『タユタマ2 - After Stories』レビュー
彼女と彼女の母 2 - After Stories
『タユタマ2 -you’re the only one-』は去年出たゲームで、個人的にはかなり良いと思ってる。
どこが良いかって? 毒がないからだ。
そう、ハードルは低いのにこれがなかなかできてない。ざっと見渡しても、ゲームどころかアニメですら、余計なストレスをくれない作品はごくわずか。唐突に三角関係で胃薬を渡してきたり、すぐ妹を虐めて胸を痛ませてきたり、はたまたループだのタイムスリップだのの超展開で吹き出させてきたり。だからこそ、「人間」と「太転依」がどうやって仲良くやっていくかをひたすら描く、これ以上ないくらいの正能量ゲーム『タユタマ2』は業界の清風なのだ。

Steamで出てから売れ行きは微妙だし、値段は値上げ後の2Bお姉さんの4分の1に届く勢いだけど、現実なんてそんなもんだろ。地味な正能量コンテンツは刺激が足りなくて、ひねくれた死んだオタクの注目を集められない。お尻だけがすべての売上の源泉なのだ……
お尻を追いかけるのは構わないが、少なくとも正能量の白湯みたいなシナリオ自体にもそれなりの地位があって然るべきだろ……
とはいえ『タユタマ2』にもファンディスクが出た。今回のファンディスクは実にシンプルで、要するにAfter Stories、本編の後日談である。
どんな後日談かというと、本編のこはく√で「人間」と「太転依」はすでに共存を果たした。その続編で、その共存を永遠に記念しようと祭典をやることになり、その名も「人太祭」。

名前はすごくバカっぽいけど、日本人にはバカっぽくないのかもしれない。で、「人太祭」をやるなら準備が要る。ゲーム内の新キャラ? それとも見落としてただけの既存キャラなのか、黒髪の老太転依「鵺」が飛び出してきて、「人太祭」を祝うならもっと凄く祝おう、たとえばローカルアイドルでもやろう、と言い出す。

そこで人間代表、緋文の父さんが同意した(正直、このオヤジと鵺の会話は漫才にしか聞こえない)そして三人のヒロイン、ましろ以外の攻略可能な三人を引っ張り出し、“ローカルアイドルユニット"を組ませて「人太祭」で披露させようとする。
ユニット名は三人のヒロインの名前から音を取って、AKB48の命名フォーマットに合わせてYKT3。

バカすぎる……
そこから準備が始まる。まず一号ヒロインのこはくが悩んで、主人公に自分はこの"ローカルアイドル"やらなくていいのかと聞く。主人公がなぜと尋ねると、こはくはすごく大事なことを口にする。

「もうあなたと結婚してるし、人妻なんだよ。人妻がアイドルになれるの?」
そうだよな! デブのオタクが人妻アイドルを受け入れられるか? 無理だろ? 絶対無理だろ!!!
そして主人公はしばらく迷った末、村全体の祭典が無事に進むように、種族の調和と大同団結を示すために、耐えに耐えて許すことを選び、自分の嫁に恥ずかしい服を着せてアイドルとして外に舐められに出させる……

その後はYKT3の練習とステージ準備の時間になる。ところがステージ前日に問題が起きる。
三人のアイドルが自分の「パンツ」を盗まれたと言い出すのだ。
「パンツ」と言っても、実はスパッツだ。アイドルの衣装はスカートが短いから、どうしても見える。だからスパッツを履くのに、そのスパッツまで盗まれた。

俺に言わせれば、盗んでくれてマジでよかった! スパッツは絶対に死ぬべきだ、分かるやつには分かる。
そして主人公が調査を始める。唯一の男として散々疑われるが、最終的にスパッツを盗んだのはあの老妖怪鵺で、理由は自分が綺麗だと思うからと、いろんな変態的趣味のせいだった。

主人公は「チョコバナナ」を餌に、鵺にスパッツを差し出させる……
こうして衣装が揃い、「人太祭」も始まり、YKT3も「人太祭」に登場する。歌の時にちょっとしたトラブルはあったが、真実の愛は無敵なので成功する。

何しろこのゲームは正能量ゲームだ。すべてはうまくいく、everything will be okay。
「人太祭」が終わった後、主人公はアイドル衣装のこはくと何発もヤりまくって、ゲームは終わる。
このゲームの√はまあそんな感じで、すべては「人太祭」の無事開催がメインラインで、成功したらヤれて、全ヒロインをヤり終えると最後に鵺の√が解放される。
でも俺はあの喋り方がオヤジそのものの黒髪ロリには興味がないし、何より老変態だし……

『タユタマ2』のこのファンディスクも確かにファンディスクの体を成していて、後日談を語り、HCGをいくつかくれ、立ち絵もBGMも相変わらずだ。新規HCGは描き下ろしも勢いがあるけど数が少ない。新OPは前奏がチアソングっぽいのを除けば後半はなかなか良い。
この『タユタマ2』のAfter storiesの価格は知らないが、確かに自分の名前通りの表記で、確かに本編の「後の物語」で、それ以上でも以下でもない。高くなければ見てもいい話ではある。

ただ『タユタマ2』の脚本は本当に口数が多くて、一つのシーンで30分は喋り続ける。会話自体はバカじゃないけど、登場人物がとにかく丁寧すぎる……丁寧やり取りで30分が消える。まあ考えてみれば本編も同じスタイルだったから、最初から最後までスタイルが一貫しているという点は長所と言えるのかもしれない。
ところで、なんで俺が『タユタマ2』とこの後日談をやったかというと、たぶんCV夏和の声が良すぎるからだろう。

夏和は今季の新作アニメ『エロマンガ先生』で妹を演じていて、その妹キャラと共にブレイク中だ。表舞台で人気が出たせいで……もうギャルゲーに出なくなったりしないよな……
夏和が消えたら、90年代生まれのギャルゲーCV陣は戸田めぐみだけになってしまう。そうならないでほしい……この業界はもう仙台のおばさんに支配されてはならない!
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