齢になったら結婚式を挙げさせる儀式があり、相手は自分の家の当主になる。で、今回主人公が呼ばれたのは、如月家の当主がちょっと都合が悪くて、代わりに主人公がその人形との結婚式に参加するためだった。
当主がなぜ都合が悪いのか……すぐわかる。見ればわかる……

で、主人公はまず伝説の「生き人形」がどんなものか見てみようとするが、阻まれる。如月家のお嬢様「零」が、結婚式まであと数日だから、そのうち見られる、焦るなと言う。この結婚式はそうは言っても、ほとんど形式みたいなもので、緊張しなくていい、形だけ済ませれば終わりだと告げられる。
そして主人公はすぐに結婚式の日を迎える。薄暗い中だったが、伝説の「生き人形」を見る。見てうわっと思った。これ、如月家のお嬢様「零」じゃねえか……

しかも人形は笑っているようだった。
主人公はビビりまくって、儀式が終わるとすぐに部屋に戻る。しかし夜中に眠れなくなり、外をぶらぶらしていると、なぜかある部屋にたどり着く。中を見ると、やはり朝見たあの「生きている人形」だった。

「人形」は自分には名前がないと言う。主人公はそばの壁に書いてあった文字を読んで「紅」と口にする。人形は、そう言うなら私は「紅」にする、と。そして紅は、今日私たち夫婦になったんだから、夜になったらアレをしなきゃいけないんじゃない?と言い出す。主人公は逃げようとするが、人形に首を噛まれて血を吸われる。
主人公は、このいわゆる人形は如月家の令嬢「零」が扮しているんじゃないかと疑う。似すぎているからだ。しかしこの人形の力は妙に強く、如月家のお嬢様のような華奢な体ではそんな力は出ないはずだ。しかも人形は言った。「生き人形」がどうやってできるか知ってる?人の魂を躯に注入すれば、生き人形になれるんだ、と。
主人公は怖くなって逃げ出す。翌日、如月家のお嬢様「零」が主人公の首をどうしたのかと聞く。主人公は彼女が人形を演じているのではないかと疑いながら、半信半疑で昨夜の出来事を話す。「零」は理解できないと言い、自分は寝ていたと主張する。そして人形の部屋に連れて行くと、人形は確かにそこに置かれていた……完全に動かない状態で。

お嬢様はさらに、自分に似ているのは作る際に家の別の親戚をモデルにしたからで、自分に似て見えるだけだと説明する。そしてこの部屋は密室で、鍵は自分しか持っていない。昨夜主人公が入れるはずもないし、仮に入れたとしても中から鍵をかけることは不可能だとも言う。いわゆる「人形と結婚する儀式」も、薄暗い部屋で蝋燭を灯し、朦朧とさせて精力を消耗させ、幻覚を見せるものだから、昨夜のことは夢だと言う。
だが、主人公の首の噛み跡は説明できない。
その後も主人公は半信半疑だったが、あの人形は二度と動かなかった。そしてある日、如月家の当主が夜中に殺される……誰がやったのか誰も見ていない。
警察に通報すると、警察は誰かが人形に扮して犯行に及んだと疑うが、どう見ても動機がない。何より人形の部屋はしっかり鍵がかかっていた。ただ、主人公は人形のそばに不審な跡を見つける。
さらに数日後、如月家の老使用人も殺される。今回、主人公は行方不明の使用人を探す途中で、またあの「生き人形」に遭遇する。生き人形は、外を探せと嘲笑うように言う。外に出ると主人公は「零」に会い、そして殺された老使用人を発見する。
そこで推理が始まる。どう見てもあの「生き人形」の仕業にしか思えない。しかし主人公以外に人形が生きている姿を見た者はおらず、誰も信じない。戻ってみると、人形の服に血痕があった……

だから謎だらけだ。一体誰がやったのか?まさか本当にあの「生き人形」が殺したのか?面白いことに、主人公は街にも出かけ、友人に会う。友人は、如月家はここ数年あまり平穏ではなく、以前大火事があったこと(当主のあの様子は火事で焼けたんだ)、中には吸血鬼がいるとかいう噂もあると言う。
物語の最後、主人公はまたあの生き人形に会う。会って間もなく、また零に会う。零は自分の家に火を放つ……

見間違いでなければ、お嬢様の零も火の中で死んだ。自殺?見間違いかもしれない。お嬢様は死なずに、ただ去っただけかもしれない。しかし物語はこのように訳もわからず終わる……
その後、主人公は「如月家の生き人形は本物だったのか」という疑念を抱えたまま去り、あれは都市伝説となる。最後の結末は、主人公が街で不審な人物に会い、その話し方があの生き人形と同じだったというもの。もしかすると大火の後、生き人形は死なずにまた出てきたのかもしれない。

日本人の多くがこのゲームを「さすが無料」と評価している。物語は体験版のようで、何もはっきりさせず、殺したのが本当の生き人形なのか、お嬢様が人形に扮したのかも明確な説明がない。正直、自分はたいして気にならない。こういう「尻切れ蜻蛉」の小話は、天涯の「蓬莱鬼話」にいくらでもある。ホラー雰囲気を出すなら、むしろこのように謎を残して説明しない方法が一番いい。単純に「命ある人形が自由を得る」という伝説として捉えればいい。昔、蔡駿が書いた『病毒』ともそっくりだ。あれもウイルスに感染した生きる死人みたいな話だった。
体験版のような投げっぱなしについては、頭を使えばすぐわかる。何しろ無料なんだ。出したのはつついてくるためで、本編は金を取るつもりなんだろう。ゲーム自体も公式サイトでなぜ無料なのか説明していて、要点はこのゲームに関連する今後の企画にある。つまり、この「人形」の伝説は後のゲームの背景設定で、世界観を作るための設定の一つに過ぎないということだ。ただ、ゲームの立ち絵設定では人形とお嬢様が同一人物になっていて、ネタバレ?

でもわからんでもない。ゲームのタイトル:月影のシミュラクル。月影のシミュラクル、後者はフランス語で、中国語ではどう言えばいいかわからないが、意味は「実体がなく姿だけのもの」、たぶん生き人形のようなものを指すんだろう。
無料ゲームとして、少なくとも作画と音楽は有料ゲームの水準だ。脚本も。ヒロインの鎖骨の描き方が本当に本当に本当に本当に素晴らしい。音楽はほぼゲーム全体の雰囲気を支えていて、音楽は大きな見どころと言える。脚本は言うまでもなく、相変わらず演劇的なスタイルで、読んでいるととても怠惰な気分になるが、少なくとも前回の主人公がサルガラスの目を開くゲームみたいに、いくつものルートが無駄だったりはしなかった。今回伏線はすべて使われている、まあ少ないけど。
ゲームのCVは非公開だが、間違いなく一人は本多真梨子だ。ある日本人がヒロインは遥そらだと言っていたが、その耳は手術したほうがいい。現在ゲームは全年齢向けで、CV非公開は将来正式版が18禁になる可能性を考慮してか?それとも反応を見て18禁か全年齢かを決めるから、先に公開しないのか?まあいろいろな理由があるんだろう。
最後に、このゲームの最も叩くべき点:プログラム。

他のバージョンは知らないが、Windows版には大きなバグがある。キャラクターのボイスが自動再生されないのだ。
つまり、このゲームは主人公以外はフルボイスなのに、他のキャラの声はシーンの最初の一言しか流れず、後は全部黙る。最初は無料だから声がないのかなと思って気にしなかった。後でスピーカーのアイコンをクリックしたら、なんと声があるじゃないか。そこでようやくバグだとわかった。声は手動でクリックしないと再生されない。
これが何を意味するか?声を聴きたい、声豚として声を聴きたい俺は、一言一言Repeatをクリックしてキャラの声を聴かなきゃいけない。自動では鳴らないんだ。
ああもう、日本人がこのゲームに不可点をつけてるが、俺も不可点をつける。このバグはプログラムを外に引きずり出して天灯にしろ、爪切りで亀頭を切れ。何時代だよ、まだこんなバグがあるなんて。苦痛でしかないだろ?
それにゲームにはEDがあるが、本体には入っていない。公式サイトで感想を送信して、二日後にメールで送るという話だったが、今のところ俺は受け取っていない……
コメントは中国語の本家サイトで受け付けています。このミラーは閲覧専用です。