学生時代に「ペン回し」にハマっていた僕が、面白い小物を見つけた話
学生時代に「ペン回し」をやったことがある人は少なくないと思う。
少なくとも真似したことはあるはずだ。中学の頃、他人がボールペンを手に持って指でくるっと回し、ペン軸が指の間を舞うのを見て、めちゃくちゃかっこいいと思って真似してみた。もちろん結果はご想像の通り、あの頼りないペンは僕の親指と人差し指の間で180度も回らずに手から落ちた。
でもめげない。習うより慣れろだし、下手でも誰かが妊娠するわけでもないし、自分に影響があるわけでもない。どうせ暇なんだから、やらないよりやったほうが得だ。
そうしてそのうち、右手は字を書かないとき、延々とペンを親指と人差し指の間で弄ぶようになった。人は言う、日積月累の継続で習慣になる、と。そしてある日授業中、ペン回しに失敗してペンが床に落ちた瞬間、自分が知らないうちに40分以上も回していたことに気づいて、ようやく「ペン回し」という悪癖が身についたと実感した。
「ペン回し」にはいろんな議論がある……多すぎて何種類もある。
暇なときに動かすと指が器用になってIQが上がると言う人。パーキンソン病の予防になると言う人。ボールペンと万年筆を破壊する残虐行為で、ボールペンや万年筆を売る商人の陰謀だと言う人。そしてこれはクソ行為だと断言する人もいる……
IQが上がるってのは絶対デタラメだ。何年も回してきたけど、成績は中学から高校まで右肩下がり、上がるわけがない。パーキンソン病の予防は一理ある。でも学生のうちからパーキンソン病の予防を始めるって、小学生にコンドームを配るようなもので説得力ゼロだ。ボールペンや万年筆を壊して売上を伸ばすってのももっと非現実的で、SNSの陰謀論の匂いがプンプンする。最後の「ペン回しはクソ行為」については……それは先生が言った言葉で、彼の立場を考えれば一理あると思う。
それは高校の物理の先生だった。少しぽっちゃりしていて目が小さく、見た目はガーフィールドにそっくり。ある日の授業中、彼は突然話を止め、何かにうんざりした様子で深くため息をついた……
「みんな呀……」 下の生徒たちはぽかんとして、また抜き打ちテストかと思った…… 「ペン回しやめてくれ……ペン回しって、本当にクソなんだ……見渡すと教室中どこもかしこも回るペンだらけで、目が回るんだよ…………」
その瞬間、ペン回しも集まれば先生に巨大な視覚攻撃効果を与えられるんだと気づいた。しかし何の役にも立たない。誰かが号令をかけてみんなでリズムに合わせて回せば効果は最大化できるだろうが、明らかに非現実的だ。そもそもペン回しという行為自体が先生を狙ったものではなく、授業中の生徒たちが何となく退屈でやっているだけのことだ。
そう、「ペン回し」は特別なものじゃない。字を書かないときに手にペンを持っているのがつまらなすぎて、回して気を紛らわせているだけ。一部の人が暇なときに貧乏ゆすりをしたり、無聊に手をいじったり、キョロキョロしたりするのと大体同じ程度で、暇な体の器官を暇つぶしする行為にすぎない。ごく小さな行動習慣で、特別なものではない。
でも「ペン回し」の普及の広さは、大半の人が「暇なとき手に何か動かしていたい」ストレス発散と暇つぶしのチャネルを必要としている証拠でもある。大学の頃、ペン回し専用のペンを出して成功率と快適さを上げたら売れるんじゃないかと考えたことがある。
もちろん実際にやった人はいる。でもあまりうまくいっていない。「ペン回し界」ではそんな製品はペン回しの達人たちに蔑まれるもので、入門の素人を騙せるだけ。ハイエンドのペン回しプレイヤーの武器はいつだって自分で手をかけて仕上げたものだ。そうじゃないと手に馴染まない。
ペン回し専用ペンはダメかもしれないが、海外の小さなチームが別の道を考えて、面白いものを作った。fidget cubeだ。
これは設計がとてもシンプルで退屈。いくつかのギア、ジョイスティック、スイッチ、押すと「カチカチ」鳴る小さな鋼球。

この製品はまずKickstarterでクラウドファンディングを始め、すぐに世界中のネットユーザーの追捧を受けた。今はクラウドファンディング段階を終えてもなお、多くの人が予約に訪れ、もっと多くの人が自分の製品がいつ発送されるのかと問い詰めている……まったく気が短い。
で、これの何が役に立つのか?実は何の役にも立たない。ただの小さなブロックで、「暇で退屈したら押して遊びたくなる」あらゆるものをほぼ全部集約していて、持っていればいろいろ暇なときに手に持って押して遊べる。「カチカチ」鳴る音を聞きながら気を紛らわせる。
じゃあなぜこんなものがそんなに人気なのか?考えてみれば、かつての「ペン回し」と何と似ていることか……これはただの「暇な手に仕事をさせる」もので、何もできないし何も実現しない。でも大きな意味がある。
僕も一つ買った。もちろん公式サイトではなく、高くはないけど送料が製品本体に匹敵するので、万能なメルカリを選んだ。
メルカリではこれを売る店が多く、かなりがパチモノ。独自のルートがあると主張する店を見つけた。店主はKickstarterの製品は自分の工場で生産していると断言し、こんなに簡単で技術要素のないものは100%同じ正規品を作れる、自分が売っているのはそういう製品で、Kickstarterのオリジナルより色も多いと豪語した。
商品が届くと確かにオリジナルとほぼ変わらない。何日か使ってみて、自分がこの小さなものに徐々に適応していることに気づいた。
そう、「手放せない」でも「毎日使う」でもなく、なんとなく「適応された」という感覚。
この適応は昔のペン回しと同じ。知らないうちに手に持って押して遊んでいる。小さくて持ち運びやすく、ポケットに入れても場所を取らない。暇なときに手に握っていると知らず知らず押し始める。本来の製品コンセプト、ストレス解消と暇つぶしにかなっている。
たまに手に握って遊んでいると、これの位置づけって子供の頃に見たお年寄りが手に持っている健康ボールと同じなのかな、とも思う。暇なときに転がして遊ぶやつ。
もしかしたら僕らが年を取ったとき、手にあるのは大きな鉄の玉二つではなく、こんな小さなブロックのほうがいいのかもしれない。
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