めと音楽CDアルバム:ファーストインプレッション
めと:深遠なる庭園
ひとつ心残りがある。『紙の上の魔法使い』のゲームにOSTが発売されなかったことだ。
ゲームからOGG形式のOSTを抽出することはできるが、それはロスレスじゃない。実は自分でも一式抜き出したんだけど、tagに名前を打ち込むのが面倒で放置している。ずっとこのゲームはOSTを出すと思っていたら、ご存知の通り、何年も経って次回作が出るというのに、前作のOSTはまだ音沙汰なしだ。
ゲームの作曲者はめと。実はこの作曲家と脚本のルクルは初共演というわけではない。記憶が正しければ『運命予報をお知らせします』のBGMも彼だし、『紙の上の魔法使い』も彼、そして来月発売の『水葬銀貨のイストリア』の作曲者もやはり彼だ。
意図的なのか何なのか、ルクルとその仲間たちが関わったゲームはどれもOSTを出さない。『運命予報をお知らせします』ですら、当初は特典としてOSTを付けると言っておきながら、発売前にあっさり削除された……そして『水葬銀貨のイストリア』も特典で主題歌『アズライトの棺』が付くだけだという。
なので興味本位で作曲者めとの個人サイトを覗いてみたら、彼は実際ずっと音楽制作を続けていて、サイトで自分の作品のCDも販売していた。ならばパッケージ版を買って支援しようじゃないか、というわけだ。
(何枚かCDが紛れ込んでいるのは気にしないでください)
これらのアルバムは『深緑のエデン』、『Invert』、『夢みる少女の4つの終末』、『Piano Collection Ⅰ』、『Garden of vacancy 空白のガーデン』。うちピアノ曲集の『Piano Collection Ⅰ』はダウンロード版しかないので、実体のあるものは全部買った。
今はデジタル音楽の時代だが、自分の中にはどこか日本的な感覚があって、実体版があると安心するし、どこかクラシックな風格も感じる。
それからめと本人から直筆の感謝カードも同封されていた。

最初はeBayあたりのサンクスレターみたいに印刷されたものだと思っていたら、よく見ると、うわ、マジで直筆じゃないか。ちょっと感動した。
では音楽の感想を。
『深緑のエデン』はおそらく最もめとらしい完成アルバムだ。ただ他のインディー曲制作と違い、めとは男性ボーカルを起用している。
アルバム全体の曲調は名前の通り、エデンのような浮世離れした空気を醸し出し、静けさから始まり、中盤で波が動き出し、再び静寂へと帰る。頭から聴き通すと、まるで仙境でひととき遊んだかのよう。曲目のイントロClosed heaven -The Hanged Man-は『紙の上の魔法使い』のプレイヤーなら聞き覚えがあるはずだ。雰囲気が似すぎている……
『Invert』は3曲だけの小さなEPだが、めとの3つのスタイル、静けさ、緩やかさ、そして激しさをほぼ代表している。それに比べると『夢みる少女の4つの終末』のアルバムスタイルは『深緑のエデン』と大差ないが、完成度はこちらの方が高い。後の作品だからというのもあるし、ボーカルも女性を使っている。
最新の『Garden of vacancy 空白のガーデン』はアルバムのスタイルが変わっていて、より激しく幻想的だ。この感じは言葉にしにくいが、あえて言うなら『水葬銀貨のイストリア』のOPのようなスタイルに近いだろう。
『Piano Collection Ⅰ』のアルバムは、要するに他のボーカル入りアルバムから一部の旋律を抜き出してピアノで演奏したものだが、そのスタイルはとてもはっきりしていて、旋律の感傷的な雰囲気をより際立たせている。
めとという作曲者のスタイルはそれほど多様ではなく、ほとんどが緩やかな作風で、meis clausonとは正反対の路線だ。しかしめとのスタイルは非常に明白で、どうやら自分のスタイルをずっと貫いているらしい。
誰かが言っていたように、ひとつのことを突き詰めるのも良いやり方で、日本の音楽関係者の多くもそうしている。
めとの音楽はある夜、部屋の明かりを落として静かに聴くのが合っている。あまり邪魔をしない、BGMに最適な音楽だが、聴いた後、いつかどこかでその旋律をふと思い出すかもしれない。いつの間にか彼の音楽はあなたの内面に染み込んでいて、めとがよく使う楽園やgardenといったテーマと同じように、彼が作るのは静かで奥深い庭園なのだ。
追記:Spotifyで見つかるめとの曲をまとめてみた:
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