Lass は結局つぶれた

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Lass(通称クソ社)はなんでまだつぶれないんだろうとずっと言ってたけど、いざその日が来るとやっぱりちょっと戸惑う。

昨日 X(旧Twitter)を見てたら、桐月のツイートが妙に不可解で……

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それで日本のトレンドタグを見たら、Lass がしっかりランクインしてて、開いてみたら本当にクソ社は倒産していた……

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そういえば Lass にも全盛期があった。初期の『3Days』から、絶頂期の『11eyes』へ。11eyes はバカ売れしてグッズが次々出て、アニメ化までした。アニメはクソだったけど、それでも作品の人気を示してたわけだ。その後の没落は、個人的にはやっぱり作品の質が主な原因だと思う。批評空間では「僕はlassを信じます」みたいな信仰染みた書き込みを結構見かけるから、まあ僕が遊んだ Lass 作品をいくつか振り返ってみようと思う。

3Days

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某小学生が流行に乗って貼る掲示板の神器扱いされてたゲーム。まず面白い展開の仕方を提示してくる。Loop、いわゆるコピペレベルの Loop だ。もちろんクソ社が最初に使ったわけじゃないけど、『3Days』に関してはクソ社なりの特色を出してた。

その特色とは? 血腥さと暴力だ。

『3Days』にはグロ描写のオンオフ設定があって、心臓をえぐったり子宮を掘ったりする描写が結構ある。首チョンパの CG もあって、正直ビビったものもある。こういうホラー CG は小さい会社が目を引くために使うことが多いけど、当時の Lass だって小さい会社だったじゃん?

『3Days』のシナリオ自体に別に光るものはない。でも語れるネタは多い。過度なグロ、無限 Loop、そして最後の魔幻的な展開。ついでに世界観の下地もあって、実はこの下地が Lass の後の作品の基礎になって、『11eyes』成功の一因にもなったんだろうな。

11eyes

Lass 唯一の大ヒット作。まずグロ暴力描写は健在で、ただ『3Days』ほど露骨ではない。設定は『3Days』の後期世界観をほぼそのまま使って、さらに要素を補って多重並行世界、魔女と魔法、転生と再生みたいなファンタジー要素を加えた。設定の細かいところも日本の精神異常な考究勢に刺さった。あと『11eyes』は絵が『3Days』よりずっと良くなってた……

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良くなったってのは要するに萌えゲー寄りの画風になったってこと。「Lass」って言葉自体が美少女って意味だし、『11eyes』の成功は偶然じゃないと僕は思う。OP と ED の質がめちゃくちゃ高くて、彩音のあの曲たちは今でも普通に歌われてる。シナリオの進みは遅いけどテンポは良くて、最後の決戦の描写や多視点の展開は新鮮に感じたし、「11の目」というコンセプトにも合ってた。個人的に好きなのは後半の戦闘描写で、今でも超えられてないんじゃないかってくらい。ラスボスの BGM も今聴いてもいい。もちろんそれがどうしたって話だけど。だって多くの人は先にアニメ見てるわけで、アニメの戦闘があれじゃ……アニメ工房は戦闘に向いてないって逆に証明してるよな。

『11eyes』は Lass の世界観を大幅に広げて、大量の概念を引っ張り出した。ファンが wiki まで作って調べられるようにしたくらいで、少なくとも脚本が相当な設定厨だってことはわかる。ただ『11eyes』は掘った穴をかなり埋めてない。一番重要なのは「現代魔術」の概念で、実はこれを土台に「現代魔術」の戦闘を書いてもっとヤバい話にできたはず。でももう間に合わないんだろうな。現代魔術の設定は『11eyes』PSP 版の「虚空境界」編に含まれてて、主人公・天見修の父世代の天見完爾は Lass の他のゲームにもしょっちゅう出てくるけど、結局名前が出ただけだろ。

少女神域∽少女天獄

『11eyes』で大儲け。アニメ化、ファンディスク、コミカライズ。Lass は金持ちになって、でかいネタをやろうと決めてこれを作った。『少女神域∽少女天獄』。そしてご存知の通り、このゲームは前代未聞の失敗で、Lass 倒産の前奏曲になった。

『少女神域∽少女天獄』は理解するのがけっこう難しい。某・軽之国度の兄貴がゲームのスクリプトを解包して中身を見たところ、驚くべきものが見つかったらしい。つまりゲームの台詞スクリプトの中に、大量のコメントアウトされたテキストがあって、それが『少女神域∽少女天獄』の底層設定に触れていた。儀式の由来、各家庭の背景、なぜそうするのか、ずっと輪廻するのはどういうことか、みたいな。でもそれが全然ゲームの台詞に出てこないから、プレイヤーは遊んでも訳がわからない。実際『少女神域∽少女天獄』の設定背景は深くて、神や妖怪、宿命の輪廻を引用してる。大まかには、遠い昔から伝わる辺鄙な村の呪いを、毎年行われる残酷な儀式だけで呪いに壊されないように維持してる、という話。軽之国度の兄貴の原文はもう消されてるけど……

もちろん今でも見る方法はある:ここ。

Lass が何を考えてたのかわからない。宣伝の時点で『少女神域∽少女天獄』は全エンディング悲劇だと言ってて、OP も ED もあんなにカッコよくて、歌詞もゲーム内容に合ってたのに、なんでゲームをああしちゃったんだ? 発売時に設定解説本を一冊つけてれば、誰かが救ってくれたかもしれないし、他のプレイヤーに「これは地雷じゃない」って言えたはず。なんで自分から死にに行ったのか。

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だから『少女神域∽少女天獄』は年間最地雷ゲーと呼ばれて、クソ社も多額の借金を抱えた。絵師は出ていき、彩色は退職し、倒産寸前まで行った。

迷える2人とセカイのすべて

この作品から Lass は完全にこれまでと違う路線に走る。画風と彩色が大きく変わって、つまりもう萌えゲーとは言えなくなった。完全に抜きゲーの雰囲気。乳はどんどん大きくなり、表情はどんどんエロくなる。ただ暴力とグロはやっぱり欠かせないけど。

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『迷える2人とセカイのすべて』については別に語りたくない。本当に語ることがないから。ゲーム自体があれだし、脚本はなるべく過去の Lass 作品との繋がりを保とうとしてるけど、このゲームはどう見ても『World of Warcraft』みたいな中世ファンタジー風で、シナリオも普通、展開も退屈。上原あおいに「パパ」って呼ばれたいなら別だけど。多くのプレイヤーはこのゲームを『少女神域∽少女天獄』よりマシだと思ってる。でも……それまでだよな。『11eyes』を基準にするなら、残るのは失望だけ。

画風は『11eyes』ほど強くないし、シナリオも及第点。主流の萌えゲー審美に合わないから当然売れない。クソ社はこの作品で回復しようとしたけど、成功したとは言えないんじゃない?

中二社の回復作を見てみろよ。このクソ社、本当に肝心なところを掴めてないね。

乱れ雪月華 & Pure Marriage

『迷える2人とセカイのすべて』の後、Lass は借金返済のために抜きゲー小品路線に走る。つまりシナリオは短く、中身はエロい、オカズ用に売るやつ。結婚ものもあれば、忍者調教ものもあって、忍者調教のは二作出てる。最初の企画はけっこうイキってて、各ゲームを三つに分けて売るとか、ゲーム内にロックはなくて開けばすぐ抜ける、シナリオも見たいなら見れる、しかもシナリオは Lass の他のゲームの世界観とほぼ同じ blah blah blah。

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もちろん「ほぼ同じ」って言っても、要するに Lass の旧作の背景と BGM をかなり使い回してるわけで、内容もあれ。ただ、こういう小品抜きゲーを買う人は、奇抜な設定(例えば娘を抱く、母を抱く)か、画風(例えば涼香みたいな)を求めてるわけで、Lass は今どっちもない。誰に売るんだよ?

現状明らかに売れてないし、会社の業績も良くない。いい絵師も見つからないようだし、延命はまた失敗しそう。

Liber_7

Lass の絶唱だな。『11eyes』の後からずっと企画中で発売すると言われてた Liber_7 がついに発売された。結果はやっぱり残念……

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話は前よりはマシで、設定もなかなか斬新。ただスケールが小さすぎるし、ゲーム後半には明らかな尻切れトンボの痕跡が……伝説の現代魔術設定も擦り寄った程度でちょっと触れただけで、あまり語られてない。なんで現代魔術の設定で単体のゲームを作らなかったのか本当に謎。

ラストの対戦も雑。ボスはあっさり死ぬし、主人公はあっさり勝つ。明らかに作りきれてない空気……

まあ理解もできる。クソ社がこのゲームを完成させただけでも大したものだったんだろう。これをやり遂げて心残りがなくなったら、解散しようって思ってたのかもしれない。

そしたら本当に終わった……


Lass にはずっと潰れてほしいと言ってきたけど、いざ潰れるとやっぱり妙に寂しい。

寂しいのは僕だけじゃない。Lass の共同創業者で、『3Days』と『11eyes』の主力絵師も X で怅然としていた……

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しかも絵師はいろんな逸話も語ってる……

広原という苗字の由来: 选区_951.png

百野栞の絆創膏のアイデアはパンツを描くのが面倒だったから: 选区_953.png

もちろん他にも創業時の小話がたくさん: 选区_952.png

Lass の主力脚本家も残念がってて、しかも情緒不安定そうだった: 选区_954.png

あと僕があまり好きじゃない絵師・早川ハルイも象徴的に何か言ってた: 选区_955.png

もちろん一番理解できないのは Lass の社長・剣技マナが何も言ってないこと……何を言えばいいかわからなかったんだろうか?


自分が Lass を嫌いなのか好きなのか、よくわからない。ギャルゲーを始めた頃、確かに僕は Lass とゆずソフトに導かれて入門した。後者がくれたのが廃萌体験だとしたら、Lass は初めて僕にシナリオ体験をくれたほうだろう。

Lass は『迷える2人とセカイのすべて』以降、もう僕にはあまり魅力がなかった。いつもまた『11eyes』の軌道に戻ってきてほしいと思ってたけど、どうやらもうその機会はないらしい。

Lass はもう歴史になった。『11eyes』の穴はもう埋まらないかもしれない。倒産を聞いて寂しいと思うのは、たぶんそれ以上に、8年前に PSP を持ってゲームしてたあの若い頃を懐かしんでるんだろうな。

Lass は遠ざかった。残ったのは思い出だけじゃなくて、あの一連のいいゲーム音楽でもあるはずだ。

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