『こいのす☆イチャコライズ』レビュー
音楽を買ったら水増しコーラが一本おまけでついてきた
子供の頃、父は俺の宿題を厳しくチェックしていた。中でも一番厳しかったのが作文だ。
「チェック」って何かというと、俺が作文を書いたらまず父に見せて、ダメ出しをもらい、父が納得して、まあまあ直ったなという状態になってからじゃないと提出できなかった。
理不尽だろ? めちゃくちゃ家長的なやり方だろ? でも物事には両面あって、父自身が文章を書くのが割と上手かったおかげで、もらった意見の多くは役に立った。
一番印象に残っているのは记叙文についてで、父はよく俺の書いたものを「つまらない」とバッサリ言った。つまり読者が続きを読みたいと思わないってことだ。「話には起伏があるべきだし、場合によってはサスペンスも必要だ。そうじゃないと読んでもらえないぞ」と。
「でも俺が覚えてる出来事自体が退屈なんだよ」——確かおばあさんに席を譲る話を書いたんだったと思う。『記一件有意义的事』ってやつ。
「話を組み立てればいいじゃないか。たとえばおばあさんに席を譲るんだけど、最初は頑なに座ろうとしない。後になって、自分は年寄り扱いされるのが嫌だったと説明する、とか……」
「でもそれって完全に作り話じゃん……」
「お前が書いてる席譲りの話自体、作り話じゃないのか? お前、席なんて譲ったことあるのか?」
「………………」
返す言葉がなかった……でもその後、読書の過程で、誰かがやたら長々と物語を書いているのにめちゃくちゃつまらない、なんてものに出くわすと、父の言葉を思い出す。
「話には起伏とサスペンスが必要だ。それがないと人は読み続けない……」
今の俺がそれが上手くできているかは分からない。先日ふとDiscordを開いて父のDiscord空間を覗いたら、まだ書いてるし、しかも俺のブログよりよっぽどすごいものを書いていた……しかも母によると、父のWeChatモーメンツはもうインフルエンサー並みだそうだ。子供の頃の作文指導は確かに役に立ったんだなとしみじみ思う。もちろん今は俺の書くものを読んじゃいないけど、読んだらきっと半日はボロクソに言われるだろう。
だから時々エロゲーをやっていて、シナリオが白湯すぎて爆死レベルにつまらないと、父の言葉を思い出す。どうやって話を面白く書くか、これは本当に奥が深い学問で、人に聞いてもらえる話し方と同じだ。役に立つかと言われれば分からないけど、特別な場面で特別な需要を満たしてくれるし、その人が少しだけ面白い人間になる……
まあ生活スキルの一つってところだ。ただ多くのエロゲーのシナリオライターにはそのスキルが欠けている。たとえばこの『こいのす☆イチャコライズ』のように。
正直に言うと、『こいのす☆イチャコライズ』をやろうと思ったのはOPを見たからだ。多分多くの人もOPを見たことがあるだろう。めちゃくちゃいい曲だし、OPの作りも凝っている。実はこのゲームの設定はかなりアホで、成り行きで三人の女の子と同居することになり、その同居生活中に恋愛感情が芽生えるという話だ。

強いて言えば、中国の初期ネット小説に似ている。当時流行ったジャンルは何だったっけ? 『和空姐同居的日子』?
ゲームは三人の女の子と同居すると言っているが、三人同時に同居はできない。ゲーム開始直後にメニューが出て、三人のヒロインから一人を選び、独立した章を開始する。つまりこの三人のキャラは独立している。選択後はゲームが淡々と進む。様々な理由で女の子と自分の住まいで過ごすことになり、その過程で色々な会話が発生する……ある程度仲良くなれば告白でき、そしてパンパンパンパンパンパンパン。
この設定に別に目新しさはない。本当に目新しさはない。だからシナリオにも目新しさはない。よく言えば「甘い日常を強調」、悪く言えば「退屈」だ。

さっき父が言ったように、物語にはサスペンスとメインラインがないと読者は続きを読まない。『こいのす☆イチャコライズ』の場合、メインラインは女の子との同居そのものだが、ゲーム開始からそう時間が経たないうちにすでに同居している。最後にどうなるのか? 説明はない。どの程度まで同居が進めばエンディングなのか? 説明はない。代わりに毎日のシナリオでの雑談があるだけだ。感覚としては、見知らぬ女の子と突然同じ部屋に放り込まれて「適当に話してろ」と言われたようなもので、多分ろくに話も弾まない。だからこのゲームも同じで、すぐに退屈になる。

ゲーム開始直後は女の子との接触過程で一定の新鮮味があるが、日常が長引くにつれて……退屈し始める。しかしゲーム自体はそんなにすぐには本番を迎えさせないつもりらしく、日々の繰り返し生活が始まる……そう、本当に日々の繰り返し。毎日同じとは言わないが、目新しいこともあまりない。ここで特筆すべきは、三人のヒロインを攻略できること。どのヒロインも主人公と同居するが、ルートごとにシナリオが異なる。つまり、ルートごとに主人公とヒロインの振る舞いが全然違う。完全に三つの世界観で、設定だけ共有している感じだ。これは妙な感じがする。個人的にはこのゲームは一本だけルートをやればいいと思う。他のルートをやると主人公が分裂しているように感じる。

ともあれ、この設定にしては個人ルートが長すぎる。長すぎて度を超えている。元々の設定は単純な同居恋愛パコパコで、メインラインの駆動はない。設定だけで見れば「同人小品作」の域を出ないが、このゲームはどう見ても本格的な長編作品に見える。なのに本格的な設定もメインラインもない。俗っぽい恋愛話でも起伏くらいはあるもので、大体は回想シーンを絡めた感情の波乱で盛り上げる。

でもこのゲームには何もない。ただの同居、交流、恋愛、パコパコ。しかも同居とパコパコの間には超長い水増しシナリオがあり、結果は明らか:退屈。
もちろんパコパコ段階に到達しても、このゲームはどこか頼りない。俺はサチルートを進んだが、サチルートのパコパコ描写は狂気じみていた。たとえば主人公が最初に妹を妄想していると、その妹が実はすごく淫乱で、主人公より飢えていることが分かる。そこでゲームは大量のテキストを使ってサチがどう主人公のチンポを研究するかを書く。その詳細さたるや……初めてのフェラチオの時には口の中の感覚まで細かく描写され、読んでいると自分が主人公のチンポを舐めているような気分になる。俺はひどく気持ち悪くなった。その後、「ヒロインがチンポで遊ぶ」という繰り返しを何度か経て、ようやく本番を迎えるが、その本番もあまりにも気まずい……大量の繰り返しCG、毎回のパコパコも大して変わらず、延々と繰り返され、脚本家が文字数が足りたと思ったところでゲームは終わる……

ああ……で、このゲームはどうなのかというと、設定のスケールは小さく、ジャンル的にも同人小品作に見え、作風も平坦で、同人小作品のようだ。なのに「大作」に包装するために無理やり引き延ばしている。その代償として抜きゲーとしても抜けず、萌えも薄く、日常のギャグもなく、HCGも少ない。たとえていうなら、コーラを無理やり水増しして売っているようなものだ。甘くもなく、炭酸も抜けている。冷水を飲んだほうがマシだ……
実はこの種の「設定は単純」「シナリオ一本道」「ただ恋愛とパコパコを売る」ゲームでも、もう少し上手くやることは可能だ。せめて日常のギャグを面白く書くとか……でもこのゲームには本当にない。主人公の内心の妄想は山ほどあるのに、ヒロインの台詞はめちゃくちゃ少ない。CVがそこそこでも、このゲームの巨大な退屈と空虚を救うことは難しい。そういえばこのゲーム、サチのCVは秋野花だった。ただし彼女が小品作や抜きゲーで使う名義、蒼依ハルだ。

思うに、これも一つの暗示だろう。このゲームは本質的に小品の抜きゲーで、画風や設定、そしてOPが「大作品」に見せているだけなのだ。ただ、このゲームのOPは本当にいい曲で、俺はCDも買った。届いて聴いてみたらさらに驚愕した。ゲームはOPに中毒性があるだけでなく、各キャラのED曲の質も恐ろしく高い。調べてみると面白いことが分かった。このゲームの音楽制作は「株式会社プレスター」(Prestar)という会社が関わっていて、歌っているのはこの会社が売り出す新人たちだ。このゲームのOPにはダンスまでついている……ただ、歌い手の塩出美彩希は本当に……想像と違った。開くなら心の準備を。

思うに、このゲームに関しては音楽に高い点数をつけられる。OP曲『こいのす☆イチャコライズ』もED曲『Growing up』もとてもいい。もし俺と同じようにこのゲームのOPが可愛くてプレイしたいと思ったなら、時間を節約して歌だけ聴けば十分だ。
結局このゲームは俺にとって、音楽CDを買ったら水を注入したコーラが一本おまけでついてきた、そんな感じなのだ。
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