『魔女こいにっき』レビュー

永遠の魔法使い

広告

他人がどうやって「物語を読むときの『没入感』」を追い求めているのか知らないけど、まずは自分の考えを話そう。

多くの場合、何かの物語を見ると、似たような筋書きが自分にも起きたことがあるなと気づく。物語の中の結末が自分の人生のどこかと同じだったり、あるいは始まりだけ同じで結末は違っていたり、物語の誰かが現実の友人や知り合いにそっくりだったり、あるいはそういう物語の主人公が自分に似ていたり、とにかくいろいろだ。そういう物語を見るたびに、自分のことを思い出す。物語の展開が現実と違うせいで、人生の悔しさや感慨にふけることもある……

広告

ただそれだけだ。

そう、それだけ。自分が主人公になったと想像したことはないし、ゲームの主人公が出会う女の子が自分の彼女になったと想像したこともない。このキャラかわいいなと思うことはあるけど、それだけ。俺を知ってる人なら気づいてるかもしれないけど、ゲームで好きな女の子を「嫁」と呼んだことは一度もないし、「XXX 俺の嫁」なんて言ったこともない。ゲームのキャラを好きになるのは、その子の物語が好きだから、性格が好きだから、その子の言葉が好きだから。容姿に関しては……正直、日本の画風なんて数えるほどしかないし、一人の絵師が描くキャラなんて機械の量産品みたいなもんで、誰を見てもだいたい同じに見える。だから性格と物語で決まる部分のほうがずっと大きい。

俺が大事にしている考えはこれだ。キャラクターは物語によって豊かになる。これは物語の中だけの話じゃなくて、人生も同じだ。風雪をくぐり抜けて複雑な過去を持つ人間は、自然と話し方や振る舞いに独特の魅力が出る。まあ誰だって昔話をひとつやふたつ語ってイキることはできる。見てくれよ、こんなにパッとしない俺だって、いつも昔の話をちょっと持ち出してはひけらかしてるじゃないか。

だから絵師の単体の絵を眺めることはほとんどない。Twitter で好きな絵師の画風があっても、見て、シェアして、かわいい綺麗だとつぶやくくらい。保存はしない。アイコンにすることもあるけど、すぐ変える。失礼な気がするからだ。

そう、物語の裏付けがなければ、空っぽのキャラクターには意味がない。人がただそこに立っているだけでは、性格も声も振る舞いもわからず、その人についてほぼ何も知らないのと同じだ。勝手に好きだと言うのは、ほぼ空論だ。

キャラの画像は集めないけど、これだけゲームをやってるとさすがに集めたものはある。ほとんどはゲームの音楽だ。さっき言ったスタイルと同じで、ゲームの曲を聴くときもだいたいストーリーをやったことのあるゲームの曲、特に OST を聴く。曲を聴くとゲームの物語が思い出されるし、物語の中のキャラも思い出される。たまたまどこかのゲームの曲がいいなと思ったら、しばらく聴いてからそのゲームをやりたくなる。この曲の裏にはどんな物語があるのか見てみたいと。

だからある日『永遠の魔法使い』を聴いて、すごく興味が湧いた。どんな物語なのか。八方美人な人間が、魔法を使ってもどんな願いも叶えられず、諦めようとする……

screenshot.546.jpg

だから『魔女こいにっき』をやった。

『魔女こいにっき』のプレイ時間は長くない。全体のプレイ時間は全然長くないんだけど、すごく時間がかかった。前に『サクラノ詩』にかかった時間に匹敵する。これには理由があって、このゲームがとにかく……読みづらいのだ。

screenshot.95.jpg

このゲームの物語の見せ方がちょっと複雑で、途中でいろんな挿入やジャンプがあって、毎回しばらく整理しないと今どんな状況なのか、何の話をしているのかわからなくなる……ゲーム全体の筋を復唱するのはほぼ不可能だ。いや……ゲームが「何を語ったか」を復唱するのは一文で足りるかもしれないけど、「ゲーム全体の物語」を語れと言われると、どう手をつけていいかわからない。

分解して話したほうがいいな……

ゲームを始めると主人公がいないことに気づく。いるのはヒロインの南乃ありすだけ。ありすは学校に通い、祖父が残した理髪店で一人暮らしをしている。学校には謎の時計塔があって、中に神秘的なものがあると言われ、ありすは友達と探検に行くが何も見つからない。その代わり、ありすは時計塔の下で神秘的な本を拾う。表紙にはドラゴンが描かれている。

screenshot.2.jpg

ありすは家に帰ってその本を読み始める。中身はある男の日記で、男を主人公にした日記だ。男は日記の中で毎晩街に出て女をナンパし、セックスし、すぐに女たちから忘れられ、また次のターゲットを探してナンパし、連れて行ってセックスする。桜井たくみがその日記の主人公の名前で、ありすはこの日記を読みながらすごく奇妙な感じがする。奇妙なのは内容がエロ小説みたいだからではなく……この日記の中で、男が連れ出してセックスする女たちが、みんな現実で自分が知っている人なのだ。先生もいれば、道端の映画好きの女子生徒もいて、学校の理事長もいて、自分の先輩もいて、とにかくいろいろ……

screenshot.27.jpg

日記は連続していなくて、途切れ途切れで、ありすは読めるところだけ読める。最後はこの男が理事長に正体を見破られて討伐されて終わる……ありすはわけがわからず、日記を持って日記に出てきた本人たちに聞くが、みんなこの男を知らないと言うし、ましてやこの男とヤるなんてありえないと言う。でも彼女たちは、日記の中の自分についてのプライベートな描写の多くは事実らしいとも言う……理事長はこの本を『魔女こいにっき』(魔女恋愛日記)と呼ぶだけで、他のことは何も言わない。実は何も知らない……ただそれだけ。

screenshot.99.jpg

じゃあこの日記は誰が書いたのか。そこで日記からピンクのドラゴンが飛び出してきて、バラゴンと名乗り、ありすを連れて、ありすが空を飛ぶ魔女になって、この日記に散らばった他の篇章を一緒に探そうと言う……

そしてゲームは、ありすを一人称視点にして、毎晩あのピンクのドラゴンと一緒に失われた日記を集める物語に入っていく。ここからがゲームの厄介なところの始まりだ。

何が厄介かというと、日記を一部分集めるたびに、その部分の日記の物語を読まないといけない。「物語の中の物語」というわけだ。物語を読み終わると元の世界に戻るんだけど、しばらくポカンとするかもしれない……物語の中の世界に出てくる人が、元の世界にも出てくるからだ。両者は同じ世界観で、絶えず行き来していたら頭がおかしくなるのは間違いない。ちなみにこれはまだ入門モードで、この後に Hard モードもある。

screenshot.302.jpg

集める日記の部分はこのゲームの分岐ルートで、ありす以外の何人かの攻略ルートに対応している。全体の物語を繋げてこそ、最初にヒロインが読んだあのエロ小説みたいな日記の全体の物語になる。もちろん、繋げるのはそんなに簡単じゃない……一つ一つ読んでいかないといけない。


//物語 1 - 開始

まずはあの日記の物語の始まり。主人公は西方の砂漠の国から来た龍……の幻影で、不老不死の精神体みたいなものか? 「物語を実体化する」能力を持ち、「魔女恋愛日記」を手にして、日記に書いたことがすべて日記の通りに進む。最初に主人公はこの土地に降り立ち、土地の領主の娘と出会う。二人は意気投合し、さらには恋に落ちる。主人公は時計塔を建てたい、ここに学校を作りたい、自分の理想の国を作りたいと言い、領主の娘は同意する。そこから悲劇が始まる。領主の娘は他へ嫁がされ、主人公は龍の幻影であり、同時に主人公が日記に書いた領主の娘との恋物語も終わる。物語が終わると、ヒロインは主人公を忘れてしまう。この設定はな……『紙の上の魔法使い』をやった人に見てもらったほうが馴染みがあると思う。その後、二人の感情はそのまま終わり、領主の娘は主人公を覚えていないけど、自分が時計塔を建てるべきだとか、学校を作るとか、村の建設をしっかりやるとか、そういうことは覚えている……なぜそうするのかはわからないまま。これが実はこの町の起源と由来なんだろう。

screenshot.244.jpg

主人公は不老不死の龍の幻影なので、ずっとここをさまよっている。何年経ったか、おそらく数百年?

screenshot.246.jpg

数百年後、次はあの日記に書かれたナンパの数々。元の日記にはナンパのことしか書かれていないけど、実際はもっと詳しく、主人公は付き合ったヒロインそれぞれと恋をしていて、その後、恋が消えたことでヒロインに忘れられる。

screenshot.68.jpg

その中で柏原美衣と恋に落ちる物語は、彼女が自己表現して写真を撮りデビューする勇気を実現させる手助けをする(柏原美衣の攻略ルート)。

screenshot.83.jpg

そして周防聖との恋は、彼女が親に捨てられたという心の傷から抜け出し、最終的にかつて自分を捨てざるを得なかった母親を受け入れる手助けをする(周防聖の攻略ルート)。

screenshot.358.jpg

加藤恋という映画好きの小さな女の子との恋は、彼女が親との関係をうまく処理し、自信を取り戻す(加藤恋のルートはあまり印象に残ってない。セックスがすごく直接的だったのだけ覚えてる)。

screenshot.115.jpg

そして先生、梢あけみとの恋は、先生が夜の店の女オーナーの私生児であることや、実の父親に会いたいという願いを解決する(先生ルートはちょっとアレ。高校教師が夜の店で陪酒のバイトなんて見たことあるか? いや、もしかしたら本当にいるかもしれない)。

screenshot.209.jpg

最後は学院長の時計坂零との恋。もちろんここまで来ると物語はほぼ終わりで、時計坂零の物語は最後の陰謀との対決になっている。学院長の時計坂零には時計坂カノンという妹がいて、その妹の本体は最初にここを創設した領主の娘の魂が憑依したもの。領主の娘は代々数百年にわたって憑依を繰り返し、主人公が再び現れるのを待ち、主人公を消そうとする。なぜなら主人公はいつも魔女恋愛日記で自分と女たちの恋やセックスを書き、最後には女たちに忘れられて一人だけ無事に逃げる話を繰り返しているからだ。物語の最後は憑依した領主の娘が打ち負かされ、この話は終わり、全員が主人公を忘れる……主人公も魔力を使いすぎて眠りにつき、おそらくずっと後に龍の姿で再び目覚めるのだろう。

screenshot.434.jpg

その後、数年後に主人公が目覚めると、そばに藤田崑崙という女の子が自分を待っていることに気づく。崑崙は主人公が龍の幻影であり、自分が従う王だと言う。主人公は前に学校でこの崑崙を見かけたけど、ほとんど話したことはなかった。崑崙は主人公が日記を書けて他人と起こる物語を変える能力を持っていることを知っていて、再び目覚めたことを歓迎する。そして、主人公は昔、砂漠のどこかの王国の王で、話やホラを吹くのが好きで、よく国民に未来の美しいビジョン(チャイニーズドリーム?)を語っていた。同時にこの王は永遠に動き続ける時計塔を作りたがっていて、物理的永久機関が作れないなら全国の魔法使いを集めればいいと考えた。しかし集めている途中で国が回らなくなり、あちこちで反乱が起き、王が若い頃に吹いたホラや語った美しいビジョンは何も実現せず、追放されてしまう。砂漠に追放された王は東へ行けば必ずオアシスがあると言い、オアシスには大きな都市があって、街には通りがあり学校があり時計塔があり、時計塔には魔法があって永遠に回り続ける(永久機関みたいなものだ)と言う。しかし長く歩いても見つからず、まだ砂漠の中。多くの人が絶望する中、王はそれでも前方にオアシスがあると信じていた。王の王妃だけが「もう少し歩けば着く」と応じ、他の誰も信じなかった。そこで崑崙が、あなたに魔法の力をあげようと言い、一冊の本を取り出す。「龍の書」だ。これを使えば、自分が語った物語や吹いたホラをすべて実現できるが、代わりに自分は「右拳で天を開いて龍に化身し、山河を再び動かして裂け目を埋め、東の日の出を調整して時空を戻し、洪荒に戻って支配し操作する」などなど、とにかく使った後は人間ではなくなって龍の幻影になるが、魔法の力を得る……

screenshot.482.jpg

だから主人公は王としてこの「龍の書」を使い、その後の物語は彼が自分とともに追放された従者たちを連れてここへ飛び、ここがその王の追い求めた「オアシス」になり、あの領主の娘と出会い、最初の一連の物語が始まる。崑崙は主人公に、愛すべき人がいて、その人を愛することで龍の幻影から解放されると告げる。

screenshot.511.jpg

そしてこの物語の途中で、主人公は王として崑崙と一時期恋に落ちる。崑崙は勝手に日記を書き換え、日記の中で主人公が恋する人を自分の名前に変え、告白して自分が主人公を好きだと言い、自分こそが主人公がずっと愛し追い求めるべき人だと告げ、主人公は彼女と恋人になる。まるまる一本のルートを熱く過ごす(当たり前だ、個人ルートが熱くならないわけがない)。最後に崑崙は、自分の私心で主人公を騙したと白状する。主人公が本当に追い求めているのは崑崙ではなく、アリスという別の人だと。

screenshot.395.jpg

早くアリスを探しに行ってと。

物語 1 - 終了//


こうしてありすは箒に乗ってあのピンクのドラゴンと集めた散らばった日記が完成した。全体は、ある砂漠の国の王が追放された後、魔女から魔法の力を得て自分のオアシスを実現したけど解放されず、最初の目的を忘れてしまった、という物語。

そしてありすは驚く。なぜこの日記に他のキャラが出てくるのはともかく、自分まで出てくるのか? 最後に崑崙が主人公にアリスを探しに行かせたけど、自分はありすで、二つの名前は同じ、ただ片仮名と平仮名の違いだけ。

screenshot.450.jpg

そこでありすはこの集め終わった日記を抱えて他の人に相談しに行く。みんなは笑って何も言わない。一人がうっかり口を滑らせる。「ありす、お前もうおばさんなのに、なんでこんなことするんだ?」

ありすは信じられない。自分はまだ学生の少女なのに、どうしておばさんなのか? あのピンクのドラゴンにどういうことか聞くけど、ピンクのドラゴンも何も言わない……ありすに自分で思い出せと言う。ありすは思い出せず、倒れてしまう。そして目覚めると病院のベッドの上で、看護師が「この人は体がまだダメだね、孫も見舞いに来ないし」と言っている。

ありすは自分がおばあさんだったという事実を受け入れる……もう70歳か80歳近いかもしれない。でもなぜ自分はいつもまだ少女だと思うのか?

screenshot.453.jpg

これには第二の物語が必要だ。


// 物語 2 - 開始

第二の物語の始まりはゲームの場面に挿入されている。つまり、第一の物語の断片を集めるのと同時に第二の物語も提示され、二つが交錯する。だからこそ簡単にポカンとなるのだ。この二つの物語は同じ世界設定で、同じ人物たちだが、一部の人は役割が変わっている……

この物語の篇章の名前はゲームがヒントをくれる。Cinderella Story、つまりシンデレラの物語だ。実際この物語は確かに伝統的な「シンデレラ」を改変したもので、主人公はやはりありす。ただありすはこの物語では孤児になり、養母に引き取られ、三人の姉もいる。養母は三人の姉と引き取ったありすを連れて理髪店を開き、ありすは家事を一手に引き受け、養母の仕事も手伝わされる。仕事が忙しくないときだけ学校に行けて、普段は学校にも行けず、家で仕事と炊事だけ、三人の姉にいじめられ、養母に見下される。ある日、ありすが学校に行くと、学校に「王子」が来たと聞く。王子は桜井たくみといい、ハンサムで金持ちで、この町で巨大な美容院を経営している。桜井たくみは初日にありすと出会うが、ありすはこの王子を全く気にせず、むしろこの王子は髪が長すぎて散髪が必要なんじゃないかと言う……ありすの突然の無礼がこの高慢な「王子」の注意を引く。そして王子はありすの家に難癖をつけに行くが、ありすはやはりこの王子を相手にしない。王子はイキって、自分の美容院で町中の美しい娘を招待する舞踏会を開くと宣言し、ありすも含まれる。しかしありすは養母と姉たちに外出を許されず、留守番をさせられ、姉たちは喜んで出かけていく。次にありすは魔法使いと名乗る人に出会い、ドレスをもらい、車で舞踏会に連れて行かれる。舞踏会でありすは王子に一目で気に入られ、軽薄な王子はその場でありすを押し倒そうとする。ありすは驚いて王子を突き飛ばし、平手打ちして振り返らずに逃げる。

screenshot.230.jpg

その後、王子は舞踏会で出会ったあの娘をあちこち探すが、ありすだとは覚えていない。ドレスを着ていたほうが本人よりずっと綺麗だったからだ。最後には王子は見つけるが、見つけた後で逆にありすに顔に泥を塗られたと言い、復讐すると言い、いっそありすの家の理髪店を買い取り、ありすを店長にして、自分もそこに住み込んで一緒に暮らし、彼女を怒らせてやると言う。

結果の展開はもうわかるだろ。二人は日久しくして情が生まれ、ありすはこの金持ちの若旦那の王子もそんなに悪くないと思うようになり、王子もありすを愛するようになり、二人は告白し、結婚し、夫婦になる。しかし王子はありすに、自分は実は本当の人間ではなく、遠い国から来た王子で、国王の富を持ってここに根を下ろしたと告げる。彼は龍であり、魔法使いでもあり、幻影でもあり、「物語を語る」魔法で現実に影響を与えられるが、魔力の損失も受ける。一番大事なのは、主人公は人間ではないので老いず、ありすとの間に子供も作れない。

screenshot.443.jpg

ありすは気にせず、二人はそのまま夫婦になる。それから60年以上が過ぎ、ありすはもうおばあさんになり、王子の桜井たくみは若いまま。ありすの隣の男は孫だとさえ思う人もいる。

もちろん、この王子はありすを捨てず、ずっと一緒にいる。ある日、ありすは学校を見に行きたいと言うが、翌日突然倒れ、目覚めるとありすは認知症と診断される。彼女はまだ自分が17歳の女子生徒だと思い、学校に行くと思い、子どもの頃の遊び仲間がいるとも思う……

screenshot.535.jpg

一番大事なのは、ありすが王子のことがわからなくなり、王子を見ると龍だと言って、精神がおかしくなりそうになる……

王子はどうしようもなく、学校に連絡し、ありすの友人やありすが通りの知り合いに連絡し、多くの人を集めてありすの子どもの頃の遊び仲間を演じさせ、通りの人たちにもありすに合わせて演技してもらい、彼女に毎日学生時代を過ごしているかのように思わせる……王子は約束した、ありすはおばあさんだけど問題ないはずだ、みんなが合わせさえすれば。

そして王子はもうありすの前に現れられなくなった。ありすはまだ自分は学生で、王子とは出会っていないと思っているから。

しかし王子は諦めなかった。少し魔法を使って、一つの物語を創り出した……

自分を女子生徒だと思い込んでいる、もうすぐ80歳のありすは、自分の学校生活を始める。周りの人はみんな彼女に合わせて演技している。ある日、このありすは学校の時計塔で一冊の日記を拾う……『魔女恋愛日記』だ。日記には桜井たくみという男性の生活が記されている……男性はその中でいろんな人と恋をし、セックスし、などなど。しかし日記は欠けている……ある日、日記が光り、ドラゴンが飛び出してきて、バラゴンと名乗り、ありすを連れて散らばった日記の欠片を探しに行くと言う……

日記の欠片の先で、ありすは思い出す。自分はすべて幻覚だったのだと……

screenshot.538.jpg

日記の中のあの主人公は、実は自分の夫で、自分はもうおばあさんで、認知症で夫を忘れてしまったから、夫は魔法を使って仲間を集めて一緒に演技し、ただ自分に彼を思い出してほしかっただけだと。

それでも、ありすは目を開けると病院のベッドの上で、主人公の桜井たくみ、つまりバラゴンが再び現れ、ありすを最後の晩餐に招待する。

晩餐会で、もう年老いたありすは多くの旧友に会う。自分に合わせて演技した学生たちにも、主人公の桜井たくみにも。ありすは自分の人生を振り返る。あの王子と出会ってから、王子と結婚し、美しい60年を過ごし、自分は認知症になり、自分の夫、つまり王子は今でも自分のためにこんなに困難で偉大なことをしてくれた。自分は幸せだと。

幸せなありすは最後に家に戻り、甘く眠りにつく。翌日、看護師が見に来ると、彼女はもう目覚めなかった。命は幸せの中で終わりを迎えた。

// 物語 2 - 終了


もうわかると思うけど、「物語 1」は「物語 2」の途中の物語で、「物語 2」は「物語 1」の上の層で、両者は包含と被包含の関係だ。

しかしゲームにはさらに絡み合った物語があり、シンデレラありすが両親を失う前のもう一人の少年との物語や、回想の中の別の物語などもあって、自分で掘り下げられる。

公式もこのゲームの時間軸についておおまかな表を出している……

34e90b44ebf81a4c03abe88fd12a6059242da631.jpg

ただ、この表は間違いが多いと思う。物語の中には「物語の中の物語」もあって、単純に一つの時間軸では表せないから……

45c45e1b0ef41bd57688ecb257da81cb3bdb3df3.jpg

そしてゲームをまとめると、男の子が女の子を好きになり、二人は長く連れ添い、女の子は老い、認知症になって男の子を忘れ、男の子は自分のやり方で一つの物語を書き、認知症の女の子に再び自分を思い出させる、感動的な童話色の物語、ということになるだろう。

しかしゲームにはまだ解明されていない疑問が多すぎる……

ゲームの挿入される回想の中で、無限に主人公の桜井たくみの正体、ジャバオックが現れる。

ゲームは絶えず言う。主人公は龍であり、魔法を使う龍であり、「物語を語る」ことができ、語った物語を魔力で具現化して現実にでき、物語は「魔女恋愛日記」に記録される。

ゲームは絶えず言う。主人公は西方の遠い砂漠の王であり、後にジャバオックという名の龍になり、さらに幻影になった。

ゲームは絶えず言う。主人公はかつて王で、後に国を追放され、砂漠を歩き、オアシスを探したが見つからなかった。

そしてゲームは章を切り替えるたびに、いつも砂漠の中の小さな町が現れ、町にはあの最もよく見る時計塔があり、町全体が虚無のようだ。

screenshot.298.jpg

ゲームは何かが欠けているのでは? 解明されていないのでは?

ゲームのエンディングを迎えたあと、タイトル画面でしばらく放置していると自動的にあるシーンに入る。主人公・桜井たくみが再び目覚めるのだが、目覚めた町は人影もまばらで、荒れ果てていた……桜井たくみは探しまわってようやく知り合いを見つけ、二人でここを探索し始める。

「芝居が終わったあとの、空っぽの舞台みたいだな」——誰かのそんな言葉が主人公の記憶を呼び覚ます……

町全体がずっと薔薇色のままだ。誰かが言っていた。恋愛日記の中の物語は、きっと全部薔薇色なんだと。

主人公は考え始める。これまでの一連の物語を思い出す。「物語1」、そして「物語2」……しかし、自分はある人物を忘れているような気がする……

アリスという人物だ。南乃ありすではなく、アリス。もう一人のアリス。

screenshot.547.jpg

その前にゲーム内ですでに説明があった。主人公は自分をジャバオックだと強調し、ヒロインの名前はアリス。ジャバオックはジャバウォックに対応し、英語名は Jabberwock、中国語訳は「杰伯沃基」らしい。対応する文学作品は『鏡の国のアリス』。

偶然にも、ヒロインの読み方もアリスだ。

これはゲームからの暗示。もう一つのエンディングがあり、最後の秘密を解き明かせる。それが最後の物語、「物語3」だ。


// 物語3 - 開始

ジャバオックは西方のとある砂漠の国の王だった。弁舌巧みで、三寸不爛の舌で欲しいものすべてを手に入れた。金、女、そして自分に従う臣民。巧みな言葉で毎日女を変えていた。美しいビジョンを語り、民衆に国の未来は明るいと信じさせ続けた。話術でさまざまな富を手に入れた。

王は言った。永遠を象徴する、決して止まらない時計塔を建てると。王は職人を呼んだが、職人は無理だと言った。永久機関なんてない。そこで王は魔法使いを探し、大勢の魔法使いを集めてこの「決して止まらない」時計塔の建設を始めた。しかし塔が半分ほど建ったところで、自分の国に先に問題が起きた。

民衆が王に対して抗議を続けた。口先だけは達者だが、何も実現していない……語った美しいビジョンは全部デタラメだと……

王は繰り返し強調した。美しいビジョンは必ず実現すると。もう少し時間をくれと。しかし民衆にそんな忍耐はなく、この王を信じる気も失せ、団結して王を国から追放した。家臣も、集めた魔法使いたちも一緒に。

王は家族と魔法使いたちを連れて砂漠を東へ進んだ。前方には必ずオアシスがあると繰り返し言った。オアシスを見つけたら新しい国を建て、もっと富が生まれ、自分は必ずあの「永遠を象徴する」時計塔を再び建てると。

王は言い続けた。前方には必ずオアシスがあると。さらに東には島国があり、そこが最も住みやすい場所で、未来には必ずそこへ行くと。

しかしどう言おうと、一行はまだ砂漠の中……

家臣も魔法使いたちも苛立ち始め、この王の言葉を信じなくなった……

「私は信じています、この先に必ずオアシスがあります」王の王妃が口を開いた……

「私も信じます。そこへ行ったことがありますから」もう一人の魔法使いが言った。

この王の王妃はアリスといい、魔法使いは藤田崑崙といった。

結局、王は砂漠を抜けられなかった。そしてアリスは王がこんなに惨めになるのを見るに忍びず、藤田崑崙を呼び、全員の魂を本の中に吸い込む魔法の書を作ってくれと頼んだ。

「魔法の書に吸い込まれた魂は魔法使いになるのでしょう?王はあんなに物語が好きなのに、一つも実現しなかった。魔法の書の中なら、どんな物語を語っても実現する魔力を与えてあげて」

「誰かがこの魔法の書を読み続けさえすれば、書の中の魂は死なないわ。大丈夫、私が読む」王妃アリスはこの本を読むことを決意した。「王はきっとこの本の中で自分の物語を書き続ける。読んでいてきっと面白いわ。彼には恋愛物語を書き続けさせましょう」

screenshot.549.jpg

藤田崑崙はこの本を作るのは問題ないと言った。作成後、王妃アリスは新たな条件を出した。

「王にこの本の中で私を忘れさせて」

「なぜ?」藤田崑崙が言った。「あなたは彼のことが好きなのでしょう?彼に誰と恋愛させるの?」

「彼に私を忘れさせて、それで他の人との恋愛物語を書かせる。私は傍観者として読む。面白いでしょう?」アリス王妃はすでに少し狂気じみていた。「どうせ彼は私を王妃に娶ってから愛してくれなかった!」

screenshot.551.jpg

こうして王が魔法の書に吸い込まれ、物語が始まった。最初はさまざまなヒロインとの恋愛物語。アリス王妃は一通り読んで、不機嫌になった……特に物語の中の藤田崑崙がこっそり主人公に、アリスという女が存在すると示唆し、思い出してほしいと願っているのを見て。

「彼、私のことを少しも思い出さない。それに、あなた、物語の中で彼に私の名前を思い出させるなんて!」アリス王妃は発狂し始めた。「まあいいわ、思い出させたなら。さあ、物語を書き換えて、本当のヒロインを登場させて。ヒロインの名前もありすよ」

こうして主人公はヒロインありすと添い遂げるシンデレラ物語を書いた。

アリス王妃はそれを読んでかえって嫉妬した。日記の中のヒロインはアリスと同じ読み方だが、主人公が愛しているのは自分ではないようだった。

アリス王妃はさらにさまざまな要求を出し、藤田崑崙に自分を主人公と恋に落ちる設定にさせた。アリス王妃は自分の男が他の女と交わるのを見て、病的なNTR快感を味わった(マジで変態だな)。

screenshot.555.jpg

しかし物語がどう進もうと、主人公は自分が王であり、アリスという王妃がいたことを思い出さない。アリス王妃はかえってそれでいいと思った。主人公はずっと日記の中をさまよい続ければいい。物語を際限なく書き続け、王女はずっと読み続ける。恋愛物語の主人公が自分でなくても、読んでいるうちに自分だと思えばいい。

ついに崑崙は見かねて、この物語は終わらせるべきだと考え、物語の中の主人公に強制的に真実を思い出させた。自分は実は魔法の日記に吸い込まれた魂であり、シンデレラも学校もヤリモクもなく、すべては物語だということ。自分はあの砂漠で現実から離脱した……ずっと魔法の書の中で物語を書いていて、それを読んでいるのは自分の王妃だということ。

主人公はついに王妃と向き合った。王妃はまだ主人公の物語に耽っており、主人公の恋愛はいつも美しく、まるで自分と恋愛しているようだと思っていた。

screenshot.563.jpg

主人公はきっぱりと言った。自分はもう王妃を愛していない。創り出した物語は、たとえヒロインの名前がアリスでも、彼女とは何の関係もない……

しかし王妃は病的に信じなかった。もはや完全に狂っている。彼女は主張した。読んでいるのは自分だ。どう理解するかは自分次第。物語の中のヒロインが自分だと思えば、それは自分なのだと。

そこで主人公は残酷なことを言った。王妃はついに泣いた。

主人公は言った。「もういい、泣くな。君を愛することはできないけれど、最後の言葉だけは言える」

Shit.jpg

おっと、言い間違えた。

実は主人公が竜に化身して咆哮を放ち、ゲームはそこで終わった……

// 物語3 - 終了


というわけで、このゲームの物語をもう一度見てみよう。第三の物語は最初の二つを完全に包含しており、最初の二つの物語が第三の物語の中の夢であることを示している。

「物語3」は真実の物語。「物語2」は「物語3」の中で主人公が語った物語。そして「物語1」は「物語3」の中で語られた「物語2」の中で語られた物語……

つまりこのゲームの本当の物語は「物語3」だ。国を追放された王が砂漠で渇き死んだ。その王妃が魔女に頼んで日記を作らせ、王の魂を日記に吸い込み、毎日その日記の中で自分の男が他の女と恋愛する幻想を読み、それを自分との恋愛だと思い込み、ついに狂気して病的になるまでの話。


では、このゲームをどう評価すべきか?

個人的には、評価すべき点は多い。作画は狗神煌と白もち桜の力添えがあり、萌え系の画風は可愛くないとは言えない。作曲音楽は水月陵+樋口秀樹の強力タッグで、最近聴いた中では最高のゲーム音楽だ。もちろん、樋口秀樹が水月陵を圧倒できることも発見した。水月陵の作曲は『時計仕掛け』以外は、あの壊れたピアノを適当に押しただけの穴埋め程度に感じる。一方、樋口秀樹はゲーム内の重要曲で雰囲気を際立たせており、特に時計塔のBGMは映像が浮かぶほどで、稀有な佳作だ。

次にこのゲームの物語展開について。まず言えるのは、構造がヤバいということ。この日記の着想だけで十分ぶっ飛んでいる。二重の物語の中の物語で何度も反転を実現しており、じっくり考えないとこの枠組みは思いつかない。ゲームは本質的に「一本道」、つまり単線だ。他のヒロインの攻略ルートも「物語の中の物語」として提示され、すべての物語を一本のルートにまとめられる。あの「第二のエンディング」も元の物語と噛み合っており、挿入された時点を元の物語に統合できる。

screenshot.4.jpg

このゲームのルートはパズルのようだ。最初の全体の物語から、断片を少しずつ集め、最後に完全な物語へと組み上げる。この感覚は最高で、今まではつゆきさくら以外にこんな体験をさせてくれたゲームはない。もちろん、はつゆきさくらの企画もこのゲームと同じく新島夕だ。

そう、掲示板の小学生でも知っている。新島夕だよ……また新島夕かよ。すぐ主人公を殺し、ヒロインを殺し、最後に愛し合いながら一緒になれないあいつ。おかげでみんな、彼を見るたびに「心温まる」とか言い出す。虚淵玄と同じで、見かけたら「癒し」って言う。

正直、何年も経って、虚淵玄への評価はどんどん下がっている。そして多くのゲームを遊んだ今、新島夕への評価はどんどん上がっている。

調べたところ、ゲームの物語は企画者に制限される。新島夕が企画に参加したゲームは、大体『ナツユメナギサ』、『はつゆきさくら』、そしてこの『魔女こいにっき』だ。他のゲームでは彼はただのライターで、他人の企画に沿って書いている。自分が企画に参加したゲームだけが、本当の物語の自主権を実現している。

彼が企画に参加したゲームの多くは、伝統的なハッピーエンドではなく、生離死別や悲劇的な展開で感情の尊さを浮き彫りにし、悲愴な物語でキャラクターを塑造する。それは間違っていないと思う。考えてみてほしい、はつゆきさくらの小坂井綾、『魔女こいにっき』の藤田崑崙やありす。キャラクター塑造としてはすでに成功している。そして彼は主人公を、外見は強がっていても中身は無力なクズ、表面的には威張っていて強気だが、内心は非常に弱く、敗者であるように描くのが好きだ。

screenshot.93.jpg

河野初雪がGhostの王として暴れ回っても、ただの偽のGhostChildだったように。『魔女こいにっき』の桜井たくみも、物語の王であり竜で、物語を創造できるが、他人との感情は決して果てに達しない。物語が終われば彼は消える。あのGhost Childと同じで、春が来ればいなくなる。

『魔女こいにっき』の物語は長く、要素も多い。主人公は物語の中でいくつもの身分を持ち、多くのことが起こり、多くのキャラクターが登場する。しかしゲーム中で繰り返し強調されるいくつかのものを通して、人生や気づきに関する多くの要素が見えてくる。

イケメンで金持ちで口がうまいのに、恋愛が何かわからない

物語の主人公・桜井たくみは、たいていの場合、金持ちの御曹司だ。金があり、顔も良く、話し方も巧み(本当に巧みで、見ていて呆れた。ナンパのフレーズをたくさん覚えた)。女を口説くのに一日以上かけたことがなく、夜に道端で声をかけて家に連れ帰りヤリモクも簡単に成功、キャバクラで一掷千金して好き放題。しかし付き合った女たちとは、感情があったとは言えない。そしてこの物語の中では、悪魔のような悪役として消される。

screenshot.377.jpg

もう一つのシンデレラの物語で、桜井たくみはようやく恋愛の意味を悟る。すべての女が美貌と金に服従するわけではない。口先の言葉は耳に心地よくても、何かを意味するわけではない。本当の愛は長く寄り添うこと、blah blah blah……ああ、陳腐だけど、これが本当に見つからないんだよな。俺もお見合いで吐きそうだ……本当にない。

私の好きな人が私を好きじゃない

「私の好きな人が私を好きじゃない」はゲーム中で何度も出てくる言葉だ。何人ものキャラクターに現れる。アリスの学校の女友達は好きな男の子に好かれず、崑崙は主人公が好きだが主人公は彼女を好きにならず、最後の王女アリスも自分の王を好きだが王は彼女を愛さない。

ゲーム中にこんな例えがある。「もしあなたを振った男の子が、もう一度付き合いたいと言ったら、承諾する?」

最初その女の子は考えた。「私はあなたのせいで傷ついた。もう一度付き合ったら、また傷つくんじゃない?」

screenshot.332.jpg

でも最後にその女の子は手放すことを選んだ。恋愛なんてそもそも傷つくもの。傷つくのが怖くて逃げていたら、人生に幸せなんて永遠に来ない。

なんだか自分が殴られた気分だ。

物語の形

ゲーム中で何度も「物語」という言葉が出てくる。この言葉は不思議だ。日本語には「言霊」と「物語」の概念があり、言葉には神が宿り、物事は物語を語るという感覚がある。対応する中国語や英語は少し違う。「故事」も「Story」も、過去に起きた出来事の記録に近く、「物語」が持つ深みを失っている。

ゲーム中で「物語」に姿があるとしたらどんな形か、という話があり、崑崙は「竜」の姿を挙げた。

screenshot.465.jpg

「物語」は多様で、さまざまな形態に変わる。竜と同じく伝説上の生物で、実在を見た者はいないが、存在しないとは否定できない。虚無的で、儚く、実体はないが、現実に多くの人に知られている。

ゲーム中の主人公と同じように。


ああ、振り返ってみると、ゲーム中の物語は説教臭くはない。読み終えた後、「多くを感じた」が「多くを要約する」のは難しい。これが入り組んだ物語の魅力なのかもしれない。

ここからは別の話題を……

ご覧の通り、『魔女こいにっき』の物語全体は幻想で、すべての物語は日記に閉じ込められた主人公の魂が語ったものだ。予想通り、多くの人が騙されたと感じ、特に「新島夕」の三文字が加わると、その嘆きの声も飛び出す……

しかも多くの嘆きは悪意に満ちている。例えばあの恋×シンアイ彼女、新島夕は企画ではなく脚本の一人に過ぎないのに、多くの人が物語全体の責任を新島夕に押し付ける。彼が脚本を書きたくなくなったのも無理はない。

多くの人がゲームの最後の結末を、「新島夕」がわざとプレイヤーにクソを食わせたと解釈する。せっかくの「おばあさんのために童話を語る」恋愛物語なのに、最後にそれが偽りだと告げるなんて、故意に傷つけているのかと。

screenshot.50.jpg

もう一つの解釈は、このゲームをメタゲームと見なし、ゲーム中に「プレイヤーを罵倒する」行為があるとする。ゲーム中の主人公は一人の女を落とすとすぐ次に変え、前の女をきれいに忘れる。これこそギャルゲーマーの写照ではないか!

特に物語の最後、王妃アリスは恋愛日記を抱え、中で主人公とヒロインが恋愛するのを見て、ヒロインは自分だ、恋愛しているのは自分だと思う。主人公が自分とは何の関係もないと明言しているのに、わざわざ解釈して、まるで狂人のようだ。これこそ、ギャルゲーをプレイして自分が恋愛していると信じ込み、画面の中の女に向かって「嫁」と叫ぶオタクではないか?

screenshot.16.jpg

聞いた話では、批評空間に日本人が3000字の感想を書き、書きながら自分がギャルゲーを遊ぶ罪深さを感じ、このゲームがよく人を教育してくれた、ゲームの物語の中の女の子を軽視してはいけない、などなど。間接的にこのゲームが「ギャルゲーを遊んで一作ごとに嫁を変える」プレイヤーを風刺しているようだと言う。

俺が言いたいのは……

お前ら病気かよ?

この記事の最初に言ったことを覚えているか?

私はいつも、キャラクターは物語によって豊かになり生き生きとするもので、単独のキャラクターのために何かしたことはないと考えている。醜いオタクが勝手にゲームのキャラを嫁にし、脚本家が殺せば殺害予告を送り、物語の中で他人の物語に耽溺して抜け出せない悲劇のキャラを見て、自分から銃口に飛び込んで傷ついた気になる。

おいおい……どのキャラに感情移入したって言うんだ?

screenshot.475.jpg

主人公か?主人公は金持ちで顔良しで口がうまい。エロゲーを遊ぶお前にどれが当てはまる?そもそも男は金持ちで顔良しで口がうまければ、一日で女を変えることだってできる。そんな奴はいくらでもいる。世界は広く、デブオタクの視野は狭い。ダゲールの旗でも見てこい。ヤリモクの男も、毎日女を振る男もいくらでもいる。金持ちイケメンの主人公が女を玩ぶ設定を作ったら自分を風刺していると?風刺するかよ、自意識過剰すぎるだろ……

一万歩譲って、このゲームの主人公は名前変更できない。どこに感情移入するんだ?桜井たくみは桜井たくみ、お前はお前だ。

もう一つは何だ、アリスが勝手に日記の中の恋愛物語のキャラを自分に解釈することか?ゲーム中で何と言った?「違う人が物語を見れば違う理解がある」、だからお前が物語の中の人物が自分だと思うなら、そう思えばいい。それに物語の中でも説明されている、物語は物語だと。お前とは何の関係もない。無理に自己投影して、投影した挙句傷ついた気になるなら、主人公も「くたばれ」と言っている。

screenshot.565.jpg

時々、エロゲーを遊ぶ者として、馬鹿な意見を見ると、自分がこんな連中と同じグループだと思うのが恥ずかしくなる。このゲームは読んでいて恋愛に満ちた幸福感を与えてくれる。最後の展開も、存在する恋愛観のもう一つの解釈だ。

「恋愛の物語とは何か?男女が出会い、知り合い、恋に落ちる……それで終わり?」

「しかし本当の物語はそれだけではない。二人は結婚し、子を産み、さらには白髪になるまで添い遂げる」

「月日が経つにつれ、男の子は男になり、おじさんになり、女の子は女になり、おばさんになる。男は太り、女は老け、家庭の矛盾、子供の教育、金の出費、さまざまな要素が二人を当初のように愛し合わせなくする……」

screenshot.239.jpg

「最後に白髪まで添い遂げても、それは維持するだけかもしれない」

ゲームは二つの物語を使って、おばあさんとその夫が愛し合って一生を過ごす童話を描き、さらにもう一つの物語で、それはただの童話であり現実ではないと告げる。

screenshot.437.jpg

現実は残酷で、夫婦間の愛情は長く維持するのが難しい。最後には維持するだけになる……

これがゲームが伝えたかった真実なのかもしれない。恋愛は美しいが、ただの短い童話だ。

面白いことに、ある日本人がTwitterで新島夕に「このゲームはプレイヤーを風刺しているのか?」と質問した。

新島夕は正面から答えず、こう言った。「アイロニー的なものがあるのかもしれませんね。ひねくれてる時期ですので。」 (多分、皮肉な内容があるかもしれません。今はひねくれてる時期なので。個人の理解なので、間違っているかもしれません。文脈がないので。)

個人的には物語は物語だと思う。『魔女こいにっき』にも明らかな欠点は多い。例えばパズル式の展開は混乱しやすく、多くの脇役ルートは冗長でおかしい(メインライターは新島夕ではなく外注だろう)。しかし全体の枠組みは悪くない。ただ『紙の上の魔法使い』と比べると、厳密さや文学性ではより意識流的だ。前者ほど厳密ではなく、異なる流派の同じ構造スタイルの作品だ。

screenshot.524.jpg

もしかすると、ゲームEDの『永遠の魔法使い』の歌詞が言うように、巧みな言葉で物語を語れても欲しいものを得られず、すべてを捨てて永遠の中で永遠になることを求めるのかもしれない。

真実の愛は求め難く、たとえ出会っても一時の所有に過ぎず、求めると失うを繰り返す。真実の愛を求めて得られないすべての人が、永遠の魔法使いなのだ……

本家 plumz.me でこの記事にコメントする

コメントは中国語の本家サイトで受け付けています。このミラーは閲覧専用です。

目次